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ファーマF Research Memo(5):通信販売事業が好調に推移し、売上高・利益ともに過去最高を大幅に更新
配信日時:2021/10/15 15:05
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2021年7月期の業績概要
ファーマフーズ<2929>の2021年7月期の連結業績は、売上高が前期比204.5%増の46,752百万円、営業利益が同666.6%増の5,673百万円、経常利益が同631.0%増の5,767百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同455.9%増の3,841百万円と、売上高・利益ともに過去最高を大幅に更新した。各事業への積極投資を継続した結果、「ニューモ(R)育毛剤」を中心に顧客獲得が進展したことで、特に通信販売事業が好調に推移し、全体の業績に大きく貢献した。
広告宣伝費は前期比237.0%増の24,860百万円(うち通信販売事業で同237.3%増の24,858百万円)と、機会を逃さず大規模な広告宣伝を実施したほか、研究開発費も同19.3%増の522百万円と積極投資を継続したものの、「ニューモ(R)育毛剤」を中心とした定期顧客の積み上げが売上増につながり、投資と利益回収の両立を実現した。また、売上総利益は同226.3%増、売上総利益率は同5.7ポイント上昇して85.0%となった。一方、販管費は同197.8%増となったものの、販管費は同1.7ポイント低下して72.8%となった。営業利益率は同7.3ポイント上昇して12.1%となった。
2. セグメント別動向
(1) 機能性素材事業
機能性素材事業の売上高は前期比10.7%増の2,852百万円、営業利益が同3.7%減の770百万円となった。主力の「ファーマギャバ(R)」や注力分野であるOEM事業がけん引した。一方、利益面では、研究開発費の積極投資を継続したほか、OEM事業への注力など販売構成の見直しに取り組んだ結果、微減となった。
「ファーマギャバ(R)」の売上高は前期比9.1%増の1,348百万円となった。機能性表示食品制度におけるGABA届出件数は2021年6月末時点で503件とトップの採用実績を維持しており、食品メーカーによるGABAの採用拡大がトップシェアである同社の「ファーマギャバ(R)」の受注拡大につながっている。「ファーマギャバ(R)」の地域別売上高については、国内は同1.6%減の738百万円と引き続き堅調に推移し、海外は北米サプリメント向けが拡大したことにより同25.8%増の610百万円となった。
OEM事業の売上高は前期比33.7%増の739百万円となった。国内を中心にヘルスケア企業向けダイエット食品やナショナルブランド向けパウチゼリー等が増加した。
そのほか、海外を中心に成長中の美白素材「Cerepron(R)」の売上高は前期比21.4%増の121百万円、特に中国での需要が増加したことで「HGP(R)」の売上高は同217.7%増の50百万円、「ボーンペップ(R)」の売上高は同8.5%減の248百万円となった。
(2) 通信販売事業
通信販売事業の売上高は前期比245.7%増の43,524百万円、営業利益は同872.3%増の5,575百万円となった。テレビ及びインターネットを中心に想定より高い顧客獲得効率となったため、年間の広告宣伝費を増額した結果、2021年7月末時点の定期顧客件数は773,844件(前期末は244,715件)となり、この基盤がもたらすリピート購入により、「利益回収の早期化」及び「利益水準の上昇」が続いている。なお、期の前半に獲得した定期顧客の解約の絶対数は増加したものの、新規流入とのバランスで定期顧客件数は70万件台後半を維持した。また、第1四半期~第3四半期が6,000百万円台であったことに対し、第4四半期の広告宣伝費は5,495百万円と抑制したものの、定期顧客数は同水準を維持できていることもポジティブに評価できる。
「ニューモ(R)育毛剤」の売上高は26,763百万円と急拡大した。テレビやWeb広告に加えて新聞広告など紙媒体でも顧客獲得に注力したほか、既存顧客のリピート購入も増加した。なお、「ニューモ(R)育毛剤」のCPO(TV)の相対値が第1四半期46.8%、第2四半期48.3%に対し、第3四半期62.6%、第4四半期68.1%と上昇したため、下期は広告宣伝費を抑制したものの、機会を逃さず上期に広告宣伝費を大量投下したことが功を奏し、売上高の拡大につながった。このように、売上高やCPOの動向を見ながら広告宣伝費を流動的にコントロールすることで、広告宣伝費負担リスクの低減を図っている。
サプリメントの販売では、「ニューモ(R)サプリメント」が育毛剤との同時購入によって顧客単価の向上に寄与した結果、売上高は3,806百万円となった。また、膝関節サプリメント「タマゴサミン(R)」の売上高は3,061百万円となり、利益に寄与している。
化粧品の販売では、「ヘアボーテ(R) エクラ ボタニカルエアカラーフォーム」の売上高が3,170百万円と急拡大した。CPOを重視した新規顧客獲得を行った結果、2021年7月末時点の定期顧客件数は98,210件(前期末は26,326件)となった。
(3) バイオメディカル事業
バイオメディカル事業の売上高は前期比101.4%増の375百万円、営業利益は81百万円(前期は45百万円の損失)となった。田辺三菱製薬との共同研究及びライセンス供与契約に基づく一時金収入を売上計上している。
トピックスとしては、2021年4月に、「ALAgene(R) technology」を用いて自己免疫疾患の標的分子である「PAD2(ペプチジルアルギニンデイミナーゼ2)」に対する抗体取得に世界で初めて成功した。2021年6月には、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(国際競争力のある次世代抗体医薬品製造技術開発)」に採択された。神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科の近藤昭彦教授を代表とするコンソーシアムに参画し、「ALAgene(R) technology」を活用して高機能な次世代抗体を創出・生産する「ロボティクス×デジタル」基盤を開発する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 2021年7月期の業績概要
ファーマフーズ<2929>の2021年7月期の連結業績は、売上高が前期比204.5%増の46,752百万円、営業利益が同666.6%増の5,673百万円、経常利益が同631.0%増の5,767百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同455.9%増の3,841百万円と、売上高・利益ともに過去最高を大幅に更新した。各事業への積極投資を継続した結果、「ニューモ(R)育毛剤」を中心に顧客獲得が進展したことで、特に通信販売事業が好調に推移し、全体の業績に大きく貢献した。
広告宣伝費は前期比237.0%増の24,860百万円(うち通信販売事業で同237.3%増の24,858百万円)と、機会を逃さず大規模な広告宣伝を実施したほか、研究開発費も同19.3%増の522百万円と積極投資を継続したものの、「ニューモ(R)育毛剤」を中心とした定期顧客の積み上げが売上増につながり、投資と利益回収の両立を実現した。また、売上総利益は同226.3%増、売上総利益率は同5.7ポイント上昇して85.0%となった。一方、販管費は同197.8%増となったものの、販管費は同1.7ポイント低下して72.8%となった。営業利益率は同7.3ポイント上昇して12.1%となった。
2. セグメント別動向
(1) 機能性素材事業
機能性素材事業の売上高は前期比10.7%増の2,852百万円、営業利益が同3.7%減の770百万円となった。主力の「ファーマギャバ(R)」や注力分野であるOEM事業がけん引した。一方、利益面では、研究開発費の積極投資を継続したほか、OEM事業への注力など販売構成の見直しに取り組んだ結果、微減となった。
「ファーマギャバ(R)」の売上高は前期比9.1%増の1,348百万円となった。機能性表示食品制度におけるGABA届出件数は2021年6月末時点で503件とトップの採用実績を維持しており、食品メーカーによるGABAの採用拡大がトップシェアである同社の「ファーマギャバ(R)」の受注拡大につながっている。「ファーマギャバ(R)」の地域別売上高については、国内は同1.6%減の738百万円と引き続き堅調に推移し、海外は北米サプリメント向けが拡大したことにより同25.8%増の610百万円となった。
OEM事業の売上高は前期比33.7%増の739百万円となった。国内を中心にヘルスケア企業向けダイエット食品やナショナルブランド向けパウチゼリー等が増加した。
そのほか、海外を中心に成長中の美白素材「Cerepron(R)」の売上高は前期比21.4%増の121百万円、特に中国での需要が増加したことで「HGP(R)」の売上高は同217.7%増の50百万円、「ボーンペップ(R)」の売上高は同8.5%減の248百万円となった。
(2) 通信販売事業
通信販売事業の売上高は前期比245.7%増の43,524百万円、営業利益は同872.3%増の5,575百万円となった。テレビ及びインターネットを中心に想定より高い顧客獲得効率となったため、年間の広告宣伝費を増額した結果、2021年7月末時点の定期顧客件数は773,844件(前期末は244,715件)となり、この基盤がもたらすリピート購入により、「利益回収の早期化」及び「利益水準の上昇」が続いている。なお、期の前半に獲得した定期顧客の解約の絶対数は増加したものの、新規流入とのバランスで定期顧客件数は70万件台後半を維持した。また、第1四半期~第3四半期が6,000百万円台であったことに対し、第4四半期の広告宣伝費は5,495百万円と抑制したものの、定期顧客数は同水準を維持できていることもポジティブに評価できる。
「ニューモ(R)育毛剤」の売上高は26,763百万円と急拡大した。テレビやWeb広告に加えて新聞広告など紙媒体でも顧客獲得に注力したほか、既存顧客のリピート購入も増加した。なお、「ニューモ(R)育毛剤」のCPO(TV)の相対値が第1四半期46.8%、第2四半期48.3%に対し、第3四半期62.6%、第4四半期68.1%と上昇したため、下期は広告宣伝費を抑制したものの、機会を逃さず上期に広告宣伝費を大量投下したことが功を奏し、売上高の拡大につながった。このように、売上高やCPOの動向を見ながら広告宣伝費を流動的にコントロールすることで、広告宣伝費負担リスクの低減を図っている。
サプリメントの販売では、「ニューモ(R)サプリメント」が育毛剤との同時購入によって顧客単価の向上に寄与した結果、売上高は3,806百万円となった。また、膝関節サプリメント「タマゴサミン(R)」の売上高は3,061百万円となり、利益に寄与している。
化粧品の販売では、「ヘアボーテ(R) エクラ ボタニカルエアカラーフォーム」の売上高が3,170百万円と急拡大した。CPOを重視した新規顧客獲得を行った結果、2021年7月末時点の定期顧客件数は98,210件(前期末は26,326件)となった。
(3) バイオメディカル事業
バイオメディカル事業の売上高は前期比101.4%増の375百万円、営業利益は81百万円(前期は45百万円の損失)となった。田辺三菱製薬との共同研究及びライセンス供与契約に基づく一時金収入を売上計上している。
トピックスとしては、2021年4月に、「ALAgene(R) technology」を用いて自己免疫疾患の標的分子である「PAD2(ペプチジルアルギニンデイミナーゼ2)」に対する抗体取得に世界で初めて成功した。2021年6月には、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(国際競争力のある次世代抗体医薬品製造技術開発)」に採択された。神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科の近藤昭彦教授を代表とするコンソーシアムに参画し、「ALAgene(R) technology」を活用して高機能な次世代抗体を創出・生産する「ロボティクス×デジタル」基盤を開発する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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