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ココナラ Research Memo(5):2021年8月期第3四半期累計業績は制作・ビジネス系をけん引役に大幅増収
配信日時:2021/10/08 16:05
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2021年8月期第3四半期累計業績の概要
ココナラ<4176>の2021年8月期第3四半期累計業績は、営業収益で前年同期比61.8%増の1,977百万円、営業利益で同38.2%増の175百万円、経常利益で同15.6%増の145百万円、四半期純利益で同0.1%減の116百万円となった。コロナ禍が続くなかで、マーケティング施策やマスメディア等を通じたユーザー層の取り込みに注力したほか、「ココナラ」の利便性向上に向けた機能拡充を図った結果、第3四半期末の会員数は前年同期比35.9%増の227万人となり、流通高も同58.5%増の6,932百万円と大きく伸長した。また、第3四半期だけで見ても、営業収益で前年同期比63.1%増、流通高で同56.9%増となっており、高成長が続いている。
「ココナラ」の機能拡充については、2020年9月にココナラ内に書かれたブログや自身の制作したコンテンツを「有料ブログ」として販売・購入できる機能をリリースしたほか、同年12月に新たな決済手段として「セブン-イレブン決済」を追加した。そのほかにも、出品サービスを検索しやすくするため、ジャンルの階層を従来の2層から3層に変更するとともに、カテゴリー数を212個から456個(2021年7月14日時点)に拡充し、スタイルや手法、ジャンル、業種など細やかな設定情報でサービスの絞り込みが簡便にできるようにした。
第3四半期累計のカテゴリー別流通高(契約ベース※)の内訳を見ると、制作・ビジネス系が前年同期比80.2%増の4,090百万円、相談・プライベート系が同36.9%増の2,918百万円となり、制作・ビジネス系が大きく伸長している。これはコロナ禍で在宅勤務の増加により副業を始める人が増えたことや、リモートワークや業務のオンライン化が進展したことで企業のデザイン・Webサイト制作などの需要が増加しており、非対面で迅速かつ低コストにサービスを購入できる「ココナラ」のメリットが認知され始めたことが大きい。四半期ベースの流通高推移は、制作・ビジネス系は2019年8月期第1四半期の306百万円から右肩上がりに成長しており、第3四半期は前年同期比73.6%増の1,517百万円と四半期ベースで過去最高を更新している。
※契約ベース流通高:年度中に締結されたサービス購入契約に基づく契約金額(ココナラブログを含まない)。納品完了時に会計上収益認識される金額とは異なる。
また、KPIとしている購入UU数、1人当たり購入額についてもそれぞれ順調に増加している。第3四半期の購入UU数は会員数・出品数の増加に伴って前年同期比33.7%増の127,070人となり、1人当たり購入額は同17.1%増の19,826円となった。1人当たり購入額の上昇については、単価の高い制作・ビジネス系カテゴリーの増加が主因となっている。
テイクレート(営業収益÷流通高)の推移は、2021年8月期第3四半期では28.9%と前年同期の27.7%、第2四半期の28.6%と比較して若干上昇している。これは前述のとおり2021年4月に手数料体系を変更したことが大きい。従来は販売額の5万円以下を手数料率25%とし、それ以上については金額の範囲に応じて手数料率を最低10%まで切り下げる体系としていた。しかし、今回の改定により一律25%に固定(出品者20%、購入者5%)したことでテイクレートが若干上昇している。なおテイクレートの上昇要因としては、流通高に含まれない「ココナラ法律相談」の営業収益が前年同期比2倍ペースで伸びていることも一因となっている。
第3四半期累計の営業費用は前年同期比64.5%増の1,802百万円となった。流通高拡大に伴う変動費の増加に加えて、今後の事業拡大に向けた成長投資の実施により、人件費等の固定費が増加したことによるものとなっている。内訳を見ると、人員体制の強化に伴い人件費・採用費が同53.7%増の753百万円(第3四半期末の人員は前年同期比43.8%増の128人)となったほか、広告宣伝費が同47.3%増の232百万円、業務委託費が同98.7%増の153百万円(株式上場に伴うコーポレート機能強化、「ココナラ法律相談」の拡大)、地代家賃が同320.8%増の101百万円(本社移転増床)となった。また、流通高の拡大に伴い変動費となる支払手数料が同63.5%増の278百万円、システム・通信料が同59.4%増の161百万円とそれぞれ増加した。この結果、営業利益率は前年同期の10.4%から8.9%に低下している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2021年8月期第3四半期累計業績の概要
ココナラ<4176>の2021年8月期第3四半期累計業績は、営業収益で前年同期比61.8%増の1,977百万円、営業利益で同38.2%増の175百万円、経常利益で同15.6%増の145百万円、四半期純利益で同0.1%減の116百万円となった。コロナ禍が続くなかで、マーケティング施策やマスメディア等を通じたユーザー層の取り込みに注力したほか、「ココナラ」の利便性向上に向けた機能拡充を図った結果、第3四半期末の会員数は前年同期比35.9%増の227万人となり、流通高も同58.5%増の6,932百万円と大きく伸長した。また、第3四半期だけで見ても、営業収益で前年同期比63.1%増、流通高で同56.9%増となっており、高成長が続いている。
「ココナラ」の機能拡充については、2020年9月にココナラ内に書かれたブログや自身の制作したコンテンツを「有料ブログ」として販売・購入できる機能をリリースしたほか、同年12月に新たな決済手段として「セブン-イレブン決済」を追加した。そのほかにも、出品サービスを検索しやすくするため、ジャンルの階層を従来の2層から3層に変更するとともに、カテゴリー数を212個から456個(2021年7月14日時点)に拡充し、スタイルや手法、ジャンル、業種など細やかな設定情報でサービスの絞り込みが簡便にできるようにした。
第3四半期累計のカテゴリー別流通高(契約ベース※)の内訳を見ると、制作・ビジネス系が前年同期比80.2%増の4,090百万円、相談・プライベート系が同36.9%増の2,918百万円となり、制作・ビジネス系が大きく伸長している。これはコロナ禍で在宅勤務の増加により副業を始める人が増えたことや、リモートワークや業務のオンライン化が進展したことで企業のデザイン・Webサイト制作などの需要が増加しており、非対面で迅速かつ低コストにサービスを購入できる「ココナラ」のメリットが認知され始めたことが大きい。四半期ベースの流通高推移は、制作・ビジネス系は2019年8月期第1四半期の306百万円から右肩上がりに成長しており、第3四半期は前年同期比73.6%増の1,517百万円と四半期ベースで過去最高を更新している。
※契約ベース流通高:年度中に締結されたサービス購入契約に基づく契約金額(ココナラブログを含まない)。納品完了時に会計上収益認識される金額とは異なる。
また、KPIとしている購入UU数、1人当たり購入額についてもそれぞれ順調に増加している。第3四半期の購入UU数は会員数・出品数の増加に伴って前年同期比33.7%増の127,070人となり、1人当たり購入額は同17.1%増の19,826円となった。1人当たり購入額の上昇については、単価の高い制作・ビジネス系カテゴリーの増加が主因となっている。
テイクレート(営業収益÷流通高)の推移は、2021年8月期第3四半期では28.9%と前年同期の27.7%、第2四半期の28.6%と比較して若干上昇している。これは前述のとおり2021年4月に手数料体系を変更したことが大きい。従来は販売額の5万円以下を手数料率25%とし、それ以上については金額の範囲に応じて手数料率を最低10%まで切り下げる体系としていた。しかし、今回の改定により一律25%に固定(出品者20%、購入者5%)したことでテイクレートが若干上昇している。なおテイクレートの上昇要因としては、流通高に含まれない「ココナラ法律相談」の営業収益が前年同期比2倍ペースで伸びていることも一因となっている。
第3四半期累計の営業費用は前年同期比64.5%増の1,802百万円となった。流通高拡大に伴う変動費の増加に加えて、今後の事業拡大に向けた成長投資の実施により、人件費等の固定費が増加したことによるものとなっている。内訳を見ると、人員体制の強化に伴い人件費・採用費が同53.7%増の753百万円(第3四半期末の人員は前年同期比43.8%増の128人)となったほか、広告宣伝費が同47.3%増の232百万円、業務委託費が同98.7%増の153百万円(株式上場に伴うコーポレート機能強化、「ココナラ法律相談」の拡大)、地代家賃が同320.8%増の101百万円(本社移転増床)となった。また、流通高の拡大に伴い変動費となる支払手数料が同63.5%増の278百万円、システム・通信料が同59.4%増の161百万円とそれぞれ増加した。この結果、営業利益率は前年同期の10.4%から8.9%に低下している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
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