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日清製粉グループ本社: 国内首位の製粉事業を基盤に、海外展開と中食・惣菜で成長加速
配信日時:2025/09/01 14:24
配信元:FISCO
*14:24JST 日清製粉グループ本社: 国内首位の製粉事業を基盤に、海外展開と中食・惣菜で成長加速
日清製粉グループ本社<2002>は、国内トップの製粉メーカーであり、日清製粉や日清製粉ウェルナなどを傘下に持つ持株会社。セグメントは「製粉」「食品」「中食・惣菜」「その他」の4つに区分される。売上高の約半分を占める製粉事業は、業務用・小麦粉を中心に展開し、国内シェアは約4割。食品事業は家庭用小麦粉、パスタや冷凍食品、プレミックスなどを手掛け、消費者向けブランド力を強めている。中食・惣菜事業はコンビニや量販店向けに調理済み食品を供給し、ライフスタイルの変化を捉えて成長中である。その他事業では、プラントや食品加工設備の設計・建設・メンテナンスを手掛けるエンジニアリング事業や、小麦粉をふるい分ける「ふるい網」から進化したメッシュクロス事業を展開している。製粉に依存しない多角的な収益モデルを構築している点が特徴だ。
2026年3月期第1四半期は、売上高2,154億円(前年同期比0.7%増)、営業利益113億円(同14.6%減)と減益スタートだったが、これは水島工場立ち上げに伴う先行投資やコスト負担が影響したもの。当初から上期は減益を織り込んでおり、7月以降の価格改定が寄与することで、下期にかけて改善を見込んでいる。国内の業務用小麦粉の出荷は、昨年度の値上げ前倒し需要の反動等がある中でも堅調で、インバウンド需要や拡販施策が奏功している。加工食品事業については、国内での積極的な拡販施策を実施したことにより、パスタを中心に出荷が堅調に推移した。その他事業において、エンジニアリング事業は大型工事が収益に貢献した。メッシュクロス事業は太陽光パネル向け金属メッシュを供給しており、上期は11で停滞が継続する見込みだが、下期には解消する見通し。
2026年3月期通期業績は、売上高8,700億円(前期比2.2%増)、営業利益500億円(同7.8%増) を見込んでいる。国内製粉需要は前期並みを想定。2025年7月からの小麦粉の価格改定を背景に、販促活動を強化しつつ販売数量と収益を確保する方針である。加工食品ではパスタ・パスタソースや時短ニーズ対応商品が好調。特に「マ・マー早ゆでスパゲティFineFast」は、調理時間を約3〜4分に短縮できる点が支持され、右肩上がりの成長を続けている。米価高騰による「米から小麦製品へのシフト」も追い風であり、今後も広告宣伝を伴い拡販を進める。酵母・バイオ事業では、インド市場での販売が伸長。元々、小麦製品の文化が根付いているインドにおいて、欧風化の進展や人口増を背景にパン酵母(イースト)の需要が増加し、同社のシェアは約25%に到達した。加えて、エタノール用イースト市場への参入も開始した。
同社は製粉事業で国内シェア4割を誇り、技術サポート力と高い信頼が強み。さらに高食物繊維小麦粉「アミュリア」のような付加価値製品を開発し、市場拡大を図っている。加工食品では環境配慮や時短ニーズに対応した製品を投入するほか、事業間のシナジーを追求している。
2025年5月には水島工場が稼働開始し、岡山工場と坂出工場を閉鎖しながら集約を進めている。最新の自動化技術を導入した「スマート工場」として、生産効率向上と省人化対策を両立させる。初期は減価償却負担が重く減益要因だが、2026年度以降は本格的に工場集約による生産効率化等の効果が発現していく。米国ではテキサス州サギノー工場増設、バージニア州ウィンチェスター工場の増強を進め、人口増に伴う需要取り込みを狙う。供給体制を整備し、初年度から利益貢献を計画している。
2026年3月期の年間配当は60円と前期比5円増を予定(配当利回りは3.35% )、これで実質的に13期連続の増配となる。中計最終年度までに配当性向50%を目安へ引き上げることを目標に掲げる。前期には自己株式取得を実施しており、今後も機動的に実施を検討していく。現中計期間の営業キャッシュフローは成長投資と還元に使い切る姿勢を明示している。
「中期経営計画2026」では、最終年度である2027年3月期に、売上高9,500億円、営業利益570億円、ROE8%を達成することを目標にしている。順調な進捗を背景に、前期に売上高を9,000億円から5.5%、営業利益を480億円から18.7%それぞれ上方修正した。海外事業と中食・惣菜事業を成長ドライバーとして位置付ける。米豪での製粉販売強化やサプライチェーン改革を進めるとともに、加工食品においては時短製品の「早ゆでスパゲティ」の海外展開を進め、欧州展示会などでプロモーションを強化していく。中食・惣菜ではDXや省人化投資を通じて収益性を高める方針だ。
同社は、過去10年間で売上高を1.6倍、営業利益を2.2倍に拡大させてきた。ROEも現中計期間に大幅に伸長し、足元で7%に到達、今後は8%を目指している。加えて、政策保有株式の縮減を進めており、縮減で得られたキャッシュを成長投資に充てることで、財務効率の向上と成長加速の実現を図る。
<HM>
2026年3月期第1四半期は、売上高2,154億円(前年同期比0.7%増)、営業利益113億円(同14.6%減)と減益スタートだったが、これは水島工場立ち上げに伴う先行投資やコスト負担が影響したもの。当初から上期は減益を織り込んでおり、7月以降の価格改定が寄与することで、下期にかけて改善を見込んでいる。国内の業務用小麦粉の出荷は、昨年度の値上げ前倒し需要の反動等がある中でも堅調で、インバウンド需要や拡販施策が奏功している。加工食品事業については、国内での積極的な拡販施策を実施したことにより、パスタを中心に出荷が堅調に推移した。その他事業において、エンジニアリング事業は大型工事が収益に貢献した。メッシュクロス事業は太陽光パネル向け金属メッシュを供給しており、上期は11で停滞が継続する見込みだが、下期には解消する見通し。
2026年3月期通期業績は、売上高8,700億円(前期比2.2%増)、営業利益500億円(同7.8%増) を見込んでいる。国内製粉需要は前期並みを想定。2025年7月からの小麦粉の価格改定を背景に、販促活動を強化しつつ販売数量と収益を確保する方針である。加工食品ではパスタ・パスタソースや時短ニーズ対応商品が好調。特に「マ・マー早ゆでスパゲティFineFast」は、調理時間を約3〜4分に短縮できる点が支持され、右肩上がりの成長を続けている。米価高騰による「米から小麦製品へのシフト」も追い風であり、今後も広告宣伝を伴い拡販を進める。酵母・バイオ事業では、インド市場での販売が伸長。元々、小麦製品の文化が根付いているインドにおいて、欧風化の進展や人口増を背景にパン酵母(イースト)の需要が増加し、同社のシェアは約25%に到達した。加えて、エタノール用イースト市場への参入も開始した。
同社は製粉事業で国内シェア4割を誇り、技術サポート力と高い信頼が強み。さらに高食物繊維小麦粉「アミュリア」のような付加価値製品を開発し、市場拡大を図っている。加工食品では環境配慮や時短ニーズに対応した製品を投入するほか、事業間のシナジーを追求している。
2025年5月には水島工場が稼働開始し、岡山工場と坂出工場を閉鎖しながら集約を進めている。最新の自動化技術を導入した「スマート工場」として、生産効率向上と省人化対策を両立させる。初期は減価償却負担が重く減益要因だが、2026年度以降は本格的に工場集約による生産効率化等の効果が発現していく。米国ではテキサス州サギノー工場増設、バージニア州ウィンチェスター工場の増強を進め、人口増に伴う需要取り込みを狙う。供給体制を整備し、初年度から利益貢献を計画している。
2026年3月期の年間配当は60円と前期比5円増を予定(配当利回りは3.35% )、これで実質的に13期連続の増配となる。中計最終年度までに配当性向50%を目安へ引き上げることを目標に掲げる。前期には自己株式取得を実施しており、今後も機動的に実施を検討していく。現中計期間の営業キャッシュフローは成長投資と還元に使い切る姿勢を明示している。
「中期経営計画2026」では、最終年度である2027年3月期に、売上高9,500億円、営業利益570億円、ROE8%を達成することを目標にしている。順調な進捗を背景に、前期に売上高を9,000億円から5.5%、営業利益を480億円から18.7%それぞれ上方修正した。海外事業と中食・惣菜事業を成長ドライバーとして位置付ける。米豪での製粉販売強化やサプライチェーン改革を進めるとともに、加工食品においては時短製品の「早ゆでスパゲティ」の海外展開を進め、欧州展示会などでプロモーションを強化していく。中食・惣菜ではDXや省人化投資を通じて収益性を高める方針だ。
同社は、過去10年間で売上高を1.6倍、営業利益を2.2倍に拡大させてきた。ROEも現中計期間に大幅に伸長し、足元で7%に到達、今後は8%を目指している。加えて、政策保有株式の縮減を進めており、縮減で得られたキャッシュを成長投資に充てることで、財務効率の向上と成長加速の実現を図る。
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