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インテリックス Research Memo(2):リノベーション事業とソリューション事業を展開する不動産会社(1)
配信日時:2025/09/01 13:02
配信元:FISCO
*13:02JST インテリックス Research Memo(2):リノベーション事業とソリューション事業を展開する不動産会社(1)
■インテリックス<8940>の事業概要と市場動向
1. 事業セグメントの内容
同社は中古マンションを戸別に仕入れ、リノベーション(再生)した後に再販するリノベーション事業分野とソリューション事業分野の2つの事業セグメントで開示を行っている。2021年5月期以降の売上総利益構成比の推移を見ると、リノベーション事業分野が全体の60%以上を占めていたが、2025年5月期はソリューション事業分野で好採算の一棟収益物件の売却があったため、ソリューション事業分野の構成比が従来の30%台から40%台に上昇した。
(1) リノベーション事業分野
リノベーション事業分野には、同社で展開するリノヴェックスマンションや戸建の再生販売・賃貸事業、子会社の(株)インテリックス空間設計による内装工事の企画・設計・施工事業、再生住宅パートナーが手掛ける買取再販共同事業のほか、FLIEによる不動産売買プラットフォーム及びDX事業、(株)TEI Japanによる建築物の温熱環境に関する情報提供サービス、(株)リコシスによる省エネリノベーションの開発及びフランチャイズ事業などが含まれる。
売上高の大半を占めるリノヴェックスマンション事業では、不動産仲介会社からの情報をもとに仕入れた物件に対して、インテリックス空間設計で最適なリノベーションプランを作成、内装工事を施したうえで不動産仲介会社等を通じて販売する(直近はFLIEが運営する不動産売買プラットフォーム「FLIE」を通じた販売も行っている)。同社は物件を仕入れてから販売までの事業期間を経営管理指標として重視し、150日を目安にこれよりも期間が長くなるようであれば販売価格を調整して早期に売り切ることを基本方針としている。販売在庫の滞留期間が長期化すれば、収益性が低下するリスクが上昇するためだ。売上総利益率では12%超を適正水準として事業運営を行っている。また、内装工事に関してはインテリックス空間設計より協力会社に外注している。
販売エリアは首都圏からスタートし、2013年以降は地方主要都市(札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡)に段階的に進出した。エリア別販売件数の構成比は2019年5月期以降、5割強を地方エリアで占めるまでになっている(売上ベースでは首都圏が5割強を占める)。
また、2025年5月期の中古マンション市場における、リノヴェックスマンションの拠点別販売件数シェアは、首都圏が1%強、地方エリアは各拠点でバラつきがあるものの1~7%となっており、全体では2%台となっている。これは市場全体が横ばいで推移したとしても、シェア拡大による成長余地が大きいことを意味している。なお、リノベーションマンションとして定義している「R住宅※」の累計販売件数において、同社は2025年5月末までに累計28,369件の販売実績があり、業界シェアは22.1%とトップシェアを占める。
※ 「適合リノベーション住宅(R住宅)」とも呼ばれ、(一社)リノベーション協議会が定める、優良なリノベーション品質基準(検査・工事・保証)を満たす住宅に付与される標章。2025年3月末の累計発行件数は81,346件。
リノベーション内装事業は、リノベーションマンションを販売する同業他社のほか一般個人からの工事も請負っている。戸別のマンション内装工事に関してはノウハウが必要なため、大手不動産販売会社を含めた同業他社からの引き合いが多く、最近ではREIT運用会社が自社保有物件のバリューアップを目的に、同社に発注するケースも増えている。
再生住宅パートナーで手掛ける不動産の買取再販共同事業とは、パートナー企業から持ち込まれた物件情報をもとに仕入れた戸別マンションや戸建て住宅を再販する事業であり、販売で得た収益はパートナーとシェアする。社内規程により不動産物件の資産を持てない不動産仲介会社や同社から独立した元社員等がパートナーとなっている。
FLIEが2023年10月より提供を開始した不動産事業者向けDX支援サービス「FLIE ONE」では、主要サービスとして、物件確認から内見予約(24時間受付可能)、資料請求、価格変更までをWeb上で一元管理できる「フリエde物確」、物理鍵が不要で鍵の受け渡しに関連するリスクが低減するセルフ内見システム「Smaview(スマビュー)」、物件清掃や写真・動画撮影などの販促支援サービスがある。既に大手の不動産仲介会社で導入が進んでおり、2026年5月期にも単年度黒字化が見込める状況となっている。なお、「Smaview」に関しては2024年9月からベンチャー企業との共同開発により、スマート入退室管理サービスとして物件内見だけでなく、マンスリーマンションや民泊、施工現場、オフィスビル等での導入も可能なシステムとしてアップデートしている。
また、不動産売買プラットフォーム「FLIE」は売主直販サイトとなるため仲介手数料(取引物件価格の約3%)が無料で、購入者は従来よりも低コストで住宅を取得できる点がメリットとなる。同サイトの掲載物件数は自社及び他社物件合わせて2025年7月時点で約3,100件と、半年前と比べて約1.5倍に増加しており、中古リノベーション不動産売買専門サイトとして業界最大級となる。「FLIE」での販売実績は月間数十件ペースで徐々に増加している。自社物件の掲載に関しては首都圏からスタートし、2025年度からは大阪支店を新設して京阪神エリアの物件の取扱いも開始した。成約した際の売主からの成約手数料が主な収入源となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 事業セグメントの内容
同社は中古マンションを戸別に仕入れ、リノベーション(再生)した後に再販するリノベーション事業分野とソリューション事業分野の2つの事業セグメントで開示を行っている。2021年5月期以降の売上総利益構成比の推移を見ると、リノベーション事業分野が全体の60%以上を占めていたが、2025年5月期はソリューション事業分野で好採算の一棟収益物件の売却があったため、ソリューション事業分野の構成比が従来の30%台から40%台に上昇した。
(1) リノベーション事業分野
リノベーション事業分野には、同社で展開するリノヴェックスマンションや戸建の再生販売・賃貸事業、子会社の(株)インテリックス空間設計による内装工事の企画・設計・施工事業、再生住宅パートナーが手掛ける買取再販共同事業のほか、FLIEによる不動産売買プラットフォーム及びDX事業、(株)TEI Japanによる建築物の温熱環境に関する情報提供サービス、(株)リコシスによる省エネリノベーションの開発及びフランチャイズ事業などが含まれる。
売上高の大半を占めるリノヴェックスマンション事業では、不動産仲介会社からの情報をもとに仕入れた物件に対して、インテリックス空間設計で最適なリノベーションプランを作成、内装工事を施したうえで不動産仲介会社等を通じて販売する(直近はFLIEが運営する不動産売買プラットフォーム「FLIE」を通じた販売も行っている)。同社は物件を仕入れてから販売までの事業期間を経営管理指標として重視し、150日を目安にこれよりも期間が長くなるようであれば販売価格を調整して早期に売り切ることを基本方針としている。販売在庫の滞留期間が長期化すれば、収益性が低下するリスクが上昇するためだ。売上総利益率では12%超を適正水準として事業運営を行っている。また、内装工事に関してはインテリックス空間設計より協力会社に外注している。
販売エリアは首都圏からスタートし、2013年以降は地方主要都市(札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡)に段階的に進出した。エリア別販売件数の構成比は2019年5月期以降、5割強を地方エリアで占めるまでになっている(売上ベースでは首都圏が5割強を占める)。
また、2025年5月期の中古マンション市場における、リノヴェックスマンションの拠点別販売件数シェアは、首都圏が1%強、地方エリアは各拠点でバラつきがあるものの1~7%となっており、全体では2%台となっている。これは市場全体が横ばいで推移したとしても、シェア拡大による成長余地が大きいことを意味している。なお、リノベーションマンションとして定義している「R住宅※」の累計販売件数において、同社は2025年5月末までに累計28,369件の販売実績があり、業界シェアは22.1%とトップシェアを占める。
※ 「適合リノベーション住宅(R住宅)」とも呼ばれ、(一社)リノベーション協議会が定める、優良なリノベーション品質基準(検査・工事・保証)を満たす住宅に付与される標章。2025年3月末の累計発行件数は81,346件。
リノベーション内装事業は、リノベーションマンションを販売する同業他社のほか一般個人からの工事も請負っている。戸別のマンション内装工事に関してはノウハウが必要なため、大手不動産販売会社を含めた同業他社からの引き合いが多く、最近ではREIT運用会社が自社保有物件のバリューアップを目的に、同社に発注するケースも増えている。
再生住宅パートナーで手掛ける不動産の買取再販共同事業とは、パートナー企業から持ち込まれた物件情報をもとに仕入れた戸別マンションや戸建て住宅を再販する事業であり、販売で得た収益はパートナーとシェアする。社内規程により不動産物件の資産を持てない不動産仲介会社や同社から独立した元社員等がパートナーとなっている。
FLIEが2023年10月より提供を開始した不動産事業者向けDX支援サービス「FLIE ONE」では、主要サービスとして、物件確認から内見予約(24時間受付可能)、資料請求、価格変更までをWeb上で一元管理できる「フリエde物確」、物理鍵が不要で鍵の受け渡しに関連するリスクが低減するセルフ内見システム「Smaview(スマビュー)」、物件清掃や写真・動画撮影などの販促支援サービスがある。既に大手の不動産仲介会社で導入が進んでおり、2026年5月期にも単年度黒字化が見込める状況となっている。なお、「Smaview」に関しては2024年9月からベンチャー企業との共同開発により、スマート入退室管理サービスとして物件内見だけでなく、マンスリーマンションや民泊、施工現場、オフィスビル等での導入も可能なシステムとしてアップデートしている。
また、不動産売買プラットフォーム「FLIE」は売主直販サイトとなるため仲介手数料(取引物件価格の約3%)が無料で、購入者は従来よりも低コストで住宅を取得できる点がメリットとなる。同サイトの掲載物件数は自社及び他社物件合わせて2025年7月時点で約3,100件と、半年前と比べて約1.5倍に増加しており、中古リノベーション不動産売買専門サイトとして業界最大級となる。「FLIE」での販売実績は月間数十件ペースで徐々に増加している。自社物件の掲載に関しては首都圏からスタートし、2025年度からは大阪支店を新設して京阪神エリアの物件の取扱いも開始した。成約した際の売主からの成約手数料が主な収入源となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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