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ソマール:高機能樹脂生産などメーカー機能を持った化学専門商社、PBR0.5倍台で推移
配信日時:2025/08/28 14:30
配信元:FISCO
*14:30JST ソマール:高機能樹脂生産などメーカー機能を持った化学専門商社、PBR0.5倍台で推移
ソマール<8152>は、「高機能材料(フィルム・樹脂製品・電子材料)」「環境材料(製紙用化学品・ファインケミカルズ)」「食品材料(乾燥野菜・スパイス・増粘安定剤)」といった多種多様な製商品を扱う化学専門商社であり、メーカー機能も併せ持った独自のポジションを確立している。同社の製商品は、暮らしのさまざまな場面で使われており、電気自動車やエアコンの各種部品に使用される絶縁材料。カメラのシャッターに使う遮光フィルム材や新聞や雑誌に使われる紙を作る工程で使われる殺菌剤。スープのとろみをつける増粘多糖類も同社の製商品となる。主力の高機能材料事業では、自動車、エレクトロニクス、建材分野などに向けて樹脂コンパウンドや光学フィルムなどの高付加価値製品を提供。環境材料事業では、製紙業界向けに、生産性・品質向上に資する各種薬剤を提供。また、環境保全・改善の側面から、水質浄化や廃液処理にも展開。食品材料事業では、天然由来の材料をベースとした、乾燥野菜や機能性食品素材の取り扱いを通じて、生活インフラや健康需要に応えている。各事業において、顧客ニーズを起点とした製品設計、製造、品質管理、物流まで一貫して手がける体制を強みとしている。
競合他社と比較して、同社の特徴は、商社でありながら自社ブランド製品を多数展開している点にある。とくに高機能材料事業では、従来の商流品に加えて自社開発製品の比率を高めることで、他社との差別化と利益率の向上を図っている。国内外の大手化学メーカーやエレクトロニクスメーカーとの長年の取引を通じて培った信頼関係に加え、自社以外にも、設計開発や品質管理体制を整備した製造委託先とのネットワークを活用し、短納期・高品質な製品供給を実現。大手メーカーでは行えない多品種少量生産に対応していることから、替えの利かない企業として優位性をもつ。また、単なる製品販売にとどまらず、顧客の開発段階から深く入り込む提案型営業を展開しており、これが継続的な取引と競争優位の源泉となっている。グローバル展開においても、アジアを中心とした現地法人ネットワークを活用し、日系企業の海外進出を支援するビジネスモデルを構築している。
8月8日に発表した2026年3月期第1四半期の決算では、売上高が7,507百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益が645百万円(同7.1%減)で着地した。売上高は堅調な受注環境を背景に前年同四半期を上回ったが、各段階の利益は原材料価格及びエネルギーコスト上昇の影響等を受けた。主力の高機能材料事業では、車載用と向けの高機能樹脂製部品や機能性樹脂が引き続き堅調に推移。自動車部品業界向け製商品の販売は、EV関連向け部品の受注が好調であったことに加え、新たに採用された車載部品向け製品等も徐々に売上に寄与したようだ。一方、環境材料事業では、製紙業界各社の生産調整や主要販売先の設備メンテナンスによる工場稼働率低下等の影響を受け取扱数量が減少。厳しい事業環境の中で減収減益となった。
今期の売上高は31,900百万円(前期比5.1%増)、営業利益2,580百万円(同0.4%増)と、増収微増益の見込みとなる。海外市場の不確実性や為替変動、原材料価格の高止まりを考慮した計画であり、引き続き利益率重視の経営が継続される見通しである。同社グループが有する独自の技術や情報を生かしつつ、製商品の差別化及び高付加価値化に鋭意取り組むとともに、今後の更なる成長が期待されている関係業界や新たな市場に対する同社グループの存在価値を高め、事業の強化を図っていくようだ。
同社が属する業界は、素材・化学製品を扱う専門商社として、価格競争や為替影響を受けやすい環境にある。一方で、脱炭素、EV化、情報通信分野の進展により、素材の高機能化・多様化が進んでおり、同社が展開する樹脂コンパウンドや光学材料へのニーズは今後も堅調に推移すると見られる。特に電子部品用途では、半導体パッケージや通信モジュール向けの微細加工対応素材など、ニッチ分野での高付加価値製品への期待が高まっている。環境材料についても、主要取引先である製紙業界にとどまらず、水質浄化や廃液処理のニーズは高まっていることから、環境改善に資する薬剤の拡大が見込まれている。
今後の見通しとしては、「商社からメーカー商社へ」という中期的な方向性を掲げ、自社製品の売上構成比をさらに高める戦略をとっている。また、ASEAN地域を中心とした海外市場の開拓も加速しており、特にベトナムでは既存日系顧客の深耕に加え、現地企業との取引拡大も視野に入れている。さらに、EVを含めた車載部品用途の絶縁樹脂で北米に工場を立ち上げ中で、こちらも順調に進捗しており、今後の海外市場での成長にも期待がかかる。同社の製商品は暮らしていく中で欠かせない、必ず必要な部分を担っている。事業ごとの戦略としては、高機能材料事業での研究開発支援機能の強化、環境材料事業における新規素材の投入、食品材料事業での新製品・OEM展開など、多角的な成長施策が計画されている。こうした取り組みにより、外部環境の不透明感を抑えつつ、安定的かつ持続的な収益拡大が期待されよう。
株主還元に関しては、継続的な安定配当を目指しつつ、1株当たり配当金が継続的に増加するように努めており、投資単位引き下げの考え方も開示されていた。ネットキャッシュは47億円程度と時価総額110億円台に対して豊富な資金を有しており、今後の株主還元やM&Aへの投資も注目したいところ。PBR 0.5倍台で推移する中、まずは1倍割れ改善に向けて中長期的な業績成長を見守りたい。
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競合他社と比較して、同社の特徴は、商社でありながら自社ブランド製品を多数展開している点にある。とくに高機能材料事業では、従来の商流品に加えて自社開発製品の比率を高めることで、他社との差別化と利益率の向上を図っている。国内外の大手化学メーカーやエレクトロニクスメーカーとの長年の取引を通じて培った信頼関係に加え、自社以外にも、設計開発や品質管理体制を整備した製造委託先とのネットワークを活用し、短納期・高品質な製品供給を実現。大手メーカーでは行えない多品種少量生産に対応していることから、替えの利かない企業として優位性をもつ。また、単なる製品販売にとどまらず、顧客の開発段階から深く入り込む提案型営業を展開しており、これが継続的な取引と競争優位の源泉となっている。グローバル展開においても、アジアを中心とした現地法人ネットワークを活用し、日系企業の海外進出を支援するビジネスモデルを構築している。
8月8日に発表した2026年3月期第1四半期の決算では、売上高が7,507百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益が645百万円(同7.1%減)で着地した。売上高は堅調な受注環境を背景に前年同四半期を上回ったが、各段階の利益は原材料価格及びエネルギーコスト上昇の影響等を受けた。主力の高機能材料事業では、車載用と向けの高機能樹脂製部品や機能性樹脂が引き続き堅調に推移。自動車部品業界向け製商品の販売は、EV関連向け部品の受注が好調であったことに加え、新たに採用された車載部品向け製品等も徐々に売上に寄与したようだ。一方、環境材料事業では、製紙業界各社の生産調整や主要販売先の設備メンテナンスによる工場稼働率低下等の影響を受け取扱数量が減少。厳しい事業環境の中で減収減益となった。
今期の売上高は31,900百万円(前期比5.1%増)、営業利益2,580百万円(同0.4%増)と、増収微増益の見込みとなる。海外市場の不確実性や為替変動、原材料価格の高止まりを考慮した計画であり、引き続き利益率重視の経営が継続される見通しである。同社グループが有する独自の技術や情報を生かしつつ、製商品の差別化及び高付加価値化に鋭意取り組むとともに、今後の更なる成長が期待されている関係業界や新たな市場に対する同社グループの存在価値を高め、事業の強化を図っていくようだ。
同社が属する業界は、素材・化学製品を扱う専門商社として、価格競争や為替影響を受けやすい環境にある。一方で、脱炭素、EV化、情報通信分野の進展により、素材の高機能化・多様化が進んでおり、同社が展開する樹脂コンパウンドや光学材料へのニーズは今後も堅調に推移すると見られる。特に電子部品用途では、半導体パッケージや通信モジュール向けの微細加工対応素材など、ニッチ分野での高付加価値製品への期待が高まっている。環境材料についても、主要取引先である製紙業界にとどまらず、水質浄化や廃液処理のニーズは高まっていることから、環境改善に資する薬剤の拡大が見込まれている。
今後の見通しとしては、「商社からメーカー商社へ」という中期的な方向性を掲げ、自社製品の売上構成比をさらに高める戦略をとっている。また、ASEAN地域を中心とした海外市場の開拓も加速しており、特にベトナムでは既存日系顧客の深耕に加え、現地企業との取引拡大も視野に入れている。さらに、EVを含めた車載部品用途の絶縁樹脂で北米に工場を立ち上げ中で、こちらも順調に進捗しており、今後の海外市場での成長にも期待がかかる。同社の製商品は暮らしていく中で欠かせない、必ず必要な部分を担っている。事業ごとの戦略としては、高機能材料事業での研究開発支援機能の強化、環境材料事業における新規素材の投入、食品材料事業での新製品・OEM展開など、多角的な成長施策が計画されている。こうした取り組みにより、外部環境の不透明感を抑えつつ、安定的かつ持続的な収益拡大が期待されよう。
株主還元に関しては、継続的な安定配当を目指しつつ、1株当たり配当金が継続的に増加するように努めており、投資単位引き下げの考え方も開示されていた。ネットキャッシュは47億円程度と時価総額110億円台に対して豊富な資金を有しており、今後の株主還元やM&Aへの投資も注目したいところ。PBR 0.5倍台で推移する中、まずは1倍割れ改善に向けて中長期的な業績成長を見守りたい。
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