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ネクスグループ Research Memo(1):2025年11月期中間期は大幅増収。M&Aによる収益力強化が加速
配信日時:2025/08/28 12:01
配信元:FISCO
*12:01JST ネクスグループ Research Memo(1):2025年11月期中間期は大幅増収。M&Aによる収益力強化が加速
■要約
ネクスグループ<6634>は、ファブレス型の通信機器メーカーである(株)ネクス、暗号資産交換所を運営する(株)Zaif、ソフトウェア開発を行う(株)ネクスソフト、Web3コンサルティングを手掛けるチューリンガム(株)、電子書籍事業を手掛ける(株)実業之日本デジタル、外食産業・コスメティックショップ向けの、消耗品・備品・パッケージ・厨房備品の供給等を手掛ける総合商社である(株)ケーエスピー、コミッション※プラットフォーム「Skeb」を運営する(株)スケブを擁するホールディングカンパニーである。2024年11月期より「メタバース・デジタルコンテンツ事業」「IoT関連事業」「ソリューション事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」「その他」の5セグメントで事業を展開している。
※ クリエイター(創作者)にクライアント(依頼者)が作品制作を有償で依頼することを指す。
1. 2025年11月期中間期の業績概要
2025年11月期第2四半期(以下、中間期)の連結業績は、売上高が1,296百万円(前年同期比166.8%増)、営業損失が65百万円(前年同期は196百万円の損失)、経常損失が54百万円(同195百万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純損失が1,234百万円(同203百万円の損失)となった。M&Aによるのれん償却を加味したEBITDAは56百万円(前年同期は137百万円のマイナス)と黒字に転じた。
メタバース・デジタルコンテンツ事業では、電子書籍配信を手掛ける実業之日本デジタルがクロスメディア展開により販売を拡大し、イラストリクエストサービス「Skeb」などを運営するスケブも、イベント開催を通じて認知度を高めた。IoT関連事業においては、エッジAI端末「AIX-01NX」などを開発するネクスが、主要製品を複数分野へ展開しており、ソリューション事業ではケーエスピーが既存顧客の業績回復を背景に安定収益を維持している。また、ネクスソフトは高い稼働率を継続しながら、データ連携ツール「ASTERIA Warp※1」を活用した案件が増加した。暗号資産・ブロックチェーン事業では、イーサリアム(ETH)やジム(XYM)によるステーキング※2導入、並びにチューリンガムの研究開発体制強化が進展した。これらの結果、2025年11月期中間期は前年同期比で大幅増収となり、営業損失と経常損失は改善した。なお、新たに取得したZaif、ネクスソフト、チューリンガムの3社については、2025年11月期中間期の業績には反映されておらず、これらの業績が取り込まれるのは第3四半期以降となる。
※1 ノーコードでのシステム間データ連携を可能にするミドルウェアの呼称。
※2 保有している暗号資産を特定のネットワークに一定期間預けることで、そのネットワークの運営に参加し、報酬(リワード)を受け取ることができる仕組み。
2. 2025年11月期の業績見通し
2025年11月期の連結業績は、売上高が3,349百万円(前期比57.2%増)、営業利益が29百万円(前期は246百万円の損失)、経常利益が50百万円(同230百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が16百万円(同289百万円の損失)を見込んでいる。参考指標として、M&Aによるのれん償却額を加味したEBITDAは270百万円としている。積極的なM&Aにより事業構造改革後の売上減少は解消されており、のれん償却額を上回る利益を生み出すことで各段階利益の黒字化を掲げている。メタバース・デジタルコンテンツ事業では、電子書籍市場の成長を背景に、新たな販売ルートの開拓や主力コンテンツのWebtoon化、さらにアニメ化・映像化作品の大型キャンペーンを実施することでデジタルコンテンツ市場の需要を積極的に取り込む戦略を進める。同社は複数の成長市場をターゲットとした積極的な施策を展開しており、事業全体として将来的な収益拡大が見込まれる。特に、デジタルコンテンツ領域における成長ポテンシャルは高く、同社の戦略が実を結べば、さらなる業績向上が期待できると弊社では見ている。
3. 中期経営計画
同社は、2022年11月期に事業構造改革を完了し、営業利益の黒字化を達成したことから、中期経営計画(2023年11月期~2025年11月期)を策定した。この中期経営計画の下、IoT関連事業主体の現在の事業モデルから成長分野への事業転換を図る。具体的には、「ブロックチェーン」「トークン」「メタバース」を掛けあわせたWeb3領域へ事業展開する。GameFi※1分野でNCXC(ネスクコイン)を活用することで、NCXC経済圏の拡大を目指すほか、メタバース市場及びデジタルコンテンツ市場へ参入し、事業の拡大を目指す。さらに、ネクスの持つIoTの戦略資産にメタバースなどの新たな強みを加え、デジタルツイン※2市場での展開を目指す。これらを推進することで、最終年度となる2025年11月期に売上高25億円以上、営業利益率15%以上、時価総額130億円以上を目指す。
※1 Game(ゲーム)とFinance(金融)を融合させた造語。ゲームをプレイすることでプレイヤーがトークンなどの経済的インセンティブを獲得できるPlay to Earnのブロックチェーンゲームを指す。
※2 デジタルツインとは、現実空間のヒト・モノ・コトの様々なデジタルコピーをサイバー空間上に表現する先進技術で、精度の高いシミュレーションが可能となる。
■Key Points
・2025年11月期中間期は大幅増収。M&Aによる収益力強化に注力しEBITDAは黒字化
・2025年11月期は増収増益見込み。M&Aを通じて成長性の高い事業領域に注力し、各段階利益の黒字化を見込む
・事業構造改革を踏まえた中期経営計画を策定。新技術と既存事業のシナジー創出により成長分野へ大きく事業展開することで飛躍的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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ネクスグループ<6634>は、ファブレス型の通信機器メーカーである(株)ネクス、暗号資産交換所を運営する(株)Zaif、ソフトウェア開発を行う(株)ネクスソフト、Web3コンサルティングを手掛けるチューリンガム(株)、電子書籍事業を手掛ける(株)実業之日本デジタル、外食産業・コスメティックショップ向けの、消耗品・備品・パッケージ・厨房備品の供給等を手掛ける総合商社である(株)ケーエスピー、コミッション※プラットフォーム「Skeb」を運営する(株)スケブを擁するホールディングカンパニーである。2024年11月期より「メタバース・デジタルコンテンツ事業」「IoT関連事業」「ソリューション事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」「その他」の5セグメントで事業を展開している。
※ クリエイター(創作者)にクライアント(依頼者)が作品制作を有償で依頼することを指す。
1. 2025年11月期中間期の業績概要
2025年11月期第2四半期(以下、中間期)の連結業績は、売上高が1,296百万円(前年同期比166.8%増)、営業損失が65百万円(前年同期は196百万円の損失)、経常損失が54百万円(同195百万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純損失が1,234百万円(同203百万円の損失)となった。M&Aによるのれん償却を加味したEBITDAは56百万円(前年同期は137百万円のマイナス)と黒字に転じた。
メタバース・デジタルコンテンツ事業では、電子書籍配信を手掛ける実業之日本デジタルがクロスメディア展開により販売を拡大し、イラストリクエストサービス「Skeb」などを運営するスケブも、イベント開催を通じて認知度を高めた。IoT関連事業においては、エッジAI端末「AIX-01NX」などを開発するネクスが、主要製品を複数分野へ展開しており、ソリューション事業ではケーエスピーが既存顧客の業績回復を背景に安定収益を維持している。また、ネクスソフトは高い稼働率を継続しながら、データ連携ツール「ASTERIA Warp※1」を活用した案件が増加した。暗号資産・ブロックチェーン事業では、イーサリアム(ETH)やジム(XYM)によるステーキング※2導入、並びにチューリンガムの研究開発体制強化が進展した。これらの結果、2025年11月期中間期は前年同期比で大幅増収となり、営業損失と経常損失は改善した。なお、新たに取得したZaif、ネクスソフト、チューリンガムの3社については、2025年11月期中間期の業績には反映されておらず、これらの業績が取り込まれるのは第3四半期以降となる。
※1 ノーコードでのシステム間データ連携を可能にするミドルウェアの呼称。
※2 保有している暗号資産を特定のネットワークに一定期間預けることで、そのネットワークの運営に参加し、報酬(リワード)を受け取ることができる仕組み。
2. 2025年11月期の業績見通し
2025年11月期の連結業績は、売上高が3,349百万円(前期比57.2%増)、営業利益が29百万円(前期は246百万円の損失)、経常利益が50百万円(同230百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が16百万円(同289百万円の損失)を見込んでいる。参考指標として、M&Aによるのれん償却額を加味したEBITDAは270百万円としている。積極的なM&Aにより事業構造改革後の売上減少は解消されており、のれん償却額を上回る利益を生み出すことで各段階利益の黒字化を掲げている。メタバース・デジタルコンテンツ事業では、電子書籍市場の成長を背景に、新たな販売ルートの開拓や主力コンテンツのWebtoon化、さらにアニメ化・映像化作品の大型キャンペーンを実施することでデジタルコンテンツ市場の需要を積極的に取り込む戦略を進める。同社は複数の成長市場をターゲットとした積極的な施策を展開しており、事業全体として将来的な収益拡大が見込まれる。特に、デジタルコンテンツ領域における成長ポテンシャルは高く、同社の戦略が実を結べば、さらなる業績向上が期待できると弊社では見ている。
3. 中期経営計画
同社は、2022年11月期に事業構造改革を完了し、営業利益の黒字化を達成したことから、中期経営計画(2023年11月期~2025年11月期)を策定した。この中期経営計画の下、IoT関連事業主体の現在の事業モデルから成長分野への事業転換を図る。具体的には、「ブロックチェーン」「トークン」「メタバース」を掛けあわせたWeb3領域へ事業展開する。GameFi※1分野でNCXC(ネスクコイン)を活用することで、NCXC経済圏の拡大を目指すほか、メタバース市場及びデジタルコンテンツ市場へ参入し、事業の拡大を目指す。さらに、ネクスの持つIoTの戦略資産にメタバースなどの新たな強みを加え、デジタルツイン※2市場での展開を目指す。これらを推進することで、最終年度となる2025年11月期に売上高25億円以上、営業利益率15%以上、時価総額130億円以上を目指す。
※1 Game(ゲーム)とFinance(金融)を融合させた造語。ゲームをプレイすることでプレイヤーがトークンなどの経済的インセンティブを獲得できるPlay to Earnのブロックチェーンゲームを指す。
※2 デジタルツインとは、現実空間のヒト・モノ・コトの様々なデジタルコピーをサイバー空間上に表現する先進技術で、精度の高いシミュレーションが可能となる。
■Key Points
・2025年11月期中間期は大幅増収。M&Aによる収益力強化に注力しEBITDAは黒字化
・2025年11月期は増収増益見込み。M&Aを通じて成長性の高い事業領域に注力し、各段階利益の黒字化を見込む
・事業構造改革を踏まえた中期経営計画を策定。新技術と既存事業のシナジー創出により成長分野へ大きく事業展開することで飛躍的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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