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P-京橋アートレジ Research Memo(3):主力は新築マンションの開発事業
配信日時:2025/08/28 11:03
配信元:FISCO
*11:03JST P-京橋アートレジ Research Memo(3):主力は新築マンションの開発事業
■京橋アートレジデンス<5536>の事業概要
1. 事業セグメント
同社は不動産開発創造事業とESG関連事業の2事業を展開している。不動産開発創造事業では、成長著しい新築マンション開発を軸に、マンションなどのリノベーション再販、新築戸建・宅地開発、新築テラスハウス開発、事業用地販売、コンサルティングなど様々な事業を手掛けている。ESG関連事業では、賃貸マンションや住宅や店舗といった生活関連施設、太陽光発電施設の保有運営などを行っている。2025年11月期中間期の売上高構成比は不動産開発創造事業が98%、ESG関連事業が2%であった。時期によって異なるが、不動産開発創造事業の大半が新築マンション開発事業となっている。なお、同社グループは、同社及び連結子会社1社((株)L-CUBE)により構成されている。連結子会社のL-CUBEは集合住宅や戸建住宅の企画デザイン監修及び工事監理などを行っており、同社の不動産開発創造事業をサポートする役割を担う。
新築マンション開発を主軸に様々な事業を展開
2. 不動産開発創造事業
(1) 新築マンション開発事業
新築マンション開発事業では、資産運用や相続税対策を目的とする企業オーナーや富裕層など国内の資産家、安定経営を目指す一般事業法人、さらに日本の低金利と円安を享受したい海外投資家などに向けて、資産形成のための一棟収益マンション「CASA(カーサ)」シリーズを提供している。東京23区内において住環境や生活利便性の面で賃貸需要の高い立地を厳選し、100m2前後の比較的狭い敷地に4~5階建てで8~14戸の小ぶりなマンションという、ニッチで価格を抑えた物件の開発を行っている。融資や分散保有など顧客のニーズに合致しているため、主要顧客層にとって安定した利回りで購入しやすい商品となっており、需要は非常に高い。
特に価格面で、一般的に鉄骨造のマンション(耐用年数34年)で3億円以下、鉄筋コンクリート造で5億円超という収益マンションが多いなか、「CASA」シリーズは鉄筋コンクリート造(耐用年数47年)にもかかわらず価格が3億円~5億円と優位性が高い。商品面でも、鉄筋コンクリート造のため耐火性や遮音性、耐震性、耐久性に優れているのはもちろんだが、デザイン性や居住性、機能性、防犯性にもこだわっており、TVモニター付きオートロックシステムや宅配ボックス、浴室TV、エアコンなどを標準装備、物件によっては各住戸専用のトランクルームを設置したり防音設備を施したりと優位性のある仕様となっている。ユーザーにとってもオーナーにとっても安心・快適で付加価値や資産性の高いマンションで、2019年3月の第1号物件「Casa Bianca(東京都江東区)」販売以来、人気である。
新築マンション開発事業の特徴は、供給エリアや一貫した開発体制にある。供給エリアは、東京23区のなかでも「新宿、高田馬場」「池袋、練馬」「渋谷、世田谷」「品川、大田」「上野、日暮里、浅草」「江東、城東」の6エリアに絞って効率的な開発を行っている。各エリアのなかでも、学生や社会人の賃貸ニーズの高い駅から徒歩10分圏内で、大型商業施設や人気の商店街の近隣など、生活利便性を重視した開発を基本としている。また、土地の権利調整から厳選した土地の仕入れ、同社建築企画部などの企画・設計・工事監理による魅力的な企画や質の高いプロジェクト進行、協力会社のネットワークを活用した設計、施工、販売、賃貸管理など、バリューチェーン全体に関与する一貫開発体制をとっている。こうした立地や開発体制は、施工効率と販売効率の高さにつながっている。
こうした特徴により、収益性の高い鉄筋コンクリート造のマンションを低価格で供給できる。また、開発~販売のリードタイムが1年半~2年と建築費高騰の影響が限定的であることから、新築マンションの開発事業としては事業収支率が業界平均に対して非常に高くなっている。加えて、仕入れも販売も小ぶりの物件が中心のためさほど競合が多くないことから安定した事業環境を確保できている。近年、急速に実績が上がり信用が高まってきたため認知度も向上し、不動産仲介業者だけでなく、銀行や証券会社、税理士事務所、会計事務所などの紹介による仕入れ・販売が増えてきた。
(2) リノベーション再販事業
新築物件の価格が高騰するなか、立地に優れ、価値優位性のある中古不動産を、現代のニーズに合わせて高付加価値化した物件に生まれ変わらせるリノベーションが注目されている。同社も以前からリノベーション再販事業を行ってきたが、スタンダードなマンションの区分リノベーション再販は参入障壁が低く競争の激しい分野であった。そこで同社は、自社の企画力や富裕層ネットワークを生かせる、高額ヴィンテージマンションの区分リノベーション再販や一棟賃貸マンションのリノベーション再販に注力している。開発から販売までのリードタイムが半年~1年以内という回転の早い事業で、同社の他の事業とのシナジーも発揮しやすいというメリットがある。直近で販売したフルリノベーションの高輪のヴィンテージマンションと、共用部分などを高付加価値化した南大塚の一棟賃貸マンションは、大変好評だったようだ。現状は、成長著しい新築マンション事業に経営資源を集中しているため開発・販売体制の強化が課題であるものの、一棟賃貸マンションのリノベーション再販については第2の柱としてシリーズ化を検討しているところである。
(3) その他
同社は新築マンション開発事業、リノベーション再販事業のほかにも、不動産の開発によって新たな価値を創造する事業を展開している。新築戸建・宅地開発事業では、子育て環境に適した立地や都心部の生活利便性に優れた立地など付加価値の高い都市型戸建住宅「ブライト」シリーズを供給する単独事業と、同社が企画開発の主体となって施工会社や販売会社と協力する共同事業を行っている。低層の資産運用型新築テラスハウス開発事業では、東京23区を中心に住環境が良く生活利便性の高い立地で、ワンルームタイプからメゾネットタイプまで多様なプランを提供してきたが、資産運用型の新築集合住宅の事業に関しては、新築マンション開発事業に重心を置いているところである。事業用地販売事業では、瑕疵免責や境界未取得、権利調整など諸事情のある土地を購入し、これまで培ってきた経験や取引先の協力によって物件価値を高め、マンション、ホテル、オフィスなどの事業用地としてディベロッパー各社に販売している。また、自社仕入れや企画開発力のほか様々なノウハウを生かし、周辺地権者との権利調整やオーナーの意向に沿った等価交換、税務面のフォローなど土地活用のコンサルティング事業も行っており、千葉県柏市や川崎市の大規模プロジェクトでプロジェクトマネジメントを担った実績もある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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1. 事業セグメント
同社は不動産開発創造事業とESG関連事業の2事業を展開している。不動産開発創造事業では、成長著しい新築マンション開発を軸に、マンションなどのリノベーション再販、新築戸建・宅地開発、新築テラスハウス開発、事業用地販売、コンサルティングなど様々な事業を手掛けている。ESG関連事業では、賃貸マンションや住宅や店舗といった生活関連施設、太陽光発電施設の保有運営などを行っている。2025年11月期中間期の売上高構成比は不動産開発創造事業が98%、ESG関連事業が2%であった。時期によって異なるが、不動産開発創造事業の大半が新築マンション開発事業となっている。なお、同社グループは、同社及び連結子会社1社((株)L-CUBE)により構成されている。連結子会社のL-CUBEは集合住宅や戸建住宅の企画デザイン監修及び工事監理などを行っており、同社の不動産開発創造事業をサポートする役割を担う。
新築マンション開発を主軸に様々な事業を展開
2. 不動産開発創造事業
(1) 新築マンション開発事業
新築マンション開発事業では、資産運用や相続税対策を目的とする企業オーナーや富裕層など国内の資産家、安定経営を目指す一般事業法人、さらに日本の低金利と円安を享受したい海外投資家などに向けて、資産形成のための一棟収益マンション「CASA(カーサ)」シリーズを提供している。東京23区内において住環境や生活利便性の面で賃貸需要の高い立地を厳選し、100m2前後の比較的狭い敷地に4~5階建てで8~14戸の小ぶりなマンションという、ニッチで価格を抑えた物件の開発を行っている。融資や分散保有など顧客のニーズに合致しているため、主要顧客層にとって安定した利回りで購入しやすい商品となっており、需要は非常に高い。
特に価格面で、一般的に鉄骨造のマンション(耐用年数34年)で3億円以下、鉄筋コンクリート造で5億円超という収益マンションが多いなか、「CASA」シリーズは鉄筋コンクリート造(耐用年数47年)にもかかわらず価格が3億円~5億円と優位性が高い。商品面でも、鉄筋コンクリート造のため耐火性や遮音性、耐震性、耐久性に優れているのはもちろんだが、デザイン性や居住性、機能性、防犯性にもこだわっており、TVモニター付きオートロックシステムや宅配ボックス、浴室TV、エアコンなどを標準装備、物件によっては各住戸専用のトランクルームを設置したり防音設備を施したりと優位性のある仕様となっている。ユーザーにとってもオーナーにとっても安心・快適で付加価値や資産性の高いマンションで、2019年3月の第1号物件「Casa Bianca(東京都江東区)」販売以来、人気である。
新築マンション開発事業の特徴は、供給エリアや一貫した開発体制にある。供給エリアは、東京23区のなかでも「新宿、高田馬場」「池袋、練馬」「渋谷、世田谷」「品川、大田」「上野、日暮里、浅草」「江東、城東」の6エリアに絞って効率的な開発を行っている。各エリアのなかでも、学生や社会人の賃貸ニーズの高い駅から徒歩10分圏内で、大型商業施設や人気の商店街の近隣など、生活利便性を重視した開発を基本としている。また、土地の権利調整から厳選した土地の仕入れ、同社建築企画部などの企画・設計・工事監理による魅力的な企画や質の高いプロジェクト進行、協力会社のネットワークを活用した設計、施工、販売、賃貸管理など、バリューチェーン全体に関与する一貫開発体制をとっている。こうした立地や開発体制は、施工効率と販売効率の高さにつながっている。
こうした特徴により、収益性の高い鉄筋コンクリート造のマンションを低価格で供給できる。また、開発~販売のリードタイムが1年半~2年と建築費高騰の影響が限定的であることから、新築マンションの開発事業としては事業収支率が業界平均に対して非常に高くなっている。加えて、仕入れも販売も小ぶりの物件が中心のためさほど競合が多くないことから安定した事業環境を確保できている。近年、急速に実績が上がり信用が高まってきたため認知度も向上し、不動産仲介業者だけでなく、銀行や証券会社、税理士事務所、会計事務所などの紹介による仕入れ・販売が増えてきた。
(2) リノベーション再販事業
新築物件の価格が高騰するなか、立地に優れ、価値優位性のある中古不動産を、現代のニーズに合わせて高付加価値化した物件に生まれ変わらせるリノベーションが注目されている。同社も以前からリノベーション再販事業を行ってきたが、スタンダードなマンションの区分リノベーション再販は参入障壁が低く競争の激しい分野であった。そこで同社は、自社の企画力や富裕層ネットワークを生かせる、高額ヴィンテージマンションの区分リノベーション再販や一棟賃貸マンションのリノベーション再販に注力している。開発から販売までのリードタイムが半年~1年以内という回転の早い事業で、同社の他の事業とのシナジーも発揮しやすいというメリットがある。直近で販売したフルリノベーションの高輪のヴィンテージマンションと、共用部分などを高付加価値化した南大塚の一棟賃貸マンションは、大変好評だったようだ。現状は、成長著しい新築マンション事業に経営資源を集中しているため開発・販売体制の強化が課題であるものの、一棟賃貸マンションのリノベーション再販については第2の柱としてシリーズ化を検討しているところである。
(3) その他
同社は新築マンション開発事業、リノベーション再販事業のほかにも、不動産の開発によって新たな価値を創造する事業を展開している。新築戸建・宅地開発事業では、子育て環境に適した立地や都心部の生活利便性に優れた立地など付加価値の高い都市型戸建住宅「ブライト」シリーズを供給する単独事業と、同社が企画開発の主体となって施工会社や販売会社と協力する共同事業を行っている。低層の資産運用型新築テラスハウス開発事業では、東京23区を中心に住環境が良く生活利便性の高い立地で、ワンルームタイプからメゾネットタイプまで多様なプランを提供してきたが、資産運用型の新築集合住宅の事業に関しては、新築マンション開発事業に重心を置いているところである。事業用地販売事業では、瑕疵免責や境界未取得、権利調整など諸事情のある土地を購入し、これまで培ってきた経験や取引先の協力によって物件価値を高め、マンション、ホテル、オフィスなどの事業用地としてディベロッパー各社に販売している。また、自社仕入れや企画開発力のほか様々なノウハウを生かし、周辺地権者との権利調整やオーナーの意向に沿った等価交換、税務面のフォローなど土地活用のコンサルティング事業も行っており、千葉県柏市や川崎市の大規模プロジェクトでプロジェクトマネジメントを担った実績もある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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