注目トピックス 日本株
システムズD Research Memo(6):2026年3月期は売上高100億円を突破し、増収増益の見込み(1)
配信日時:2025/08/13 14:06
配信元:FISCO
*14:06JST システムズD Research Memo(6):2026年3月期は売上高100億円を突破し、増収増益の見込み(1)
■システムズ・デザイン<3766>の今後の見通し
1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高10,058百万円(前期比4.7%増)、営業利益572百万円(同25.9%増)、経常利益588百万円(同23.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益375百万円(同26.3%増)と増収増益を見込む。システム開発事業においては、既存顧客からの受注継続とそのグループ企業からの新規案件獲得及び他社との共創による新サービス創出や、自動車、医療、流通、社会・公共インフラなど同社がロイヤルカスタマーを抱える業種別に蓄積してきたノウハウを生かしながら、顧客や事業領域を広げていく。また、「楽々シリーズ」等のローコード開発ツールやSalesforce・SAP・クラウドなどの開発プラットフォームを活用したソリューションも拡充する。さらに、2025年3月期に受注した大規模開発案件などの品質管理を担う経験豊富なエンジニアの確保が重要な課題となる中、同社ではオフショアでの受託開発先のコアパートナー化や、受託開発先の教育コストの支援などにより人材確保を進め、課題解決を目指している。アウトソーシング事業においては、事業の拡大に対応できるリーダー人材の確保体制を整備しつつ、オンサイトビジネスの比率を高め、ビジネスモデルの変革を進める。他社との共創による新サービス創出にも積極的に投資しており、2025年3月期に業務提携したクラシテとのAIを活用した次世代の分譲マンション向けコールセンターサービスの共同開発に着手した。また、新規ビジネス創出チームを設置しIoTベンチャー企業との連携によるAIを活用したDX関連サービス開発や、社内発の新規事業企画を通じて、新たな事業領域への挑戦を進めている。損益面では、給与アップ、教育研修の充実などの人的資本投資やSBT認定取得※などSDGs推進に向けた投資を継続的に進めるが、本社移転費用がなくなることもあり増益を見込む。
※ 世界の気温上昇を抑制するために企業が算出・設定したCO2排出量削減目標であるSBT(Science Based Targets)を認定するSBTi(世界自然保護基金(WWF)、CDP(旧 カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)による共同イニシアティブ)に対してコミットメントレターを提出し、認定を取得することを表明し、申請手続を現在進めている。
2. 第8次中期経営計画の進捗状況 ~資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応~
同社グループは、2024年3月期より第8次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)をスタートしており、計画の策定に先立ち、企業理念、企業ビジョン、行動理念を見直している。中期経営計画は、地球規模で広がりを見せるサステナビリティ(SDGs)を強く意識して策定しており、「ONEsdc -ステークホルダーとともに、新たなステージへ-」を中期スローガンとし、「安定的収益を拡大する」「社会の持続的な成長に貢献する」を中期ビジョンとして掲げている。また、第7次中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)から継続するもの、新たに加えるものを整理して、「成長事業を拡大する」「新たな収益基盤を確立する」「コンプライアンスを徹底する」「社員の働きがいを高める」「SDGsを推進する」とした5つの中期基本方針を定め、数値目標として売上高経常利益率5.0%以上、ROE8.0%以上を掲げた。
一方、東証がプライム市場・スタンダード市場の上場企業に対して求めるPBR1倍以上を達成するため、同社は2024年5月「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を取締役会で決議し、中期経営計画の施策に反映させた。同社グループのPBRは過去5年間でおおむね0.6~0.7倍強で推移しており、1株当たり純資産の増加に対して株価の上昇が弱いことが要因となっている。
具体的には、PBRを構成する「ROE×PER」を改善するべく4つの戦略を展開する。ROEを改善するために、中期経営計画の基本方針に掲げる成長戦略(成長事業を拡大する、新たな収益基盤を確立する)の各種施策を推進するとともに、財務戦略として資本政策を見直した。PERを改善するために、中期経営計画の基本方針に掲げる非財務戦略(社員の働きがいを高める、SDGsを推進する)の各種施策を推進するとともに、IR戦略としてIR活動を一層強化する。
(1) 財務戦略と目標(KPI)
前事業年度より財務戦略として資本政策を見直した。今後は減配を実施せず増配または維持する「累進配当方針」を掲げ、新たに財務指標としてDOEを採用している。2026年3月期の財務目標(KPI)には、中期経営計画で掲げている売上高経常利益率5.0%以上、ROE8.0%以上、DOE3.5%以上としている。DOEは、2023年3月期実績2.0%の75%増となるよう設定した。2025年3月期は、将来の成長に向けた人的資本投資、サステナビリティ関連投資の拡充などの影響で売上高経常利益率は5.0%(前期6.0%)、ROEは6.6%(同7.9%)と一時的に落ち込んだが、2026年3月期には目標値を上回る見通しだ。
(2) 成長戦略
中期経営計画の基本方針である「成長事業を拡大する」と「新たな収益基盤を確立する」を着実に実行する。具体的施策としては、システム開発事業においては、業種別戦略の強化、ローコード開発ツール・Salesforce・SAP・クラウドを活用したソリューションビジネスの拡充、自社ノウハウ・他社ノウハウを活用した新しいサービスの企画を進める。アウトソーシング事業においては、オンサイトビジネス強化、低収益ビジネスの見直し、新たなビジネスモデルへの変革を進める。
第7次中期経営計画においては、ロイヤルカスタマーへの集中、低収益案件の極小化、高収益案件へのシフトなど選択と集中を進めた結果、利益率の改善や、強みとするビジネス領域、重要顧客の明確化を実現した。同社においては、新規・既存を問わず顧客側から「楽々Framework3」など特定の開発ツールを使用して自社システムを開発したいという要望も多く、多くの開発ツールやアプリケーションを提供することで顧客基盤、事業領域を拡大・成長できると考えている。また、グループ会社ののれん償却も進んできたことから、第8次中期経営計画期間においてはM&A及びマイノリティ投資の活用による共創戦略を推進する。統合プロセスに時間・コストと労力を要するM&Aよりも効率良く共創できるマイノリティ投資を優先して進めていく。2024年3月にはマルティスープにマイノリティ投資を行った。マルティスープの持つ位置情報を起点とした現場情報の集約・分析ツール「iField」の販売代理店契約締結も、その方針に沿ったものである。そのほか、収益基盤確立に向けて、共創戦略に基づく新たなサービスの創出にも注力している。業務提携先のクラシテとAIを活用した次世代の分譲マンション向けコールセンターサービスの共同開発に着手した。さらに、新たに設置した新規ビジネス創出チームは、IoTベンチャーとの連携によるDX関連サービスの開発も進めている。東京大学と進めていたヘルスケア分野での共同研究で蓄積した知見・ノウハウを活かし、今後は同社の顧客である医療関係団体などとのビジネス創出も想定している。また、各事業部においても独自に現在のビジネスの知見を生かした新サービスの検討が自発的に進みつつあり、人的資本投資の効果が徐々に形になってきたと言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)
<HN>
1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高10,058百万円(前期比4.7%増)、営業利益572百万円(同25.9%増)、経常利益588百万円(同23.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益375百万円(同26.3%増)と増収増益を見込む。システム開発事業においては、既存顧客からの受注継続とそのグループ企業からの新規案件獲得及び他社との共創による新サービス創出や、自動車、医療、流通、社会・公共インフラなど同社がロイヤルカスタマーを抱える業種別に蓄積してきたノウハウを生かしながら、顧客や事業領域を広げていく。また、「楽々シリーズ」等のローコード開発ツールやSalesforce・SAP・クラウドなどの開発プラットフォームを活用したソリューションも拡充する。さらに、2025年3月期に受注した大規模開発案件などの品質管理を担う経験豊富なエンジニアの確保が重要な課題となる中、同社ではオフショアでの受託開発先のコアパートナー化や、受託開発先の教育コストの支援などにより人材確保を進め、課題解決を目指している。アウトソーシング事業においては、事業の拡大に対応できるリーダー人材の確保体制を整備しつつ、オンサイトビジネスの比率を高め、ビジネスモデルの変革を進める。他社との共創による新サービス創出にも積極的に投資しており、2025年3月期に業務提携したクラシテとのAIを活用した次世代の分譲マンション向けコールセンターサービスの共同開発に着手した。また、新規ビジネス創出チームを設置しIoTベンチャー企業との連携によるAIを活用したDX関連サービス開発や、社内発の新規事業企画を通じて、新たな事業領域への挑戦を進めている。損益面では、給与アップ、教育研修の充実などの人的資本投資やSBT認定取得※などSDGs推進に向けた投資を継続的に進めるが、本社移転費用がなくなることもあり増益を見込む。
※ 世界の気温上昇を抑制するために企業が算出・設定したCO2排出量削減目標であるSBT(Science Based Targets)を認定するSBTi(世界自然保護基金(WWF)、CDP(旧 カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)による共同イニシアティブ)に対してコミットメントレターを提出し、認定を取得することを表明し、申請手続を現在進めている。
2. 第8次中期経営計画の進捗状況 ~資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応~
同社グループは、2024年3月期より第8次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)をスタートしており、計画の策定に先立ち、企業理念、企業ビジョン、行動理念を見直している。中期経営計画は、地球規模で広がりを見せるサステナビリティ(SDGs)を強く意識して策定しており、「ONEsdc -ステークホルダーとともに、新たなステージへ-」を中期スローガンとし、「安定的収益を拡大する」「社会の持続的な成長に貢献する」を中期ビジョンとして掲げている。また、第7次中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)から継続するもの、新たに加えるものを整理して、「成長事業を拡大する」「新たな収益基盤を確立する」「コンプライアンスを徹底する」「社員の働きがいを高める」「SDGsを推進する」とした5つの中期基本方針を定め、数値目標として売上高経常利益率5.0%以上、ROE8.0%以上を掲げた。
一方、東証がプライム市場・スタンダード市場の上場企業に対して求めるPBR1倍以上を達成するため、同社は2024年5月「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を取締役会で決議し、中期経営計画の施策に反映させた。同社グループのPBRは過去5年間でおおむね0.6~0.7倍強で推移しており、1株当たり純資産の増加に対して株価の上昇が弱いことが要因となっている。
具体的には、PBRを構成する「ROE×PER」を改善するべく4つの戦略を展開する。ROEを改善するために、中期経営計画の基本方針に掲げる成長戦略(成長事業を拡大する、新たな収益基盤を確立する)の各種施策を推進するとともに、財務戦略として資本政策を見直した。PERを改善するために、中期経営計画の基本方針に掲げる非財務戦略(社員の働きがいを高める、SDGsを推進する)の各種施策を推進するとともに、IR戦略としてIR活動を一層強化する。
(1) 財務戦略と目標(KPI)
前事業年度より財務戦略として資本政策を見直した。今後は減配を実施せず増配または維持する「累進配当方針」を掲げ、新たに財務指標としてDOEを採用している。2026年3月期の財務目標(KPI)には、中期経営計画で掲げている売上高経常利益率5.0%以上、ROE8.0%以上、DOE3.5%以上としている。DOEは、2023年3月期実績2.0%の75%増となるよう設定した。2025年3月期は、将来の成長に向けた人的資本投資、サステナビリティ関連投資の拡充などの影響で売上高経常利益率は5.0%(前期6.0%)、ROEは6.6%(同7.9%)と一時的に落ち込んだが、2026年3月期には目標値を上回る見通しだ。
(2) 成長戦略
中期経営計画の基本方針である「成長事業を拡大する」と「新たな収益基盤を確立する」を着実に実行する。具体的施策としては、システム開発事業においては、業種別戦略の強化、ローコード開発ツール・Salesforce・SAP・クラウドを活用したソリューションビジネスの拡充、自社ノウハウ・他社ノウハウを活用した新しいサービスの企画を進める。アウトソーシング事業においては、オンサイトビジネス強化、低収益ビジネスの見直し、新たなビジネスモデルへの変革を進める。
第7次中期経営計画においては、ロイヤルカスタマーへの集中、低収益案件の極小化、高収益案件へのシフトなど選択と集中を進めた結果、利益率の改善や、強みとするビジネス領域、重要顧客の明確化を実現した。同社においては、新規・既存を問わず顧客側から「楽々Framework3」など特定の開発ツールを使用して自社システムを開発したいという要望も多く、多くの開発ツールやアプリケーションを提供することで顧客基盤、事業領域を拡大・成長できると考えている。また、グループ会社ののれん償却も進んできたことから、第8次中期経営計画期間においてはM&A及びマイノリティ投資の活用による共創戦略を推進する。統合プロセスに時間・コストと労力を要するM&Aよりも効率良く共創できるマイノリティ投資を優先して進めていく。2024年3月にはマルティスープにマイノリティ投資を行った。マルティスープの持つ位置情報を起点とした現場情報の集約・分析ツール「iField」の販売代理店契約締結も、その方針に沿ったものである。そのほか、収益基盤確立に向けて、共創戦略に基づく新たなサービスの創出にも注力している。業務提携先のクラシテとAIを活用した次世代の分譲マンション向けコールセンターサービスの共同開発に着手した。さらに、新たに設置した新規ビジネス創出チームは、IoTベンチャーとの連携によるDX関連サービスの開発も進めている。東京大学と進めていたヘルスケア分野での共同研究で蓄積した知見・ノウハウを活かし、今後は同社の顧客である医療関係団体などとのビジネス創出も想定している。また、各事業部においても独自に現在のビジネスの知見を生かした新サービスの検討が自発的に進みつつあり、人的資本投資の効果が徐々に形になってきたと言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)
<HN>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況