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フジ住宅:近畿圏密着型のバランス経営、リノベサ高住で成長加速へ
配信日時:2025/07/31 13:13
配信元:FISCO
*13:13JST フジ住宅:近畿圏密着型のバランス経営、リノベサ高住で成長加速へ
フジ住宅<8860>は、大阪府を中心とする近畿圏に密着した不動産総合企業で、分譲住宅・中古住宅流通・土地有効活用・賃貸管理の主要4事業をバランスよく展開している。2025年3月期には、売上高1,239億円(前期比2.9%増)、営業利益78億円(同8.7%増)と売上、利益ともに過去最高を更新。中でも分譲住宅は自由設計住宅の受注が好調。1戸当たりの売上総利益率の改善に加え、利益率の高い素地販売の引渡しが寄与し大幅な増益となった。
2026年3月期の売上高は1,260億円(前期比1.7%増)、営業利益72億円(同8.8%減)とやや保守的な業績見通しとなっている。売上面では、4月に引渡済みの大型分譲マンションの販売が寄与し増加する見込み。利益面では、将来に備えた人的資本投資の増加が影響するほか、金利上昇による支払利息の増加も織り込んでいる。また、配当予想は、5円増配となった前期と同額の1株当たり年32円を予定している(配当利回りは4.64%)。2024年3月期に累進的配当政策を導入し、増配または配当維持を継続している。
資材価格の上昇が続く中でも、長年の取引先との関係を活かして仕入れ価格の上昇を抑え、販売価格への転嫁も進めた。同社が展開する自由設計型の戸建住宅の平均販売価格は2025年3月期単純平均で約4,200万円、一方、他社の建売住宅の価格帯は3,000万円台を大きく超えてくるなど上昇傾向にあり、同社の自由設計住宅との価格差が縮小していること、また、大手ハウスメーカーの建築単価上昇は更に著しく、従来はハウスメーカーや建売を選んでいた層からの需要も増加し、販売基盤の拡大が進んでいる。
住宅流通セグメントでは、中古マンション需要の高まりを背景に販売戸数が伸長。買取販売戸数は1,000戸超で推移しており、全国ランキングは8位。同社が展開する大阪を中心とした関西圏では、新築マンションに対して中古マンションの価格は現在約6割の水準にとどまっている。新築マンションの高額化傾向は当面変わらず、供給戸数もタイト目で推移すると見られることから、今後数年間で中古物件の価格上昇が見込まれており、それに伴って利ザヤの拡大も期待される。
土地有効活用セグメントは、一棟売りアパートが引き続き堅調で、リピーターが約4割を占める。仕入れた土地に応じて高齢者住宅とアパートを柔軟に使い分ける対応力も同社の強みだ。賃貸管理事業においては、稼働率97%超を維持。例えば共用部の清掃を週2回実施し、管理物件の魅力を高めるようなアフターサービスにも注力しており、ソフト面での差別化が進んでいる。こうした手厚い管理体制が顧客満足度の高さにつながっている。地域密着型の事業基盤と顧客満足度の高さは、「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」という経営理念に通ずるところがある。
2026年3月期から始まる中期経営計画では、3期連続の最高業績更新を目指し、安定成長を志向。初年度は人件費増などにより保守的な利益見通しが示されているが、大型分譲案件の引き渡しや中古価格の上昇によって上振れの可能性もある。中長期的には、セグメント利益全体の70%を占めている土地有効活用と賃貸管理を中心としたストック型ビジネスの強化により成長を加速させる。
特に注力しているのが、旧社員寮や閉院した病院など既存建物を再活用したサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のリノベーション事業だ。同社は、2020年1月に鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築工事で実績のある雄健建設をパートナーとして迎えて以来、鉄骨鉄筋コンクリート造の大型施設が収益の柱となりつつある。リノベサ高住は、新築に比べ初期投資を抑えられるうえ、国の補助金制度(建築費の3分の1相当)を活用することで高い収益性を確保している。また、広い食堂やお風呂が備え付けられている社員寮や病院跡地は、構造上、サ高住への転用が比較的容易なため、コストが抑えられることに加え、サステナビリティの観点からも注目の事業だ。土地有効活用戦略の一環として、ストック型事業の収益基盤強化につながる成長分野といえる。
尚、同社のサービス付き高齢者向け住宅の運営棟数は2025年3月期末で270棟と、全国一の運営棟数を誇る。
株主還元については、15期連続減配なしの実績を持ち、2025年3月期も年間32円の配当を継続する。今後も、有利子負債を圧縮するなど財務健全性の強化にも注力しつつ、利益成長と連動した累進的配当政策を維持する方針だ。オリコン顧客満足度(R)調査 建売住宅 ビルダー 近畿 大阪府部門」6年連続1位が示す通り、同社は顧客から価格、デザイン、品質やアフターサービス等に高い評価を得ています。地域密着での事業基盤と安定的な収益構造、強固な財務基盤を兼ね備えた同社は、中長期で安定成長が期待される企業である。
<HM>
2026年3月期の売上高は1,260億円(前期比1.7%増)、営業利益72億円(同8.8%減)とやや保守的な業績見通しとなっている。売上面では、4月に引渡済みの大型分譲マンションの販売が寄与し増加する見込み。利益面では、将来に備えた人的資本投資の増加が影響するほか、金利上昇による支払利息の増加も織り込んでいる。また、配当予想は、5円増配となった前期と同額の1株当たり年32円を予定している(配当利回りは4.64%)。2024年3月期に累進的配当政策を導入し、増配または配当維持を継続している。
資材価格の上昇が続く中でも、長年の取引先との関係を活かして仕入れ価格の上昇を抑え、販売価格への転嫁も進めた。同社が展開する自由設計型の戸建住宅の平均販売価格は2025年3月期単純平均で約4,200万円、一方、他社の建売住宅の価格帯は3,000万円台を大きく超えてくるなど上昇傾向にあり、同社の自由設計住宅との価格差が縮小していること、また、大手ハウスメーカーの建築単価上昇は更に著しく、従来はハウスメーカーや建売を選んでいた層からの需要も増加し、販売基盤の拡大が進んでいる。
住宅流通セグメントでは、中古マンション需要の高まりを背景に販売戸数が伸長。買取販売戸数は1,000戸超で推移しており、全国ランキングは8位。同社が展開する大阪を中心とした関西圏では、新築マンションに対して中古マンションの価格は現在約6割の水準にとどまっている。新築マンションの高額化傾向は当面変わらず、供給戸数もタイト目で推移すると見られることから、今後数年間で中古物件の価格上昇が見込まれており、それに伴って利ザヤの拡大も期待される。
土地有効活用セグメントは、一棟売りアパートが引き続き堅調で、リピーターが約4割を占める。仕入れた土地に応じて高齢者住宅とアパートを柔軟に使い分ける対応力も同社の強みだ。賃貸管理事業においては、稼働率97%超を維持。例えば共用部の清掃を週2回実施し、管理物件の魅力を高めるようなアフターサービスにも注力しており、ソフト面での差別化が進んでいる。こうした手厚い管理体制が顧客満足度の高さにつながっている。地域密着型の事業基盤と顧客満足度の高さは、「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」という経営理念に通ずるところがある。
2026年3月期から始まる中期経営計画では、3期連続の最高業績更新を目指し、安定成長を志向。初年度は人件費増などにより保守的な利益見通しが示されているが、大型分譲案件の引き渡しや中古価格の上昇によって上振れの可能性もある。中長期的には、セグメント利益全体の70%を占めている土地有効活用と賃貸管理を中心としたストック型ビジネスの強化により成長を加速させる。
特に注力しているのが、旧社員寮や閉院した病院など既存建物を再活用したサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のリノベーション事業だ。同社は、2020年1月に鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築工事で実績のある雄健建設をパートナーとして迎えて以来、鉄骨鉄筋コンクリート造の大型施設が収益の柱となりつつある。リノベサ高住は、新築に比べ初期投資を抑えられるうえ、国の補助金制度(建築費の3分の1相当)を活用することで高い収益性を確保している。また、広い食堂やお風呂が備え付けられている社員寮や病院跡地は、構造上、サ高住への転用が比較的容易なため、コストが抑えられることに加え、サステナビリティの観点からも注目の事業だ。土地有効活用戦略の一環として、ストック型事業の収益基盤強化につながる成長分野といえる。
尚、同社のサービス付き高齢者向け住宅の運営棟数は2025年3月期末で270棟と、全国一の運営棟数を誇る。
株主還元については、15期連続減配なしの実績を持ち、2025年3月期も年間32円の配当を継続する。今後も、有利子負債を圧縮するなど財務健全性の強化にも注力しつつ、利益成長と連動した累進的配当政策を維持する方針だ。オリコン顧客満足度(R)調査 建売住宅 ビルダー 近畿 大阪府部門」6年連続1位が示す通り、同社は顧客から価格、デザイン、品質やアフターサービス等に高い評価を得ています。地域密着での事業基盤と安定的な収益構造、強固な財務基盤を兼ね備えた同社は、中長期で安定成長が期待される企業である。
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