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MDNT Research Memo(2):「がん免疫細胞治療」領域のバイオベンチャー。創業から独自の事業モデルを確立
配信日時:2025/07/31 12:02
配信元:FISCO
*12:02JST MDNT Research Memo(2):「がん免疫細胞治療」領域のバイオベンチャー。創業から独自の事業モデルを確立
■会社概要
1. 沿革
(1) 創業
メディネット<2370>は、がん免疫細胞治療領域の先駆けとなるバイオベンチャーである。現 代表取締役会長の木村氏は(株)保谷硝子(現 HOYA<7741>)での医療機器販売経験を経て、1995年に同社を創業した。木村氏はその後、東京大学医科学研究所でがん免疫療法を研究していた江川滉二教授(医師)と協力し、血液中の免疫細胞に着目した治療法を開発した。この仕組みは、患者の血液から採取した免疫細胞を体外で培養・機能強化し、体内に戻すことで、がんに対する免疫力を高めるものである。
当時は再生・細胞医療の認知度は低かったが、同社は「免疫細胞療法総合支援サービス」という独自のビジネスモデルを確立し、事業化に至った。1999年には、江川氏が開院した国内初のがん免疫細胞治療専門施設「瀬田クリニック(現 (医)滉志会瀬田クリニック東京)」へのサービス提供を開始した。
(2) 売上高半減の苦況期
同社は、2014年11月に施行された「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」及び「医薬品医療機器等法(以下、薬機法)」を受け、中核事業であった「免疫細胞療法総合支援サービス」から細胞加工業へ転換した。
細胞加工業の売上高は、2016年9月期には1,876百万円まで拡大したが、2018年9月期に994百万円と半減した。この背景にはがん治療分野における免疫チェックポイント阻害剤の普及が挙げられる。しかし最大の要因は、標準治療を重視する医師が多数存在したために、自費診療であるがん免疫細胞治療の適用が主治医の判断により見送られる事例が多発したことにある。
(3) 事業構造改革による黒字転換
2018年9月期から2021年9月期にかけて中期経営計画「ACCEPT2021戦略」を推進し、収益構造の抜本的な改善に着手した。この戦略は、細胞加工業における製造体制の効率化、2019年9月期での収支均衡達成、そして再生医療等製品のパイプライン拡充と早期収益化を主眼としたものである。
「ACCEPT2021戦略」に基づく事業構造改革として、同社は2018年9月期以降、全国4拠点に分散していた細胞培養加工施設の統合集約を行った。加えて、連結子会社2社の吸収合併、早期退職者の募集、研究開発投資の大幅な抑制といった施策を断行した。これらの取り組みが奏功し、同社は2019年9月期にセグメント利益89百万円を計上し、1期で黒字転換を達成した。
(4) 新しい経営体制
同社は2022年4月に、経営トップを木村氏から久布白兼直(くぶしろかねなお)氏へ交代した。久布白氏は、田辺三菱製薬での経験を経て2020年12月に同社取締役に就任し、前職の医薬品マーケティング・営業実務の経験を生かし、営業・開発・製造現場を統括してきた。一方、木村氏は代表取締役会長に就任した。以上の経営体制の下、同社は企業ビジョン「VISION2030」を構築し、中期経営計画を推進している。成長戦略に基づいた自己変革とスピード経営の加速が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<HN>
1. 沿革
(1) 創業
メディネット<2370>は、がん免疫細胞治療領域の先駆けとなるバイオベンチャーである。現 代表取締役会長の木村氏は(株)保谷硝子(現 HOYA<7741>)での医療機器販売経験を経て、1995年に同社を創業した。木村氏はその後、東京大学医科学研究所でがん免疫療法を研究していた江川滉二教授(医師)と協力し、血液中の免疫細胞に着目した治療法を開発した。この仕組みは、患者の血液から採取した免疫細胞を体外で培養・機能強化し、体内に戻すことで、がんに対する免疫力を高めるものである。
当時は再生・細胞医療の認知度は低かったが、同社は「免疫細胞療法総合支援サービス」という独自のビジネスモデルを確立し、事業化に至った。1999年には、江川氏が開院した国内初のがん免疫細胞治療専門施設「瀬田クリニック(現 (医)滉志会瀬田クリニック東京)」へのサービス提供を開始した。
(2) 売上高半減の苦況期
同社は、2014年11月に施行された「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」及び「医薬品医療機器等法(以下、薬機法)」を受け、中核事業であった「免疫細胞療法総合支援サービス」から細胞加工業へ転換した。
細胞加工業の売上高は、2016年9月期には1,876百万円まで拡大したが、2018年9月期に994百万円と半減した。この背景にはがん治療分野における免疫チェックポイント阻害剤の普及が挙げられる。しかし最大の要因は、標準治療を重視する医師が多数存在したために、自費診療であるがん免疫細胞治療の適用が主治医の判断により見送られる事例が多発したことにある。
(3) 事業構造改革による黒字転換
2018年9月期から2021年9月期にかけて中期経営計画「ACCEPT2021戦略」を推進し、収益構造の抜本的な改善に着手した。この戦略は、細胞加工業における製造体制の効率化、2019年9月期での収支均衡達成、そして再生医療等製品のパイプライン拡充と早期収益化を主眼としたものである。
「ACCEPT2021戦略」に基づく事業構造改革として、同社は2018年9月期以降、全国4拠点に分散していた細胞培養加工施設の統合集約を行った。加えて、連結子会社2社の吸収合併、早期退職者の募集、研究開発投資の大幅な抑制といった施策を断行した。これらの取り組みが奏功し、同社は2019年9月期にセグメント利益89百万円を計上し、1期で黒字転換を達成した。
(4) 新しい経営体制
同社は2022年4月に、経営トップを木村氏から久布白兼直(くぶしろかねなお)氏へ交代した。久布白氏は、田辺三菱製薬での経験を経て2020年12月に同社取締役に就任し、前職の医薬品マーケティング・営業実務の経験を生かし、営業・開発・製造現場を統括してきた。一方、木村氏は代表取締役会長に就任した。以上の経営体制の下、同社は企業ビジョン「VISION2030」を構築し、中期経営計画を推進している。成長戦略に基づいた自己変革とスピード経営の加速が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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