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MDNT Research Memo(1):2025年9月期中間期は営業損失拡大、細胞加工業の黒字化目標を延期
配信日時:2025/07/31 12:01
配信元:FISCO
*12:01JST MDNT Research Memo(1):2025年9月期中間期は営業損失拡大、細胞加工業の黒字化目標を延期
■要約
メディネット<2370>は、がん免疫細胞治療領域の先駆けとして、現 代表取締役会長の木村佳司(きむらよしじ)氏と東京大学名誉教授の江川滉二(えがわこうじ)氏が共同で創業したバイオベンチャーである。両氏は、当時未解明だったがん免疫細胞治療の事業化に着目し、患者へ新たな治療法を提供するため独自の「免疫細胞療法総合支援サービス」を構築した。現在、同社は細胞加工業をコア事業とし、現在開発段階にある再生医療等製品事業を将来の収益の柱と位置付けている。長年の実績に裏打ちされた独自の細胞加工技術と国内最大級の細胞培養加工施設を強みとし、「両利きの経営」の推進と再生医療分野のさらなる発展を目指している。
1. 2025年9月期中間期の業績概要
2025年9月期第2四半期(以下、中間期)の業績は、売上高が404百万円(前年同期比1.3%増)、営業損失が755百万円(前年同期は658百万円の損失)、経常損失が710百万円(同632百万円の損失)、中間純損失が705百万円(同634百万円の損失)となった。主力の細胞加工業の売上高は404百万円(同1.3%増)、営業損失は231百万円(前年同期は154百万円の損失)となった。売上面では、特定細胞加工製造業で、資生堂<4911>より技術提供を受けた「S-SDC(R)」(以下、「S-SDC」)の製造受託に加え、バリューチェーン事業でロイヤリティ収入等が発生したことから、全体で微増収となった。利益面では、細胞加工受託の拡大に向けた新規細胞加工の受託体制の整備にかかる先行投資による原価の増加や販売費の増加などより、営業損失が拡大した。
2. 特定細胞加工物製造業の動向と今後の見通し
細胞加工業における特定細胞加工物製造業では、事業構造の多角化と収益基盤の強化を加速している。既存の免疫細胞治療では、新規取引先医療機関の獲得を順調に進めるとともに、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)で効果が得られなかった患者を対象とした臨床研究を含む多様な臨床エビデンスの強化に取り組んでいる。
同時に、新規ビジネス分野の立ち上げも本格化する。男女の脱毛症治療に用いられる「S-SDC」は既に大学病院を含む3施設からの製造受託を開始するなど、資生堂との連携により取引を拡大している。「ASC(脂肪由来間葉系幹細胞)」は凍結製品の開発を完了し、2025年9月期第4四半期での製造開始を目指し準備を進めている。歯科領域では、ダイレクトコンバーション法による骨芽細胞を用いた新たな骨造成技術を確立した。セルアクシア(株)との協議を経て臨床研究の早期開始を計画しており、新たな収益源の確立を進める方針だ。
3. CDMO事業の動向と今後の見通し
細胞加工業におけるCDMO事業は、細胞・遺伝子治療薬の受託製造開発を中心に展開している。同社は、CDMO事業を積極的に強化している。ヤンセンファーマ(株)から受託する治験製品の製造が順調に進み、2025年9月期の売上に安定的に貢献している。同社はヤンセンファーマと市販製品の製造受託に向けた協議と体制整備を進めている。これに加え、大学発ベンチャーとの新規技術移転契約を締結し治験製品の製造開始を予定するなど、新たな案件獲得に向けた動きを加速している。
4. 細胞加工業の黒字回復時期の変更
同社は、2025年9月期としていた細胞加工業の黒字化目標を、2028年9月期へ延期した。この変更は、コロナ禍の長期化による患者数回復の遅れや、新規加工受託メニューの提供開始時期の遅延が主な要因である。また、CDMO事業におけるヤンセンファーマ製品の市販開始が未定であることも影響した。同社は今後、特定細胞加工の受託拡大、CDMO事業での新規案件獲得と生産効率の向上などにより、目標の早期達成を目指すとしている。
■Key Points
・2025年9月期中間期は細胞加工受託の拡大に向けた先行投資により営業損失が拡大
・「S-DSC」「ASC」、三次元骨様組織などの開発品は順調に進展
・ヤンセンファーマーの受託継続と大学発ベンチャーの新規案件を獲得し、成長基盤を固める
・細胞加工業の黒字化目標を2028年9月期へ変更
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<HN>
メディネット<2370>は、がん免疫細胞治療領域の先駆けとして、現 代表取締役会長の木村佳司(きむらよしじ)氏と東京大学名誉教授の江川滉二(えがわこうじ)氏が共同で創業したバイオベンチャーである。両氏は、当時未解明だったがん免疫細胞治療の事業化に着目し、患者へ新たな治療法を提供するため独自の「免疫細胞療法総合支援サービス」を構築した。現在、同社は細胞加工業をコア事業とし、現在開発段階にある再生医療等製品事業を将来の収益の柱と位置付けている。長年の実績に裏打ちされた独自の細胞加工技術と国内最大級の細胞培養加工施設を強みとし、「両利きの経営」の推進と再生医療分野のさらなる発展を目指している。
1. 2025年9月期中間期の業績概要
2025年9月期第2四半期(以下、中間期)の業績は、売上高が404百万円(前年同期比1.3%増)、営業損失が755百万円(前年同期は658百万円の損失)、経常損失が710百万円(同632百万円の損失)、中間純損失が705百万円(同634百万円の損失)となった。主力の細胞加工業の売上高は404百万円(同1.3%増)、営業損失は231百万円(前年同期は154百万円の損失)となった。売上面では、特定細胞加工製造業で、資生堂<4911>より技術提供を受けた「S-SDC(R)」(以下、「S-SDC」)の製造受託に加え、バリューチェーン事業でロイヤリティ収入等が発生したことから、全体で微増収となった。利益面では、細胞加工受託の拡大に向けた新規細胞加工の受託体制の整備にかかる先行投資による原価の増加や販売費の増加などより、営業損失が拡大した。
2. 特定細胞加工物製造業の動向と今後の見通し
細胞加工業における特定細胞加工物製造業では、事業構造の多角化と収益基盤の強化を加速している。既存の免疫細胞治療では、新規取引先医療機関の獲得を順調に進めるとともに、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)で効果が得られなかった患者を対象とした臨床研究を含む多様な臨床エビデンスの強化に取り組んでいる。
同時に、新規ビジネス分野の立ち上げも本格化する。男女の脱毛症治療に用いられる「S-SDC」は既に大学病院を含む3施設からの製造受託を開始するなど、資生堂との連携により取引を拡大している。「ASC(脂肪由来間葉系幹細胞)」は凍結製品の開発を完了し、2025年9月期第4四半期での製造開始を目指し準備を進めている。歯科領域では、ダイレクトコンバーション法による骨芽細胞を用いた新たな骨造成技術を確立した。セルアクシア(株)との協議を経て臨床研究の早期開始を計画しており、新たな収益源の確立を進める方針だ。
3. CDMO事業の動向と今後の見通し
細胞加工業におけるCDMO事業は、細胞・遺伝子治療薬の受託製造開発を中心に展開している。同社は、CDMO事業を積極的に強化している。ヤンセンファーマ(株)から受託する治験製品の製造が順調に進み、2025年9月期の売上に安定的に貢献している。同社はヤンセンファーマと市販製品の製造受託に向けた協議と体制整備を進めている。これに加え、大学発ベンチャーとの新規技術移転契約を締結し治験製品の製造開始を予定するなど、新たな案件獲得に向けた動きを加速している。
4. 細胞加工業の黒字回復時期の変更
同社は、2025年9月期としていた細胞加工業の黒字化目標を、2028年9月期へ延期した。この変更は、コロナ禍の長期化による患者数回復の遅れや、新規加工受託メニューの提供開始時期の遅延が主な要因である。また、CDMO事業におけるヤンセンファーマ製品の市販開始が未定であることも影響した。同社は今後、特定細胞加工の受託拡大、CDMO事業での新規案件獲得と生産効率の向上などにより、目標の早期達成を目指すとしている。
■Key Points
・2025年9月期中間期は細胞加工受託の拡大に向けた先行投資により営業損失が拡大
・「S-DSC」「ASC」、三次元骨様組織などの開発品は順調に進展
・ヤンセンファーマーの受託継続と大学発ベンチャーの新規案件を獲得し、成長基盤を固める
・細胞加工業の黒字化目標を2028年9月期へ変更
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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