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三和HD Research Memo(6):日本と米州が大幅増益で、好決算に貢献
配信日時:2025/07/30 11:06
配信元:FISCO
*11:06JST 三和HD Research Memo(6):日本と米州が大幅増益で、好決算に貢献
■三和ホールディングス<5929>の業績の動向
2. セグメント別実績
(1) 日本
グループの基幹事業を担う日本(三和シヤッター工業と国内子会社)の2025年3月期業績は、売上高2,877億円(前期比8.3%増)、営業利益354.4億円(同27.8%増)とセグメント内で最大の増益率となり、グループ全体の業績を下支えした。売上高は、数量増と売価転嫁浸透により増収となった。中小型案件を多く扱ったため、数量増となった。また、搬入費や取り付け外注費の上昇に伴い2025年3月期の期初より価格改定を実施したことで、コスト増を売価に転嫁できた。営業利益も、同様の理由から増益となった。この結果、日本の営業利益率は前期の10.4%から12.3%に上昇し、引き続き高い利益率を維持している。日本では、製造、施工から、メンテ・サービスまでの事業を一貫して行っていることが、高い利益率の理由である。
(2) 米州(ODC)
米州事業を担うODCの業績は、売上高2,455億円(前期比11.6%増)、営業利益415.0億円(同20.3%増)と好調で、円安効果もあって利益水準では日本を上回っている。売上高は、販売施策による数量増により増収となった。金利上昇で住宅向けの市況は悪かったが、販売施策や新商品の発売等により市場シェアを取り戻した。営業利益は、価格下落を小幅に留め、数量増とコスト削減により増益となった。販売価格の低下は想定より緩やかに留まり、購買先の変更や工場の生産性改善などによるコスト削減から利益率が改善した。米州では、日本と異なりサービス事業が少ないことなどから従来は利益率が低かったが、2025年3月期の営業利益率は16.9%と前期の15.7%から上昇し、グループ中で最も収益性の高いセグメントとなっている。
(3) 欧州(NF)
欧州事業を担うNFでは、売上高1,144億円(前期比2.5%増)、営業利益34.1億円(同12.4%減)と増収減益であった。ウクライナや中東情勢など厳しい経済環境により数量減の影響が大きく、現地通貨ベースでは減収となった。また、各種コストアップ分を売価転嫁とコスト削減策で補ったが、数量減により減益となった。売上高も営業利益も、景気悪化の影響が大きく響いた。その結果、営業利益率は、前期の3.5%から3.0%へと低下した。欧州事業では複数の国に跨ることによるコストが、低めの利益率の要因となっている。
(4) アジア
売上高154億円(前期比7.0%増)、営業利益3.7億円(同35.1%減)と増収減益であった。売上高は、台湾・香港の好調により増収となった。香港は子会社3社のシナジーにより特に好調だったが、中国本土やベトナムの事業は不調であった。営業利益は、前期に香港各社が好調を維持して大幅増益となった反動もあり、減益となった。営業利益率も前期の4.0%から2.4%に低下し、日本や米州に比べて低水準である。
3. 財務状況と経営指標
2025年3月期末の資産合計は、主に棚卸資産や固定資産の増加等により、前期末比42,908百万円増の534,609百万円となった。負債合計は、主に未払法人税等や契約負債の増加等により、同4,218百万円増の210,417百万円となった。純資産合計は、主に利益剰余金と為替換算調整勘定の増加等により、同38,691百万円増の324,192百万円となった。
以上の結果、自己資本比率は前期末比2.5ポイント上昇の60.2%で、最新データである2024年3月期決算短信集計による東証プライム市場上場の全産業平均33.3%を大きく上回る。加えてD/Eレシオも前期の0.16倍から0.14倍に低下しており、財務上は十分な安全性を確保している。また、同社のROA(総資産経常利益率)は16.4%(前期比2.5ポイント上昇)、ROE(自己資本当期純利益率)も19.0%(同2.5ポイント上昇)で、いずれも東証プライム市場全産業平均の4.5%、9.6%を大きく上回り、高い収益力も兼ね備えていると評価できる。
キャッシュ・フローについては、2025年3月期末における現金及び現金同等物が、前期末比8,919百万円増の103,114百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益の計上などにより76,942百万円の資金増加となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得により30,174百万円の資金減少となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払などにより42,890百万円の資金減少となった。以上の結果、企業が事業活動から生み出した現金のうち、事業の維持や成長に必要な投資を差し引いた後の自由に使用できる現金を示すフリー・キャッシュ・フローは、46,768百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HN>
2. セグメント別実績
(1) 日本
グループの基幹事業を担う日本(三和シヤッター工業と国内子会社)の2025年3月期業績は、売上高2,877億円(前期比8.3%増)、営業利益354.4億円(同27.8%増)とセグメント内で最大の増益率となり、グループ全体の業績を下支えした。売上高は、数量増と売価転嫁浸透により増収となった。中小型案件を多く扱ったため、数量増となった。また、搬入費や取り付け外注費の上昇に伴い2025年3月期の期初より価格改定を実施したことで、コスト増を売価に転嫁できた。営業利益も、同様の理由から増益となった。この結果、日本の営業利益率は前期の10.4%から12.3%に上昇し、引き続き高い利益率を維持している。日本では、製造、施工から、メンテ・サービスまでの事業を一貫して行っていることが、高い利益率の理由である。
(2) 米州(ODC)
米州事業を担うODCの業績は、売上高2,455億円(前期比11.6%増)、営業利益415.0億円(同20.3%増)と好調で、円安効果もあって利益水準では日本を上回っている。売上高は、販売施策による数量増により増収となった。金利上昇で住宅向けの市況は悪かったが、販売施策や新商品の発売等により市場シェアを取り戻した。営業利益は、価格下落を小幅に留め、数量増とコスト削減により増益となった。販売価格の低下は想定より緩やかに留まり、購買先の変更や工場の生産性改善などによるコスト削減から利益率が改善した。米州では、日本と異なりサービス事業が少ないことなどから従来は利益率が低かったが、2025年3月期の営業利益率は16.9%と前期の15.7%から上昇し、グループ中で最も収益性の高いセグメントとなっている。
(3) 欧州(NF)
欧州事業を担うNFでは、売上高1,144億円(前期比2.5%増)、営業利益34.1億円(同12.4%減)と増収減益であった。ウクライナや中東情勢など厳しい経済環境により数量減の影響が大きく、現地通貨ベースでは減収となった。また、各種コストアップ分を売価転嫁とコスト削減策で補ったが、数量減により減益となった。売上高も営業利益も、景気悪化の影響が大きく響いた。その結果、営業利益率は、前期の3.5%から3.0%へと低下した。欧州事業では複数の国に跨ることによるコストが、低めの利益率の要因となっている。
(4) アジア
売上高154億円(前期比7.0%増)、営業利益3.7億円(同35.1%減)と増収減益であった。売上高は、台湾・香港の好調により増収となった。香港は子会社3社のシナジーにより特に好調だったが、中国本土やベトナムの事業は不調であった。営業利益は、前期に香港各社が好調を維持して大幅増益となった反動もあり、減益となった。営業利益率も前期の4.0%から2.4%に低下し、日本や米州に比べて低水準である。
3. 財務状況と経営指標
2025年3月期末の資産合計は、主に棚卸資産や固定資産の増加等により、前期末比42,908百万円増の534,609百万円となった。負債合計は、主に未払法人税等や契約負債の増加等により、同4,218百万円増の210,417百万円となった。純資産合計は、主に利益剰余金と為替換算調整勘定の増加等により、同38,691百万円増の324,192百万円となった。
以上の結果、自己資本比率は前期末比2.5ポイント上昇の60.2%で、最新データである2024年3月期決算短信集計による東証プライム市場上場の全産業平均33.3%を大きく上回る。加えてD/Eレシオも前期の0.16倍から0.14倍に低下しており、財務上は十分な安全性を確保している。また、同社のROA(総資産経常利益率)は16.4%(前期比2.5ポイント上昇)、ROE(自己資本当期純利益率)も19.0%(同2.5ポイント上昇)で、いずれも東証プライム市場全産業平均の4.5%、9.6%を大きく上回り、高い収益力も兼ね備えていると評価できる。
キャッシュ・フローについては、2025年3月期末における現金及び現金同等物が、前期末比8,919百万円増の103,114百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益の計上などにより76,942百万円の資金増加となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得により30,174百万円の資金減少となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払などにより42,890百万円の資金減少となった。以上の結果、企業が事業活動から生み出した現金のうち、事業の維持や成長に必要な投資を差し引いた後の自由に使用できる現金を示すフリー・キャッシュ・フローは、46,768百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HN>
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