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ニレコ:半導体製造・検査工程に必要な光学技術・レーザが成長ドライバー、M&Aで事業領域拡大する堅実経営企業
配信日時:2025/07/23 09:34
配信元:FISCO
*09:34JST ニレコ:半導体製造・検査工程に必要な光学技術・レーザが成長ドライバー、M&Aで事業領域拡大する堅実経営企業
ニレコ<6863>は、戦後に解散したドイツ企業アスカニア社の日本法人の事業を引き継ぐ形で、1950年にアスカニア社の役員や従業員を中心に設立された企業である。現在は東証スタンダード市場に上場している。同社は、鉄鋼メーカーの高炉向けプロセス制御装置の提供を出発点とし、鉄鋼・非鉄金属・フィルム・印刷・紙業界に向けた各種自動制御装置を開発・提供してきた。また、鉄や紙などの帯状素材の製造工程における、位置検知のための画像処理技術を応用し、農作物や電子部材など多様な製品向けに品質検査装置も提供している。近年では、これらの装置が二次電池やペロブスカイト太陽電池の製造工程でも活用されており、今後の旺盛な需要が見込まれている。
鉄鋼業界向けの制御装置は、国内において大きな成長は見込みにくいものの、競合が少なく、高い信頼性を背景に残存者利益を確保できる環境にある。
こうした中、新たな成長戦略として、2017年にレーザ関連技術を持つ企業を買収し、オプティクス事業に参入した。2019年には、光学部品を製造する「光学技研」、2024年には光学薄膜製品を手がける「京浜光膜」を買収し、事業領域を拡大している。光学部品では特に非線形光学結晶「CLBO」素子が、短い波長の光をつくるのに適しており、最先端の半導体検査装置で使われているほか、高精度・高品質な波長板やプリズムなども、半導体の製造や検査に欠かせないものであり、今後も安定した需要が見込まれている。
同社の事業セグメントは、「制御機器事業」「検査機事業」「オプティクス事業」の3つに大別され、売上構成比は、制御機器事業が5割強、オプティクス事業が3割弱、検査機事業が2割弱となっている。
2025年3月期は、売上高10,756百万円(前期比9.1%増)、営業利益1,907百万円(同37.5%増)当期純利益1,562百万円(同54.5%増)であった。売上高は、オプティクス事業における半導体業界からの光学部品需要の増加と、制御機器事業における鉄鋼業界向け更新需要により、増収となった。利益面では、売上の伸長に加え、制御機器事業において利益率の高い製品構成や業務効率の改善が寄与し、増益となった。さらに、特別利益として、京浜光膜の買収に伴う負ののれん発生益を計上したこともあり、当期純利益は大幅な増加となった。1989年の株式公開以来、売上高・経常利益・当期純利益はいずれも過去最高を更新した。
2026年3月期は、売上高11,000百万円(前期比2.3%増)、営業利益1,850百万円(同3.0%減)、当期純利益1,390百万円(同11.0%減)を予想している。制御機器事業および検査機事業において底堅い受注が続く見通しであり、増収を見込む。一方で、制御機器事業の利益率が前期の高水準から平常水準に戻ることが想定されることに加え、前期の特別利益の反動減により、減益となる見通しである。
同社の中期計画では、「いかなる環境下においても成長できる企業グループの実現」をスローガンに掲げ、2028年3月期に売上高120億円、営業利益20億円の達成を目指している。成長に向けた主要施策として、「事業基盤の強化」「競争優位性の向上」「経営基盤の強化」の3つのテーマを掲げており、具体的には海外市場への展開、検査機事業およびオプティクス事業の強化、さらには既存技術の周辺領域におけるM&Aの推進などに注力している。特にオプティクス事業は、過去数年にわたるM&Aにより技術領域を拡大しており、今後の成長ドライバーとしての役割が期待されている。
株主還元については、連結配当性向45%以上かつDOE(連結自己資本配当率) 2.5%以上を基本方針としている。2025年3月期の年間配当金は95円(配当性向45.0%)を実施し、2026年3月期は年間85円(同45.3%)を予定している。2026年3月期は30万株・5億円を上限として自己株式の取得を決定しており、資本効率の向上を図ると共に、総還元強化の姿勢を打ち出している。
なお、同社の自己資本比率は2025年3月期末時点で85.7%、現預金残高は3,253百万円といずれも高水準にあり、今後はこれらの資金をM&Aなどの成長投資に活用し、収益力のさらなる強化を図る方針である。
<HM>
鉄鋼業界向けの制御装置は、国内において大きな成長は見込みにくいものの、競合が少なく、高い信頼性を背景に残存者利益を確保できる環境にある。
こうした中、新たな成長戦略として、2017年にレーザ関連技術を持つ企業を買収し、オプティクス事業に参入した。2019年には、光学部品を製造する「光学技研」、2024年には光学薄膜製品を手がける「京浜光膜」を買収し、事業領域を拡大している。光学部品では特に非線形光学結晶「CLBO」素子が、短い波長の光をつくるのに適しており、最先端の半導体検査装置で使われているほか、高精度・高品質な波長板やプリズムなども、半導体の製造や検査に欠かせないものであり、今後も安定した需要が見込まれている。
同社の事業セグメントは、「制御機器事業」「検査機事業」「オプティクス事業」の3つに大別され、売上構成比は、制御機器事業が5割強、オプティクス事業が3割弱、検査機事業が2割弱となっている。
2025年3月期は、売上高10,756百万円(前期比9.1%増)、営業利益1,907百万円(同37.5%増)当期純利益1,562百万円(同54.5%増)であった。売上高は、オプティクス事業における半導体業界からの光学部品需要の増加と、制御機器事業における鉄鋼業界向け更新需要により、増収となった。利益面では、売上の伸長に加え、制御機器事業において利益率の高い製品構成や業務効率の改善が寄与し、増益となった。さらに、特別利益として、京浜光膜の買収に伴う負ののれん発生益を計上したこともあり、当期純利益は大幅な増加となった。1989年の株式公開以来、売上高・経常利益・当期純利益はいずれも過去最高を更新した。
2026年3月期は、売上高11,000百万円(前期比2.3%増)、営業利益1,850百万円(同3.0%減)、当期純利益1,390百万円(同11.0%減)を予想している。制御機器事業および検査機事業において底堅い受注が続く見通しであり、増収を見込む。一方で、制御機器事業の利益率が前期の高水準から平常水準に戻ることが想定されることに加え、前期の特別利益の反動減により、減益となる見通しである。
同社の中期計画では、「いかなる環境下においても成長できる企業グループの実現」をスローガンに掲げ、2028年3月期に売上高120億円、営業利益20億円の達成を目指している。成長に向けた主要施策として、「事業基盤の強化」「競争優位性の向上」「経営基盤の強化」の3つのテーマを掲げており、具体的には海外市場への展開、検査機事業およびオプティクス事業の強化、さらには既存技術の周辺領域におけるM&Aの推進などに注力している。特にオプティクス事業は、過去数年にわたるM&Aにより技術領域を拡大しており、今後の成長ドライバーとしての役割が期待されている。
株主還元については、連結配当性向45%以上かつDOE(連結自己資本配当率) 2.5%以上を基本方針としている。2025年3月期の年間配当金は95円(配当性向45.0%)を実施し、2026年3月期は年間85円(同45.3%)を予定している。2026年3月期は30万株・5億円を上限として自己株式の取得を決定しており、資本効率の向上を図ると共に、総還元強化の姿勢を打ち出している。
なお、同社の自己資本比率は2025年3月期末時点で85.7%、現預金残高は3,253百万円といずれも高水準にあり、今後はこれらの資金をM&Aなどの成長投資に活用し、収益力のさらなる強化を図る方針である。
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