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CAICAD Research Memo(9):「金融サービス事業」の再編や「ITサービス事業」の底上げで業績は回復傾向
配信日時:2025/07/18 12:09
配信元:FISCO
*12:09JST CAICAD Research Memo(9):「金融サービス事業」の再編や「ITサービス事業」の底上げで業績は回復傾向
■CAICA DIGITAL<2315>の業績推移
この数年の売上高を振り返ると、既存の大手SIer向けの開発案件は総じて堅調に推移した一方、売上高全体では、連結子会社の動き(連結対象範囲の変更)や暗号資産市場の混乱などによる影響を大きく受けてきた。2018年10月期は、ネクス・ソリューションズやeワラント証券(現 EWJ)などの連結効果により大幅な増収を実現したものの、2019年10月期は外部要因やネクス・ソリューションズの連結除外などにより下振れるとともに、2020年10月期についても新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響やクシムの連結除外などにより低調に推移した。2021年10月期はクシムの連結除外による影響が残ったものの、カイカエクスチェンジホールディングス(現 ZEDホールディングス)の連結化(6ヶ月間の上乗せ)によりほぼ横ばいを確保した。2022年10月期はカイカエクスチェンジホールディングス(現 ZEDホールディングス)の連結効果(残り6ヶ月分の上乗せ)と「ITサービス事業」の伸びにより増収を確保したが、暗号資産市場の混乱による影響を受け、計画に対しては下振れる結果となった。2023年10月期も「ITサービス事業」が順調に伸びた一方、暗号資産市場の低迷による影響が続き、「金融サービス事業」が大きく落ち込んだ。ただ、「Zaif」を含む連結子会社3社を譲渡し、「金融サービス事業」の再編に踏み切った2024年10月期は、「ITサービス事業」の伸びにより増収となり、今後も増収基調が続く見通しである。
一方、利益面に目を向けると、2017年10月期の営業利益率は5.6%の水準を確保したものの、2018年10月期から営業損失を計上している。「暗号資産交換所システム」の開発コストや「金融商品取引事業」における基盤整備など、将来を見据えた先行費用のほか、2020年10月期はコロナ禍の影響を受けたトレーディング収益の悪化などが利益を圧迫した。2021年10月期以降も相場下落に伴う暗号資産関連ビジネスの下振れなどにより営業損失が継続した。一方、経常利益については、持分法投資損益や暗号資産売却損益などの影響により大きく増減してきたことに注意が必要である。2018年10月期は暗号資産売却益(915百万円)により営業損失を大きくカバーする格好となったが、2019年10月期はFDAG(現 ZEDホールディングス)による持分法投資損失により、損失幅がさらに拡大した。2022年10月期以降についても暗号資産市場の低迷により、経常損失を計上した。2024年10月期は「ITサービス事業」の伸びや「金融サービス事業」の再編効果により大幅な損益改善(黒字転換)を実現した。
財政状態については、積極的なM&Aにより2018年10月期末の総資産が100億円を超える水準に到達すると、2021年10月期末には「Zaif」を擁するカイカエクスチェンジホールディングス(現 ZEDホールディングス)の連結化により、1,000億円を超える規模にまで大きく拡大した。一方、自己資本比率については、2016年10月期末は21.7%にとどまっていたものの、新株予約権の行使や内部留保の積み増し、2017年11月に実施した第三者割当増資により改善を図ったことに加え、2020年9月にはライツ・オファリングによる資本増強を実現し、2020年10月期末の自己資本比率は81.8%と大きく改善した。ただ、既述のとおり、カイカエクスチェンジホールディングス(現 ZEDホールディングス)の連結化に伴い、2021年10月期末の財政状態は大きく変化し、自己資本比率も10.3%に低下した。しかし、2023年10月期末には「Zaif」を含む連結子会社3社の譲渡によりバランスシートが大きく圧縮され、自己資本比率は70%水準に戻った。
■株主還元
2014年3月期以降、積極的な投資継続により配当実績はなし
同社は、財務基盤の強化を進めながらも、暗号資産交換所システムの開発やM&Aを含めた各事業の立ち上げ、暗号資産交換所への参入などに積極的に投資を行ってきたことから、2014年3月期以降、配当実績はない。2025年10月期の配当についても現時点で未定となっている。ただ、「ITサービス事業」の伸びにより、将来的には復配の可能性は十分に考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<HN>
この数年の売上高を振り返ると、既存の大手SIer向けの開発案件は総じて堅調に推移した一方、売上高全体では、連結子会社の動き(連結対象範囲の変更)や暗号資産市場の混乱などによる影響を大きく受けてきた。2018年10月期は、ネクス・ソリューションズやeワラント証券(現 EWJ)などの連結効果により大幅な増収を実現したものの、2019年10月期は外部要因やネクス・ソリューションズの連結除外などにより下振れるとともに、2020年10月期についても新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響やクシムの連結除外などにより低調に推移した。2021年10月期はクシムの連結除外による影響が残ったものの、カイカエクスチェンジホールディングス(現 ZEDホールディングス)の連結化(6ヶ月間の上乗せ)によりほぼ横ばいを確保した。2022年10月期はカイカエクスチェンジホールディングス(現 ZEDホールディングス)の連結効果(残り6ヶ月分の上乗せ)と「ITサービス事業」の伸びにより増収を確保したが、暗号資産市場の混乱による影響を受け、計画に対しては下振れる結果となった。2023年10月期も「ITサービス事業」が順調に伸びた一方、暗号資産市場の低迷による影響が続き、「金融サービス事業」が大きく落ち込んだ。ただ、「Zaif」を含む連結子会社3社を譲渡し、「金融サービス事業」の再編に踏み切った2024年10月期は、「ITサービス事業」の伸びにより増収となり、今後も増収基調が続く見通しである。
一方、利益面に目を向けると、2017年10月期の営業利益率は5.6%の水準を確保したものの、2018年10月期から営業損失を計上している。「暗号資産交換所システム」の開発コストや「金融商品取引事業」における基盤整備など、将来を見据えた先行費用のほか、2020年10月期はコロナ禍の影響を受けたトレーディング収益の悪化などが利益を圧迫した。2021年10月期以降も相場下落に伴う暗号資産関連ビジネスの下振れなどにより営業損失が継続した。一方、経常利益については、持分法投資損益や暗号資産売却損益などの影響により大きく増減してきたことに注意が必要である。2018年10月期は暗号資産売却益(915百万円)により営業損失を大きくカバーする格好となったが、2019年10月期はFDAG(現 ZEDホールディングス)による持分法投資損失により、損失幅がさらに拡大した。2022年10月期以降についても暗号資産市場の低迷により、経常損失を計上した。2024年10月期は「ITサービス事業」の伸びや「金融サービス事業」の再編効果により大幅な損益改善(黒字転換)を実現した。
財政状態については、積極的なM&Aにより2018年10月期末の総資産が100億円を超える水準に到達すると、2021年10月期末には「Zaif」を擁するカイカエクスチェンジホールディングス(現 ZEDホールディングス)の連結化により、1,000億円を超える規模にまで大きく拡大した。一方、自己資本比率については、2016年10月期末は21.7%にとどまっていたものの、新株予約権の行使や内部留保の積み増し、2017年11月に実施した第三者割当増資により改善を図ったことに加え、2020年9月にはライツ・オファリングによる資本増強を実現し、2020年10月期末の自己資本比率は81.8%と大きく改善した。ただ、既述のとおり、カイカエクスチェンジホールディングス(現 ZEDホールディングス)の連結化に伴い、2021年10月期末の財政状態は大きく変化し、自己資本比率も10.3%に低下した。しかし、2023年10月期末には「Zaif」を含む連結子会社3社の譲渡によりバランスシートが大きく圧縮され、自己資本比率は70%水準に戻った。
■株主還元
2014年3月期以降、積極的な投資継続により配当実績はなし
同社は、財務基盤の強化を進めながらも、暗号資産交換所システムの開発やM&Aを含めた各事業の立ち上げ、暗号資産交換所への参入などに積極的に投資を行ってきたことから、2014年3月期以降、配当実績はない。2025年10月期の配当についても現時点で未定となっている。ただ、「ITサービス事業」の伸びにより、将来的には復配の可能性は十分に考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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