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いい生活 Research Memo(5):2025年3月期は将来成長に向けた戦略的投資により、一時的に損失を計上
配信日時:2025/07/17 11:05
配信元:FISCO
*11:05JST いい生活 Research Memo(5):2025年3月期は将来成長に向けた戦略的投資により、一時的に損失を計上
■いい生活<3796>の業績動向
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績概要は、売上高が3,028百万円(前期比7.8%増)、営業利益が37百万円の損失(前期は176百万円の利益)、経常利益が42百万円の損失(同208百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益が39百万円の損失(同146百万円の利益)となった。将来成長に向けた戦略的投資を進めたことで、利益面では一時的に損失を計上した。
主力のサブスクリプション売上は2,554百万円(前期比4.6%増)と堅調に推移し、ソリューション売上は473百万円(同29.3%増)と大きく伸長した。一方、売上の成長に先行して人的資本への積極的な投資の実施により損失計上となったが、将来の成長を見据えた体制強化の一環として位置付けられる。売上総利益は1,597百万円(同0.3%減)と横ばいであるなか、販管費が同14.7%増の1,634百万円と膨らみ、EBITDAは500百万円(同24.0%減)となった。積極的な人材採用やプロダクト開発投資が先行したものの、売上の成長基調は継続しており、マルチプロダクト戦略の浸透とARPU向上を背景に、今後の収益回復に向けた基盤が整いつつある。
(1) 利用法人数・店舗数
同社の利用法人数及び利用店舗数は、2025年3月期を通じて順調に拡大傾向を示した。利用法人数は、2023年3月期第4四半期に一時的な減少が見られたものの、その後は安定的に増加し、2025年3月期第3四半期には1,563社とピークを記録した。第4四半期は若干減少したものの1,549社と高水準であり、総じて堅調な成長トレンドを維持している。一方、利用店舗数については、2024年3月期下期から明確な増加が見られ、2025年3月期に入ってからは大幅に伸長した。第2四半期に4,718店舗、第3四半期には4,754店舗、そして第4四半期には4,762店舗と、四半期ごとに過去最高を更新し続けている。
(2) KPI
事業の主要業績評価指標(KPI)として、利用法人数に加え、顧客あたりの平均月額単価であるARPUと、特定の期間(月単位)における顧客の売上ベース解約率であるMRR解約率を設定している。ARPUは、通信業界で事業における健全性や収益性を評価するために用いられる指標である。同社は顧客から収益を最大化するための戦略を立てる指標としても活用している。MRR解約率は、どれだけの顧客を売上ベースで失っているかを示すもので、事業の持続可能性や収益予想を推測するための指標としている。
(a) ARPU
同社の四半期売上高とARPUは、2025年3月期にかけて堅調な上昇基調を示している。売上高はサービス開始以来上昇トレンドが続いている。2025年3月期第4四半期には805百万円と、四半期ベースで過去最高を記録した。特に2025年3月期は各四半期で売上高が増加しており、安定的な成長が継続している。
ARPUについては、2025年3月期第1四半期から第3四半期に一時的な伸び悩みが見られたものの、2024年3月期第4四半期の140千円から、2025年3月期第4四半期には153千円まで急上昇している。このARPUの急上昇、主に1月〜3月の繁忙期及び3月の大型案件による売上増加という一時的な要因も含まれているものの、拡大傾向は持続している。
今後は、マルチプロダクトを段階的に導入しながらフルセット化を目指すとともに、単価の見直しを通じて、ARPUの緩やかな上昇を図る。現時点のARPUの伸長は季節要因による部分が大きく、持続的な単価成長に向けた取り組みはこれから本格化すると見られる。
(b) MRR解約率
同社のMRR(Monthly Recurring Revenue)解約率は全体として低い水準を維持している。2023年3月期末にはやや上昇する局面があり、特に2024年3月期第1四半期には一時的に0.65%と上昇したが、その後は反転し、第3四半期には-0.59%と大幅に改善した。2025年3月期に入ってからも、おおむね解約抑制が継続しており、第4四半期では-0.44%と、マイナス圏を維持している。
このような推移は、同社のプロダクトが顧客業務に定着しており、解約リスクが低く、安定したストック収益モデルとして機能していることを示している。第3四半期にややプラス方向に転じた場面も見られたが、全体としては継続率の高さが維持されており、顧客満足度やサービス価値の継続的な向上が奏功していると評価できる。
(3) 人員構成
2025年4月時点における同社の連結社員数は239名となり、前期末比で38名の純増となった。部門別では、エンジニアが最も多く89名(前期末75名)、次いでセールス&マーケティングが58名(同43名)と、大幅に増員している。
同社の人員構成は、SaaS及びBPaaSの提供を支える専門性の高い体制で構築されている。エンジニアは技術基盤の拡張性を担保し、セールス&マーケティングは新規獲得とARPU向上を両立している。導入・運用支援サービス、コンサルティングは業務変革とデータ再構築を支援し、カスタマーサクセス&サポートは活用促進を担う。同社は、開発・営業体制を中心に、プロダクト品質と顧客体験の両立を実現し、競争力の強化を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山 博詞)
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1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績概要は、売上高が3,028百万円(前期比7.8%増)、営業利益が37百万円の損失(前期は176百万円の利益)、経常利益が42百万円の損失(同208百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益が39百万円の損失(同146百万円の利益)となった。将来成長に向けた戦略的投資を進めたことで、利益面では一時的に損失を計上した。
主力のサブスクリプション売上は2,554百万円(前期比4.6%増)と堅調に推移し、ソリューション売上は473百万円(同29.3%増)と大きく伸長した。一方、売上の成長に先行して人的資本への積極的な投資の実施により損失計上となったが、将来の成長を見据えた体制強化の一環として位置付けられる。売上総利益は1,597百万円(同0.3%減)と横ばいであるなか、販管費が同14.7%増の1,634百万円と膨らみ、EBITDAは500百万円(同24.0%減)となった。積極的な人材採用やプロダクト開発投資が先行したものの、売上の成長基調は継続しており、マルチプロダクト戦略の浸透とARPU向上を背景に、今後の収益回復に向けた基盤が整いつつある。
(1) 利用法人数・店舗数
同社の利用法人数及び利用店舗数は、2025年3月期を通じて順調に拡大傾向を示した。利用法人数は、2023年3月期第4四半期に一時的な減少が見られたものの、その後は安定的に増加し、2025年3月期第3四半期には1,563社とピークを記録した。第4四半期は若干減少したものの1,549社と高水準であり、総じて堅調な成長トレンドを維持している。一方、利用店舗数については、2024年3月期下期から明確な増加が見られ、2025年3月期に入ってからは大幅に伸長した。第2四半期に4,718店舗、第3四半期には4,754店舗、そして第4四半期には4,762店舗と、四半期ごとに過去最高を更新し続けている。
(2) KPI
事業の主要業績評価指標(KPI)として、利用法人数に加え、顧客あたりの平均月額単価であるARPUと、特定の期間(月単位)における顧客の売上ベース解約率であるMRR解約率を設定している。ARPUは、通信業界で事業における健全性や収益性を評価するために用いられる指標である。同社は顧客から収益を最大化するための戦略を立てる指標としても活用している。MRR解約率は、どれだけの顧客を売上ベースで失っているかを示すもので、事業の持続可能性や収益予想を推測するための指標としている。
(a) ARPU
同社の四半期売上高とARPUは、2025年3月期にかけて堅調な上昇基調を示している。売上高はサービス開始以来上昇トレンドが続いている。2025年3月期第4四半期には805百万円と、四半期ベースで過去最高を記録した。特に2025年3月期は各四半期で売上高が増加しており、安定的な成長が継続している。
ARPUについては、2025年3月期第1四半期から第3四半期に一時的な伸び悩みが見られたものの、2024年3月期第4四半期の140千円から、2025年3月期第4四半期には153千円まで急上昇している。このARPUの急上昇、主に1月〜3月の繁忙期及び3月の大型案件による売上増加という一時的な要因も含まれているものの、拡大傾向は持続している。
今後は、マルチプロダクトを段階的に導入しながらフルセット化を目指すとともに、単価の見直しを通じて、ARPUの緩やかな上昇を図る。現時点のARPUの伸長は季節要因による部分が大きく、持続的な単価成長に向けた取り組みはこれから本格化すると見られる。
(b) MRR解約率
同社のMRR(Monthly Recurring Revenue)解約率は全体として低い水準を維持している。2023年3月期末にはやや上昇する局面があり、特に2024年3月期第1四半期には一時的に0.65%と上昇したが、その後は反転し、第3四半期には-0.59%と大幅に改善した。2025年3月期に入ってからも、おおむね解約抑制が継続しており、第4四半期では-0.44%と、マイナス圏を維持している。
このような推移は、同社のプロダクトが顧客業務に定着しており、解約リスクが低く、安定したストック収益モデルとして機能していることを示している。第3四半期にややプラス方向に転じた場面も見られたが、全体としては継続率の高さが維持されており、顧客満足度やサービス価値の継続的な向上が奏功していると評価できる。
(3) 人員構成
2025年4月時点における同社の連結社員数は239名となり、前期末比で38名の純増となった。部門別では、エンジニアが最も多く89名(前期末75名)、次いでセールス&マーケティングが58名(同43名)と、大幅に増員している。
同社の人員構成は、SaaS及びBPaaSの提供を支える専門性の高い体制で構築されている。エンジニアは技術基盤の拡張性を担保し、セールス&マーケティングは新規獲得とARPU向上を両立している。導入・運用支援サービス、コンサルティングは業務変革とデータ再構築を支援し、カスタマーサクセス&サポートは活用促進を担う。同社は、開発・営業体制を中心に、プロダクト品質と顧客体験の両立を実現し、競争力の強化を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山 博詞)
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