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アイカ工 Research Memo(4):化成品と建装建材の2本柱。建装建材が営業利益の約7割を占める(3)
配信日時:2025/07/14 15:04
配信元:FISCO
*15:04JST アイカ工 Research Memo(4):化成品と建装建材の2本柱。建装建材が営業利益の約7割を占める(3)
■アイカ工業<4206>の事業概要
(2) 海外
2025年3月期建装建材セグメントの海外売上高の割合は18.1%とまだ発展の途上にあるが、今後の成長が期待される領域である。主要な事業地域は、中国、インド、タイ、インドネシア、ベトナム、シンガポール、台湾、マレーシアなどであり、化成品セグメント同様に広域に事業を展開している。
アジア市場自体がまだ未成熟であり、数十年前の日本に似ていると表現されることもあるが、経済発展に伴い高意匠化・高品質化は徐々に進展している。そのなかで、日本のメラミン化粧板・「セラール」・加工品などの技術を展開することで、加速度的に事業拡大を進めようとしている。そのため、積極的な投資を行い、生産拠点を最適な形に整備し、効率的な商品生産・供給を企図している。
海外市場での強みについては、「ジャパンテクノロジー」としてのブランド力と技術力に対する高い評価が挙げられる。
アジアの建材市場は未だ群雄割拠の状態ではあるが、付加価値の高い商品を投入し、市場の成熟に合わせてシェア拡大を図る方針である。足元では、域内でのブランド構築・認知・浸透を図る段階であるが、将来的には、国内市場と同程度の利益率水準を目指すとしている。
また、同社は成長著しいアジア市場でシェア拡大を進めており、既にタイ・ベトナム・インドネシアでは市場シェア2位を確保している(2023年実績)。タイではグローバル企業のFormica Corporationが首位を占める一方、ベトナムとインドネシアでは地場企業がトップとなっている。今後は、これらの国々でのさらなるシェア拡大や首位奪還を目指すとともに、インド、中国といった巨大市場で高価格帯ニーズの拡大が見込まれる中、確固たるブランド力の構築を進めていく方針だ。
4. 海外事業カンパニー
化成品セグメント及び建装建材セグメントの海外事業の成長性・収益性については、コロナ禍前に比べると同社の期待に達していないとの問題意識から、2025年4月に海外事業カンパニーを新設している。両セグメントにおける海外事業を包括的・一体的に統括・管理し事業運営を効率化、事業シナジーを発揮することで成長を再軌道に乗せたいとの狙いである。
具体的には、タイにおいては化成品事業としてフェノール樹脂やメラミン樹脂の製造工場があり、建装建材事業としてメラミン化粧板の製造工場がある。従前は、事業体が異なるため両者の連携が限定的であったが、事業間の連携が加速しており、例えば、メラミン化粧板の原材料として化成品の樹脂を供給する取り組みの強化が始まっている。今後は、中国やベトナムなど他地域においても同様の取り組みを展開することで、事業シナジーの最大化を目指している。また、家具メーカー向け化粧板と接着剤のセット販売など、同社らしい取り組みも進める予定である。
なお、2025年3月期の海外売上高において、化成品は995.0億円、建装建材は199.0億円の合計1,194.1億円であったが、中期経営計画最終年度である2027年3月期において、海外事業カンパニー合計で売上高1,500億円を数値目標として設定している。
■業績動向
売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高。ROE10%目標も達成
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は、売上高で前期比5.1%増の248,696百万円、営業利益で同8.4%増の27,408百万円、経常利益で同9.7%増の28,668百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同11.6%増の16,896百万円となった。売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高であり、営業利益と経常利益は4期連続の増益となった。ROEは10.1%となり、前期の9.9%から小幅に改善しているが、中期経営計画で掲げるROE10%以上であり、収益性の向上が維持されている。
化成品セグメント・建装建材セグメントともに増収増益となっており、堅調に事業成長を遂げている。化成品セグメントについては、国内では塗り床材や機能材料が好調であったが、海外では設備投資に伴う減価償却費の増加及びタイの市場低迷・価格競争などにより収益性は一時的に低下している。建装建材セグメントについては、国内の高付加価値商品が収益をけん引し、全社収益を大きく押し上げた。海外については、収益規模において全社への影響は限られるものの、中国市場の低迷を東南アジア市場で打ち返し、収益性は小幅に改善している。
海外売上高比率(全社ベース)については、2025年3月期は48.0%となっている。化成品セグメントの海外が伸長する一方、建装建材セグメントの国内が堅調であったことから前期の47.8%並みの水準となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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(2) 海外
2025年3月期建装建材セグメントの海外売上高の割合は18.1%とまだ発展の途上にあるが、今後の成長が期待される領域である。主要な事業地域は、中国、インド、タイ、インドネシア、ベトナム、シンガポール、台湾、マレーシアなどであり、化成品セグメント同様に広域に事業を展開している。
アジア市場自体がまだ未成熟であり、数十年前の日本に似ていると表現されることもあるが、経済発展に伴い高意匠化・高品質化は徐々に進展している。そのなかで、日本のメラミン化粧板・「セラール」・加工品などの技術を展開することで、加速度的に事業拡大を進めようとしている。そのため、積極的な投資を行い、生産拠点を最適な形に整備し、効率的な商品生産・供給を企図している。
海外市場での強みについては、「ジャパンテクノロジー」としてのブランド力と技術力に対する高い評価が挙げられる。
アジアの建材市場は未だ群雄割拠の状態ではあるが、付加価値の高い商品を投入し、市場の成熟に合わせてシェア拡大を図る方針である。足元では、域内でのブランド構築・認知・浸透を図る段階であるが、将来的には、国内市場と同程度の利益率水準を目指すとしている。
また、同社は成長著しいアジア市場でシェア拡大を進めており、既にタイ・ベトナム・インドネシアでは市場シェア2位を確保している(2023年実績)。タイではグローバル企業のFormica Corporationが首位を占める一方、ベトナムとインドネシアでは地場企業がトップとなっている。今後は、これらの国々でのさらなるシェア拡大や首位奪還を目指すとともに、インド、中国といった巨大市場で高価格帯ニーズの拡大が見込まれる中、確固たるブランド力の構築を進めていく方針だ。
4. 海外事業カンパニー
化成品セグメント及び建装建材セグメントの海外事業の成長性・収益性については、コロナ禍前に比べると同社の期待に達していないとの問題意識から、2025年4月に海外事業カンパニーを新設している。両セグメントにおける海外事業を包括的・一体的に統括・管理し事業運営を効率化、事業シナジーを発揮することで成長を再軌道に乗せたいとの狙いである。
具体的には、タイにおいては化成品事業としてフェノール樹脂やメラミン樹脂の製造工場があり、建装建材事業としてメラミン化粧板の製造工場がある。従前は、事業体が異なるため両者の連携が限定的であったが、事業間の連携が加速しており、例えば、メラミン化粧板の原材料として化成品の樹脂を供給する取り組みの強化が始まっている。今後は、中国やベトナムなど他地域においても同様の取り組みを展開することで、事業シナジーの最大化を目指している。また、家具メーカー向け化粧板と接着剤のセット販売など、同社らしい取り組みも進める予定である。
なお、2025年3月期の海外売上高において、化成品は995.0億円、建装建材は199.0億円の合計1,194.1億円であったが、中期経営計画最終年度である2027年3月期において、海外事業カンパニー合計で売上高1,500億円を数値目標として設定している。
■業績動向
売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高。ROE10%目標も達成
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は、売上高で前期比5.1%増の248,696百万円、営業利益で同8.4%増の27,408百万円、経常利益で同9.7%増の28,668百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同11.6%増の16,896百万円となった。売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高であり、営業利益と経常利益は4期連続の増益となった。ROEは10.1%となり、前期の9.9%から小幅に改善しているが、中期経営計画で掲げるROE10%以上であり、収益性の向上が維持されている。
化成品セグメント・建装建材セグメントともに増収増益となっており、堅調に事業成長を遂げている。化成品セグメントについては、国内では塗り床材や機能材料が好調であったが、海外では設備投資に伴う減価償却費の増加及びタイの市場低迷・価格競争などにより収益性は一時的に低下している。建装建材セグメントについては、国内の高付加価値商品が収益をけん引し、全社収益を大きく押し上げた。海外については、収益規模において全社への影響は限られるものの、中国市場の低迷を東南アジア市場で打ち返し、収益性は小幅に改善している。
海外売上高比率(全社ベース)については、2025年3月期は48.0%となっている。化成品セグメントの海外が伸長する一方、建装建材セグメントの国内が堅調であったことから前期の47.8%並みの水準となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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