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飯野海運 Research Memo(7):2026年3月期は減収減益予想
配信日時:2025/07/14 11:07
配信元:FISCO
*11:07JST 飯野海運 Research Memo(7):2026年3月期は減収減益予想
■飯野海運<9119>の今後の見通し
1. 2026年3月期連結業績予想の概要
2026年3月期の連結業績は売上高が前期比5.5%減の134,000百万円、営業利益が同33.3%減の11,400百万円、経常利益が同33.8%減の11,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.4%減の11,500百万円を見込んでいる。前提の平均為替レートは140.00円/米ドル(前期実績は152.73円/米ドル)、適合燃料油平均価格は590米ドル/MT(同612米ドル/MT)、市況はケミカルタンカー(19,999dwt 1年TC Rate)が19,500米ドル(同20,625米ドル)、大型ガス(LPG)船(中東-極東)が46米ドル(同58米ドル)、ドライバルク船(太平洋ラウンド)Panamax型が14,500米ドル(同12,386米ドル)、Small Handy型が13,000米ドル(同12,191米ドル)としている。為替感応度(1円変動による経常利益への影響額、営業外の為替差損益除く)は187百万円/年としている。なお2025年5月8日時点におけるスポット比率は大型原油タンカーが0%、ケミカルタンカーが31%、大型ガス(LPG)船が14%、中小型ドライバルク船が45%、電力専用船・チップ専用船が0%となっている。大型原油タンカー、電力専用船・チップ専用船は中長期契約のみで構成されているため、市況影響をほぼ受けない。
同社資料によると、全社営業利益の前期比57.0億円減少の内訳は、大型原油タンカーが同0.9億円減、ケミカルタンカーが同20.2億円減、大型ガス船が同12.7億円減、ドライバルク船が同1.9億円増、中小型ガス船が同4.3億円減、不動産業が同1.2億円増、その他(各分野の為替影響を抜き出して集約)が同21.1億円減の見込みとしている。大型原油タンカーは入渠による稼働減少で小幅減益、ケミカルタンカーは市況軟化や一部COA契約更改での価格下落により減益、大型ガス船は市況軟化や一部船舶を前期に売船したことにより減益、ドライバルク船は市況回復により小幅増益、中小型ガス船は入渠や前期に一部船舶を返船した影響で減益、不動産業はオフィスフロアの高稼働や前期に発生した英国不動産2棟目の初期費用の剥落により小幅増益、その他は為替の円高影響で減益の見込みとしている。
なお2026年3月期の連結業績予想には、米国関税政策の影響、米USTR(米国通商代表部)による中国建造船に対する米国の入港税の影響、紅海情勢の影響については織り込まないが、中国を中心とする世界経済の不透明感や円高影響などを考慮して減収減益予想としている。米国関税政策及び入港税の影響について、同社は米国発着貨物の取り扱いが少ないため直接的な影響は軽微であり、紅海情勢については紅海の航行が再開しない前提としている。米国関税政策や紅海情勢によって業績が変動する可能性があるものの、中期経営計画で掲げている安定収益源積み上げに向けた各種取り組みの着実な進展を期待したい。
ケミカルタンカーの市況は弱含みだが、ドライバルク船の市況が回復見込み
2. 2026年3月期の市況見通し
2026年3月期の市況見通しについては、ケミカルタンカーの市況は弱含みでの推移を見込んでいる。ケミカルタンカーの竣工数が少なく市場への新造船流入は限定的だが、中国の景気停滞に伴う需要減少やプロダクトタンカーのケミカルタンカー市場への流入が増加しているためである。大型ガス船の市況は弱含みでの推移を見込んでいる。2025年は新造VLGCの竣工予定が13隻と少ないことに加え入渠予定が75隻のため新造船流入の影響は限定的だが、米中間の貿易戦争の影響でLPGの荷動きが不透明な状況となっているためである。ドライバルク船の市況は回復に向かう見込みとしている。米国関税政策等の影響は不透明だが、船腹供給の面では環境規制強化を背景に老齢船の解撤が進むことが予想され、一方で新造船竣工も例年を大幅に上回る増加が見込まれていないためである。不動産業の国内(東京都心)オフィス市況は堅調な推移を見込んでいる。新築大型ビルへの集約移転や利用面積の拡張などにより、空室率の改善とともに平均賃料の上昇傾向も続き、市況回復が鮮明となっているためである。なお、保有不動産は引き続きほぼ満床で稼働している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 2026年3月期連結業績予想の概要
2026年3月期の連結業績は売上高が前期比5.5%減の134,000百万円、営業利益が同33.3%減の11,400百万円、経常利益が同33.8%減の11,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.4%減の11,500百万円を見込んでいる。前提の平均為替レートは140.00円/米ドル(前期実績は152.73円/米ドル)、適合燃料油平均価格は590米ドル/MT(同612米ドル/MT)、市況はケミカルタンカー(19,999dwt 1年TC Rate)が19,500米ドル(同20,625米ドル)、大型ガス(LPG)船(中東-極東)が46米ドル(同58米ドル)、ドライバルク船(太平洋ラウンド)Panamax型が14,500米ドル(同12,386米ドル)、Small Handy型が13,000米ドル(同12,191米ドル)としている。為替感応度(1円変動による経常利益への影響額、営業外の為替差損益除く)は187百万円/年としている。なお2025年5月8日時点におけるスポット比率は大型原油タンカーが0%、ケミカルタンカーが31%、大型ガス(LPG)船が14%、中小型ドライバルク船が45%、電力専用船・チップ専用船が0%となっている。大型原油タンカー、電力専用船・チップ専用船は中長期契約のみで構成されているため、市況影響をほぼ受けない。
同社資料によると、全社営業利益の前期比57.0億円減少の内訳は、大型原油タンカーが同0.9億円減、ケミカルタンカーが同20.2億円減、大型ガス船が同12.7億円減、ドライバルク船が同1.9億円増、中小型ガス船が同4.3億円減、不動産業が同1.2億円増、その他(各分野の為替影響を抜き出して集約)が同21.1億円減の見込みとしている。大型原油タンカーは入渠による稼働減少で小幅減益、ケミカルタンカーは市況軟化や一部COA契約更改での価格下落により減益、大型ガス船は市況軟化や一部船舶を前期に売船したことにより減益、ドライバルク船は市況回復により小幅増益、中小型ガス船は入渠や前期に一部船舶を返船した影響で減益、不動産業はオフィスフロアの高稼働や前期に発生した英国不動産2棟目の初期費用の剥落により小幅増益、その他は為替の円高影響で減益の見込みとしている。
なお2026年3月期の連結業績予想には、米国関税政策の影響、米USTR(米国通商代表部)による中国建造船に対する米国の入港税の影響、紅海情勢の影響については織り込まないが、中国を中心とする世界経済の不透明感や円高影響などを考慮して減収減益予想としている。米国関税政策及び入港税の影響について、同社は米国発着貨物の取り扱いが少ないため直接的な影響は軽微であり、紅海情勢については紅海の航行が再開しない前提としている。米国関税政策や紅海情勢によって業績が変動する可能性があるものの、中期経営計画で掲げている安定収益源積み上げに向けた各種取り組みの着実な進展を期待したい。
ケミカルタンカーの市況は弱含みだが、ドライバルク船の市況が回復見込み
2. 2026年3月期の市況見通し
2026年3月期の市況見通しについては、ケミカルタンカーの市況は弱含みでの推移を見込んでいる。ケミカルタンカーの竣工数が少なく市場への新造船流入は限定的だが、中国の景気停滞に伴う需要減少やプロダクトタンカーのケミカルタンカー市場への流入が増加しているためである。大型ガス船の市況は弱含みでの推移を見込んでいる。2025年は新造VLGCの竣工予定が13隻と少ないことに加え入渠予定が75隻のため新造船流入の影響は限定的だが、米中間の貿易戦争の影響でLPGの荷動きが不透明な状況となっているためである。ドライバルク船の市況は回復に向かう見込みとしている。米国関税政策等の影響は不透明だが、船腹供給の面では環境規制強化を背景に老齢船の解撤が進むことが予想され、一方で新造船竣工も例年を大幅に上回る増加が見込まれていないためである。不動産業の国内(東京都心)オフィス市況は堅調な推移を見込んでいる。新築大型ビルへの集約移転や利用面積の拡張などにより、空室率の改善とともに平均賃料の上昇傾向も続き、市況回復が鮮明となっているためである。なお、保有不動産は引き続きほぼ満床で稼働している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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