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飯野海運 Research Memo(5):不動産業は東京都心部の一等地でオフィスビルを賃貸、海外展開も本格化
配信日時:2025/07/14 11:05
配信元:FISCO
*11:05JST 飯野海運 Research Memo(5):不動産業は東京都心部の一等地でオフィスビルを賃貸、海外展開も本格化
■飯野海運<9119>の事業概要
4. 不動産業
不動産業はオフィスビルの賃貸・管理・メンテナンスを行っている。本社ビルである飯野ビルディング(イイノホール&カンファレンスセンターを含む)など、東京都心部の一等地に賃貸オフィスビルを複数所有していることが特徴だ。またフォトスタジオ事業(イイノ・広尾スタジオ、イイノ・南青山スタジオ)など関連事業も展開している。2025年3月期末時点の所有賃貸ビルは国内6棟(飯野ビルディング、汐留芝離宮ビルディング、日比谷フォートタワー、東京富士見ビル、飯野竹早ビル、NS虎ノ門ビル)、及び海外3棟(英国ロンドンBRACTON HOUSE、英国ロンドン111 STRAND、米国ダラスSOUTHSTONE YARDS OFFICE-B)の合計9棟となっている。
主力の飯野ビルディング(2011年10月開業、2014年11月グランドオープン)は「100年先にも愛されるビル」をコンセプトとして、通常の外壁・窓ガラスを二重構造にして断熱空気層を作ることで熱負荷を軽減する「ダブルスキン外装」を採用するなど、高度な環境性能を追求したビルである。LEED-CI(米国グリーンビルディング協会による環境性能評価システム)の最高位であるプラチナ認証を日本で初めて取得した。また2015年には生物多様性保全に取り組むオフィスビルや商業施設を評価する「いきもの共生事業所(R)認証」(ABINC認証)を取得し、2016年にはABINC認証事業所のうち特にABINCの普及啓発や生物多様性の主流化への貢献度の高い施設として「第1回ABINC特別賞」を受賞した。2021年6月に竣工した日比谷フォートタワーも屋上緑化、低蓄熱型舗装、日光による放射熱を低減するLow-Eガラスの採用、庇による直射日光の遮蔽など環境面に配慮した施設となっている。そして(株)日本格付研究所(JCR)によるグリーンボンド評価及びグリーンローン評価において最上位の「Green1」総合評価を取得し、(株)日本政策投資銀行(DBJ)からはDBJ環境格付において「環境への配慮に対する取り組みが先進的」との格付けを取得している。
同社にとって不動産業は長期的な視野における安定収益源の柱の1つであり、不動産業のポートフォリオ拡大に向けて海外展開も本格化させている。第一弾として2020年3月に英国ロンドンのオフィスビルBRACTON HOUSEを取得したのに続き、2024年3月には英国ロンドンで2棟目となるオフィスビル111 STRAND(2002年竣工)を同物件保有会社の株式取得を通じて取得した。同年4月には、住友林業<1911>及び熊谷組<1861>とともに進めていた米国テキサス州ダラス近郊における木造7階建てESG配慮型オフィスが竣工した。また2022年10月には(株)竹中工務店などとともに、米国オレゴン州ポートランド市における再開発事業「Press Block プロジェクト」に参画(2025年10月竣工予定)している。
5. リスク要因・収益特性と課題・対策
リスク要因として特に外航海運業は海運市況や為替等の影響を受けやすく、業績が大きく変動する可能性がある。この対策として同社は、市況変動の影響を軽減すべく中長期の定期用船契約が中心の大型原油タンカーやガス船で安定収益源の積み上げを図るほか、ケミカルタンカーでは1年程度の複数のCOAとスポット貨物を組み合わせることで利益の最大化を図っている。輸送数量の構成比はCOAが約7割、スポット貨物が約3割となっている。なおCOAでは一般的に、燃料油価格変動に伴う燃料費調整係数(BAF)を付けているため、燃料価格変動の採算への影響は軽微である。さらに内航・近海海運業も含めて、効率的配船やコスト増加に対応した契約有利更改を推進することにより、採算性向上を目指している。
不動産業は賃貸契約更改時に不動産市況、空室率、賃料などの影響を受けるものの、国内における同社保有賃貸ビルはいずれもオフィスビル賃貸市況が堅調な東京都心部の一等地に立地しているため、市況の影響を比較的受けにくい。収益柱の飯野ビルディングは立地面の優位性や高度な環境性能を強みとしており、競争優位性は高い。さらに安定収益源の積み上げを図るべく、2020年3月に英国ロンドンのオフィスビルを取得するなど海外展開も本格化させている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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4. 不動産業
不動産業はオフィスビルの賃貸・管理・メンテナンスを行っている。本社ビルである飯野ビルディング(イイノホール&カンファレンスセンターを含む)など、東京都心部の一等地に賃貸オフィスビルを複数所有していることが特徴だ。またフォトスタジオ事業(イイノ・広尾スタジオ、イイノ・南青山スタジオ)など関連事業も展開している。2025年3月期末時点の所有賃貸ビルは国内6棟(飯野ビルディング、汐留芝離宮ビルディング、日比谷フォートタワー、東京富士見ビル、飯野竹早ビル、NS虎ノ門ビル)、及び海外3棟(英国ロンドンBRACTON HOUSE、英国ロンドン111 STRAND、米国ダラスSOUTHSTONE YARDS OFFICE-B)の合計9棟となっている。
主力の飯野ビルディング(2011年10月開業、2014年11月グランドオープン)は「100年先にも愛されるビル」をコンセプトとして、通常の外壁・窓ガラスを二重構造にして断熱空気層を作ることで熱負荷を軽減する「ダブルスキン外装」を採用するなど、高度な環境性能を追求したビルである。LEED-CI(米国グリーンビルディング協会による環境性能評価システム)の最高位であるプラチナ認証を日本で初めて取得した。また2015年には生物多様性保全に取り組むオフィスビルや商業施設を評価する「いきもの共生事業所(R)認証」(ABINC認証)を取得し、2016年にはABINC認証事業所のうち特にABINCの普及啓発や生物多様性の主流化への貢献度の高い施設として「第1回ABINC特別賞」を受賞した。2021年6月に竣工した日比谷フォートタワーも屋上緑化、低蓄熱型舗装、日光による放射熱を低減するLow-Eガラスの採用、庇による直射日光の遮蔽など環境面に配慮した施設となっている。そして(株)日本格付研究所(JCR)によるグリーンボンド評価及びグリーンローン評価において最上位の「Green1」総合評価を取得し、(株)日本政策投資銀行(DBJ)からはDBJ環境格付において「環境への配慮に対する取り組みが先進的」との格付けを取得している。
同社にとって不動産業は長期的な視野における安定収益源の柱の1つであり、不動産業のポートフォリオ拡大に向けて海外展開も本格化させている。第一弾として2020年3月に英国ロンドンのオフィスビルBRACTON HOUSEを取得したのに続き、2024年3月には英国ロンドンで2棟目となるオフィスビル111 STRAND(2002年竣工)を同物件保有会社の株式取得を通じて取得した。同年4月には、住友林業<1911>及び熊谷組<1861>とともに進めていた米国テキサス州ダラス近郊における木造7階建てESG配慮型オフィスが竣工した。また2022年10月には(株)竹中工務店などとともに、米国オレゴン州ポートランド市における再開発事業「Press Block プロジェクト」に参画(2025年10月竣工予定)している。
5. リスク要因・収益特性と課題・対策
リスク要因として特に外航海運業は海運市況や為替等の影響を受けやすく、業績が大きく変動する可能性がある。この対策として同社は、市況変動の影響を軽減すべく中長期の定期用船契約が中心の大型原油タンカーやガス船で安定収益源の積み上げを図るほか、ケミカルタンカーでは1年程度の複数のCOAとスポット貨物を組み合わせることで利益の最大化を図っている。輸送数量の構成比はCOAが約7割、スポット貨物が約3割となっている。なおCOAでは一般的に、燃料油価格変動に伴う燃料費調整係数(BAF)を付けているため、燃料価格変動の採算への影響は軽微である。さらに内航・近海海運業も含めて、効率的配船やコスト増加に対応した契約有利更改を推進することにより、採算性向上を目指している。
不動産業は賃貸契約更改時に不動産市況、空室率、賃料などの影響を受けるものの、国内における同社保有賃貸ビルはいずれもオフィスビル賃貸市況が堅調な東京都心部の一等地に立地しているため、市況の影響を比較的受けにくい。収益柱の飯野ビルディングは立地面の優位性や高度な環境性能を強みとしており、競争優位性は高い。さらに安定収益源の積み上げを図るべく、2020年3月に英国ロンドンのオフィスビルを取得するなど海外展開も本格化させている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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