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日本電設工業:鉄道電気工事におけるリーディングカンパニー、業績好調で中計前倒し達成かつ資本効率さらなる改善へ
配信日時:2025/07/14 11:00
配信元:FISCO
*11:00JST 日本電設工業:鉄道電気工事におけるリーディングカンパニー、業績好調で中計前倒し達成かつ資本効率さらなる改善へ
日本電設工業<1950>は、鉄道関連を中心とした電気工事業を主軸とし、安定した収益基盤を有している。鉄道電気工事におけるリーディングカンパニーだが、一般電気工事、情報通信工事 環境エネルギー工事まで幅広く全国的に事業を展開している。部門は「鉄道電気工事」「一般電気工事」「情報通信工事」「環境エネルギー工事」「関連事業等」の5つで構成されており、2025年3月期の連結売上高2,169億円のうち、「鉄道電気工事」が54.0%と過半を占め、「一般電気工事」が27.7%、「情報通信工事」が13.0%、「環境エネルギー工事」が2.5%、「関連事業等」が2.8%。また、JR東日本 <9020>向けが51.0%と大きい。
ビジネスモデルの特徴は、鉄道インフラに係る大型工事や長期契約が多く、安定性と継続性が高いことにある。また、ZEB対応工事や5G通信インフラ整備など、成長分野にも対応している。工事進行基準の適用範囲を拡大し、受注から売上計上までのタイムラグが縮まる点も収益の可視性向上に寄与している。最大の強みは、JR東日本をはじめとした鉄道会社との長年の取引関係と、鉄道電気工事における業界トップクラスの実績である。鉄道関連の専門性と安全施工力に裏打ちされた信頼により、公共性の高い案件を多数獲得している。また、ZEB関連や再生可能エネルギー分野、ネットワーク・通信インフラ領域といった今後成長が見込まれる分野にも早期に参入。電気工事のみならず、空調衛生工事や情報通信工事までをワンストップで対応できる総合力が競合との差別化要因である。
2025年3月期の連結売上高は2,169億円(前年同期比11.8%増)、連結営業利益は179億円(同33.4%増)で着地した。鉄道電気事業では、遅れがみられたJR東日本の発注が下期に増加。民鉄各社への営業強化もあり受注は好調だったほか、繰越工事の順調な進捗により売上高は大幅に増加した。工事量増加による施工効率改善と工事単価の引き上げも寄与した。また、一般電気工事も高水準の手持工事が順調に進捗したほか、選別受注による採算改善が寄与。情報通信工事・環境エネルギー工事も好調に推移したようだ。そのほか、工事進行基準の適用拡大も一時的に売上・利益を押し上げた。2026年3月期の業績予想は、連結売上高2,304億円(同6.2%増)、連結営業利益176億円(同1.5%減)とやや慎重な見通し。過去最高の期首繰越高と受注高を背景に売上高は過去最高を更新、鉄道電気工事ではJR東日本をはじめ鉄道各社に発注単価の引き上げを申し入れ、採算性の改善を進める。営業利益に関しては、前期の一時的な増益要因を除けば実質増益となるため、堅調な業績基調が続く見込みである。
事業環境では、公共投資の補正予算効果もあり堅調に推移しているほか、民間設備投資も再開発やデータセンター建設を中心に増加基調にある。都市圏の再開発、既設インフラの老朽化対策も今後進んでいく。特に鉄道業界では、旅客数の回復に伴う投資再開や設備更新が活発化しており、同社にとっては追い風の環境が続いている。加えて、政府の脱炭素政策の推進により、再生可能エネルギーやZEB対応工事の需要が今後も継続的に発生することが期待されており、環境エネルギー工事セグメントは中長期的な成長ドライバーとなる可能性もある。
同社は今後、鉄道電気工事のリーディングカンパニーとしての誇りと責任を持ちつつ、 一般電気・情報通信・環境エネルギー各工事部門の事業拡大により 「総合インフラ設備工事会社」を目指す。JR東日本をはじめJR各社からの受注確保や駅ビル・学校など常連顧客からの受注を拡大させるほか、モバイル分野の受注確保とネットワーク分野の受注拡大も見込む。また、全国公民鉄への参入領域拡大や空調衛生・ZEB・創エネの全国展開に加えて、新規事業への参入 (金属リサイクル事業、地域社会関連事業)も掲げている。定量的な指標では、従来の中期経営計画は1年前倒しで達成見込みとなっていたため、計画を見直しており、2027年3月期に連結売上高2380億円、連結営業利益184億円、ROE8%と時価総額2000億円を掲げている。さらに、2032年3月期の売上高は2,600億円、営業利益200億円、ROE10%以上、時価総額2,300億円を計画。
2031年度までの成長投資枠も開示しており、総額750億円(うち2024年度実績135億円)を成長に向けて活用していく。人材育成への投資はもちろんのこと、新規技術開発や新技術の導入、DX教育の強化および生成AI活用などの生産性改善にも積極的に取り組んでいくようだ。また、事業面でも施工体制強化や新規事業に通じるM&A、金属リサイクルやインフラシェア等の新規事業にも活用していく方針。
収益拡大と増益に伴う収益性・効率性の改善により、ROEは想定資本コストを上回りコロナ前の水準へ回復している(ROE6.92%、想定資本コスト6.8%)。さらなる資本効率改善に向けて、利益還元の姿勢をより明確にするため、配当性向を新たな指標として追加(配当性向40%を目安)。3ヶ年経営計画2024の期間中(2024年度-2026年度)の配当総額を当初計画100億円から160億円以上に修正した。また、自己株式取得に加えて、政策保有株式も2030年3月期までに70%縮減(2024年3月期対比、32銘柄から10銘柄程度に)していく方針。好調な受注による豊富な手持工事と採算性の改善により、中期経営計画の前倒し達成を見込む中、強固な収益基盤をベースに人材・生産性向上・事業の各領域にて成長投資を実施していく同社の今後の成長には注目しておきたい。
<HM>
ビジネスモデルの特徴は、鉄道インフラに係る大型工事や長期契約が多く、安定性と継続性が高いことにある。また、ZEB対応工事や5G通信インフラ整備など、成長分野にも対応している。工事進行基準の適用範囲を拡大し、受注から売上計上までのタイムラグが縮まる点も収益の可視性向上に寄与している。最大の強みは、JR東日本をはじめとした鉄道会社との長年の取引関係と、鉄道電気工事における業界トップクラスの実績である。鉄道関連の専門性と安全施工力に裏打ちされた信頼により、公共性の高い案件を多数獲得している。また、ZEB関連や再生可能エネルギー分野、ネットワーク・通信インフラ領域といった今後成長が見込まれる分野にも早期に参入。電気工事のみならず、空調衛生工事や情報通信工事までをワンストップで対応できる総合力が競合との差別化要因である。
2025年3月期の連結売上高は2,169億円(前年同期比11.8%増)、連結営業利益は179億円(同33.4%増)で着地した。鉄道電気事業では、遅れがみられたJR東日本の発注が下期に増加。民鉄各社への営業強化もあり受注は好調だったほか、繰越工事の順調な進捗により売上高は大幅に増加した。工事量増加による施工効率改善と工事単価の引き上げも寄与した。また、一般電気工事も高水準の手持工事が順調に進捗したほか、選別受注による採算改善が寄与。情報通信工事・環境エネルギー工事も好調に推移したようだ。そのほか、工事進行基準の適用拡大も一時的に売上・利益を押し上げた。2026年3月期の業績予想は、連結売上高2,304億円(同6.2%増)、連結営業利益176億円(同1.5%減)とやや慎重な見通し。過去最高の期首繰越高と受注高を背景に売上高は過去最高を更新、鉄道電気工事ではJR東日本をはじめ鉄道各社に発注単価の引き上げを申し入れ、採算性の改善を進める。営業利益に関しては、前期の一時的な増益要因を除けば実質増益となるため、堅調な業績基調が続く見込みである。
事業環境では、公共投資の補正予算効果もあり堅調に推移しているほか、民間設備投資も再開発やデータセンター建設を中心に増加基調にある。都市圏の再開発、既設インフラの老朽化対策も今後進んでいく。特に鉄道業界では、旅客数の回復に伴う投資再開や設備更新が活発化しており、同社にとっては追い風の環境が続いている。加えて、政府の脱炭素政策の推進により、再生可能エネルギーやZEB対応工事の需要が今後も継続的に発生することが期待されており、環境エネルギー工事セグメントは中長期的な成長ドライバーとなる可能性もある。
同社は今後、鉄道電気工事のリーディングカンパニーとしての誇りと責任を持ちつつ、 一般電気・情報通信・環境エネルギー各工事部門の事業拡大により 「総合インフラ設備工事会社」を目指す。JR東日本をはじめJR各社からの受注確保や駅ビル・学校など常連顧客からの受注を拡大させるほか、モバイル分野の受注確保とネットワーク分野の受注拡大も見込む。また、全国公民鉄への参入領域拡大や空調衛生・ZEB・創エネの全国展開に加えて、新規事業への参入 (金属リサイクル事業、地域社会関連事業)も掲げている。定量的な指標では、従来の中期経営計画は1年前倒しで達成見込みとなっていたため、計画を見直しており、2027年3月期に連結売上高2380億円、連結営業利益184億円、ROE8%と時価総額2000億円を掲げている。さらに、2032年3月期の売上高は2,600億円、営業利益200億円、ROE10%以上、時価総額2,300億円を計画。
2031年度までの成長投資枠も開示しており、総額750億円(うち2024年度実績135億円)を成長に向けて活用していく。人材育成への投資はもちろんのこと、新規技術開発や新技術の導入、DX教育の強化および生成AI活用などの生産性改善にも積極的に取り組んでいくようだ。また、事業面でも施工体制強化や新規事業に通じるM&A、金属リサイクルやインフラシェア等の新規事業にも活用していく方針。
収益拡大と増益に伴う収益性・効率性の改善により、ROEは想定資本コストを上回りコロナ前の水準へ回復している(ROE6.92%、想定資本コスト6.8%)。さらなる資本効率改善に向けて、利益還元の姿勢をより明確にするため、配当性向を新たな指標として追加(配当性向40%を目安)。3ヶ年経営計画2024の期間中(2024年度-2026年度)の配当総額を当初計画100億円から160億円以上に修正した。また、自己株式取得に加えて、政策保有株式も2030年3月期までに70%縮減(2024年3月期対比、32銘柄から10銘柄程度に)していく方針。好調な受注による豊富な手持工事と採算性の改善により、中期経営計画の前倒し達成を見込む中、強固な収益基盤をベースに人材・生産性向上・事業の各領域にて成長投資を実施していく同社の今後の成長には注目しておきたい。
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