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テノックス Research Memo(2):施工力と豊富なラインナップで様々な基礎工事に対応
配信日時:2025/07/11 14:22
配信元:FISCO
*14:22JST テノックス Research Memo(2):施工力と豊富なラインナップで様々な基礎工事に対応
■会社概要
1. 会社概要
テノックス<1905>は、基礎工事に特化した建設事業、建設資材の販売、土木建築コンサルティング全般等事業を行っている。海外では、子会社が建設事業を展開している。主力の建設事業では、戸建て住宅やマンション、学校、病院、商業施設、物流施設、工場、データセンターなど中低層建築物や、道路・鉄道の橋梁や盛土、上下水道施設、土留めなどの土木構造物を建設する際の杭工事や地盤改良工事といった基礎工事を請け負っている。杭工事と地盤改良工事の2つの工法を有する企業は極めて少なく、様々な地盤に対応する施工力と豊富なラインナップは同社の大きな強みとなっている。また、この業界でパイオニアとして専業を貫く同社は、長年培った経験やノウハウによって、中低層建築物向けに業界で広く浸透しているテノコラム工法や、高速道路や鉄道などの土木工事に用いられるガンテツパイル工法、施工品質を高める施工管理システムを開発するなど国内トップクラスの施工技術を有しており、「テノックスブランド」として高い信頼を得ている。
2. 沿革
同社は1970年に創業者の安田善次郎(やすだぜんじろう)氏によって設立され、旭化成工業(株)(現 旭化成<3407>)の代理店としてコンクリート杭の販売及び施工を開始した。1977年に既製杭の施工法(中掘り工法)で特許を取得し、1984年には全国各地の地盤改良工事で現在も使われているテノコラム工法の特許を取得した。こうした施工技術を背景に1980年代後半から1990年にかけて営業拠点網を全国に拡げた。1991年に日本証券業協会に株式を店頭登録した後は業容拡大期に入り、1995年にガンテツパイル工法を開発し技術審査証明を取得したほか、ATTコラム工法、TN-X工法、ピュアパイル工法などを開発した。また、同年には(株)山本組を子会社化して(株)テノックス技研に改称したことに加え、1997年には(株)複合技術研究所を設立した。さらに、2015年にベトナムのホーチミン市にTENOX ASIA COMPANY LIMITEDを設立し、2018年にベトナムでテノコラム工法の技術認証を取得、2024年には施工事業を買収するなど、海外での事業展開も本格化した。一方、国内では2020年以降、(株)広島組のM&Aや日本ヒューム<5262>及び日本コンクリート工業との提携などM&A・提携戦略を加速し、施工力の向上や新たな技術の取り入れを積極的に行っている。
3. 基礎工事とは
基礎工事とは、建築・土木構造物の荷重を目に見えない地盤に伝え、構築物を安全に支える工事のことである。構造物は安定した地盤に直接建設するのが良いとされるが、軟らかい地盤の場合はその下方にある硬い地盤(支持層)で支えなければならず、「地盤と建物の条件に適した土台づくり=基礎工事」が必要とされる。日本は地震が多いうえ、人口の大半が河川下流の土砂が堆積した平野に集中しているため、基礎工事は特に重要視される。基礎工事は主に、支持層が浅い場合の直接基礎と支持層が深い場合の杭基礎に分けられる。そのほかにも軟弱地盤上の浮き基礎や液状化対策を兼用した基礎など、地盤の条件によって様々な工法がある。
直接基礎には、支持層深度が1m以内と非常に浅い場合(または建築物が非常に軽い場合)に基礎を地面に直接建てる工法と、支持層深度が1~2mとやや浅い浅層地盤改良、2~10m程度のやや深い深層地盤改良がある。浅層地盤改良と深層地盤改良のいずれも原地盤に改良材などを混ぜ合わせながら硬い地盤に変えていく工法であり、基礎工事のみならず山留めや土壌汚染対策などにも採用される。
杭基礎は、支持層深度がおおむね10mより深い場合に用いられる工法で、建築物の支え方によって、杭の先端を硬い支持層に到達させて支える支持杭と、杭周面の地盤との摩擦力で支える摩擦杭に分けられる。また、工場で製造され均一性や施工の容易さに特長のある既製杭と、工事現場で製造され杭径の大きさなどの調整が利きやすい場所打ち杭にも分けられる。場所打ち杭は、高層ビルなど重い構造物や既製杭での施工が難しい特殊な地盤などに用いられる。既製杭は材料による分類もあり、靭性(大地震にねばれるしなやかさ)が高く加工しやすい鋼管杭と、超高強度コンクリートにより高い支持力が得られるコンクリート杭に分けられる。セメントと鋼管の長所を兼ね備えたハイブリッドな合成杭もある。
基礎工事の対象は、様々な地盤に建つ戸建て住宅から高層ビル、橋梁まで大小多岐にわたる建築・土木構造物となるため、基礎工事を行うのは個人から中小企業、大企業まで様々である。また、基礎工事は地中が目視できない分、施工への信頼が重要な前提条件となる。近年は大地震や大型台風、集中豪雨といった激甚災害に対する防災意識の高まりから、基礎工事への注目が増している。そうした業界で、杭工事と地盤改良工事の2つの工法を有し、場所打ち杭以外ほとんどの基礎工事に対応できる企業は極めて少なく、同社の大きな強みとなっている。また、施工管理システムの開発などを行って、施工品質を高めている点も特長的である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 会社概要
テノックス<1905>は、基礎工事に特化した建設事業、建設資材の販売、土木建築コンサルティング全般等事業を行っている。海外では、子会社が建設事業を展開している。主力の建設事業では、戸建て住宅やマンション、学校、病院、商業施設、物流施設、工場、データセンターなど中低層建築物や、道路・鉄道の橋梁や盛土、上下水道施設、土留めなどの土木構造物を建設する際の杭工事や地盤改良工事といった基礎工事を請け負っている。杭工事と地盤改良工事の2つの工法を有する企業は極めて少なく、様々な地盤に対応する施工力と豊富なラインナップは同社の大きな強みとなっている。また、この業界でパイオニアとして専業を貫く同社は、長年培った経験やノウハウによって、中低層建築物向けに業界で広く浸透しているテノコラム工法や、高速道路や鉄道などの土木工事に用いられるガンテツパイル工法、施工品質を高める施工管理システムを開発するなど国内トップクラスの施工技術を有しており、「テノックスブランド」として高い信頼を得ている。
2. 沿革
同社は1970年に創業者の安田善次郎(やすだぜんじろう)氏によって設立され、旭化成工業(株)(現 旭化成<3407>)の代理店としてコンクリート杭の販売及び施工を開始した。1977年に既製杭の施工法(中掘り工法)で特許を取得し、1984年には全国各地の地盤改良工事で現在も使われているテノコラム工法の特許を取得した。こうした施工技術を背景に1980年代後半から1990年にかけて営業拠点網を全国に拡げた。1991年に日本証券業協会に株式を店頭登録した後は業容拡大期に入り、1995年にガンテツパイル工法を開発し技術審査証明を取得したほか、ATTコラム工法、TN-X工法、ピュアパイル工法などを開発した。また、同年には(株)山本組を子会社化して(株)テノックス技研に改称したことに加え、1997年には(株)複合技術研究所を設立した。さらに、2015年にベトナムのホーチミン市にTENOX ASIA COMPANY LIMITEDを設立し、2018年にベトナムでテノコラム工法の技術認証を取得、2024年には施工事業を買収するなど、海外での事業展開も本格化した。一方、国内では2020年以降、(株)広島組のM&Aや日本ヒューム<5262>及び日本コンクリート工業との提携などM&A・提携戦略を加速し、施工力の向上や新たな技術の取り入れを積極的に行っている。
3. 基礎工事とは
基礎工事とは、建築・土木構造物の荷重を目に見えない地盤に伝え、構築物を安全に支える工事のことである。構造物は安定した地盤に直接建設するのが良いとされるが、軟らかい地盤の場合はその下方にある硬い地盤(支持層)で支えなければならず、「地盤と建物の条件に適した土台づくり=基礎工事」が必要とされる。日本は地震が多いうえ、人口の大半が河川下流の土砂が堆積した平野に集中しているため、基礎工事は特に重要視される。基礎工事は主に、支持層が浅い場合の直接基礎と支持層が深い場合の杭基礎に分けられる。そのほかにも軟弱地盤上の浮き基礎や液状化対策を兼用した基礎など、地盤の条件によって様々な工法がある。
直接基礎には、支持層深度が1m以内と非常に浅い場合(または建築物が非常に軽い場合)に基礎を地面に直接建てる工法と、支持層深度が1~2mとやや浅い浅層地盤改良、2~10m程度のやや深い深層地盤改良がある。浅層地盤改良と深層地盤改良のいずれも原地盤に改良材などを混ぜ合わせながら硬い地盤に変えていく工法であり、基礎工事のみならず山留めや土壌汚染対策などにも採用される。
杭基礎は、支持層深度がおおむね10mより深い場合に用いられる工法で、建築物の支え方によって、杭の先端を硬い支持層に到達させて支える支持杭と、杭周面の地盤との摩擦力で支える摩擦杭に分けられる。また、工場で製造され均一性や施工の容易さに特長のある既製杭と、工事現場で製造され杭径の大きさなどの調整が利きやすい場所打ち杭にも分けられる。場所打ち杭は、高層ビルなど重い構造物や既製杭での施工が難しい特殊な地盤などに用いられる。既製杭は材料による分類もあり、靭性(大地震にねばれるしなやかさ)が高く加工しやすい鋼管杭と、超高強度コンクリートにより高い支持力が得られるコンクリート杭に分けられる。セメントと鋼管の長所を兼ね備えたハイブリッドな合成杭もある。
基礎工事の対象は、様々な地盤に建つ戸建て住宅から高層ビル、橋梁まで大小多岐にわたる建築・土木構造物となるため、基礎工事を行うのは個人から中小企業、大企業まで様々である。また、基礎工事は地中が目視できない分、施工への信頼が重要な前提条件となる。近年は大地震や大型台風、集中豪雨といった激甚災害に対する防災意識の高まりから、基礎工事への注目が増している。そうした業界で、杭工事と地盤改良工事の2つの工法を有し、場所打ち杭以外ほとんどの基礎工事に対応できる企業は極めて少なく、同社の大きな強みとなっている。また、施工管理システムの開発などを行って、施工品質を高めている点も特長的である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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