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テノックス Research Memo(1):利益は高水準、中計目標の達成が視野入り
配信日時:2025/07/11 14:21
配信元:FISCO
*14:21JST テノックス Research Memo(1):利益は高水準、中計目標の達成が視野入り
■要約
1. 杭工事や地盤改良工事など信頼が重要な基礎工事に特化した建設事業を展開
テノックス<1905>は、基礎工事に特化した建設事業を行っている。基礎工事は、戸建て住宅やマンション、工場、道路・鉄道の橋梁などの構造物の荷重を目に見えない地盤に伝え、安全に支える工事であることから、施工への信頼が重要な前提条件となる。近年は大地震や大型台風、集中豪雨といった激甚災害に対する防災意識の高まりから、基礎工事への注目が増している。同社は、基礎工事のパイオニアとして、中低層建築物向けに業界で広く浸透しているテノコラム工法や、高速道路や新幹線などの土木工事に用いられるガンテツパイル工法を開発するなど、国内有数の技術力と信頼を誇る。同社の売上高の大半がこうした国内の基礎工事だが、子会社で海外建設事業や土木建築コンサルティング全般等事業も展開している。
2. 施工ラインナップ、高い施工力・施工品質、一貫体制、「折り込む力」に強み
同社は豊富な施工ラインナップに強みがあり、鋼管杭工事や深層地盤改良工事を得意とするほか、コンクリート杭工事や浅層地盤改良工事も主力工法に加わった。また、施工状況をリアルタイムで確認できる施工管理システムや、子会社が擁する工事技能者集団・各種機材による高い施工力・施工品質、さらには工法提案から施工までの一貫体制を整えていることも強みである。基礎工事は、構造物で最も重要な工程であるがゆえに設計業者や総合建設業者(ゼネコン)と直接的なつながりができるため、同社の技術提案が設計に反映されるケースが多く、ゼネコンからの発注機会も増えているようだ。同社はこれを「折り込む力」と呼び、ビジネスモデル上の大きな強みとなっている。
3. 北海道新幹線延伸事業ピークアウトで2ケタ減益予想も、利益は依然高水準
2025年3月期の業績は、売上高が23,717百万円(前期比17.4%増)、営業利益が1,115百万円(同114.1%増)と非常に好調だった。大型の地盤改良工事が減少、人員増や賃上げに伴って労務費や人件費などの販売費及び一般管理費が増加したが、価格転嫁や北海道新幹線延伸事業の大型杭工事が順調に進捗したことなどにより大幅増益となった。2026年3月期の業績見通しについて、同社は売上高23,500百万円(前期比0.9%減)、営業利益900百万円(同19.3%減)と見込んでいる。売上高は、北海道新幹線延伸事業のピークアウトを地盤改良工事の回復などでカバーし、微減収にとどめる方針である。営業利益も前述の理由により2ケタ減益予想としたが、利益水準は2023年3月期までと比べて依然高水準にある。
4. 新工法やリニア中央新幹線などのけん引で、2027年3月期に経常利益15億円達成へ
長期ビジョンのPhase3となる中期経営計画(2024〜2026年度)では「未来を拓く、新たな一歩」をスローガンに、「事業別戦略」「開発戦略」「環境・デジタル戦略」「経営基盤の強化」「資本効率経営の推進」という5つの重要戦略を展開、2027年3月期に売上高270億円、経常利益15億円、ROE8%を目指している。開発したCP-X工法やテノキューブ工法といった新工法の上市やベトナムでのバリューチェーン構築など、中期経営計画は順調に進捗している。加えて、多大な利益貢献となった北海道新幹線延伸事業と同規模のリニア中央新幹線に関わる案件の準備に入るほか、環境問題の側面からも同社の多様な工法が選択されやすくなっていることもあり、2026年3月期は減収減益見込みだが、中期経営計画の目標は達成が視野に入ったといえよう。
■Key Points
・基礎工事に特化した建設事業を展開、豊富な施工ラインナップなどに強み
・北海道新幹線延伸事業ピークアウトで今期2ケタ減益予想も、利益は高水準
・リニア中央新幹線に関わる案件なども予定されており、中計目標達成が視野入り
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 杭工事や地盤改良工事など信頼が重要な基礎工事に特化した建設事業を展開
テノックス<1905>は、基礎工事に特化した建設事業を行っている。基礎工事は、戸建て住宅やマンション、工場、道路・鉄道の橋梁などの構造物の荷重を目に見えない地盤に伝え、安全に支える工事であることから、施工への信頼が重要な前提条件となる。近年は大地震や大型台風、集中豪雨といった激甚災害に対する防災意識の高まりから、基礎工事への注目が増している。同社は、基礎工事のパイオニアとして、中低層建築物向けに業界で広く浸透しているテノコラム工法や、高速道路や新幹線などの土木工事に用いられるガンテツパイル工法を開発するなど、国内有数の技術力と信頼を誇る。同社の売上高の大半がこうした国内の基礎工事だが、子会社で海外建設事業や土木建築コンサルティング全般等事業も展開している。
2. 施工ラインナップ、高い施工力・施工品質、一貫体制、「折り込む力」に強み
同社は豊富な施工ラインナップに強みがあり、鋼管杭工事や深層地盤改良工事を得意とするほか、コンクリート杭工事や浅層地盤改良工事も主力工法に加わった。また、施工状況をリアルタイムで確認できる施工管理システムや、子会社が擁する工事技能者集団・各種機材による高い施工力・施工品質、さらには工法提案から施工までの一貫体制を整えていることも強みである。基礎工事は、構造物で最も重要な工程であるがゆえに設計業者や総合建設業者(ゼネコン)と直接的なつながりができるため、同社の技術提案が設計に反映されるケースが多く、ゼネコンからの発注機会も増えているようだ。同社はこれを「折り込む力」と呼び、ビジネスモデル上の大きな強みとなっている。
3. 北海道新幹線延伸事業ピークアウトで2ケタ減益予想も、利益は依然高水準
2025年3月期の業績は、売上高が23,717百万円(前期比17.4%増)、営業利益が1,115百万円(同114.1%増)と非常に好調だった。大型の地盤改良工事が減少、人員増や賃上げに伴って労務費や人件費などの販売費及び一般管理費が増加したが、価格転嫁や北海道新幹線延伸事業の大型杭工事が順調に進捗したことなどにより大幅増益となった。2026年3月期の業績見通しについて、同社は売上高23,500百万円(前期比0.9%減)、営業利益900百万円(同19.3%減)と見込んでいる。売上高は、北海道新幹線延伸事業のピークアウトを地盤改良工事の回復などでカバーし、微減収にとどめる方針である。営業利益も前述の理由により2ケタ減益予想としたが、利益水準は2023年3月期までと比べて依然高水準にある。
4. 新工法やリニア中央新幹線などのけん引で、2027年3月期に経常利益15億円達成へ
長期ビジョンのPhase3となる中期経営計画(2024〜2026年度)では「未来を拓く、新たな一歩」をスローガンに、「事業別戦略」「開発戦略」「環境・デジタル戦略」「経営基盤の強化」「資本効率経営の推進」という5つの重要戦略を展開、2027年3月期に売上高270億円、経常利益15億円、ROE8%を目指している。開発したCP-X工法やテノキューブ工法といった新工法の上市やベトナムでのバリューチェーン構築など、中期経営計画は順調に進捗している。加えて、多大な利益貢献となった北海道新幹線延伸事業と同規模のリニア中央新幹線に関わる案件の準備に入るほか、環境問題の側面からも同社の多様な工法が選択されやすくなっていることもあり、2026年3月期は減収減益見込みだが、中期経営計画の目標は達成が視野に入ったといえよう。
■Key Points
・基礎工事に特化した建設事業を展開、豊富な施工ラインナップなどに強み
・北海道新幹線延伸事業ピークアウトで今期2ケタ減益予想も、利益は高水準
・リニア中央新幹線に関わる案件なども予定されており、中計目標達成が視野入り
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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