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ステラケミファ:半導体産業などにフッ素高純度薬品を供給、中計では3年間累計で総還元性向100%以上を目標
配信日時:2025/07/10 15:08
配信元:FISCO
*15:08JST ステラケミファ:半導体産業などにフッ素高純度薬品を供給、中計では3年間累計で総還元性向100%以上を目標
ステラケミファ<4109>は1916年創業、フッ素化学に特化した化学メーカー。大阪に本社を置き、高純度フッ化水素酸を核とする薬液の国内首位級サプライヤーとして半導体産業を支える。運輸子会社による特殊貨物輸送ノウハウを保有し、「製造+物流」の一体運営で安全と品質を両立する体制が特色。
同社事業は高純度薬品事業と運輸事業の2本柱。主力は高純度薬品事業で、売上高の85%、営業利益の80%と大宗を占める。
高純度薬品事業においては、半導体部門が売上の67%を占める。海外売上高比率は58%まで拡大しており、主要地域は韓国、台湾、シンガポールである。同社の強みは1980年代から半導体産業向けに、フッ化水素酸など超高純度薬品を手掛けてきた実績にある。国内のほとんどの半導体メーカーと取引を行っている。また、生成・分析能力、運輸など総合的なクリーンテクノロジーの供給が可能な稀有な存在として業界で強固なポジショニングを築いている。
同社は、フッ素化学について専門特化し、長年にわたり知見・技術を蓄積しているが、フッ素化学製品は取り扱いに危険を伴うため非常に参入障壁が高くなっている。同社は成長産業に必須となる高純度の同製品を、安全性に配慮しながら大量供給することで事業拡大を続けている。
また、半導体分野においては、電気自動車領域など期待ほどの受注に至らない分野もあるが、生成AI関連やデータセンターが追い風になっており、成長領域として取り込んでいる。
次に、高純度薬品事業のエネルギー部門では、原子力発電施設向けの濃縮ホウ素(ボロン10)を製造・販売している。国内では下火となっているが、中国においては原発建設が続いており、新規建設の都度、大きな受注を獲得している。また、足元では欧州地域においても、原発建設再開の動きが出てきており、今後の商機となる可能性がある。他には、一般製品部門として、虫歯や歯肉炎の予防効果を持つ歯磨き用添加剤を扱っている。具体例としては、GMP対応製品として、欧米を中心にフッ化スズを販売している。国内では、フッ化スズの使用は認められていないものの、今後国内でも認可取得していくことで、拡販の余地があると言えよう。
2026年3月期の見通しについては、売上高は前期比0.8%減の36,000百万円、営業利益は同5.5%減の4,100百万円、純利益は同6.7%減の2,700百万円としている。高純度薬品事業の主力である半導体部門については、販売微増を見込むが、エネルギー部門においては、新規原発建設数が前年比で少なくなるため、原子力発電施設向け濃縮ホウ素(ボロン10)の販売減少を見込んでいる。エネルギー部門においては、受注が数年単位で計画されるため、計画には相応の確度があると見るが、半導体部門については、足元の生成AIブームなど旺盛な需要が引き続きアップサイドがあるだろう。一方、米国関税の影響については、米国への直接的な販売は限定的であり、現時点では見通せないことから、影響は計画に織り込んでいない。
同社は第4次中期経営計画(FY26-28)を発表している。定量目標としては、2028年3月期に売上高42,000百万円、営業利益5,500百万円、営業利益率13.1%、ROE8%以上を掲げている。マクロ環境として、ポジティブなトレンドが続く半導体部門が主力であることは変わらないが、今後は更なる事業成長に向け米国市場の開拓など企図している。目下、米国政府は国内での半導体製造を志向しており、米国市場への製品供給が実現すれば、同社業績に対して大きなアップサイドとなろう。
株主還元について、成長投資とのバランスに加えて、資本コストと株価を意識した経営を実現していくため、中期経営計画3年間累計で総還元性向100%以上を目標としている。2026年3月期の年間配当予想は、1株当たり170円(配当性向74.3%、予想配当利回り4.58%)となっている。
同社を取り巻くマクロ環境は追い風であり、予想配当利回り4.58%、PBR1倍程度となる現在の株価水準は割安と考える。堅調な業績に加え、総還元性向100%以上とする財務方針を踏まえると、自己株式取得も期待できよう。今後、業績が順調に進捗するに伴い、バリエーションが見直されるか注目したい。
<HM>
同社事業は高純度薬品事業と運輸事業の2本柱。主力は高純度薬品事業で、売上高の85%、営業利益の80%と大宗を占める。
高純度薬品事業においては、半導体部門が売上の67%を占める。海外売上高比率は58%まで拡大しており、主要地域は韓国、台湾、シンガポールである。同社の強みは1980年代から半導体産業向けに、フッ化水素酸など超高純度薬品を手掛けてきた実績にある。国内のほとんどの半導体メーカーと取引を行っている。また、生成・分析能力、運輸など総合的なクリーンテクノロジーの供給が可能な稀有な存在として業界で強固なポジショニングを築いている。
同社は、フッ素化学について専門特化し、長年にわたり知見・技術を蓄積しているが、フッ素化学製品は取り扱いに危険を伴うため非常に参入障壁が高くなっている。同社は成長産業に必須となる高純度の同製品を、安全性に配慮しながら大量供給することで事業拡大を続けている。
また、半導体分野においては、電気自動車領域など期待ほどの受注に至らない分野もあるが、生成AI関連やデータセンターが追い風になっており、成長領域として取り込んでいる。
次に、高純度薬品事業のエネルギー部門では、原子力発電施設向けの濃縮ホウ素(ボロン10)を製造・販売している。国内では下火となっているが、中国においては原発建設が続いており、新規建設の都度、大きな受注を獲得している。また、足元では欧州地域においても、原発建設再開の動きが出てきており、今後の商機となる可能性がある。他には、一般製品部門として、虫歯や歯肉炎の予防効果を持つ歯磨き用添加剤を扱っている。具体例としては、GMP対応製品として、欧米を中心にフッ化スズを販売している。国内では、フッ化スズの使用は認められていないものの、今後国内でも認可取得していくことで、拡販の余地があると言えよう。
2026年3月期の見通しについては、売上高は前期比0.8%減の36,000百万円、営業利益は同5.5%減の4,100百万円、純利益は同6.7%減の2,700百万円としている。高純度薬品事業の主力である半導体部門については、販売微増を見込むが、エネルギー部門においては、新規原発建設数が前年比で少なくなるため、原子力発電施設向け濃縮ホウ素(ボロン10)の販売減少を見込んでいる。エネルギー部門においては、受注が数年単位で計画されるため、計画には相応の確度があると見るが、半導体部門については、足元の生成AIブームなど旺盛な需要が引き続きアップサイドがあるだろう。一方、米国関税の影響については、米国への直接的な販売は限定的であり、現時点では見通せないことから、影響は計画に織り込んでいない。
同社は第4次中期経営計画(FY26-28)を発表している。定量目標としては、2028年3月期に売上高42,000百万円、営業利益5,500百万円、営業利益率13.1%、ROE8%以上を掲げている。マクロ環境として、ポジティブなトレンドが続く半導体部門が主力であることは変わらないが、今後は更なる事業成長に向け米国市場の開拓など企図している。目下、米国政府は国内での半導体製造を志向しており、米国市場への製品供給が実現すれば、同社業績に対して大きなアップサイドとなろう。
株主還元について、成長投資とのバランスに加えて、資本コストと株価を意識した経営を実現していくため、中期経営計画3年間累計で総還元性向100%以上を目標としている。2026年3月期の年間配当予想は、1株当たり170円(配当性向74.3%、予想配当利回り4.58%)となっている。
同社を取り巻くマクロ環境は追い風であり、予想配当利回り4.58%、PBR1倍程度となる現在の株価水準は割安と考える。堅調な業績に加え、総還元性向100%以上とする財務方針を踏まえると、自己株式取得も期待できよう。今後、業績が順調に進捗するに伴い、バリエーションが見直されるか注目したい。
<HM>
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