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フタバ Research Memo(4):技術開発力とモノづくり力を核に技術力を深化、経営環境の変化に対応する(2)
配信日時:2025/07/09 15:04
配信元:FISCO
*15:04JST フタバ Research Memo(4):技術開発力とモノづくり力を核に技術力を深化、経営環境の変化に対応する(2)
■事業概要
2. 事業概要
(1) 同社の強み
フタバ産業<7241>は創業80年の歩みのなかで、製品企画から設計・開発、生産準備・生産までの一貫生産体制をグローバルに整備しながら、競争力の源泉となる新技術に果敢に挑戦し、培ってきた「技術開発力」と「モノづくり力」の強みを深化させ続けてきた。「技術開発力」は製品企画提案力と開発・評価体制に裏打ちされている。製品企画としては、自動車メーカーの企画・SE※1フェーズから構造提案ができる体制を整えている。ボデー構造の情報から、部材の強度や組み合せを検証し、高品質で高性能の部品構造を提案する。組立溶接設備製作を行う外販設備事業を持つ強みを生かし、ボデー部品と内装部品を合わせたゾーン開発提案も行うことができる。パワートレーン系部品については、規制が厳格化される排気系システムの提案に加え、様々な電動車のニーズ(バッテリーの大型化、安全性など)に応える電動化関連部品の提案も進めている。開発・評価体制としては、ボデーシェル解析※2や衝突時の溶接部破断予測技術に取り組み、解析技術を強化している。排気系部品では、構造体の強度だけでなく音や振動の低減、熱の移動の評価・解析が可能であり、小型軽量のマフラーの実現、排気ガス熱のエンジン暖気や室内暖房への活用などをしている。
※1 SE(Simultaneous Engineering):開発初期から生産技術や製造部門が設計に参加する活動。
※2 ボデーシェル解析:車体骨格の変形状態を確認すること。
「モノづくり力」は、その生産技術力とグローバル生産体制に裏打ちされている。成型技術と接合技術は創業より培ってきた強みであり、鉄・ステンレスの曲げ、しぼりなどの技術をはじめ、成型難易度の高い超高張力鋼板(超ハイテン材)を冷間プレスで加工する技術や、高強度で複雑な形状を可能とするホットスタンプ加工※1を他社に先駆けて導入し強みとしてきた。特に同社が加工する1470MPa冷間超ハイテン材は、一般的な鋼板よりも非常に高い強度を持ち、板厚を薄く軽量化しても十分な強度を確保できる一方で、伸びにくい材料のため成形しにくく、成形後のスプリングバック現象(材料が元に戻ろうとする力)が大きいため寸法精度を確保することが難しい材料である。溶接技術では、高効率なエネルギー使用ができ、溶接品質に優れたファイバーレーザー溶接を使いこなす技術力とノウハウを有している。また外板設備の設計段階で最新デジタルツイン※2を活用しロボット動作プログラム・電気制御プログラムなどに至るまでCAD上で再現し、現物がなくても設備を造り込むことができる技術を有している。世界に27の生産拠点を持ち、グローバルに情報の共有を行いながら生産性の向上を図り、グローバルな生産体制を構築している同社の各生産拠点は自動車メーカーの近くに立地し、トヨタ生産方式(TPS)を用いて地域に合わせた生産方法の現地化と工場間の物流の最適化を行い、安定的な製品の供給を行っている。
※1 ホットスタンプ加工:高温に加熱した鋼板をプレス成型した後、金型内に保持し急冷することで鋼板を高強度化する技術。
※2 デジタルツイン技術:IoT等のテクノロジーを活用して、現実の設備/製品やこれから作る設備/製品を仮想空間(デジタル上)に再現する技術。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<HN>
2. 事業概要
(1) 同社の強み
フタバ産業<7241>は創業80年の歩みのなかで、製品企画から設計・開発、生産準備・生産までの一貫生産体制をグローバルに整備しながら、競争力の源泉となる新技術に果敢に挑戦し、培ってきた「技術開発力」と「モノづくり力」の強みを深化させ続けてきた。「技術開発力」は製品企画提案力と開発・評価体制に裏打ちされている。製品企画としては、自動車メーカーの企画・SE※1フェーズから構造提案ができる体制を整えている。ボデー構造の情報から、部材の強度や組み合せを検証し、高品質で高性能の部品構造を提案する。組立溶接設備製作を行う外販設備事業を持つ強みを生かし、ボデー部品と内装部品を合わせたゾーン開発提案も行うことができる。パワートレーン系部品については、規制が厳格化される排気系システムの提案に加え、様々な電動車のニーズ(バッテリーの大型化、安全性など)に応える電動化関連部品の提案も進めている。開発・評価体制としては、ボデーシェル解析※2や衝突時の溶接部破断予測技術に取り組み、解析技術を強化している。排気系部品では、構造体の強度だけでなく音や振動の低減、熱の移動の評価・解析が可能であり、小型軽量のマフラーの実現、排気ガス熱のエンジン暖気や室内暖房への活用などをしている。
※1 SE(Simultaneous Engineering):開発初期から生産技術や製造部門が設計に参加する活動。
※2 ボデーシェル解析:車体骨格の変形状態を確認すること。
「モノづくり力」は、その生産技術力とグローバル生産体制に裏打ちされている。成型技術と接合技術は創業より培ってきた強みであり、鉄・ステンレスの曲げ、しぼりなどの技術をはじめ、成型難易度の高い超高張力鋼板(超ハイテン材)を冷間プレスで加工する技術や、高強度で複雑な形状を可能とするホットスタンプ加工※1を他社に先駆けて導入し強みとしてきた。特に同社が加工する1470MPa冷間超ハイテン材は、一般的な鋼板よりも非常に高い強度を持ち、板厚を薄く軽量化しても十分な強度を確保できる一方で、伸びにくい材料のため成形しにくく、成形後のスプリングバック現象(材料が元に戻ろうとする力)が大きいため寸法精度を確保することが難しい材料である。溶接技術では、高効率なエネルギー使用ができ、溶接品質に優れたファイバーレーザー溶接を使いこなす技術力とノウハウを有している。また外板設備の設計段階で最新デジタルツイン※2を活用しロボット動作プログラム・電気制御プログラムなどに至るまでCAD上で再現し、現物がなくても設備を造り込むことができる技術を有している。世界に27の生産拠点を持ち、グローバルに情報の共有を行いながら生産性の向上を図り、グローバルな生産体制を構築している同社の各生産拠点は自動車メーカーの近くに立地し、トヨタ生産方式(TPS)を用いて地域に合わせた生産方法の現地化と工場間の物流の最適化を行い、安定的な製品の供給を行っている。
※1 ホットスタンプ加工:高温に加熱した鋼板をプレス成型した後、金型内に保持し急冷することで鋼板を高強度化する技術。
※2 デジタルツイン技術:IoT等のテクノロジーを活用して、現実の設備/製品やこれから作る設備/製品を仮想空間(デジタル上)に再現する技術。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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