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ヒーハイスト Research Memo(1):主力事業は高度な加工技術を生かした精密部品製造
配信日時:2025/07/09 14:01
配信元:FISCO
*14:01JST ヒーハイスト Research Memo(1):主力事業は高度な加工技術を生かした精密部品製造
■要約
ヒーハイスト<6433>は、高度な部品加工技術を強みに3つの領域(直動機器、精密部品加工、ユニット製品)で事業を展開している。主要顧客としてTHK<6481>や本田技研工業<7267>(以下、ホンダ)の研究所を抱えており、同社の技術力が高いことを裏付けている。大部分がOEM供給、研究開発用やレース用車種向けの特殊部品であることから、業績が急変(急増や急減)することは少ない。今後は、現在持っている高い部品加工技術を生かして新分野へ展開することで成長を目指していく。
1. 2025年3月期(業績):主力の直動機器が低迷し営業損失
2025年3月期の業績は、売上高が2,245百万円(前期比2.8%減)、営業損失が121百万円(前期は158百万円の損失)、経常損失が189百万円(前期は156百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が203百万円(前期は221百万円の損失)となった。直動機器は、主力のTHK向けの需要が低迷し、同14.2%減となった。精密部品加工は、レース用の部品が増加し同28.5%増となった。ユニット製品は、国内は生産設備向けにステージと、中国市場での装置向けの球面軸受の売上が増加したことなどから同5.2%の増収となった。売上総利益率は14.9%(前期は13.7%)と改善したが、これは2025年3月期の期首から有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更した影響が大きい。この結果、減収ながら売上総利益は同5.7%増となった。経費節減の取り組みなどにより販管費は前期比で4.0%減となったが、売上総利益を上回ったため、営業損失を計上した。当期純損失を計上したが、年間1円の配当を実施した。
2. 2026年3月期(業績予想):回復予想だが営業利益は小幅
2026年3月期の業績は、売上高が2,486円(前期比10.8%増)、営業利益が68百万円(前期は121百万円の損失)、経常利益が57百万円(前期は189百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が34百万円(前期は203百万円の損失)を見込んでいる。直動機器はTHK向けを中心に受注が回復すると予想しているが、本格回復は下期になる見込みだ。精密部品加工は前期の反動に加えて、F1向け部品の本格的な立ち上がりは下期からの見込みであることから、減収を予想している。ユニット製品は中国向け球面軸受の売上がさらに増加する見込みで、増収を予想している。一方で設備投資がピークアウトすることから、減価償却費は微増にとどまる見込みだ。このような状況から営業利益は少額ながら黒字回復を見込んでおり、年間配当は2円を予想している。
3. 中長期の展望:「製品のスクラップ&ビルド」と「PMマトリックス」を推進
同社では2023年6月27日に中期経営計画を発表し、今後の中期的戦略(重点施策)として、「スマート生産」「直動機器の製品力強化」「稼働率の平準化(機会損失の回避)」を掲げていた。しかし足元の受注業況が大きく変化したことを踏まえ、計画を更新した。基本的な戦略に変更はないが、特に製品群の見直し(スクラップ&ビルド)により低採算製品からの撤退を進め、リソースを高収益製品に集中する。この計画に沿って経営方針の神髄である「PMマトリックス」では、新製品・新規事業投入及び新市場の開拓(但し、リスク面を考慮し、新製品・新規事業を新市場に投入することは行わない方針)を積極的に進める。数値目標としては、2027年3月期に売上高2,863百万円、営業利益139百万円、営業利益率4.9%などを掲げている。厳しい事業環境のなか、中期経営計画に沿って同社がどのように変わっていくか注目したい。
■Key Points
・高度な部品加工技術を強みに事業展開、大手向けOEMや特定顧客向け売上高が多い
・2025年3月期は営業損失を計上したが、2026年3月期は回復を予想
・中長期の戦略として「製品力強化(スクラップ&ビルド)」と「PMマトリックス」を推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
ヒーハイスト<6433>は、高度な部品加工技術を強みに3つの領域(直動機器、精密部品加工、ユニット製品)で事業を展開している。主要顧客としてTHK<6481>や本田技研工業<7267>(以下、ホンダ)の研究所を抱えており、同社の技術力が高いことを裏付けている。大部分がOEM供給、研究開発用やレース用車種向けの特殊部品であることから、業績が急変(急増や急減)することは少ない。今後は、現在持っている高い部品加工技術を生かして新分野へ展開することで成長を目指していく。
1. 2025年3月期(業績):主力の直動機器が低迷し営業損失
2025年3月期の業績は、売上高が2,245百万円(前期比2.8%減)、営業損失が121百万円(前期は158百万円の損失)、経常損失が189百万円(前期は156百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が203百万円(前期は221百万円の損失)となった。直動機器は、主力のTHK向けの需要が低迷し、同14.2%減となった。精密部品加工は、レース用の部品が増加し同28.5%増となった。ユニット製品は、国内は生産設備向けにステージと、中国市場での装置向けの球面軸受の売上が増加したことなどから同5.2%の増収となった。売上総利益率は14.9%(前期は13.7%)と改善したが、これは2025年3月期の期首から有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更した影響が大きい。この結果、減収ながら売上総利益は同5.7%増となった。経費節減の取り組みなどにより販管費は前期比で4.0%減となったが、売上総利益を上回ったため、営業損失を計上した。当期純損失を計上したが、年間1円の配当を実施した。
2. 2026年3月期(業績予想):回復予想だが営業利益は小幅
2026年3月期の業績は、売上高が2,486円(前期比10.8%増)、営業利益が68百万円(前期は121百万円の損失)、経常利益が57百万円(前期は189百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が34百万円(前期は203百万円の損失)を見込んでいる。直動機器はTHK向けを中心に受注が回復すると予想しているが、本格回復は下期になる見込みだ。精密部品加工は前期の反動に加えて、F1向け部品の本格的な立ち上がりは下期からの見込みであることから、減収を予想している。ユニット製品は中国向け球面軸受の売上がさらに増加する見込みで、増収を予想している。一方で設備投資がピークアウトすることから、減価償却費は微増にとどまる見込みだ。このような状況から営業利益は少額ながら黒字回復を見込んでおり、年間配当は2円を予想している。
3. 中長期の展望:「製品のスクラップ&ビルド」と「PMマトリックス」を推進
同社では2023年6月27日に中期経営計画を発表し、今後の中期的戦略(重点施策)として、「スマート生産」「直動機器の製品力強化」「稼働率の平準化(機会損失の回避)」を掲げていた。しかし足元の受注業況が大きく変化したことを踏まえ、計画を更新した。基本的な戦略に変更はないが、特に製品群の見直し(スクラップ&ビルド)により低採算製品からの撤退を進め、リソースを高収益製品に集中する。この計画に沿って経営方針の神髄である「PMマトリックス」では、新製品・新規事業投入及び新市場の開拓(但し、リスク面を考慮し、新製品・新規事業を新市場に投入することは行わない方針)を積極的に進める。数値目標としては、2027年3月期に売上高2,863百万円、営業利益139百万円、営業利益率4.9%などを掲げている。厳しい事業環境のなか、中期経営計画に沿って同社がどのように変わっていくか注目したい。
■Key Points
・高度な部品加工技術を強みに事業展開、大手向けOEMや特定顧客向け売上高が多い
・2025年3月期は営業損失を計上したが、2026年3月期は回復を予想
・中長期の戦略として「製品力強化(スクラップ&ビルド)」と「PMマトリックス」を推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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