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売れるネット広告 Research Memo(5):顧客が多い健康食品市場など環境は追い風
配信日時:2025/07/09 13:34
配信元:FISCO
*13:34JST 売れるネット広告 Research Memo(5):顧客が多い健康食品市場など環境は追い風
■売れるネット広告社グループ<9235>の成長戦略
1. 市場環境
EC市場のなかでも同社の属する物販系分野のB2C EC市場が右肩上がりに成長、EC広告市場も国内外で拡大を続けている。こうした環境下、同社の顧客が多い健康食品市場、オルクスの展開する化粧品市場、中国と米国を中心とする越境EC市場が成長を続けている。また、M&A市場は、300万社以上あると言われる中小企業において事業承継型のM&Aが高水準のまま緩やかに増加を続けている。さらに、コロナ禍後はアウトバウンド旅行者や修学旅行が回復している。このような追い風を受け、同社は「世界中をダイレクトマーケティングだらけにする!」のビジョンに向け、M&Aを軸に、国内ダイレクトマーケティング事業、越境EC事業、D2C(ネット通販)事業、グローバル情報通信事業を中心に成長戦略を推進している。
越境ECではTikTokライブコマースを開始
2. 成長戦略
上場1年の2024年10月に同社は成長戦略を策定した。国内ダイレクトマーケティング事業の成長戦略では、新規クライアント数、長期継続クライアント数、クライアント単価の増加を狙う。新規クライアントでは、セミナーやインターネット広告に加え、サービス領域拡大とともに増えるクライアント同士やグループ会社間の紹介を増やす計画である。長期継続クライアントでは、「売れるD2Cつくーる」に自動生成AIや決済システムを導入して利便性を高める。クライアント単価は、サービス領域の拡大とともにクロスセルを増やすことで引き上げる方針である。さらに、保険や人材、不動産、金融などへの領域拡大に向け、人員を増員して営業体制を強化しているところである。
越境EC事業では、市場が厚く日本ブームの中国と米国への特化を継続し、A/Bテストを繰り返すことでノウハウの確立を図る。米国では、フルフィルメントを外部委託し、モール出店や広告運用を支援する。中国では、中国市場を知り尽くしたアクセスブライト社から買収した倉庫や人材などインフラをベースに、中国におけるフルフィルメント、SNS運営代行、インフルエンサーの手配などマーケティング支援を行う。また、日本企業で初めて中国「小紅書(RED)」に百貨店タイプのストアページも開設した。さらにTikTokライブコマースを開始するなど、積み上げた越境ECノウハウをフルに生かしていく。
D2C(ネット通販)事業では、ソーシャルEC戦略チームにより、オルクスの化粧品D2C事業のマーケティング戦略を強化し、既存商品の販売拡大と、「KogaO+」のようにマーケットインの考え方に基づく新規商品の開発を継続的に進める計画である。また、売れる越境EC社と連携して、米国や中国など海外向け販路の活用も図る。
グローバル情報通信事業では、「世界最大のツーリストプラットフォーマー企業になる!」という目標に向けて、旅行者の課題を解決できるサービス体制をグループ全体で構築する考えである。まずはJCNTの「Transfone」により、通信における課題を解決するサービスを拡充する。現在、アウトバウンド旅行者と全国の修学旅行生向けにサービスを提供しているが、今後は、大きな成長が見込まれるインバウンド旅行者と国際旅行者(外国人の国外旅行)をターゲットに、新たな組織を設置してサービスを拡大する計画である。将来的には、「言語」/「移動」/「宿泊」など様々な課題を解決できるサービスの展開を目指す。
2028年7月期にグループ売上高100億円達成へ
3. M&A戦略
同社は「世界中をダイレクトマーケティングだらけにする!」「世界最大のツーリストプラットフォーマー企業になる!」というビジョンを実現するため、「既存事業の成長」「M&A事業による成長」「新規事業による成長」を成長エンジンに、2028年7月期にグループ売上高100億円を達成する「Ureru100」を目標としている。
成長エンジンのなかでもM&Aを軸に考えており、2027年7月末までに10社程度の子会社化を計画している。M&Aの規模感は「戦略的同規模M&A」という考え方を背景に、前年のグループ売上高と同規模程度の売上高のM&Aを実行する方針である。M&Aを実行する際には、リスク回避のため、デューデリジェンスにはもちろん細心の注意を払うが、ダイレクトマーケティングの分野の「売れる20の領域」でクロスセルできることを条件としているため、数や規模感にかかわらずリスクを最小化できると思われる。課題は資金調達だが、営業キャッシュ・フローに加えデッドファイナンスやエクイティファイナンスを計画しており、直近では2025年4月に新株予約権により2.9億円を調達した。
前期比20%~30%増を目論む「既存事業の成長」に、以上を前提にM&Aを積み上げると、2028年7月期には売上高で120億円~140億円となる見込みである。現状はM&Aによる売上成長が第一目標だが、利益については、M&A費用やのれんの発生が想定されるため、生産性向上を進めることでのれん負けしない利益体質を構築する方針である。これにより、短期的な損失計上をなるべく抑え、中期的に営業利益率を引き上げていく考えである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 市場環境
EC市場のなかでも同社の属する物販系分野のB2C EC市場が右肩上がりに成長、EC広告市場も国内外で拡大を続けている。こうした環境下、同社の顧客が多い健康食品市場、オルクスの展開する化粧品市場、中国と米国を中心とする越境EC市場が成長を続けている。また、M&A市場は、300万社以上あると言われる中小企業において事業承継型のM&Aが高水準のまま緩やかに増加を続けている。さらに、コロナ禍後はアウトバウンド旅行者や修学旅行が回復している。このような追い風を受け、同社は「世界中をダイレクトマーケティングだらけにする!」のビジョンに向け、M&Aを軸に、国内ダイレクトマーケティング事業、越境EC事業、D2C(ネット通販)事業、グローバル情報通信事業を中心に成長戦略を推進している。
越境ECではTikTokライブコマースを開始
2. 成長戦略
上場1年の2024年10月に同社は成長戦略を策定した。国内ダイレクトマーケティング事業の成長戦略では、新規クライアント数、長期継続クライアント数、クライアント単価の増加を狙う。新規クライアントでは、セミナーやインターネット広告に加え、サービス領域拡大とともに増えるクライアント同士やグループ会社間の紹介を増やす計画である。長期継続クライアントでは、「売れるD2Cつくーる」に自動生成AIや決済システムを導入して利便性を高める。クライアント単価は、サービス領域の拡大とともにクロスセルを増やすことで引き上げる方針である。さらに、保険や人材、不動産、金融などへの領域拡大に向け、人員を増員して営業体制を強化しているところである。
越境EC事業では、市場が厚く日本ブームの中国と米国への特化を継続し、A/Bテストを繰り返すことでノウハウの確立を図る。米国では、フルフィルメントを外部委託し、モール出店や広告運用を支援する。中国では、中国市場を知り尽くしたアクセスブライト社から買収した倉庫や人材などインフラをベースに、中国におけるフルフィルメント、SNS運営代行、インフルエンサーの手配などマーケティング支援を行う。また、日本企業で初めて中国「小紅書(RED)」に百貨店タイプのストアページも開設した。さらにTikTokライブコマースを開始するなど、積み上げた越境ECノウハウをフルに生かしていく。
D2C(ネット通販)事業では、ソーシャルEC戦略チームにより、オルクスの化粧品D2C事業のマーケティング戦略を強化し、既存商品の販売拡大と、「KogaO+」のようにマーケットインの考え方に基づく新規商品の開発を継続的に進める計画である。また、売れる越境EC社と連携して、米国や中国など海外向け販路の活用も図る。
グローバル情報通信事業では、「世界最大のツーリストプラットフォーマー企業になる!」という目標に向けて、旅行者の課題を解決できるサービス体制をグループ全体で構築する考えである。まずはJCNTの「Transfone」により、通信における課題を解決するサービスを拡充する。現在、アウトバウンド旅行者と全国の修学旅行生向けにサービスを提供しているが、今後は、大きな成長が見込まれるインバウンド旅行者と国際旅行者(外国人の国外旅行)をターゲットに、新たな組織を設置してサービスを拡大する計画である。将来的には、「言語」/「移動」/「宿泊」など様々な課題を解決できるサービスの展開を目指す。
2028年7月期にグループ売上高100億円達成へ
3. M&A戦略
同社は「世界中をダイレクトマーケティングだらけにする!」「世界最大のツーリストプラットフォーマー企業になる!」というビジョンを実現するため、「既存事業の成長」「M&A事業による成長」「新規事業による成長」を成長エンジンに、2028年7月期にグループ売上高100億円を達成する「Ureru100」を目標としている。
成長エンジンのなかでもM&Aを軸に考えており、2027年7月末までに10社程度の子会社化を計画している。M&Aの規模感は「戦略的同規模M&A」という考え方を背景に、前年のグループ売上高と同規模程度の売上高のM&Aを実行する方針である。M&Aを実行する際には、リスク回避のため、デューデリジェンスにはもちろん細心の注意を払うが、ダイレクトマーケティングの分野の「売れる20の領域」でクロスセルできることを条件としているため、数や規模感にかかわらずリスクを最小化できると思われる。課題は資金調達だが、営業キャッシュ・フローに加えデッドファイナンスやエクイティファイナンスを計画しており、直近では2025年4月に新株予約権により2.9億円を調達した。
前期比20%~30%増を目論む「既存事業の成長」に、以上を前提にM&Aを積み上げると、2028年7月期には売上高で120億円~140億円となる見込みである。現状はM&Aによる売上成長が第一目標だが、利益については、M&A費用やのれんの発生が想定されるため、生産性向上を進めることでのれん負けしない利益体質を構築する方針である。これにより、短期的な損失計上をなるべく抑え、中期的に営業利益率を引き上げていく考えである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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