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マイクロアド Research Memo(9):営業利益15億円を目指し、生産性向上と新規事業の取り組みも推進
配信日時:2025/07/04 14:09
配信元:FISCO
*14:09JST マイクロアド Research Memo(9):営業利益15億円を目指し、生産性向上と新規事業の取り組みも推進
■マイクロアド<9553>の今後の見通し
(3) 生産性向上施策
同社は、今後2〜3期で売上高200億〜220億円、営業利益15億円の達成を目標に掲げており、その実現に向けて、既存人員の戦力化と組織全体の生産性向上を軸とした成長戦略を推進している。この取り組みにより、従業員数の大幅な増加を抑制しつつ、効率的な成長体制を構築し、販管費率の低減に寄与している。2024年4月には営業職を中心とした人員の増強を実施し、当初は一時的な生産性の低下が見られたが、5月以降は新人社員の戦力化が順調に進み、営業部門全体の生産性は新人配属前の水準を超える水準へと回復・向上している。さらに、新卒社員の育成も着実に進行しており、需要のピークである3月には新卒社員によって最高水準の生産性が達成された。こうした取り組みにより、トップラインの拡大を実現した。
加えて、営業活動により多くの時間を割けるようにするための各種施策を導入し、業務効率化を推進している。具体的には、生成AIを活用した業務改革の一環として、社内チャットボットによるナレッジアクセスの効率化を図り、必要な情報を迅速かつ正確に取得できる体制を整備した。また、営業担当者が担う顧客へのレポート作成などの定型業務を自動化・削減し、営業活動に集中できる時間を増やしている。これにより、営業1人当たりで月間約3,733分(約8日分)の業務時間削減を実現し、目標である4,800分(約10日)に近づいている。その結果、営業活動に費やす時間は約4割増加し、顧客提案数も1.5倍に増加している。また、提案準備や顧客訪問に費やす時間が増えたことで提案の質も向上しており、より大きな予算を獲得できるケースも増えている。「営業1人当たり4,800分の削減」目標については、既に達成の見通しが立ちつつある。今後も継続して施策を展開し、実現に向けた動きを進める。
コスト面でも、販売管理費のコントロールを図る。今後の人員増加は抑制的に進める方針であり、売上の成長は主に生産性向上によって達成する計画である。既に人員強化はおおむね完了しており、今後の成長局面においては既存人員の能力向上と業務効率化によって対応する体制を整備した。連結売上高はこうした取り組みの成果によって拡大傾向にあり、特に2025年9月期第4四半期以降は前年同四半期比で販管費の増加を上回る売上成長率を記録する見込みである。
(4) 事業アップデート
新規事業として設立されたIP mixerでは、日本の人気VTuberなどの知的財産(IP)とメーカー・ブランドの商品を組み合わせたタイアップ企画の立案から販売までを手掛けている。2025年3月には、ANYCOLOR<5032>に所属するVTuberとコラボレーションした香水商品を発売し、これが完売となるなど高い市場反応を示した。現在も同様のコラボ商品を準備しており、今後の売上貢献が期待される。
リテールメディア事業の新サービス「URMS」では、小売業者の広告媒体化と、広告主企業とのマッチングを一貫して支援するソリューションを提供している。具体的には、オイシックス・ラ・大地<3182>が展開する食品宅配サービス「Oisix」の広告事業のマネタイズ支援を開始しており、これを皮切りとして、現在約10社の事業者に対して同様の支援を実施している。
同社は今後の成長戦略の一環として、大型の事業提携による新規事業の立ち上げを順次リリースしている。足元では、2025年夏~秋頃に日本で本格展開予定のTikTok内のeコマース機能であるTikTok Shopに関する事業を発表した。2025年6月には、中国のライブコマース運営代行企業である深セン市潮瑞坤控股集団有限公司(以下、Pinspace)グループとの合弁会社(株)IZULCA(イヅルカ)を設立した。Pinspaceグループは中国版Tiktok shopにおいて「7時間で20億円」という販売実績がある。Pinspaceグループは主にイヤホンなどのデジタルガジェットを中国国内で販売しており、IZULCAでは、Pinspaceグループが持つ商品を日本のTikTok Shopを通じてライブコマース形式で販売を強化していく。
さらに2025年6月には、TikTok Shopにおける総合的な販促支援事業を行う100%出資の子会社として(株)UNIVERSE PULSE(ユニバース パルス)を設立した。UNIVERSE PULSEは、既存事業である「UNIVERSE」が保有する膨大な消費行動データと分析力を軸に、販売及びコンテンツ制作のノウハウ、クリエイターネットワークを統合し、日本企業のTikTok Shopへの参入・販促を支援する。また、販売ノウハウを持つIZULCAと連携することで、日本企業のTikTok Shopへの早期参入を後押しする。
加えて、UNIVERSE PULSEはVポイントを提供するCCCMKホールディングス(株)、及びその子会社でインフルエンサーマーケティング事業を展開する(株)Livelsと戦略的業務提携を締結した。これにより、TikTok Shopにおける企業の早期参入と、SNSと実店舗の融合型購買体験の創出を推進する。CCCMKホールディングスと連携し、リアル店舗を活用したプロモーションを展開するとともに、Vポイントを活用した消費者データの分析を通じて、より精緻なマーケティング施策を可能にする。さらに、Livelsが保有する1,000名超の厳選クリエイターとの連携により、広告主のブランドイメージに即したマッチングを実現し、販促効果の最大化を図る。
日本でのライブコマース市場はまだ確立されていないものの、海外ではすでに非常に大きなマーケットが形成されている。日本におけるTikTokの利用者層が拡大していることも踏まえ、幅広い年代層へのリーチが可能だと考えられる。これにより、既存事業とのシナジーや新たな収益源としての可能性が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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(3) 生産性向上施策
同社は、今後2〜3期で売上高200億〜220億円、営業利益15億円の達成を目標に掲げており、その実現に向けて、既存人員の戦力化と組織全体の生産性向上を軸とした成長戦略を推進している。この取り組みにより、従業員数の大幅な増加を抑制しつつ、効率的な成長体制を構築し、販管費率の低減に寄与している。2024年4月には営業職を中心とした人員の増強を実施し、当初は一時的な生産性の低下が見られたが、5月以降は新人社員の戦力化が順調に進み、営業部門全体の生産性は新人配属前の水準を超える水準へと回復・向上している。さらに、新卒社員の育成も着実に進行しており、需要のピークである3月には新卒社員によって最高水準の生産性が達成された。こうした取り組みにより、トップラインの拡大を実現した。
加えて、営業活動により多くの時間を割けるようにするための各種施策を導入し、業務効率化を推進している。具体的には、生成AIを活用した業務改革の一環として、社内チャットボットによるナレッジアクセスの効率化を図り、必要な情報を迅速かつ正確に取得できる体制を整備した。また、営業担当者が担う顧客へのレポート作成などの定型業務を自動化・削減し、営業活動に集中できる時間を増やしている。これにより、営業1人当たりで月間約3,733分(約8日分)の業務時間削減を実現し、目標である4,800分(約10日)に近づいている。その結果、営業活動に費やす時間は約4割増加し、顧客提案数も1.5倍に増加している。また、提案準備や顧客訪問に費やす時間が増えたことで提案の質も向上しており、より大きな予算を獲得できるケースも増えている。「営業1人当たり4,800分の削減」目標については、既に達成の見通しが立ちつつある。今後も継続して施策を展開し、実現に向けた動きを進める。
コスト面でも、販売管理費のコントロールを図る。今後の人員増加は抑制的に進める方針であり、売上の成長は主に生産性向上によって達成する計画である。既に人員強化はおおむね完了しており、今後の成長局面においては既存人員の能力向上と業務効率化によって対応する体制を整備した。連結売上高はこうした取り組みの成果によって拡大傾向にあり、特に2025年9月期第4四半期以降は前年同四半期比で販管費の増加を上回る売上成長率を記録する見込みである。
(4) 事業アップデート
新規事業として設立されたIP mixerでは、日本の人気VTuberなどの知的財産(IP)とメーカー・ブランドの商品を組み合わせたタイアップ企画の立案から販売までを手掛けている。2025年3月には、ANYCOLOR<5032>に所属するVTuberとコラボレーションした香水商品を発売し、これが完売となるなど高い市場反応を示した。現在も同様のコラボ商品を準備しており、今後の売上貢献が期待される。
リテールメディア事業の新サービス「URMS」では、小売業者の広告媒体化と、広告主企業とのマッチングを一貫して支援するソリューションを提供している。具体的には、オイシックス・ラ・大地<3182>が展開する食品宅配サービス「Oisix」の広告事業のマネタイズ支援を開始しており、これを皮切りとして、現在約10社の事業者に対して同様の支援を実施している。
同社は今後の成長戦略の一環として、大型の事業提携による新規事業の立ち上げを順次リリースしている。足元では、2025年夏~秋頃に日本で本格展開予定のTikTok内のeコマース機能であるTikTok Shopに関する事業を発表した。2025年6月には、中国のライブコマース運営代行企業である深セン市潮瑞坤控股集団有限公司(以下、Pinspace)グループとの合弁会社(株)IZULCA(イヅルカ)を設立した。Pinspaceグループは中国版Tiktok shopにおいて「7時間で20億円」という販売実績がある。Pinspaceグループは主にイヤホンなどのデジタルガジェットを中国国内で販売しており、IZULCAでは、Pinspaceグループが持つ商品を日本のTikTok Shopを通じてライブコマース形式で販売を強化していく。
さらに2025年6月には、TikTok Shopにおける総合的な販促支援事業を行う100%出資の子会社として(株)UNIVERSE PULSE(ユニバース パルス)を設立した。UNIVERSE PULSEは、既存事業である「UNIVERSE」が保有する膨大な消費行動データと分析力を軸に、販売及びコンテンツ制作のノウハウ、クリエイターネットワークを統合し、日本企業のTikTok Shopへの参入・販促を支援する。また、販売ノウハウを持つIZULCAと連携することで、日本企業のTikTok Shopへの早期参入を後押しする。
加えて、UNIVERSE PULSEはVポイントを提供するCCCMKホールディングス(株)、及びその子会社でインフルエンサーマーケティング事業を展開する(株)Livelsと戦略的業務提携を締結した。これにより、TikTok Shopにおける企業の早期参入と、SNSと実店舗の融合型購買体験の創出を推進する。CCCMKホールディングスと連携し、リアル店舗を活用したプロモーションを展開するとともに、Vポイントを活用した消費者データの分析を通じて、より精緻なマーケティング施策を可能にする。さらに、Livelsが保有する1,000名超の厳選クリエイターとの連携により、広告主のブランドイメージに即したマッチングを実現し、販促効果の最大化を図る。
日本でのライブコマース市場はまだ確立されていないものの、海外ではすでに非常に大きなマーケットが形成されている。日本におけるTikTokの利用者層が拡大していることも踏まえ、幅広い年代層へのリーチが可能だと考えられる。これにより、既存事業とのシナジーや新たな収益源としての可能性が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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