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マイクロアド Research Memo(6):2025年9月期中間期は大幅増収。好調な事業展開が続く(2)
配信日時:2025/07/04 14:06
配信元:FISCO
*14:06JST マイクロアド Research Memo(6):2025年9月期中間期は大幅増収。好調な事業展開が続く(2)
■マイクロアド<9553>の業績動向
(1) データプロダクト
データプロダクトの売上高は前年同期比8.6%増の3,765百万円、売上総利益は同14.8%増の1,374百万円となった。2025年9月期は「デジタルサイネージサービス」が非連結化されたなかでも主力事業である「UNIVERSE」が堅調な成長を見せており、「UNIVERSE」単体では売上高は同24%増の3,689百万円、売上総利益は同25.6%増の1,365百万円と、売上総利益については売上高以上の高い伸び率を記録した。これは、子会社の清算による原価構造の見直しなどコスト最適化策によって、売上総利益率が改善されたことが背景にある。加えて、2024年3月に買収した子会社UNCOVER TRUTHの収益の取り込みを開始したことや、前期に採用された人員の収益化が進み、生産性の改善に努めたことも売上高・売上総利益の拡大に寄与した。
データプロダクト「UNIVERSE」の業種特化型製品では、BtoB向けの「シラレル」や、人材業界向けの「MARBLE」において売上高の高成長を記録した。顧客属性別セグメントでは、「中小企業」顧客セグメントが最も伸びている。このセグメントにおける「シラレル」のシェアが高いことが成長要因となっている。2024年9月期に採用した新たな人材の配置に加え、広島・仙台の地方拠点新設が寄与し、成長をけん引している。広島・仙台支社をはじめとする地方での営業活動は、「UNIVERSE」の稼働アカウント数の増加に貢献しており、当初の想定を上回る好調な推移となっている。
「UNIVERSE」における業種ごとのシェアでは、様々な業種への製品展開が進んでおり、同社の事業構造は特定の業種や企業に依存しない安定性のあるものとなっている。今後の業種別展開については、現時点で新規参入予定の業種はなく、特定の業種に注力する方針は取っていない。顧客属性別セグメント単位で必要な製品を追加する方針である。
顧客属性別の動向に着目すると、安定した成長が期待される「中小顧客」セグメントに対して積極的なリソース投下を行っている。具体的には、新人社員の配属や営業拠点の拡大などの施策が講じられ、同セグメントの開拓を進めている。大手顧客のうち代理店経由の取引については、前年同四半期比(2024年9月期第4四半期比。以下同)31%増と大幅に増加したが、前四半期比(2025年9月期第1四半期比。以下同)7%減となった。単価が高く大規模な案件が多いことから、景況感や季節要因の影響を受けやすいという特性によるボラティリティが見られる。一方、2024年9月期第4四半期から持ち越された案件などの寄与によって一時的に拡大している側面もある。大手顧客の直販に関しては、前年同四半期比19%減、前四半期比7%減となった。これは一部の大手顧客において広告予算が減少した影響によるものであるが、直販は景況感の影響を受けにくく、将来的な成長余地が大きいとされている。アカウント数の増加を通じて、この減少傾向からの回復が見られる。中小顧客のうち代理店経由の売上は、前年同四半期比21%増、前四半期比13%増と顕著な成長を示している。これは、採用強化された新人社員の営業活動が本格化してきたことが背景にある。
また、データプロダクト「UNIVERSE」におけるKPIの1つである稼働アカウント数は、前年同期比で29.5%の大幅な増加となった。これは、前期に採用した新人の営業活動が本格化したことによる成果であり、人材投資が順調に成果へと結びついていることを示している。
収穫逓増・高収益である「データプロダクト」が売上高に占める割合は、2021年9月期の32%から2025年9月期中間期には46.0%まで高まった。今後も同社は「データプロダクト」に注力する方針であり、収益性が高まるものと弊社は予想している。
(2) コンサルティング
コンサルティングの売上高は前年同期比22.1%増の4,419百万円、売上総利益は同11.0%増の1,080百万円となった。
国内のメディア向け事業及び海外向け事業の両面で業績が堅調に推移している。国内のインターネットメディア向けコンサルティングサービスでは、広告収益の最大化を支援するサービスを展開し、売上高は前年同期比で12.6%増加した。一方、供給する広告サービスの構成が変化したことにより、売上総利益は同5.6%の減少となったものの、全体としては増収増益基調を維持している。
海外向けコンサルティング事業においては、訪日観光客の回復を背景としたインバウンドマーケティング需要の拡大が追い風となっている。さらに、新規事業であるIP mixerによるVTuberとのコラボレーション商品が好調に販売され、これも業績拡大に寄与した。その結果、海外事業の売上は前年同期比31.1%増、売上総利益は同27.2%増と、大幅な増収増益を達成している。
(3) オルタナティブデータ事業の進捗
オルタナティブデータ事業では、「UNIVERSE」に蓄積されたデータを活用し、自己資金による株式投資を行うモデルを展開している。2025年9月期中間期は年利換算で-0.07%と、わずかながらマイナスとなった。これは既存モデルにおいて一部の銘柄の急激な株価変動によって損失が発生したためである。一方で、1月から開始された新たな投資施策は順調な滑り出しを見せている。加えて、新たな分析モデルを継続的に試行しており、今後も随時アップデートを行いながらパフォーマンス向上を目指す方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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(1) データプロダクト
データプロダクトの売上高は前年同期比8.6%増の3,765百万円、売上総利益は同14.8%増の1,374百万円となった。2025年9月期は「デジタルサイネージサービス」が非連結化されたなかでも主力事業である「UNIVERSE」が堅調な成長を見せており、「UNIVERSE」単体では売上高は同24%増の3,689百万円、売上総利益は同25.6%増の1,365百万円と、売上総利益については売上高以上の高い伸び率を記録した。これは、子会社の清算による原価構造の見直しなどコスト最適化策によって、売上総利益率が改善されたことが背景にある。加えて、2024年3月に買収した子会社UNCOVER TRUTHの収益の取り込みを開始したことや、前期に採用された人員の収益化が進み、生産性の改善に努めたことも売上高・売上総利益の拡大に寄与した。
データプロダクト「UNIVERSE」の業種特化型製品では、BtoB向けの「シラレル」や、人材業界向けの「MARBLE」において売上高の高成長を記録した。顧客属性別セグメントでは、「中小企業」顧客セグメントが最も伸びている。このセグメントにおける「シラレル」のシェアが高いことが成長要因となっている。2024年9月期に採用した新たな人材の配置に加え、広島・仙台の地方拠点新設が寄与し、成長をけん引している。広島・仙台支社をはじめとする地方での営業活動は、「UNIVERSE」の稼働アカウント数の増加に貢献しており、当初の想定を上回る好調な推移となっている。
「UNIVERSE」における業種ごとのシェアでは、様々な業種への製品展開が進んでおり、同社の事業構造は特定の業種や企業に依存しない安定性のあるものとなっている。今後の業種別展開については、現時点で新規参入予定の業種はなく、特定の業種に注力する方針は取っていない。顧客属性別セグメント単位で必要な製品を追加する方針である。
顧客属性別の動向に着目すると、安定した成長が期待される「中小顧客」セグメントに対して積極的なリソース投下を行っている。具体的には、新人社員の配属や営業拠点の拡大などの施策が講じられ、同セグメントの開拓を進めている。大手顧客のうち代理店経由の取引については、前年同四半期比(2024年9月期第4四半期比。以下同)31%増と大幅に増加したが、前四半期比(2025年9月期第1四半期比。以下同)7%減となった。単価が高く大規模な案件が多いことから、景況感や季節要因の影響を受けやすいという特性によるボラティリティが見られる。一方、2024年9月期第4四半期から持ち越された案件などの寄与によって一時的に拡大している側面もある。大手顧客の直販に関しては、前年同四半期比19%減、前四半期比7%減となった。これは一部の大手顧客において広告予算が減少した影響によるものであるが、直販は景況感の影響を受けにくく、将来的な成長余地が大きいとされている。アカウント数の増加を通じて、この減少傾向からの回復が見られる。中小顧客のうち代理店経由の売上は、前年同四半期比21%増、前四半期比13%増と顕著な成長を示している。これは、採用強化された新人社員の営業活動が本格化してきたことが背景にある。
また、データプロダクト「UNIVERSE」におけるKPIの1つである稼働アカウント数は、前年同期比で29.5%の大幅な増加となった。これは、前期に採用した新人の営業活動が本格化したことによる成果であり、人材投資が順調に成果へと結びついていることを示している。
収穫逓増・高収益である「データプロダクト」が売上高に占める割合は、2021年9月期の32%から2025年9月期中間期には46.0%まで高まった。今後も同社は「データプロダクト」に注力する方針であり、収益性が高まるものと弊社は予想している。
(2) コンサルティング
コンサルティングの売上高は前年同期比22.1%増の4,419百万円、売上総利益は同11.0%増の1,080百万円となった。
国内のメディア向け事業及び海外向け事業の両面で業績が堅調に推移している。国内のインターネットメディア向けコンサルティングサービスでは、広告収益の最大化を支援するサービスを展開し、売上高は前年同期比で12.6%増加した。一方、供給する広告サービスの構成が変化したことにより、売上総利益は同5.6%の減少となったものの、全体としては増収増益基調を維持している。
海外向けコンサルティング事業においては、訪日観光客の回復を背景としたインバウンドマーケティング需要の拡大が追い風となっている。さらに、新規事業であるIP mixerによるVTuberとのコラボレーション商品が好調に販売され、これも業績拡大に寄与した。その結果、海外事業の売上は前年同期比31.1%増、売上総利益は同27.2%増と、大幅な増収増益を達成している。
(3) オルタナティブデータ事業の進捗
オルタナティブデータ事業では、「UNIVERSE」に蓄積されたデータを活用し、自己資金による株式投資を行うモデルを展開している。2025年9月期中間期は年利換算で-0.07%と、わずかながらマイナスとなった。これは既存モデルにおいて一部の銘柄の急激な株価変動によって損失が発生したためである。一方で、1月から開始された新たな投資施策は順調な滑り出しを見せている。加えて、新たな分析モデルを継続的に試行しており、今後も随時アップデートを行いながらパフォーマンス向上を目指す方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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