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ケンコーマヨ Research Memo(9):ROEは食料品セクター平均を上回るもPBRは1倍割れの水準が続く
配信日時:2025/07/04 12:09
配信元:FISCO
*12:09JST ケンコーマヨ Research Memo(9):ROEは食料品セクター平均を上回るもPBRは1倍割れの水準が続く
■「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」
1. 現状分析
ケンコーマヨネーズ<2915>は2020年以降、PBRで1倍を下回る水準が続いており、2025年3月時点では0.7倍と食品業種(プライム企業)の加重平均PBR1.6倍に対して約半分の水準に留まっている。要因として、ROEの水準が低いことが一因と考えられていたが、2025年3月期のROEは8.9%と食料品セクターの中央値である7.0%を上回る水準まで回復しており、株価は直近2期間の収益回復を十分に織り込んでいないものと考えられる。
営業利益率、ROEの向上と株主還元強化によりPBR1倍超の早期達成を目指す
2. 取り組み方針
PBR1倍の達成及び企業価値向上に向けた取り組みとして、営業利益率及びROEの向上、株主還元の強化、並びにIR活動の強化を進める方針だ。
(1) 連結営業利益率6%以上に向けた施策
2025年3月期に5.3%だった連結営業利益率を2036年3月期に6%以上に引き上げることを目標に掲げている。連結営業利益率向上のための施策として事業ポートフォリオの再構築とグローバル展開の加速、新規事業の育成に取り組むほか、事業拠点再編による効率化やDX推進による労働生産性の向上(30%向上)に取り組む。また、現在約1,300アイテムを統廃合して約1,100アイテムまで絞ったことで、既存商品の収益力強化を図る。なかでもサラダ・総菜類は容量サイズも含めて絞り込む余地があると見ており、パッケージも含めて生産効率を考えた商品設計を行うことで収益性を高める。
連結営業利益率の今後の見通しについて、第1フェーズは事業基盤再構築のための先行投資期間となるため横ばい水準で推移すると見ており、こうした投資の効果が顕在化する2030年3月期以降に利益率も上昇傾向に転じるものと同社は見ている。
(2) 資本戦略
2036年3月期にROE8%以上を目標として掲げており、営業利益率の向上と併せて自己資本の圧縮による財務レバレッジの向上にも取り組む。具体的には、政策保有株式を縮減し自己株式の取得を進める。自己株式取得については、第1フェーズで14億円程度を実施する予定であったが、2025年3月期で19億円を実施し、2026年3月期も8億円の取得を予定するなど、当初の計画を上回るペースで取得が進んでいる。2036年3月期までで合計45億円の実施を見込んでいるが、最初の2期間で6割を消化する格好だ。
(3) 株主還元の強化
株主還元についても強化する。業績に左右されない安定配当を実施するため、DOE(株主資本配当率)を基準に配当を実施する方針である。DOEの水準については第1フェーズで1.5%以上、第2フェーズで2.0%以上、第3フェーズで2.5%以上と段階的に切り上げる計画で、中長期的に見れば増配が期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
1. 現状分析
ケンコーマヨネーズ<2915>は2020年以降、PBRで1倍を下回る水準が続いており、2025年3月時点では0.7倍と食品業種(プライム企業)の加重平均PBR1.6倍に対して約半分の水準に留まっている。要因として、ROEの水準が低いことが一因と考えられていたが、2025年3月期のROEは8.9%と食料品セクターの中央値である7.0%を上回る水準まで回復しており、株価は直近2期間の収益回復を十分に織り込んでいないものと考えられる。
営業利益率、ROEの向上と株主還元強化によりPBR1倍超の早期達成を目指す
2. 取り組み方針
PBR1倍の達成及び企業価値向上に向けた取り組みとして、営業利益率及びROEの向上、株主還元の強化、並びにIR活動の強化を進める方針だ。
(1) 連結営業利益率6%以上に向けた施策
2025年3月期に5.3%だった連結営業利益率を2036年3月期に6%以上に引き上げることを目標に掲げている。連結営業利益率向上のための施策として事業ポートフォリオの再構築とグローバル展開の加速、新規事業の育成に取り組むほか、事業拠点再編による効率化やDX推進による労働生産性の向上(30%向上)に取り組む。また、現在約1,300アイテムを統廃合して約1,100アイテムまで絞ったことで、既存商品の収益力強化を図る。なかでもサラダ・総菜類は容量サイズも含めて絞り込む余地があると見ており、パッケージも含めて生産効率を考えた商品設計を行うことで収益性を高める。
連結営業利益率の今後の見通しについて、第1フェーズは事業基盤再構築のための先行投資期間となるため横ばい水準で推移すると見ており、こうした投資の効果が顕在化する2030年3月期以降に利益率も上昇傾向に転じるものと同社は見ている。
(2) 資本戦略
2036年3月期にROE8%以上を目標として掲げており、営業利益率の向上と併せて自己資本の圧縮による財務レバレッジの向上にも取り組む。具体的には、政策保有株式を縮減し自己株式の取得を進める。自己株式取得については、第1フェーズで14億円程度を実施する予定であったが、2025年3月期で19億円を実施し、2026年3月期も8億円の取得を予定するなど、当初の計画を上回るペースで取得が進んでいる。2036年3月期までで合計45億円の実施を見込んでいるが、最初の2期間で6割を消化する格好だ。
(3) 株主還元の強化
株主還元についても強化する。業績に左右されない安定配当を実施するため、DOE(株主資本配当率)を基準に配当を実施する方針である。DOEの水準については第1フェーズで1.5%以上、第2フェーズで2.0%以上、第3フェーズで2.5%以上と段階的に切り上げる計画で、中長期的に見れば増配が期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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