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リケンNPR Research Memo(3):自動車用エンジン部品が主力
配信日時:2025/07/04 11:03
配信元:FISCO
*11:03JST リケンNPR Research Memo(3):自動車用エンジン部品が主力
■リケンNPR<6209>の事業概要
1. 事業概要
経営統合後のセグメント区分は自動車・産業機械部品事業、配管・建設機材事業、その他(熱エンジニアリング事業、EMC事業、商品などの販売)としている。2025年3月期のセグメント別売上構成比(セグメント間取引消去前合計に対する割合)は自動車・産業機械部品事業が74.0%、配管・建設機材事業が10.8%、その他が15.2%だった。また地域別売上構成比(連結ベース)は日本が50%、中国が6%、その他アジアが17%、米国が12%、欧州が8%、その他が7%だった。
自動車・産業機械部品事業は、エンジン部品であるピストンリング、バルブシートを主力として、自動車エンジン・トランスミッション・駆動・足回り関連の焼結部品・樹脂部品・鋳鉄素形材部品、産業機械部品、船舶用エンジン部品なども展開している。なおカムシャフトの加工に関する生産体制見直しに伴い、2024年11月にリケンとブラザー精密工業(株)の合弁会社(株)リケンブラザー精密工業の株式を、ブラザー精密工業へ譲渡して合弁解消した。カムシャフト素材の提供は継続する。
配管・建設機材事業の主力製品は管継手などの配管用機材である。2023年5月にはリケンが配管用継手大手の日本継手を子会社化し、国内配管継手業界トップとなった。
その他は、独自開発の金属発熱体「パイロマックス(R)」やセラミックス発熱体「パイロマックススーパー(R)」の開発・製造・販売及びそれら活用したヒータユニット・工業炉などの加熱処理まで手掛ける熱エンジニアリング事業、電波暗室の開発・販売を手掛けるEMC事業などを展開している。2024年2月にはリケンが、半導体製造装置向け熱エンジニアリング事業拡大に向けて、低温領域の中小型ヒータユニットに強みを持つ(株)シンワバネスを子会社化した。
高度な精密加工・表面処理・材料・粉末冶金技術などに強み
2. 特徴・強み
主要製品であるピストンリングの主な役割には、エンジン燃焼室で燃焼ガスの漏れを封じるシール機能、潤滑油(エンジンオイル)のコントロール機能、燃焼熱を逃がす伝熱機能、ピストンの摩耗を抑えるサポート機能などがある。300℃という過酷な条件の燃焼室内で使用され、エンジン性能に直接関わる重要機能部品である。高品質のピストンリングを供給できるメーカーは、世界でもリケンとNPRを含む5社(米国1社、独1社、日本3社)に実質的に限定されている。低フリクション化や耐摩耗性向上、高性能・高品質の材料と表面処理などの高い技術力が求められるが、両社とも高度な精密加工・表面処理・材料技術などに強みを持っている。主要得意先はトヨタ自動車<7203>や本田技研工業<7267>をはじめとする世界の主要な自動車メーカーで、幅広い製品を供給している。
事業環境変化に対応して事業ポートフォリオ改革を推進
3. リスク要因と対策
リスク要因としては、景気変動・感染症・災害・その他の影響による自動車生産台数の減少がある。ただし、グローバル自動車市場は新興国における自動車普及の進展などで緩やかに拡大基調であり、同社にとっては全体の自動車生産台数の増減よりも、世界的な脱炭素社会の流れを背景とする中長期的な環境規制の影響(エンジンの低燃費化、ガソリンエンジンの減少、エンジンのクリーン化への対応、自動車のEV化など)がリスク要因となる。同社は、ガソリンエンジンのさらなる低燃費化、水素や代替燃料などを使用する次世代エンジンへの対応など、エンジンの進化に向けた技術開発を推進するとともに、EV化の流れも踏まえて非ICE※領域での事業拡大にも注力し、事業ポートフォリオの改革を進めている。
※ ICEとはInternal Combustion Engineの略で、内燃機関(ガソリンエンジン)のこと。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<HN>
1. 事業概要
経営統合後のセグメント区分は自動車・産業機械部品事業、配管・建設機材事業、その他(熱エンジニアリング事業、EMC事業、商品などの販売)としている。2025年3月期のセグメント別売上構成比(セグメント間取引消去前合計に対する割合)は自動車・産業機械部品事業が74.0%、配管・建設機材事業が10.8%、その他が15.2%だった。また地域別売上構成比(連結ベース)は日本が50%、中国が6%、その他アジアが17%、米国が12%、欧州が8%、その他が7%だった。
自動車・産業機械部品事業は、エンジン部品であるピストンリング、バルブシートを主力として、自動車エンジン・トランスミッション・駆動・足回り関連の焼結部品・樹脂部品・鋳鉄素形材部品、産業機械部品、船舶用エンジン部品なども展開している。なおカムシャフトの加工に関する生産体制見直しに伴い、2024年11月にリケンとブラザー精密工業(株)の合弁会社(株)リケンブラザー精密工業の株式を、ブラザー精密工業へ譲渡して合弁解消した。カムシャフト素材の提供は継続する。
配管・建設機材事業の主力製品は管継手などの配管用機材である。2023年5月にはリケンが配管用継手大手の日本継手を子会社化し、国内配管継手業界トップとなった。
その他は、独自開発の金属発熱体「パイロマックス(R)」やセラミックス発熱体「パイロマックススーパー(R)」の開発・製造・販売及びそれら活用したヒータユニット・工業炉などの加熱処理まで手掛ける熱エンジニアリング事業、電波暗室の開発・販売を手掛けるEMC事業などを展開している。2024年2月にはリケンが、半導体製造装置向け熱エンジニアリング事業拡大に向けて、低温領域の中小型ヒータユニットに強みを持つ(株)シンワバネスを子会社化した。
高度な精密加工・表面処理・材料・粉末冶金技術などに強み
2. 特徴・強み
主要製品であるピストンリングの主な役割には、エンジン燃焼室で燃焼ガスの漏れを封じるシール機能、潤滑油(エンジンオイル)のコントロール機能、燃焼熱を逃がす伝熱機能、ピストンの摩耗を抑えるサポート機能などがある。300℃という過酷な条件の燃焼室内で使用され、エンジン性能に直接関わる重要機能部品である。高品質のピストンリングを供給できるメーカーは、世界でもリケンとNPRを含む5社(米国1社、独1社、日本3社)に実質的に限定されている。低フリクション化や耐摩耗性向上、高性能・高品質の材料と表面処理などの高い技術力が求められるが、両社とも高度な精密加工・表面処理・材料技術などに強みを持っている。主要得意先はトヨタ自動車<7203>や本田技研工業<7267>をはじめとする世界の主要な自動車メーカーで、幅広い製品を供給している。
事業環境変化に対応して事業ポートフォリオ改革を推進
3. リスク要因と対策
リスク要因としては、景気変動・感染症・災害・その他の影響による自動車生産台数の減少がある。ただし、グローバル自動車市場は新興国における自動車普及の進展などで緩やかに拡大基調であり、同社にとっては全体の自動車生産台数の増減よりも、世界的な脱炭素社会の流れを背景とする中長期的な環境規制の影響(エンジンの低燃費化、ガソリンエンジンの減少、エンジンのクリーン化への対応、自動車のEV化など)がリスク要因となる。同社は、ガソリンエンジンのさらなる低燃費化、水素や代替燃料などを使用する次世代エンジンへの対応など、エンジンの進化に向けた技術開発を推進するとともに、EV化の流れも踏まえて非ICE※領域での事業拡大にも注力し、事業ポートフォリオの改革を進めている。
※ ICEとはInternal Combustion Engineの略で、内燃機関(ガソリンエンジン)のこと。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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