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リケンNPR Research Memo(1):経営統合でシナジー追求と企業価値向上を目指す。第一次中計の進捗は順調
配信日時:2025/07/04 11:01
配信元:FISCO
*11:01JST リケンNPR Research Memo(1):経営統合でシナジー追求と企業価値向上を目指す。第一次中計の進捗は順調
■要約
リケンNPR<6209>は、ピストンリング大手メーカーの(株)リケンと日本ピストンリング(株)(以下、NPR)が2023年10月2日付で経営統合して設立した持株会社である。長年培った両社のブランド力を生かしながら、統合的なガバナンスの下でシナジーを追求し、持続的成長とさらなる企業価値向上を目指している。
1. 自動車・産業機械部品事業、配管・建設機材事業などを展開
セグメント区分は自動車・産業機械部品事業、配管・建設機材事業、その他としている。自動車・産業機械部品事業はエンジン部品のピストンリング、バルブシートを主力として、自動車エンジン・トランスミッション・駆動・足回り関連の焼結部品・樹脂部品・鋳鉄素形材部品、産業機械部品、船舶用エンジン部品なども展開している。配管・建設機材事業は管継手など建設分野の配管用機材を主力としている。その他は、独自開発の金属発熱体「パイロマックス(R)」やセラミックス系発熱体「パイロマックススーパー(R)」の開発・製造・販売及びそれら活用したヒータユニット・工業炉等の加熱処理まで手掛ける熱エンジニアリング事業、電波暗室開発・販売のEMC(Electro-Magnetic Compatibility)事業などを展開している。
2. 2025年3月期は上方修正予想を上回る増収増益で着地
2025年3月期の連結業績は売上高が170,340百万円、営業利益が11,807百万円、経常利益が14,678百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が8,756百万円となった。なお、企業結合会計上、NPRが被取得企業になることから前期の決算短信の業績にはNPRの上期(2023年4月〜9月)分が含まれていない。このため、前期の両社の12ヶ月分の業績を反映した合算値との比較で見ると、売上高は同1%増収、営業利益は同11%増益、経常利益は同7%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は同69%減益(前期計上の負ののれん発生益192億円を除くと87億円で同1%増益)となり、実質的に増収増益だった。また、各利益は、2025年2月14日付の上方修正予想も上回った。自動車関連部品の販売数量は低調だったが、為替が想定よりも円安で推移したほか、売価転嫁や経営統合シナジー効果を含む合理化、(株)シンワバネスの新規連結効果などにより、労務費を中心とするコスト増加を吸収した。
3. 2026年3月期は米国の関税政策による影響などを考慮して減収減益予想
2026年3月期の連結業績見通しは、売上高が前期比4.9%減の162,000百万円、営業利益が同28.0%減の8,500百万円、経常利益が同22.3%減の11,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.6%減の7,300百万円を見込んでいる。想定為替レートは1米ドル=140円、1ユーロ=155円(前期実績は1米ドル=151円、1ユーロ=164円)である。経営統合によるシナジー効果、コスト増加に対する売価転嫁など収益改善施策を推進するが、米国の関税政策変更による影響、為替の円高影響、成長投資による費用増加などを織り込んで減収減益予想としている。ただし足元で為替が想定よりも円安水準で推移していることなどを考慮すれば、上振れ余地があると弊社では見ている。
4. 第一次中期経営計画の進捗は順調
同社は2024年2月に第一次中期経営計画(2025年3月期〜2027年3月期)を策定した。中期経営方針を、1) 経営統合によるシナジー創出、2) 事業ポートフォリオ改革、3) サステナビリティ経営の強化・成長基盤の整備として、定量目標値は最終年度2027年3月期の売上高1,800億円、経常利益率9%以上、ROE8%以上とした。定量目標の達成状況として2025年3月期は計画を達成し順調だった。2026年3月期は米国の関税政策や為替の影響で一時的な減速を強いられる可能性があるものの、シナジー創出の強化などにより挽回を図る。なお、経営統合シナジー効果を一段と高めるため、2026年4月に戦略事業単位の事業部体制を敷いた事業持株会社へ移行する予定だ。株主還元については、第一次中期経営計画では配当性向40%以上、自己株式取得を含めた3ヶ年平均の総還元性向70%以上、3ヶ年の自己株式取得100億円を目途として株主還元水準の引き上げを図る。
■Key Points
・リケンと日本ピストンリング(NPR)が経営統合した持株会社
・2025年3月期は増収増益で着地
・2026年3月期は米国の関税政策変更による影響などを考慮して減収減益予想
・第一次中期経営計画の進捗は順調
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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リケンNPR<6209>は、ピストンリング大手メーカーの(株)リケンと日本ピストンリング(株)(以下、NPR)が2023年10月2日付で経営統合して設立した持株会社である。長年培った両社のブランド力を生かしながら、統合的なガバナンスの下でシナジーを追求し、持続的成長とさらなる企業価値向上を目指している。
1. 自動車・産業機械部品事業、配管・建設機材事業などを展開
セグメント区分は自動車・産業機械部品事業、配管・建設機材事業、その他としている。自動車・産業機械部品事業はエンジン部品のピストンリング、バルブシートを主力として、自動車エンジン・トランスミッション・駆動・足回り関連の焼結部品・樹脂部品・鋳鉄素形材部品、産業機械部品、船舶用エンジン部品なども展開している。配管・建設機材事業は管継手など建設分野の配管用機材を主力としている。その他は、独自開発の金属発熱体「パイロマックス(R)」やセラミックス系発熱体「パイロマックススーパー(R)」の開発・製造・販売及びそれら活用したヒータユニット・工業炉等の加熱処理まで手掛ける熱エンジニアリング事業、電波暗室開発・販売のEMC(Electro-Magnetic Compatibility)事業などを展開している。
2. 2025年3月期は上方修正予想を上回る増収増益で着地
2025年3月期の連結業績は売上高が170,340百万円、営業利益が11,807百万円、経常利益が14,678百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が8,756百万円となった。なお、企業結合会計上、NPRが被取得企業になることから前期の決算短信の業績にはNPRの上期(2023年4月〜9月)分が含まれていない。このため、前期の両社の12ヶ月分の業績を反映した合算値との比較で見ると、売上高は同1%増収、営業利益は同11%増益、経常利益は同7%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は同69%減益(前期計上の負ののれん発生益192億円を除くと87億円で同1%増益)となり、実質的に増収増益だった。また、各利益は、2025年2月14日付の上方修正予想も上回った。自動車関連部品の販売数量は低調だったが、為替が想定よりも円安で推移したほか、売価転嫁や経営統合シナジー効果を含む合理化、(株)シンワバネスの新規連結効果などにより、労務費を中心とするコスト増加を吸収した。
3. 2026年3月期は米国の関税政策による影響などを考慮して減収減益予想
2026年3月期の連結業績見通しは、売上高が前期比4.9%減の162,000百万円、営業利益が同28.0%減の8,500百万円、経常利益が同22.3%減の11,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.6%減の7,300百万円を見込んでいる。想定為替レートは1米ドル=140円、1ユーロ=155円(前期実績は1米ドル=151円、1ユーロ=164円)である。経営統合によるシナジー効果、コスト増加に対する売価転嫁など収益改善施策を推進するが、米国の関税政策変更による影響、為替の円高影響、成長投資による費用増加などを織り込んで減収減益予想としている。ただし足元で為替が想定よりも円安水準で推移していることなどを考慮すれば、上振れ余地があると弊社では見ている。
4. 第一次中期経営計画の進捗は順調
同社は2024年2月に第一次中期経営計画(2025年3月期〜2027年3月期)を策定した。中期経営方針を、1) 経営統合によるシナジー創出、2) 事業ポートフォリオ改革、3) サステナビリティ経営の強化・成長基盤の整備として、定量目標値は最終年度2027年3月期の売上高1,800億円、経常利益率9%以上、ROE8%以上とした。定量目標の達成状況として2025年3月期は計画を達成し順調だった。2026年3月期は米国の関税政策や為替の影響で一時的な減速を強いられる可能性があるものの、シナジー創出の強化などにより挽回を図る。なお、経営統合シナジー効果を一段と高めるため、2026年4月に戦略事業単位の事業部体制を敷いた事業持株会社へ移行する予定だ。株主還元については、第一次中期経営計画では配当性向40%以上、自己株式取得を含めた3ヶ年平均の総還元性向70%以上、3ヶ年の自己株式取得100億円を目途として株主還元水準の引き上げを図る。
■Key Points
・リケンと日本ピストンリング(NPR)が経営統合した持株会社
・2025年3月期は増収増益で着地
・2026年3月期は米国の関税政策変更による影響などを考慮して減収減益予想
・第一次中期経営計画の進捗は順調
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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