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三井松島HD Research Memo(1):2025年3月期はM&A投資等の着実な実行により成長加速
配信日時:2025/07/03 12:01
配信元:FISCO
*12:01JST 三井松島HD Research Memo(1):2025年3月期はM&A投資等の着実な実行により成長加速
■要約
三井松島ホールディングス<1518>は、2023年に創業110年を迎えた歴史ある企業である。創業以来、祖業である石炭関連事業を継続してきたが、同事業に関しては、同社が権益を持っていた鉱区が終掘になったことを受け2024年3月期をもって終了した。石炭関連事業の終了が決定する以前から同社は、世界規模で環境保全に対する意識が高まっていることや、脱炭素社会の到来が見込まれることを受け、事業ポートフォリオの組み替えによる石炭関連事業に依存しない収益基盤の確立を推進してきた。2025年3月期からは、新たな収益基盤として確立してきた「生活消費財」「産業用製品」「金融その他」の各セグメントにおいて利益を積み上げるとともに、引き続きM&Aを中心とした成長戦略を推進し企業価値の向上を目指す。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比21.8%減の60,574百万円、営業利益が同69.7%減の7,615百万円、経常利益が同67.5%減の8,448百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同42.8%減の8,645百万円となった。売上高は、(株)ジャパン・チェーン・ホールディングス(産業用製品)及び(株)エム・アール・エフ(金融その他)の子会社化が寄与した一方、主力事業の1つであった石炭事業の終了により全体として減収となった。営業利益は、売上高と同様に石炭事業の終了が影響し減益となった。同社にとって、2025年3月期は大きな転機となる期であった。石炭事業からの撤退が完了したことにより、新たな収益基盤の確立に向けた構造転換を進めてきたが、結果としてその歩みは当初想定よりも速いスピードで進展し、収益の柱となる事業が短期間で整った。特に、ジャパン・チェーン・ホールディングス及びエム・アール・エフという大型M&A案件が大きく寄与しており、今後は祖業からの収益構造の転換が加速していくと弊社では見ている。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績について同社は、売上高で前期比8.1%増の65,500百万円、営業利益で同7.7%増の8,200百万円、経常利益で同4.1%減の8,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同32.9%減の5,800百万円としている。売上高・営業利益ともに増収増益が見込まれている。主な要因は、2025年3月期第2四半期から連結対象となったエム・アール・エフの業績が、通期で寄与する点にある。また、日本ストロー(株)やMOS(株)、三生電子(株)など、主要グループ会社が引き続き好調な受注環境を維持していることも追い風となっており、すべての事業セグメントで前期を上回る売上げが見込まれている。これにより、連結ベースでの事業拡大に対する強固な支えが形成されている。一方、生活消費財セグメントにおいては、(株)明光商会で研究開発費が増加しており、利益面では前期を下回る見通しである。しかしながら、産業用製品及び金融その他セグメントでは、売上げの増加が利益面にも好影響を与える見通しであり、セグメント間でバランスの取れた成長が期待される。なお、経常利益と純利益は、前期にリデル炭鉱の譲渡に伴って計上された特別利益の反動減等により減益が見込まれている。ただし、これは一過性の要因によるものであり、本業の収益力は順調に拡大していると弊社では見ている。
3. 中長期の成長戦略
前中期経営計画2024年3月期に石炭関連事業を終了したことを受け、同社は2025年3月期以降、「生活消費財」「産業用製品」「金融その他」の3セグメントに変更した。2027年3月期までの3年間を成長戦略の計画期間とし、既存事業の拡大とM&Aを通じて、当期純利益50億円超を安定的に計上できる収益構造の確立を目指している。M&Aにおいては、「安定収益」「ニッチ市場」「わかりやすい」という基準を重視し、数を追わずに資本コストを上回るリターンが見込める案件に厳選して取り組む。「経営戦略2024」では、PBR1倍以上、ROE8%以上の目標を掲げ、資本効率を意識した経営を実践している。既に2025年3月期には、当期純利益50億円超を達成し、2026年3月期も同水準が見込まれるなど、計画は前倒しで進捗している。資本政策では、2024年3月期末のネット現預金216億円を、今後3年間でのM&Aや株主還元に積極投入する方針を示しており、実際に2025年3月期にはM&Aと株主還元に150億円を充当。さらに、2024年8月にはMM Investments(株)において投資事業を開始し、2025年3月末には既投資額が230億円に達した。今後も、PBR1倍超の実現に向けて株主還元を強化するとともに、M&Aを軸に成長戦略を継続していく。
■Key Points
・2025年3月期は減収減益も、着実なM&A投資により収益基盤を拡充
・2026年3月期はエム・アール・エフの通期業績寄与等により増収・営業増益見込み
・経営戦略2024は早期達成の見込み、M&Aと株主還元を主軸とした成長戦略に注力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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三井松島ホールディングス<1518>は、2023年に創業110年を迎えた歴史ある企業である。創業以来、祖業である石炭関連事業を継続してきたが、同事業に関しては、同社が権益を持っていた鉱区が終掘になったことを受け2024年3月期をもって終了した。石炭関連事業の終了が決定する以前から同社は、世界規模で環境保全に対する意識が高まっていることや、脱炭素社会の到来が見込まれることを受け、事業ポートフォリオの組み替えによる石炭関連事業に依存しない収益基盤の確立を推進してきた。2025年3月期からは、新たな収益基盤として確立してきた「生活消費財」「産業用製品」「金融その他」の各セグメントにおいて利益を積み上げるとともに、引き続きM&Aを中心とした成長戦略を推進し企業価値の向上を目指す。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比21.8%減の60,574百万円、営業利益が同69.7%減の7,615百万円、経常利益が同67.5%減の8,448百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同42.8%減の8,645百万円となった。売上高は、(株)ジャパン・チェーン・ホールディングス(産業用製品)及び(株)エム・アール・エフ(金融その他)の子会社化が寄与した一方、主力事業の1つであった石炭事業の終了により全体として減収となった。営業利益は、売上高と同様に石炭事業の終了が影響し減益となった。同社にとって、2025年3月期は大きな転機となる期であった。石炭事業からの撤退が完了したことにより、新たな収益基盤の確立に向けた構造転換を進めてきたが、結果としてその歩みは当初想定よりも速いスピードで進展し、収益の柱となる事業が短期間で整った。特に、ジャパン・チェーン・ホールディングス及びエム・アール・エフという大型M&A案件が大きく寄与しており、今後は祖業からの収益構造の転換が加速していくと弊社では見ている。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績について同社は、売上高で前期比8.1%増の65,500百万円、営業利益で同7.7%増の8,200百万円、経常利益で同4.1%減の8,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同32.9%減の5,800百万円としている。売上高・営業利益ともに増収増益が見込まれている。主な要因は、2025年3月期第2四半期から連結対象となったエム・アール・エフの業績が、通期で寄与する点にある。また、日本ストロー(株)やMOS(株)、三生電子(株)など、主要グループ会社が引き続き好調な受注環境を維持していることも追い風となっており、すべての事業セグメントで前期を上回る売上げが見込まれている。これにより、連結ベースでの事業拡大に対する強固な支えが形成されている。一方、生活消費財セグメントにおいては、(株)明光商会で研究開発費が増加しており、利益面では前期を下回る見通しである。しかしながら、産業用製品及び金融その他セグメントでは、売上げの増加が利益面にも好影響を与える見通しであり、セグメント間でバランスの取れた成長が期待される。なお、経常利益と純利益は、前期にリデル炭鉱の譲渡に伴って計上された特別利益の反動減等により減益が見込まれている。ただし、これは一過性の要因によるものであり、本業の収益力は順調に拡大していると弊社では見ている。
3. 中長期の成長戦略
前中期経営計画2024年3月期に石炭関連事業を終了したことを受け、同社は2025年3月期以降、「生活消費財」「産業用製品」「金融その他」の3セグメントに変更した。2027年3月期までの3年間を成長戦略の計画期間とし、既存事業の拡大とM&Aを通じて、当期純利益50億円超を安定的に計上できる収益構造の確立を目指している。M&Aにおいては、「安定収益」「ニッチ市場」「わかりやすい」という基準を重視し、数を追わずに資本コストを上回るリターンが見込める案件に厳選して取り組む。「経営戦略2024」では、PBR1倍以上、ROE8%以上の目標を掲げ、資本効率を意識した経営を実践している。既に2025年3月期には、当期純利益50億円超を達成し、2026年3月期も同水準が見込まれるなど、計画は前倒しで進捗している。資本政策では、2024年3月期末のネット現預金216億円を、今後3年間でのM&Aや株主還元に積極投入する方針を示しており、実際に2025年3月期にはM&Aと株主還元に150億円を充当。さらに、2024年8月にはMM Investments(株)において投資事業を開始し、2025年3月末には既投資額が230億円に達した。今後も、PBR1倍超の実現に向けて株主還元を強化するとともに、M&Aを軸に成長戦略を継続していく。
■Key Points
・2025年3月期は減収減益も、着実なM&A投資により収益基盤を拡充
・2026年3月期はエム・アール・エフの通期業績寄与等により増収・営業増益見込み
・経営戦略2024は早期達成の見込み、M&Aと株主還元を主軸とした成長戦略に注力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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