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クエスト Research Memo(5):セプト子会社化で若いエンジニアリソースを獲得。さらなる成長へ加速
配信日時:2025/07/03 11:05
配信元:FISCO
*11:05JST クエスト Research Memo(5):セプト子会社化で若いエンジニアリソースを獲得。さらなる成長へ加速
■今後の見通し
● 2026年3月期業績見通し
クエスト<2332>は中長期ビジョン「Quest Vision 2030」の第2期中期経営計画(2024~2026年度)に基づき、「高収益体質への変革」及び「成長に向けた未来投資の実行」を2本柱として各種施策を展開している。その具体的施策として、2026年3月期第1四半期よりセプトを完全子会社化した。セプトはソフトウェア開発及び保守管理業務、ネットワークエンジニアリング業務を展開する企業であり、2025年4月現在で従業員106名を擁する。この取り組みにより、エンジニアリソースの拡充を図り、特にコアビジネスの領域において、定型的ビジネスや付加価値のあまり上がっていない領域をシフトすることを念頭に置いている。さらに、同社はより高度な顧客課題の解決に向けた体制を強化する。なお、2026年3月期の連結業績予想は、売上高16,860百万円(前期比12.9%増)、営業利益1,180百万円(同11.8%増)、経常利益1,240百万円(同11.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益845百万円(同10.1%増)を見込んでいる。
■中長期の成長戦略
売上200億円、時価総額250億円への着実な打ち手
1. 長期ビジョン「Quest Vision 2030」の描く未来像
同社は中長期ビジョンとして「Quest Vision 2030」を掲げ、2030年度(2031年3月期)までに売上高200億円超、企業価値250億円超という目標を設定している。本ビジョンは、社会と企業の双方に価値をもたらす「QCSV(Quest Creating Shared Value)」の考え方を中核に据えたものであり、企業の持続的成長と社会課題の解決を両立させる姿勢が鮮明である。この目標達成に向けて、同社は6つのコミットメントを定めている。
(1) さらなる探究・探求
新技術の獲得や創意工夫を通じて顧客とともに新たな価値を創出する。
(2) 働きがいにあふれる職場
従業員同士が学び合い、称え合う文化を通じて組織力を高める。
(3) 最も信頼される企業へ
顧客一人ひとりに寄り添ったサービス提供を徹底し、信頼性の高い企業としての地位を確立する。
(4) 持続可能な未来社会の実現
公共インフラや社会課題解決に貢献する。
(5) 売上高200億円超への挑戦
事業構造と組織体質の改革を通じて達成を目指す。
(6) 企業価値4倍(250億円超)への挑戦
企業資産の有機的連携によって高付加価値を創出する。
これらのコミットメントは、成長性・組織力・信頼性・財務成果の4つの観点を戦略的に連動させるものであり、実現に向けた整合性と実効性のある構造となっている。既に第1期(2021~2023年度)においては、目標売上130億円に対し実績が142億円と上回っており、計画遂行力の高さが確認されている。現在進行中の第2期(2024~2026年度)では高収益体質への転換が進められており、その後の第3期(2027~2029年度)を経て、最終フェーズにおける成長の加速が期待される。以上から、同社の長期ビジョンは、明確な目標設定と段階的な施策展開により、持続的な企業価値向上の実現可能性を十分に有していると評価できる。
2. 第2期中期経営計画(2024~2026年度)
2020年度(2021年3月期)に策定した中長期計画「Quest Vision 2030」の下で、2025年3月期より第2期となる中期経営計画を始動させた。第1期ではM&Aを通じた事業基盤の拡張とともに、売上目標を上回る成果を上げたが、資本コストや株価を意識した経営の点では課題も残った。第2期では、資本効率を踏まえた収益性の向上を図りつつ、事業の変革と企業体質の強化、さらには人財及び技術への積極投資を進める方針である。同社はこれまで、顧客とともに価値を創造するICTソリューションの提供を通じて多様な産業に貢献してきたが、今後はこのコアサービスの深耕に加え、知的資産を活用したソリューションサービスによってビジネスボリュームを拡大し、成長エンジンとする構えである。既に、2025年4月にセプトを買収したことによりリソース面の確保が進んだことから、ソリューションサービスへの傾注に期待がかかる。
第2期中期経営計画においては「2030年度の飛躍に向けた基盤の強化と着実な成長」を主眼に据えている。これを実現するために3つの重点戦略を設定した。
(1) 顧客産業・ポートフォリオ戦略
重点強化領域(半導体、製造業)と安定成長領域(金融、情報通信、エンタテインメント)、社会課題解決領域(公共・社会、移動・物流、ヘルスケア・メディカル)の3領域を最適に配分し、需給動向に即した柔軟なリソース運用を行う。
(2) 事業構造戦略
工数提供型サービスからプロフェッショナルサービスやマネージドサービスへとシフトし、付加価値の高いビジネスモデルの構築を図る。
(3) 人財戦略
多様な人財が活躍できる職場環境の整備と、人的資本価値の向上に向けた制度改革・育成投資を強化する。
以上の3つの戦略を軸に、持続的成長と資本市場からの信頼確保を両立する経営体制の確立を目指し、2027年3月期における売上高168億円、営業利益率8.0%、ROE11%超といった財務目標を立てている。なお、第1期中期経営計画が好調に推移したことを踏まえ、第2期中期経営計画策定と同時に中長期ビジョンと「Quest Vision 2030」の営業利益率目標を1.5ポイント上積みし10.0%にするとともに、ROE目標を3.0ポイント上積みし14.0%に上方修正した。
■株主還元策
連結配当性向35%以上、DOE4.0%以上を目安に安定的に配当を実施する方針
同社は、株主還元を経営の重要施策の1つと位置付けており、業績成長に伴う利益配分と将来成長に向けた投資、並びに不測の事態への備えとのバランスを重視した資本政策を採用している。配当方針においては、財務健全性を損なうことなく内部留保を適切に確保したうえで、連結配当性向35%以上、DOE4.0%以上を目安に、持続可能かつ安定的な配当水準の維持・向上を図る姿勢を明確にしている。過年度においても安定的な事業の成長、高い財務健全性、収益性を背景に安定的な配当を実施してきており、同社の還元策への信頼性は高い。今後も市場との対話を通じて、資本コストを意識した資本政策を強化し、企業価値向上と株主リターンの両立を目指す経営が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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● 2026年3月期業績見通し
クエスト<2332>は中長期ビジョン「Quest Vision 2030」の第2期中期経営計画(2024~2026年度)に基づき、「高収益体質への変革」及び「成長に向けた未来投資の実行」を2本柱として各種施策を展開している。その具体的施策として、2026年3月期第1四半期よりセプトを完全子会社化した。セプトはソフトウェア開発及び保守管理業務、ネットワークエンジニアリング業務を展開する企業であり、2025年4月現在で従業員106名を擁する。この取り組みにより、エンジニアリソースの拡充を図り、特にコアビジネスの領域において、定型的ビジネスや付加価値のあまり上がっていない領域をシフトすることを念頭に置いている。さらに、同社はより高度な顧客課題の解決に向けた体制を強化する。なお、2026年3月期の連結業績予想は、売上高16,860百万円(前期比12.9%増)、営業利益1,180百万円(同11.8%増)、経常利益1,240百万円(同11.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益845百万円(同10.1%増)を見込んでいる。
■中長期の成長戦略
売上200億円、時価総額250億円への着実な打ち手
1. 長期ビジョン「Quest Vision 2030」の描く未来像
同社は中長期ビジョンとして「Quest Vision 2030」を掲げ、2030年度(2031年3月期)までに売上高200億円超、企業価値250億円超という目標を設定している。本ビジョンは、社会と企業の双方に価値をもたらす「QCSV(Quest Creating Shared Value)」の考え方を中核に据えたものであり、企業の持続的成長と社会課題の解決を両立させる姿勢が鮮明である。この目標達成に向けて、同社は6つのコミットメントを定めている。
(1) さらなる探究・探求
新技術の獲得や創意工夫を通じて顧客とともに新たな価値を創出する。
(2) 働きがいにあふれる職場
従業員同士が学び合い、称え合う文化を通じて組織力を高める。
(3) 最も信頼される企業へ
顧客一人ひとりに寄り添ったサービス提供を徹底し、信頼性の高い企業としての地位を確立する。
(4) 持続可能な未来社会の実現
公共インフラや社会課題解決に貢献する。
(5) 売上高200億円超への挑戦
事業構造と組織体質の改革を通じて達成を目指す。
(6) 企業価値4倍(250億円超)への挑戦
企業資産の有機的連携によって高付加価値を創出する。
これらのコミットメントは、成長性・組織力・信頼性・財務成果の4つの観点を戦略的に連動させるものであり、実現に向けた整合性と実効性のある構造となっている。既に第1期(2021~2023年度)においては、目標売上130億円に対し実績が142億円と上回っており、計画遂行力の高さが確認されている。現在進行中の第2期(2024~2026年度)では高収益体質への転換が進められており、その後の第3期(2027~2029年度)を経て、最終フェーズにおける成長の加速が期待される。以上から、同社の長期ビジョンは、明確な目標設定と段階的な施策展開により、持続的な企業価値向上の実現可能性を十分に有していると評価できる。
2. 第2期中期経営計画(2024~2026年度)
2020年度(2021年3月期)に策定した中長期計画「Quest Vision 2030」の下で、2025年3月期より第2期となる中期経営計画を始動させた。第1期ではM&Aを通じた事業基盤の拡張とともに、売上目標を上回る成果を上げたが、資本コストや株価を意識した経営の点では課題も残った。第2期では、資本効率を踏まえた収益性の向上を図りつつ、事業の変革と企業体質の強化、さらには人財及び技術への積極投資を進める方針である。同社はこれまで、顧客とともに価値を創造するICTソリューションの提供を通じて多様な産業に貢献してきたが、今後はこのコアサービスの深耕に加え、知的資産を活用したソリューションサービスによってビジネスボリュームを拡大し、成長エンジンとする構えである。既に、2025年4月にセプトを買収したことによりリソース面の確保が進んだことから、ソリューションサービスへの傾注に期待がかかる。
第2期中期経営計画においては「2030年度の飛躍に向けた基盤の強化と着実な成長」を主眼に据えている。これを実現するために3つの重点戦略を設定した。
(1) 顧客産業・ポートフォリオ戦略
重点強化領域(半導体、製造業)と安定成長領域(金融、情報通信、エンタテインメント)、社会課題解決領域(公共・社会、移動・物流、ヘルスケア・メディカル)の3領域を最適に配分し、需給動向に即した柔軟なリソース運用を行う。
(2) 事業構造戦略
工数提供型サービスからプロフェッショナルサービスやマネージドサービスへとシフトし、付加価値の高いビジネスモデルの構築を図る。
(3) 人財戦略
多様な人財が活躍できる職場環境の整備と、人的資本価値の向上に向けた制度改革・育成投資を強化する。
以上の3つの戦略を軸に、持続的成長と資本市場からの信頼確保を両立する経営体制の確立を目指し、2027年3月期における売上高168億円、営業利益率8.0%、ROE11%超といった財務目標を立てている。なお、第1期中期経営計画が好調に推移したことを踏まえ、第2期中期経営計画策定と同時に中長期ビジョンと「Quest Vision 2030」の営業利益率目標を1.5ポイント上積みし10.0%にするとともに、ROE目標を3.0ポイント上積みし14.0%に上方修正した。
■株主還元策
連結配当性向35%以上、DOE4.0%以上を目安に安定的に配当を実施する方針
同社は、株主還元を経営の重要施策の1つと位置付けており、業績成長に伴う利益配分と将来成長に向けた投資、並びに不測の事態への備えとのバランスを重視した資本政策を採用している。配当方針においては、財務健全性を損なうことなく内部留保を適切に確保したうえで、連結配当性向35%以上、DOE4.0%以上を目安に、持続可能かつ安定的な配当水準の維持・向上を図る姿勢を明確にしている。過年度においても安定的な事業の成長、高い財務健全性、収益性を背景に安定的な配当を実施してきており、同社の還元策への信頼性は高い。今後も市場との対話を通じて、資本コストを意識した資本政策を強化し、企業価値向上と株主リターンの両立を目指す経営が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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