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クオールHD Research Memo(1):第一三共エスファの収益成長余地は大きく、グループシナジー創出に取り組む
配信日時:2025/07/02 17:01
配信元:FISCO
*17:01JST クオールHD Research Memo(1):第一三共エスファの収益成長余地は大きく、グループシナジー創出に取り組む
■要約
クオールホールディングス<3034>は大手調剤薬局チェーンの1社で、調剤薬局店舗数で第2位、売上高で第3位(上場企業ベース)の位置にある。調剤以外の分野では、CSO※1事業や医療系人材紹介派遣事業、製薬事業などを展開している。2023年10月にオーソライズジェネリック製品(以下、AG製品※2)を主に展開する第一三共エスファ(株)の株式を30%取得し持分法適用関連会社としたのち、2024年4月に21%の株式を追加取得して連結対象子会社とした。数年後に完全子会社化する予定で、株式取得資金の総額は250億円となるが金融機関からの借入れと手元資金で充当していく予定である。
※1 CSOとはContract Sales Organization(医薬品販売業務受託機関)の略で、CMR(契約MR(Medical Representative、医薬情報担当者))の派遣業務を指す。
※2 AG製品とは、新薬メーカーから許諾を得て、原薬、添加物および製法等が新薬と同一のジェネリック製品を指す。
1. 2025年3月期はM&A効果で大幅増収増益に
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比46.6%増の263,972百万円、営業利益で同61.8%増の13,465百万円と大幅増収増益となった。薬局事業は人件費や仕入コストの増加により増収減益となったものの、第一三共エスファの連結子会社化により製薬事業の規模が大きく拡大したことが増収増益要因となった。第一三共エスファの業績寄与分は売上高で770億円、営業利益で56億円となっている。
2. 2026年3月期はすべての事業セグメントで増収増益を見込む
2026年3月期の連結業績は売上高で前期比6.1%増の280,000百万円、営業利益で同15.1%増の15,500百万円と増収増益を見込んでいる。薬局事業は技術料単価の引き上げや店舗の生産性向上、経費見直しに取り組むことで増収増益となり、BPO事業はCMRの増員によるCSO事業の拡大と医療系人材紹介派遣事業の成長により増収増益が続く見通し。製薬事業は第一三共エスファで売上高851億円、営業利益65億円と2ケタ増収増益を見込む。原価率の低減や経費のゼロベースでの見直しを行うなど、収益力向上に注力していく。売上高は前期に続きAG製品で2~3製品を新たに発売することで2ケタ増収となる見通しだ。
3. 重点施策と株主還元について
同社は薬局事業、BPO事業、製薬事業の3つの事業をそれぞれ伸ばしながら、総合ヘルスケア企業として成長を目指している。薬局事業では、戦略的出店による規模の拡大と医療DXの推進による生産性並びに利便性向上、在宅事業の拡大、健康・未病領域での新規事業育成などにより持続的成長を見込む。BPO事業は質の高い医療系人材やCMRを育成しながら旺盛な需要を取り込み、2ケタ成長を目指す。製薬事業では、新製品の継続的な投入と原価低減施策、経費の見直し等により2028年3月期に売上高1,000億円(2025年3月期比1.3倍)、営業利益110億円(同2.0倍)を目標に掲げている。2025年11月に中期経営計画を発表する予定で、その内容が注目される。株主還元については、配当金と株主優待制度を導入している。配当金に関しては安定配当を基本に収益状況も考慮して決定する方針で、2026年3月期の1株当たり配当金は前期比12.0円増配の46.0円(配当性向24.6%)を予定している。
■Key Points
・2025年3月期はM&A効果により売上高、営業利益、経常利益で過去最高を更新
・2026年3月期は3事業すべて増収増益を目指す
・第一三共エスファは2028年3月期に営業利益で2025年3月期比2倍増の110億円を目指す
・収益拡大により2026年3月期は大幅増配を予定、株主優待制度も継続
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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クオールホールディングス<3034>は大手調剤薬局チェーンの1社で、調剤薬局店舗数で第2位、売上高で第3位(上場企業ベース)の位置にある。調剤以外の分野では、CSO※1事業や医療系人材紹介派遣事業、製薬事業などを展開している。2023年10月にオーソライズジェネリック製品(以下、AG製品※2)を主に展開する第一三共エスファ(株)の株式を30%取得し持分法適用関連会社としたのち、2024年4月に21%の株式を追加取得して連結対象子会社とした。数年後に完全子会社化する予定で、株式取得資金の総額は250億円となるが金融機関からの借入れと手元資金で充当していく予定である。
※1 CSOとはContract Sales Organization(医薬品販売業務受託機関)の略で、CMR(契約MR(Medical Representative、医薬情報担当者))の派遣業務を指す。
※2 AG製品とは、新薬メーカーから許諾を得て、原薬、添加物および製法等が新薬と同一のジェネリック製品を指す。
1. 2025年3月期はM&A効果で大幅増収増益に
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比46.6%増の263,972百万円、営業利益で同61.8%増の13,465百万円と大幅増収増益となった。薬局事業は人件費や仕入コストの増加により増収減益となったものの、第一三共エスファの連結子会社化により製薬事業の規模が大きく拡大したことが増収増益要因となった。第一三共エスファの業績寄与分は売上高で770億円、営業利益で56億円となっている。
2. 2026年3月期はすべての事業セグメントで増収増益を見込む
2026年3月期の連結業績は売上高で前期比6.1%増の280,000百万円、営業利益で同15.1%増の15,500百万円と増収増益を見込んでいる。薬局事業は技術料単価の引き上げや店舗の生産性向上、経費見直しに取り組むことで増収増益となり、BPO事業はCMRの増員によるCSO事業の拡大と医療系人材紹介派遣事業の成長により増収増益が続く見通し。製薬事業は第一三共エスファで売上高851億円、営業利益65億円と2ケタ増収増益を見込む。原価率の低減や経費のゼロベースでの見直しを行うなど、収益力向上に注力していく。売上高は前期に続きAG製品で2~3製品を新たに発売することで2ケタ増収となる見通しだ。
3. 重点施策と株主還元について
同社は薬局事業、BPO事業、製薬事業の3つの事業をそれぞれ伸ばしながら、総合ヘルスケア企業として成長を目指している。薬局事業では、戦略的出店による規模の拡大と医療DXの推進による生産性並びに利便性向上、在宅事業の拡大、健康・未病領域での新規事業育成などにより持続的成長を見込む。BPO事業は質の高い医療系人材やCMRを育成しながら旺盛な需要を取り込み、2ケタ成長を目指す。製薬事業では、新製品の継続的な投入と原価低減施策、経費の見直し等により2028年3月期に売上高1,000億円(2025年3月期比1.3倍)、営業利益110億円(同2.0倍)を目標に掲げている。2025年11月に中期経営計画を発表する予定で、その内容が注目される。株主還元については、配当金と株主優待制度を導入している。配当金に関しては安定配当を基本に収益状況も考慮して決定する方針で、2026年3月期の1株当たり配当金は前期比12.0円増配の46.0円(配当性向24.6%)を予定している。
■Key Points
・2025年3月期はM&A効果により売上高、営業利益、経常利益で過去最高を更新
・2026年3月期は3事業すべて増収増益を目指す
・第一三共エスファは2028年3月期に営業利益で2025年3月期比2倍増の110億円を目指す
・収益拡大により2026年3月期は大幅増配を予定、株主優待制度も継続
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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