注目トピックス 日本株
Jリース Research Memo(6):2026年3月期は事業拡大とM&A効果で売上高、各利益とも過去最高更新見込み
配信日時:2025/07/01 14:06
配信元:FISCO
*14:06JST Jリース Research Memo(6):2026年3月期は事業拡大とM&A効果で売上高、各利益とも過去最高更新見込み
■今後の見通し
ジェイリース<7187>の2026年3月期の業績は、売上高で前期比21.6%増の21,000百万円、営業利益で同12.8%増の3,500百万円、経常利益で同11.4%増の3,450百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同9.6%増の2,290百万円と、売上高、各利益ともに過去最高を更新する見込みである。
売上高については、主力の保証関連事業の拡大とM&Aによりグループ化した事業の連結計上により20%を超える成長を見込む。住居用賃料保証に関しては、シェア拡大が継続し好調に推移すると予想する。同社では大都市エリアでのシェアが未だ低いため、以前から店舗や人的資源を投入しており、同時に47都道府県への出店を目指し2026年3月期も新規出店(3店舗予定)と営業開拓を継続する。事業用賃料保証については、顧客のリスク意識の変化などによりオフィスや店舗等の事業用保証ニーズの拡大が継続する見込みだ。足元では、契約件数の増加に加えて、物価上昇やコロナ禍関連の補助金効果の剥落等により同社顧客の賃料支払い状況に一定の影響を及ぼし、代位弁済立替金が増加傾向にあるが、建築資材の高騰などによる家賃上昇は保証料収入の増加にもなることや、賃貸人における保証ニーズの拡大につながるため、事業機会が拡大する見込みである。また、2024年4月30日付でエイビス(2026年3月期売上高1,545百万円見込み)を、2025年4月21日付でK-net(同売上高1,580百万円見込み)を完全子会社化し、グループ内のリソースを活用した事業領域の拡大とサービス開発の強化による業績拡大を見込む。弊社は、業界の市場環境が良好ななか、足元で同社は業界全体のパフォーマンスを超える成長をしており、例年どおり売上高目標を超えてくると見ている。。
営業利益に関しては、前期比12.8%増と増益となる見込みである。貸倒関連費用等の増加及び競争激化による事務手数料の増加が見込まれるものの、増収効果がそれらを吸収し、さらにリスクコントロールの強化や業務の効率化等を進めることでより収益を拡大したい考えだ。代位弁済発生率(6.6%予想)および代位弁済回収率(96.8%予想)はコロナ禍前の状況に近く、前期比で若干悪化することを見込んでいる。弊社は、やや保守的な利益予想と捉えており、M&Aでグループ化したIT関連および家賃債務保証の子会社のパフォーマンスや相乗効果なども期待できることから、業績予想を超えてくると見ている。
■中長期の成長戦略・トピックス
一棟保証サービスに強みを持つK-netを子会社化
1. 一棟保証サービスに強みを持つK-netを子会社化
同社は、2025年4月に家賃債務保証事業を行うK-netの発行済株式100%を取得し、子会社化を完了した。K-netは近畿圏を中心に約8千社の協定取引先を持つ家賃保証会社である。市場優位性がある「一棟保証サービス」を軸とした事業展開を行っており、ファンド物件を取り扱う大手・中堅の協定取引先には強いパイプを持つ。「一棟保証サービス」とは、一棟単位の管理物件を対象に、家賃債務保証に加入していない物件に無償で保証を提供することで、家賃の滞納リスクを低減し、物件オーナーの賃貸経営を安定化するサービスである。先行投資型の保証サービスであるため、リスク計算などを含めた高い専門性が求められる。「一棟保証サービス」を同社の全国ネットワークを通じて販売を拡大するほか、一般住宅以外の「サービス付き高齢者向け住宅」や「オフィスビル・商業施設」へ対象を拡大するなど強力な武器にもなる。また、両社の営業拠点において相互顧客紹介、人財の適切な配置、営業、債権管理ノウハウの相互活用などでも幅広くシナジー創出が見込まれる。2026年3月期の売上高貢献は1,580百万円を予想する。
2. 保証領域を超えて事業領域を拡大する3ヶ年経営計画とその進捗
同社は、2025年3月期〜2027年3月期の3ヶ年経営計画を推進中である。新中期ビジョンでは保証領域を超えて「信用で人をつなぐ会社」を目指すことを宣言した。これまで賃料債務保証業界での成長を目指してきたが、今後は中核事業である住居用賃料保証や事業用賃料保証でのさらなる拡大を前提としつつ、育成事業(不動産関連事業:子会社あすみらい、医療費保証、養育費保証)、新規事業(IT関連事業:子会社エイビスを中核とした事業展開等)を含めた複数の柱を打ち立てる方向にシフトする。
数値計画は、2027年3月期に売上高が21,170百万円、営業利益が3,465百万円、売上高営業利益率が16.4%とした。2年目である2026年3月期の予想では、これらの数値計画をほぼ達成する見込みであり、1年前倒しで進捗していると言えるだろう。利益成長とともに自己資本も充実し、2027年3月期末に自己資本比率は50%以上を達成する計画である。並行して、資本効率も一定以上の水準を目指す。ROEでは20〜35%程度を計画する。利益成長を背景に、株主還元を強化する方針であり、配当性向で40%程度を維持しつつ、継続的な増配を目指す。
3. ポストM&A:エイビスの子会社化によるITシステム業界への進出
2024年4月30日に連結子会社となったエイビスは1年目に順調な成果をあげた。エイビスは1997年に大分県大分市で創業したシステム会社であり、同社とは同郷で、システム開発を通じて以前から取り引きを行っていた。エイビスは、様々なソフトウェアの開発を行うが、特に環境検査機関向けパッケージソフトの開発及び販売、保守においては、業界No.1であり、全国各地に取引基盤がある。また、病院、介護施設・在宅向け「みまもりシステム」は、グローバルに事業展開しており、タイ、マレーシア、ベトナムなど国際的な販路を確立している。2025年3月期は売上高1,848百万円(計画は1,180百万円)、営業利益124百万円(計画は78百万円)と行政向けの特需もあり大きく業績が上振れた。同社の顧客向けシステムや基幹システム更改プロジェクトに参画するなど、早くもグループシナジーを創出している。
■サステナビリティへの取り組み
同社は、「私たちは、社会の安定と発展に貢献する責任を自覚し、公正かつ誠実な企業活動を基盤とした創造的なサービスの提供を通して、全社員と私たちに関わる全ての人の幸せを追求します。」という企業理念の下、保証その他の活動を通じて社会の安心を共創することを目指している。
環境(Environment)に対する取り組み例として、各種デジタル化により紙資源使用量を削減している。また社有車のEVやハイブリッド車への切替えにも着手している。
社会(Social)に対する取り組み例としては、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの一環として、従業員の疲労回復・疾病の予防などを目的に、あん摩マッサージ指圧師などの国家資格免許を保有する視覚障がい者をヘルスキーパーとして採用し、健常者と障がい者の共生を目指す取り組みを行っている。
ガバナンス(Governance)に対する取り組み例としては、全社員へのコンプライアンス研修を継続的に実施するほか、取締役会の実効性評価、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応を実施している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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ジェイリース<7187>の2026年3月期の業績は、売上高で前期比21.6%増の21,000百万円、営業利益で同12.8%増の3,500百万円、経常利益で同11.4%増の3,450百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同9.6%増の2,290百万円と、売上高、各利益ともに過去最高を更新する見込みである。
売上高については、主力の保証関連事業の拡大とM&Aによりグループ化した事業の連結計上により20%を超える成長を見込む。住居用賃料保証に関しては、シェア拡大が継続し好調に推移すると予想する。同社では大都市エリアでのシェアが未だ低いため、以前から店舗や人的資源を投入しており、同時に47都道府県への出店を目指し2026年3月期も新規出店(3店舗予定)と営業開拓を継続する。事業用賃料保証については、顧客のリスク意識の変化などによりオフィスや店舗等の事業用保証ニーズの拡大が継続する見込みだ。足元では、契約件数の増加に加えて、物価上昇やコロナ禍関連の補助金効果の剥落等により同社顧客の賃料支払い状況に一定の影響を及ぼし、代位弁済立替金が増加傾向にあるが、建築資材の高騰などによる家賃上昇は保証料収入の増加にもなることや、賃貸人における保証ニーズの拡大につながるため、事業機会が拡大する見込みである。また、2024年4月30日付でエイビス(2026年3月期売上高1,545百万円見込み)を、2025年4月21日付でK-net(同売上高1,580百万円見込み)を完全子会社化し、グループ内のリソースを活用した事業領域の拡大とサービス開発の強化による業績拡大を見込む。弊社は、業界の市場環境が良好ななか、足元で同社は業界全体のパフォーマンスを超える成長をしており、例年どおり売上高目標を超えてくると見ている。。
営業利益に関しては、前期比12.8%増と増益となる見込みである。貸倒関連費用等の増加及び競争激化による事務手数料の増加が見込まれるものの、増収効果がそれらを吸収し、さらにリスクコントロールの強化や業務の効率化等を進めることでより収益を拡大したい考えだ。代位弁済発生率(6.6%予想)および代位弁済回収率(96.8%予想)はコロナ禍前の状況に近く、前期比で若干悪化することを見込んでいる。弊社は、やや保守的な利益予想と捉えており、M&Aでグループ化したIT関連および家賃債務保証の子会社のパフォーマンスや相乗効果なども期待できることから、業績予想を超えてくると見ている。
■中長期の成長戦略・トピックス
一棟保証サービスに強みを持つK-netを子会社化
1. 一棟保証サービスに強みを持つK-netを子会社化
同社は、2025年4月に家賃債務保証事業を行うK-netの発行済株式100%を取得し、子会社化を完了した。K-netは近畿圏を中心に約8千社の協定取引先を持つ家賃保証会社である。市場優位性がある「一棟保証サービス」を軸とした事業展開を行っており、ファンド物件を取り扱う大手・中堅の協定取引先には強いパイプを持つ。「一棟保証サービス」とは、一棟単位の管理物件を対象に、家賃債務保証に加入していない物件に無償で保証を提供することで、家賃の滞納リスクを低減し、物件オーナーの賃貸経営を安定化するサービスである。先行投資型の保証サービスであるため、リスク計算などを含めた高い専門性が求められる。「一棟保証サービス」を同社の全国ネットワークを通じて販売を拡大するほか、一般住宅以外の「サービス付き高齢者向け住宅」や「オフィスビル・商業施設」へ対象を拡大するなど強力な武器にもなる。また、両社の営業拠点において相互顧客紹介、人財の適切な配置、営業、債権管理ノウハウの相互活用などでも幅広くシナジー創出が見込まれる。2026年3月期の売上高貢献は1,580百万円を予想する。
2. 保証領域を超えて事業領域を拡大する3ヶ年経営計画とその進捗
同社は、2025年3月期〜2027年3月期の3ヶ年経営計画を推進中である。新中期ビジョンでは保証領域を超えて「信用で人をつなぐ会社」を目指すことを宣言した。これまで賃料債務保証業界での成長を目指してきたが、今後は中核事業である住居用賃料保証や事業用賃料保証でのさらなる拡大を前提としつつ、育成事業(不動産関連事業:子会社あすみらい、医療費保証、養育費保証)、新規事業(IT関連事業:子会社エイビスを中核とした事業展開等)を含めた複数の柱を打ち立てる方向にシフトする。
数値計画は、2027年3月期に売上高が21,170百万円、営業利益が3,465百万円、売上高営業利益率が16.4%とした。2年目である2026年3月期の予想では、これらの数値計画をほぼ達成する見込みであり、1年前倒しで進捗していると言えるだろう。利益成長とともに自己資本も充実し、2027年3月期末に自己資本比率は50%以上を達成する計画である。並行して、資本効率も一定以上の水準を目指す。ROEでは20〜35%程度を計画する。利益成長を背景に、株主還元を強化する方針であり、配当性向で40%程度を維持しつつ、継続的な増配を目指す。
3. ポストM&A:エイビスの子会社化によるITシステム業界への進出
2024年4月30日に連結子会社となったエイビスは1年目に順調な成果をあげた。エイビスは1997年に大分県大分市で創業したシステム会社であり、同社とは同郷で、システム開発を通じて以前から取り引きを行っていた。エイビスは、様々なソフトウェアの開発を行うが、特に環境検査機関向けパッケージソフトの開発及び販売、保守においては、業界No.1であり、全国各地に取引基盤がある。また、病院、介護施設・在宅向け「みまもりシステム」は、グローバルに事業展開しており、タイ、マレーシア、ベトナムなど国際的な販路を確立している。2025年3月期は売上高1,848百万円(計画は1,180百万円)、営業利益124百万円(計画は78百万円)と行政向けの特需もあり大きく業績が上振れた。同社の顧客向けシステムや基幹システム更改プロジェクトに参画するなど、早くもグループシナジーを創出している。
■サステナビリティへの取り組み
同社は、「私たちは、社会の安定と発展に貢献する責任を自覚し、公正かつ誠実な企業活動を基盤とした創造的なサービスの提供を通して、全社員と私たちに関わる全ての人の幸せを追求します。」という企業理念の下、保証その他の活動を通じて社会の安心を共創することを目指している。
環境(Environment)に対する取り組み例として、各種デジタル化により紙資源使用量を削減している。また社有車のEVやハイブリッド車への切替えにも着手している。
社会(Social)に対する取り組み例としては、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの一環として、従業員の疲労回復・疾病の予防などを目的に、あん摩マッサージ指圧師などの国家資格免許を保有する視覚障がい者をヘルスキーパーとして採用し、健常者と障がい者の共生を目指す取り組みを行っている。
ガバナンス(Governance)に対する取り組み例としては、全社員へのコンプライアンス研修を継続的に実施するほか、取締役会の実効性評価、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応を実施している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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