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サンワテクノス Research Memo(5):新中期経営計画を始動(1)
配信日時:2025/06/25 14:05
配信元:FISCO
*14:05JST サンワテクノス Research Memo(5):新中期経営計画を始動(1)
■長期ビジョンと中期経営計画
2. 中期経営計画「SUN-WA Growth Plan 2027」の概要
サンワテクノス<8137>の2026年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、「価値ある提案力を高め、製造業の未来に貢献する」をスローガンに掲げ、PBR1.0倍超の早期実現に向けて「市場環境の変化に適合する事業構造改革」「3つの成長戦略による収益力の強化」「成長を支える投資と個別戦略の実施」の3つを基本方針に取り組む。KGIには営業利益、ROE、PBRを設定し、それぞれ80億円超、10.0%超、1.0倍超を目標に掲げた。
事業構造改革や3つの成長戦略により収益拡大を目指す
3. 基本方針と戦略
(1) 市場環境の変化に適合する事業構造改革
事業構造改革として、事業特徴の明確化という課題認識から、今回、事業の成長戦略などをよりイメージしやすいように開示し、投資家に対して業績成長期待の醸成(PERの向上)を図りたいという想いもあり、事業ごとの戦略や成長性がイメージしやすい4つの事業区分(電子コンポーネント、制御デバイス、FAソリューション、産業用PC)に再編成するとともに、ソリューション開発についてはイノベーション本部の機能であることを明示した。今後は事業ごとの戦略を策定して成長を目指す。なお、新規事業区分で2025年3月期の構成比(単体)を見ると、電子コンポーネントが売上高の62%、売上総利益の58%を占め、次いで制御デバイスが売上高の22%、売上総利益の23%を占め、両事業で全体の8割を占めることになる。
また、研究開発分野の位置付けとなるソリューション開発については、事業化につながる注力技術分野を特定し、最適な機器やパートナー企業の技術シーズを組み合わせたソリューションを開発していく。それらをパッケージ化して、後述する3つの成長戦略で展開し、顧客の高度なニーズに対応する。スタートアップ企業などが開発を進める先進技術を組み合わせるケースが多くなると予想され、自社の販売・マーケティング力とこれら企業の技術力を組み合わせ、Win-Winの関係を構築しながら高付加価値ビジネスを育成する考えだ。
具体例として、2023年にシステム開発を手掛ける(株)エムテックと共同開発したロボットソリューションパッケージ「3D Connectシリーズ」が挙げられ、第1弾となる「AR^2 System」を2023年秋より販売開始した。同システムは、ロボットに搭載したカメラで対象物の位置基準となるARマーカー※を読み取ることで、相対位置の補正と動作条件を判断選択してロボットに動作を指示するシステムである(ARマーカーにロボットの動作条件(レシピ)が埋め込まれている)。ロボットは通常、所定の動作を行うためのティーチングデータを作成して運用する必要があるが、「AR^2 System」を付加することで高精度かつ効率的にこの工程を実現する。同システムを活用することでロボット導入のハードルが下がるため、省人化対策ソリューションとしての需要が見込まれる。また、「AR^2 System」と同一のカメラを利用してパターンマッチングなどの画像処理やコンベアトラッキング機能を追加するなど、機能の拡充も図っている。同社は2025年3月期以降3年間で50億円の売上を目標としており、ロボット単体で販売するより収益性も高くなる見通しだ。
※ ARマーカーとは、現実空間にデジタルコンテンツを重ねて表示できる「AR(拡張現実)」を表示させる目印となるものを指し、画像や顔、建物など様々なものをARマーカーとして活用できる。
また、2024年10月に(株)ロジック・アンド・デザインと新たなビジネスモデルやソリューション開発を共同で進めることを目的に資本業務提携を行った。ロジック・アンド・デザインは画像や動画を鮮明化するアルゴリズムを独自開発するスタートアップ企業(2018年設立)で、同技術を用いた画像鮮明化装置やネットワークカメラを販売しているほか、画像鮮明化ソフトや画像復元ソフトなどの販売も行っている。同社の持つ技術の特徴は、1) 独自のアルゴリズムによってリアルタイム(遅延0.004秒)の鮮明化が可能なこと、2) 加工や予測修正は行わず、画像・映像に残る画素ごとの微弱な信号変化を捉えて視える化を実現していること(非AI処理)、3) 昼夜・雨霧など外部環境変化によるモード変更が不要なことなどが挙げられ、他の画像補正技術(ゲイン補正やHDR等)とは一線を画す。
今後は、防犯や医療、車載、河川監視等の公共インフラ分野のほか、産業用装置・機器分野への市場展開も期待される。ビジネス展開としては同技術を小型チップ化(ASIC化)し、モジュール製品として拡販すべく共同開発を進めており、2026年の販売開始を目指している。同社においては、夜間や雨霧でも画像の鮮明化がリアルタイムで可能なことから車載カメラ用途での需要を期待しているほか、先端半導体分野の外観検査用途での需要も見込んでおり、画像ソリューション分野における高付加価値商品として今後の売上成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
2. 中期経営計画「SUN-WA Growth Plan 2027」の概要
サンワテクノス<8137>の2026年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、「価値ある提案力を高め、製造業の未来に貢献する」をスローガンに掲げ、PBR1.0倍超の早期実現に向けて「市場環境の変化に適合する事業構造改革」「3つの成長戦略による収益力の強化」「成長を支える投資と個別戦略の実施」の3つを基本方針に取り組む。KGIには営業利益、ROE、PBRを設定し、それぞれ80億円超、10.0%超、1.0倍超を目標に掲げた。
事業構造改革や3つの成長戦略により収益拡大を目指す
3. 基本方針と戦略
(1) 市場環境の変化に適合する事業構造改革
事業構造改革として、事業特徴の明確化という課題認識から、今回、事業の成長戦略などをよりイメージしやすいように開示し、投資家に対して業績成長期待の醸成(PERの向上)を図りたいという想いもあり、事業ごとの戦略や成長性がイメージしやすい4つの事業区分(電子コンポーネント、制御デバイス、FAソリューション、産業用PC)に再編成するとともに、ソリューション開発についてはイノベーション本部の機能であることを明示した。今後は事業ごとの戦略を策定して成長を目指す。なお、新規事業区分で2025年3月期の構成比(単体)を見ると、電子コンポーネントが売上高の62%、売上総利益の58%を占め、次いで制御デバイスが売上高の22%、売上総利益の23%を占め、両事業で全体の8割を占めることになる。
また、研究開発分野の位置付けとなるソリューション開発については、事業化につながる注力技術分野を特定し、最適な機器やパートナー企業の技術シーズを組み合わせたソリューションを開発していく。それらをパッケージ化して、後述する3つの成長戦略で展開し、顧客の高度なニーズに対応する。スタートアップ企業などが開発を進める先進技術を組み合わせるケースが多くなると予想され、自社の販売・マーケティング力とこれら企業の技術力を組み合わせ、Win-Winの関係を構築しながら高付加価値ビジネスを育成する考えだ。
具体例として、2023年にシステム開発を手掛ける(株)エムテックと共同開発したロボットソリューションパッケージ「3D Connectシリーズ」が挙げられ、第1弾となる「AR^2 System」を2023年秋より販売開始した。同システムは、ロボットに搭載したカメラで対象物の位置基準となるARマーカー※を読み取ることで、相対位置の補正と動作条件を判断選択してロボットに動作を指示するシステムである(ARマーカーにロボットの動作条件(レシピ)が埋め込まれている)。ロボットは通常、所定の動作を行うためのティーチングデータを作成して運用する必要があるが、「AR^2 System」を付加することで高精度かつ効率的にこの工程を実現する。同システムを活用することでロボット導入のハードルが下がるため、省人化対策ソリューションとしての需要が見込まれる。また、「AR^2 System」と同一のカメラを利用してパターンマッチングなどの画像処理やコンベアトラッキング機能を追加するなど、機能の拡充も図っている。同社は2025年3月期以降3年間で50億円の売上を目標としており、ロボット単体で販売するより収益性も高くなる見通しだ。
※ ARマーカーとは、現実空間にデジタルコンテンツを重ねて表示できる「AR(拡張現実)」を表示させる目印となるものを指し、画像や顔、建物など様々なものをARマーカーとして活用できる。
また、2024年10月に(株)ロジック・アンド・デザインと新たなビジネスモデルやソリューション開発を共同で進めることを目的に資本業務提携を行った。ロジック・アンド・デザインは画像や動画を鮮明化するアルゴリズムを独自開発するスタートアップ企業(2018年設立)で、同技術を用いた画像鮮明化装置やネットワークカメラを販売しているほか、画像鮮明化ソフトや画像復元ソフトなどの販売も行っている。同社の持つ技術の特徴は、1) 独自のアルゴリズムによってリアルタイム(遅延0.004秒)の鮮明化が可能なこと、2) 加工や予測修正は行わず、画像・映像に残る画素ごとの微弱な信号変化を捉えて視える化を実現していること(非AI処理)、3) 昼夜・雨霧など外部環境変化によるモード変更が不要なことなどが挙げられ、他の画像補正技術(ゲイン補正やHDR等)とは一線を画す。
今後は、防犯や医療、車載、河川監視等の公共インフラ分野のほか、産業用装置・機器分野への市場展開も期待される。ビジネス展開としては同技術を小型チップ化(ASIC化)し、モジュール製品として拡販すべく共同開発を進めており、2026年の販売開始を目指している。同社においては、夜間や雨霧でも画像の鮮明化がリアルタイムで可能なことから車載カメラ用途での需要を期待しているほか、先端半導体分野の外観検査用途での需要も見込んでおり、画像ソリューション分野における高付加価値商品として今後の売上成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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