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ウェーブロックHD Research Memo(3):マテリアルソリューション、アドバンストテクノロジー事業を展開(2)
配信日時:2025/06/25 11:03
配信元:FISCO
*11:03JST ウェーブロックHD Research Memo(3):マテリアルソリューション、アドバンストテクノロジー事業を展開(2)
■ウェーブロックホールディングス<7940>の会社概要
c) パッケージングソリューション
乳製品、菓子、コンビニエンスストア等での弁当容器など各種食品用パッケージから電子部品用パッケージまで幅広い製品を提供している。主力の食品用パッケージでは、賞味期限を延ばす高機能素材や特許技術による環境配慮素材を用いた製品を開発し販売を伸ばしている。主な販売先は食品メーカーや容器メーカーなどとなる。
d) リビングソリューション
網戸用の替え網(防虫網)や住宅まわりのネット資材、サッシと組み合わされ網戸として住宅などに設置される防虫網、農園芸用の被覆資材、関連商品などを主にホームセンターやサッシメーカー向けに販売している。防虫網では国内シェア約7割とトップシェアを握っており、その他の製品についても高シェアを有している。防虫網や園芸用ネット、遮光ネットなどに関しては売上の季節変動が大きく(例年3月から8月がピーク)、その年の天候状況によっても需要が大きく変動するため、ホームセンターでは在庫管理が難しい商材として位置付けられている。このため、同社は静岡県内にあるイノベックスの工場敷地内で一定量の在庫を保持することで、需要の急変動に対応可能な物流体制と通年での安定した生産体制を構築している。ここ数年は海外から競合する低価格商品が入ってくるものの、こうした物流体制は構築できておらず品切れが発生することも多い。製品の品質の高さだけでなく安定供給体制が整っていることも、同社が高いシェアを維持している要因と考えられる。
e) アグリソリューション
主に農業向け製品として、遮光・遮熱ネット、防虫網や保温シートなどの各種被覆資材、土壌改良材など幅広く提供している。主な販売先は大手種苗・農薬メーカー、農業資材卸専門店などとなる。
f) 地中熱ビジネス
地中熱ビジネスとは、自然エネルギーである地中熱を利用した高効率空調システム「サーチェス(R)」の設計・施工管理事業のことで、従来の地中熱源システムに比べて約3~5倍の性能を誇る「ヒートクラスター(R)」技術※を採用している。数年前から一部手掛けていたが、2022年4月に設計・施工管理会社の(株)エイゼンコーポレーションを子会社化し、システムインテグレータとして、ビニルハウス栽培などの施設園芸農業や工場などをターゲットに営業活動を推進している。
※ 「ヒートクラスター(R)」技術は、熱交換性能が従来方式の3~5倍程度と高いため、一般的な地中熱システムよりも井戸の掘削本数が少なくて済み、ボーリングコストの大幅削減を可能としている。
熱交換システムの性能だけでなく、「サーチェス(R)」の商談の際にグループ製品(間仕切りカーテン等)も組み合わせることで、施設内全体の省エネソリューションを提案できる点が同社の強みである。工場内作業者からは夏場の暑い時期でも快適に作業できるとの声が上がっており、「脱炭素社会の実現」だけでなく「職場環境の改善」という面からも顧客に導入提案をしている。ビジネスの流れとしては、提案商談から基本設計、詳細設計を行ったうえで契約し、工事、効果測定を経て検収となる。規模にもよるが、商談開始から検収までの期間としてはおよそ6ヶ月から2年が目安となる。
(2) アドバンストテクノロジー事業
アドバンストテクノロジー事業は、デコレーション&ディスプレー分野(金属調加飾フィルム、高透明多層フィルム)、コンバーティング分野、その他(仕入商品)に分けられ、売上高の約6割をデコレーション&ディスプレー分野で占めている。
デコレーション&ディスプレー分野の売上の大半を占める金属調加飾フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに特殊金属を蒸着させ、耐候性を保つために表面側にPMMA(アクリル樹脂)シート、下面側にABSフィルムを重ね、ドライラミネート工法※により貼り合わせた6層構造となっている。同フィルムは平面的な形状だけでなく、異型押出成形やフィルムインサート成形、真空成形など様々な加工技術を用いることで立体的な形状にすることも可能だ。メッキ加工品との比較における長所は、錆が発生せず車体の軽量化に寄与すること、製造時に廃液が発生しないなど環境負荷が小さいことに加えて、電波並びに光の透過性が高く、成形性、意匠性にも優れるといった点が挙げられる。こうした長所が評価され、自動車や自動二輪車の内外装品向けに採用が広がっている。
※ 基材となるフィルムに接着剤を塗布し、乾燥炉で乾燥させた後、別のフィルムと圧着して貼り合せる加工方法。
自動車向けでは、国内だけでなくアジア、欧米などで販売実績があるが、2022年に米国EVメーカーの外装部品として採用されたことをきっかけに北米向けの販売が急拡大した。自動二輪車向けでは、エンブレム用としてインドや東南アジアで需要が伸びている。製造拠点は前工程となるフィルム製造を古河工場と一関工場で、後工程となるパーツ成型加工を名古屋工場と2023年春に新設した米国のオハイオ工場で行っている。
金属調加飾フィルムのうち、自動車外装用の競合としてはオランダの大手化学メーカーであるAkzo Nobel N.V.(アクゾノーベル)が挙げられるが、参入企業はまだ少ないようだ。また、金属調加飾フィルムの製法には同社やAkzo Nobelが採用している金属蒸着法のほか転写法などがある。転写法は量産性に優れるためコスト面で優位だが耐候性が弱く、自動車の外装用としては別途ハードコートが必要となる場合が多いため金属蒸着法が有利と同社では見ている。
高透明多層フィルムについては、光学特性の高さや歪みの少なさ、防塵特性や耐衝撃性などの強みを生かして内装ディスプレーの大型化が進む車載分野(CID(センターインフォメーションディスプレー)やHUD(ヘッドアップディスプレー)など)向けの市場開拓を進めているが、三菱ガス化学<4182>など競合も多いため、2024年以降は電気自動車の充電スタンドカバー向けなど新規用途の開拓にも取り組んでいる。
コンバーティング分野は、医療用湿布の不織布印刷や離型フィルムへの印刷・シリコン処理加工などが含まれ、売上規模は小さいものの安定収益源となっている。そのほか液晶テレビモニター向けの拡散板や導光板、食品包材向け開封テープなどの仕入販売も行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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c) パッケージングソリューション
乳製品、菓子、コンビニエンスストア等での弁当容器など各種食品用パッケージから電子部品用パッケージまで幅広い製品を提供している。主力の食品用パッケージでは、賞味期限を延ばす高機能素材や特許技術による環境配慮素材を用いた製品を開発し販売を伸ばしている。主な販売先は食品メーカーや容器メーカーなどとなる。
d) リビングソリューション
網戸用の替え網(防虫網)や住宅まわりのネット資材、サッシと組み合わされ網戸として住宅などに設置される防虫網、農園芸用の被覆資材、関連商品などを主にホームセンターやサッシメーカー向けに販売している。防虫網では国内シェア約7割とトップシェアを握っており、その他の製品についても高シェアを有している。防虫網や園芸用ネット、遮光ネットなどに関しては売上の季節変動が大きく(例年3月から8月がピーク)、その年の天候状況によっても需要が大きく変動するため、ホームセンターでは在庫管理が難しい商材として位置付けられている。このため、同社は静岡県内にあるイノベックスの工場敷地内で一定量の在庫を保持することで、需要の急変動に対応可能な物流体制と通年での安定した生産体制を構築している。ここ数年は海外から競合する低価格商品が入ってくるものの、こうした物流体制は構築できておらず品切れが発生することも多い。製品の品質の高さだけでなく安定供給体制が整っていることも、同社が高いシェアを維持している要因と考えられる。
e) アグリソリューション
主に農業向け製品として、遮光・遮熱ネット、防虫網や保温シートなどの各種被覆資材、土壌改良材など幅広く提供している。主な販売先は大手種苗・農薬メーカー、農業資材卸専門店などとなる。
f) 地中熱ビジネス
地中熱ビジネスとは、自然エネルギーである地中熱を利用した高効率空調システム「サーチェス(R)」の設計・施工管理事業のことで、従来の地中熱源システムに比べて約3~5倍の性能を誇る「ヒートクラスター(R)」技術※を採用している。数年前から一部手掛けていたが、2022年4月に設計・施工管理会社の(株)エイゼンコーポレーションを子会社化し、システムインテグレータとして、ビニルハウス栽培などの施設園芸農業や工場などをターゲットに営業活動を推進している。
※ 「ヒートクラスター(R)」技術は、熱交換性能が従来方式の3~5倍程度と高いため、一般的な地中熱システムよりも井戸の掘削本数が少なくて済み、ボーリングコストの大幅削減を可能としている。
熱交換システムの性能だけでなく、「サーチェス(R)」の商談の際にグループ製品(間仕切りカーテン等)も組み合わせることで、施設内全体の省エネソリューションを提案できる点が同社の強みである。工場内作業者からは夏場の暑い時期でも快適に作業できるとの声が上がっており、「脱炭素社会の実現」だけでなく「職場環境の改善」という面からも顧客に導入提案をしている。ビジネスの流れとしては、提案商談から基本設計、詳細設計を行ったうえで契約し、工事、効果測定を経て検収となる。規模にもよるが、商談開始から検収までの期間としてはおよそ6ヶ月から2年が目安となる。
(2) アドバンストテクノロジー事業
アドバンストテクノロジー事業は、デコレーション&ディスプレー分野(金属調加飾フィルム、高透明多層フィルム)、コンバーティング分野、その他(仕入商品)に分けられ、売上高の約6割をデコレーション&ディスプレー分野で占めている。
デコレーション&ディスプレー分野の売上の大半を占める金属調加飾フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに特殊金属を蒸着させ、耐候性を保つために表面側にPMMA(アクリル樹脂)シート、下面側にABSフィルムを重ね、ドライラミネート工法※により貼り合わせた6層構造となっている。同フィルムは平面的な形状だけでなく、異型押出成形やフィルムインサート成形、真空成形など様々な加工技術を用いることで立体的な形状にすることも可能だ。メッキ加工品との比較における長所は、錆が発生せず車体の軽量化に寄与すること、製造時に廃液が発生しないなど環境負荷が小さいことに加えて、電波並びに光の透過性が高く、成形性、意匠性にも優れるといった点が挙げられる。こうした長所が評価され、自動車や自動二輪車の内外装品向けに採用が広がっている。
※ 基材となるフィルムに接着剤を塗布し、乾燥炉で乾燥させた後、別のフィルムと圧着して貼り合せる加工方法。
自動車向けでは、国内だけでなくアジア、欧米などで販売実績があるが、2022年に米国EVメーカーの外装部品として採用されたことをきっかけに北米向けの販売が急拡大した。自動二輪車向けでは、エンブレム用としてインドや東南アジアで需要が伸びている。製造拠点は前工程となるフィルム製造を古河工場と一関工場で、後工程となるパーツ成型加工を名古屋工場と2023年春に新設した米国のオハイオ工場で行っている。
金属調加飾フィルムのうち、自動車外装用の競合としてはオランダの大手化学メーカーであるAkzo Nobel N.V.(アクゾノーベル)が挙げられるが、参入企業はまだ少ないようだ。また、金属調加飾フィルムの製法には同社やAkzo Nobelが採用している金属蒸着法のほか転写法などがある。転写法は量産性に優れるためコスト面で優位だが耐候性が弱く、自動車の外装用としては別途ハードコートが必要となる場合が多いため金属蒸着法が有利と同社では見ている。
高透明多層フィルムについては、光学特性の高さや歪みの少なさ、防塵特性や耐衝撃性などの強みを生かして内装ディスプレーの大型化が進む車載分野(CID(センターインフォメーションディスプレー)やHUD(ヘッドアップディスプレー)など)向けの市場開拓を進めているが、三菱ガス化学<4182>など競合も多いため、2024年以降は電気自動車の充電スタンドカバー向けなど新規用途の開拓にも取り組んでいる。
コンバーティング分野は、医療用湿布の不織布印刷や離型フィルムへの印刷・シリコン処理加工などが含まれ、売上規模は小さいものの安定収益源となっている。そのほか液晶テレビモニター向けの拡散板や導光板、食品包材向け開封テープなどの仕入販売も行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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