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中部鋼鈑 Research Memo(7):新電気炉の安定稼働で増収増益を見込む。高付加価値製品の販売拡大に注力(1)
配信日時:2025/06/24 11:07
配信元:FISCO
*11:07JST 中部鋼鈑 Research Memo(7):新電気炉の安定稼働で増収増益を見込む。高付加価値製品の販売拡大に注力(1)
■中部鋼鈑<5461>の今後の見通し
1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高61,100百万円(前期比19.7%増)、営業利益5,000百万円(同84.9%増)、経常利益5,000百万円(同92.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,300百万円(同90.5%増)を見込んでおり、2025年3月期からの復活を目指す。2026年3月期上期は前期の事故に伴う一時的な操業停止によって未出荷となった顧客との約定済分の出荷や、他社に流れた受注の取り戻しに注力する。下期は新電気炉の安定稼働とともに本来の短納期サイクルを復旧させ、建材等の高付加価値材受注の再開やグリーン鋼材の販売を実施することで、販売数量や利益面の回復を目指す。顧客と約定済取引のうち、未出荷部分が上期の売上に計上される予定の一方、顧客が他社に発注した取り引きもあることから販売数量は伸び悩む見通しで、事故の影響はしばらく残存すると見ている。しかし、四半期ごとの順調な回復を目指し、通期の販売数量は54.2万トンと、2024年3月期の実績(51.8万トン)を超える計画だ。同社の主要ユーザーである産業機械や建設機械メーカーにおける鋼材需要は、2024年夏をボトムに緩やかな回復基調にある。また国内で厚板を供給する高炉メーカーでは生産集約を継続しており、同社推定では2024年度は2021年度比で110万トンの供給量減となることから、2025年度はそれほど需給面の緩和は見られないと想定し、受注回復に向けて積極的に活動を進める考えだ。同社の主要マーケットである3大都市圏(中部、関東、関西)の2023年度受注量約316.0万トンのうち、同社出荷量は42.9万トン(13.6%)と今後シェア拡大の余地は大きい。米国関税政策の行方など、不透明な要素はあるが、新電気炉の安定稼働を背景に受注活動を活発化させる。また新電気炉工事に伴い休止していた中山製鋼所へのスラブ供給も2026年3月期から再開する方向で、業績寄与の材料になりそうだ。
利益面では、下期に向けた戦略として、メタルスプレッドの維持・拡大を図るべく、付加価値の高い建材販売の復活や、産業機械及び建設機械向け高付加価値品の販売を強化し、販売比率を拡大するほか、現在開発中のグリーンスチールを上市し、適切なマージン確保を狙う。スクラップコストについては新電気炉の稼働により安価な下級屑の使用を拡大しコストダウンを図るほか、荷下ろし時間短縮策として、AI検収(スクラップの検収にAIを活用)を開始するとともに、2025年夏に増設予定の荷下ろしクレーンを活用する。脱炭素戦略としては、2024年に開始した営農型太陽光発電によるオフサイトPPAを拡大し、新電気炉のメリットである予熱と連続装入により電力使用量の削減を強化する。現状では本来の能力が発揮されていないため、2026年3月期に生産性向上のための工事を計画している。また、電力価格については通期で2025年3月期並みを見込んでいるが、中部地方では太陽光発電の普及等もあって平日夜と昼との価格差が縮小していることから、同社は2026年3月期から夜間だけでなく日中も電気炉を稼働させる方針だ。なお、これらCO2削減効果はグリーンスチールにも反映され、サプライチェーン排出量のScope3で効果を発揮することから、顧客に高付加価値を訴求して販売拡大を狙う。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高61,100百万円(前期比19.7%増)、営業利益5,000百万円(同84.9%増)、経常利益5,000百万円(同92.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,300百万円(同90.5%増)を見込んでおり、2025年3月期からの復活を目指す。2026年3月期上期は前期の事故に伴う一時的な操業停止によって未出荷となった顧客との約定済分の出荷や、他社に流れた受注の取り戻しに注力する。下期は新電気炉の安定稼働とともに本来の短納期サイクルを復旧させ、建材等の高付加価値材受注の再開やグリーン鋼材の販売を実施することで、販売数量や利益面の回復を目指す。顧客と約定済取引のうち、未出荷部分が上期の売上に計上される予定の一方、顧客が他社に発注した取り引きもあることから販売数量は伸び悩む見通しで、事故の影響はしばらく残存すると見ている。しかし、四半期ごとの順調な回復を目指し、通期の販売数量は54.2万トンと、2024年3月期の実績(51.8万トン)を超える計画だ。同社の主要ユーザーである産業機械や建設機械メーカーにおける鋼材需要は、2024年夏をボトムに緩やかな回復基調にある。また国内で厚板を供給する高炉メーカーでは生産集約を継続しており、同社推定では2024年度は2021年度比で110万トンの供給量減となることから、2025年度はそれほど需給面の緩和は見られないと想定し、受注回復に向けて積極的に活動を進める考えだ。同社の主要マーケットである3大都市圏(中部、関東、関西)の2023年度受注量約316.0万トンのうち、同社出荷量は42.9万トン(13.6%)と今後シェア拡大の余地は大きい。米国関税政策の行方など、不透明な要素はあるが、新電気炉の安定稼働を背景に受注活動を活発化させる。また新電気炉工事に伴い休止していた中山製鋼所へのスラブ供給も2026年3月期から再開する方向で、業績寄与の材料になりそうだ。
利益面では、下期に向けた戦略として、メタルスプレッドの維持・拡大を図るべく、付加価値の高い建材販売の復活や、産業機械及び建設機械向け高付加価値品の販売を強化し、販売比率を拡大するほか、現在開発中のグリーンスチールを上市し、適切なマージン確保を狙う。スクラップコストについては新電気炉の稼働により安価な下級屑の使用を拡大しコストダウンを図るほか、荷下ろし時間短縮策として、AI検収(スクラップの検収にAIを活用)を開始するとともに、2025年夏に増設予定の荷下ろしクレーンを活用する。脱炭素戦略としては、2024年に開始した営農型太陽光発電によるオフサイトPPAを拡大し、新電気炉のメリットである予熱と連続装入により電力使用量の削減を強化する。現状では本来の能力が発揮されていないため、2026年3月期に生産性向上のための工事を計画している。また、電力価格については通期で2025年3月期並みを見込んでいるが、中部地方では太陽光発電の普及等もあって平日夜と昼との価格差が縮小していることから、同社は2026年3月期から夜間だけでなく日中も電気炉を稼働させる方針だ。なお、これらCO2削減効果はグリーンスチールにも反映され、サプライチェーン排出量のScope3で効果を発揮することから、顧客に高付加価値を訴求して販売拡大を狙う。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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