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明日の株式相場に向けて=騰勢復活の「防衛関連株」を選りすぐる
配信日時:2025/06/23 17:30
配信元:MINKABU
週明け23日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比49円安の3万8354円と3日続落。きょうの軟調地合いは、前週末20日の欧米株市場の地合いを引き継ぐという形ではなく、その翌日の21日に「米国がイラクの核施設を攻撃した」というサプライズ的な悪材料を、東京市場が世界で真っ先に織り込みに行くという展開となった。しかし、取引開始前は日経平均が3万8000円大台を下抜ける場面もイメージされたが、フタを開けてみると拍子抜けするくらいに日経平均は底堅かった。
外国為替市場では有事のドル買いが加速し、円安が急速に進んだことが全体相場の下支え材料となったという見方も出ていたが、円安メリット株を中心に買いを誘導した形跡はない。背景として考えられるのは、イスラエルとイランの軍事衝突は米国がバックについたイスラエルに対し、イランの戦力の弱さが動き彫りとなっている状況にあり、これを見たマーケットが戦争状態は長く続かないと判断しているフシがある。つまり、早期の戦争終結を読んだという見方もできる。
懸念材料では、一つの仮説として一人歩きしているのがイランによるホルムズ海峡の封鎖だ。これによって原油価格が高騰すれば、円安と相まって国内の物価高は加速する。日本にとっても遠くの戦争では済まされない。しかし、それをやっても力ずくで船を沈められてしまえばイラン側は文字通り終了形となってしまうため、玉砕覚悟という選択肢である。無条件降伏は無理でも、大上段に振りかぶる米国に対し、残念ながらイランが太刀打ちするすべはない。米国が「ミッドナイト・ハンマー」と称してバンカーバスターを14発も投下するのは果たして必要なコストであったのか。表現は悪いが米国の軍事ショーを見せつけられるような格好で、中国やロシアは非常に不快であったはずだ。
勝者と敗者が明確なコントラストを描く相場の世界もまた、投資マネーの合戦の場といってもよい。戦いに勝利するための必須条件とは何か。孫氏の兵法に範を取るのであれば、「兵法を知り、時を読み人の和をなす」という有名な言葉がある。資本主義の戦場である株式市場においても至言といえ、とりわけ“時を読む”ことは需給関係を読むことにもつながり実践的な重要度が高い。個別企業の有するファンダメンタルズ分析よりも、タイミングが重要性を帯びることは株式投資のフィールドでは尋常茶飯である。
米国のイラク空爆は全体相場にはネガティブサプライズとなったことは言うまでもないが、防衛関連株にとって買いの根拠となった。ただし、きょうの時点で勇猛果敢に三菱重工業<7011.T>の上値に飛びついても、ここから単刀直入に最高値圏を突き進むというイメージは湧かない。実際、この日は三菱重を筆頭にIHI<7013.T>、川崎重工業<7012.T>など朝高後は軒並み値を消した。新値街道を進むのであれば、直接的な材料に刺激されてではなく、トレンドとして自然体で舞い上がるのが本来の姿だ。その観点に立てば、目先的にはここまで注目され過ぎた反動が出ている。
もっとも、この買い疲れ感は防衛関連株すべてに当てはまるわけではなく、押し目形成中の銘柄については買い場となっているものも少なくない。アンテナを高くして個別銘柄ごとの時間軸で考えていく。ここ調整局面にあった放電精密加工研究所<6469.T>は75日移動平均線をサポートラインに買い場が近そうだ。筆頭株主の三菱重をはじめ川重、IHIの防衛三羽烏を主要得意先としており、防衛装備品が好調で業績も回復色が鮮明である。また、振動試験装置や電磁波対応のEMC試験装置で防衛関連特需が収益押し上げ効果をもたらしているIMV<7760.T>も買い場が接近しているように見えたが、ひと足先に資金が流入した。このほか石川製作所<6208.T>も時価近辺のもみ合いは押し目買い好機に映る。他方、波動の強い銘柄では、防衛省向け救難飛行艇「US2」で注目度の高い新明和工業<7224.T>や、予算増額に伴う防衛向け需要の取り込みが続く電気興業<6706.T>に投資マネーの攻勢が観測されている。
あすのスケジュールでは、前場取引時間中に20年物国債の入札が行われるほか、後場取引時間中には基調的なインフレ率を捕捉するための指標が日銀から開示される。このほか、5月の全国スーパー売上高、5月の全国百貨店売上高が発表される。この日は石破首相が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議のためオランダを訪問する。IPOが1社予定されており、東証スタンダード市場にプリモグローバルホールディングス<367A.T>が新規上場する。海外では6月の独Ifo企業景況感指数、4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、6月の米消費者信頼感指数などが注目される。米2年物国債の入札も予定。このほか、パウエルFRB議長が米下院金融サービス委員会で証言を行うほか、ウィリアムズNY連銀総裁やバーFRB理事の講演も予定されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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