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日本ヒューム Research Memo(8):株主還元を強化

配信日時:2025/06/20 13:08 配信元:FISCO
*13:08JST 日本ヒューム Research Memo(8):株主還元を強化 ■日本ヒューム<5262>の成長戦略

3. 株主還元策
財務戦略(資本政策)としては、株主還元方針では営業利益追求の積極的投資と安定的配当の向上を図り、バランスある積極的な株主還元策の実施を目指している。この基本方針に基づいて2025年3月期の配当は前期比13.00円増配の38.00円(第2四半期末19.00円、期末19.00円)、配当性向は29.2%となった。また総還元性向50%以上を目標として2024年5月27日~2024年9月30日に自己株式取得を実施(600,000株を取得)し、総還元性向は55.0%となった。2026年3月期の配当については会社100周年記念配当6.00円を加え、同6.00円増配の44.00円(第2四半期末22.00円、期末22.00円)を予定(予想配当性向45.0%)している。

株主優待制度については2024年12月25日付で変更(拡充)を発表した。変更後は毎年9月末及び3月末現在で4単元(400株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて「日本ヒューム・プレミアム優待倶楽部」で好みの商品を選べるポイントを贈呈する。また資本政策では、適切な株主資本に留意しながら、PBR1倍を意識した株価の向上を目指し、M&Aの実施、株主還元の強化、積極投資をテコとした利益成長によるROEの向上(目標8.0%)、営業利益向上を第1の目標と志向した営業活動及び事業運営を推進する方針だ。

4. サステナビリティ経営
ESG戦略としては、社会資本整備に貢献するコンクリート製品事業、脱炭素社会の実現に貢献する「e-CON(R)」など、社会基盤整備への貢献を通じて持続可能な社会の実現を目指す。成長・SDGs投資ではプレキャスト製造への投資、「e-CON(R)」事業への投資、カーボンニュートラルに向けた設備投資、デジタル化・効率化・省力化に向けた投資、設備機能向上や生産基盤整備に向けた投資など、200年企業へ向かうための構造改革投資を実施する方針だ。なお2024年11月にパートナーシップ構築宣言をリリース、厚生労働省より「くるみん認定2024」を取得、2025年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に3年連続で認定された。


重点戦略の進捗状況に注目

5. 弊社の視点
同社の重点戦略の進捗状況は順調であると弊社では評価している。営業面では地道な受注活動や売価改善が進展し、製造・施工面でもICT施工管理システム「Pile-ViMSys(R)」や3Dプリンティングの活用により生産性向上が進展する見込みだ。また技術開発の面では「CP-X工法」認証(技術評定)を取得や「e-CON(R)」建設技術審査証明取得など着実な進展が見られ、資本コストや株価を意識した経営でも株主還元やIR活動の強化などにより株式市場での評価が高まった。中期経営計画「23-27計画R」の目標数値は上方修正される可能性が高く、積極的な事業展開で新たな成長ステージに入った可能性が考えられる。引き続き重点戦略の進捗状況に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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