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日本ヒューム Research Memo(7):中期経営計画「23-27計画R」は成長軌道を創るための改革の期間
配信日時:2025/06/20 13:07
配信元:FISCO
*13:07JST 日本ヒューム Research Memo(7):中期経営計画「23-27計画R」は成長軌道を創るための改革の期間
■日本ヒューム<5262>の成長戦略
1. 中期経営計画「23-27計画R」
同社は2023年5月に中期経営計画「23-27計画R」(2024年3月期~2028年3月期)を策定し、200年企業に向けた成長軌道を創るための改革の期間と位置付けた。経営目標値には最終年度となる2028年3月期に売上高40,000百万円、営業利益2,200百万円、経常利益3,050百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,270百万円を掲げた。最終年度目標値を2026年3月期に2期前倒して達成する見込みであり、業績の進捗は順調である。
事業別戦略としては主力事業の振興軌道強化と戦略事業の強化により成長基盤を構築する。主力事業は基礎事業及び下水道関連事業の既存ヒューム管分野、戦略事業は下水道関連事業の新しいプレキャスト事業(一般的な意味でのプレキャスト製品と異なる)及び新規事業等と位置付け、2028年3月期の事業別計画数値は、売上高が基礎事業22,750百万円、下水道関連事業7,750百万円、プレキャスト事業8,000百万円、その他事業1,500百万円、営業利益が基礎事業900百万円、下水道関連事業1,600百万円、プレキャスト事業1,000百万円、その他事業870百万円、全社費用等調整額-2,170百万円としている。
重点戦略の進捗は順調
2. 重点戦略と進捗状況
事業別戦略
事業別の重点戦略としては、基礎事業では売価改善や大型案件の受注等による採算改善と安定化を目指し、同社の強みである排出残土の少ない中掘工法の販売拡大や新工法の開発、ICT施工管理システム「Pile-ViMSys(R)」のさらなる改良による施工効率化などを推進している。こうした重点戦略の成果として、基礎事業の営業利益率は2022年3月期の1.4%をボトムとして2025年3月期には5.7%まで上昇した。新工法の開発については「CP-X工法」が認証(技術評定)を取得し、2025年1月より販売開始した。ICT施工管理システム「Pile-ViMSys(R)」については、地図機能(杭伏図)の追加など機能・操作性向上を進め、2024年11月には国土交通省の「建設機械施工の自動化・遠隔化技術に係る現場検証」の実施者として同社が選定された。さらにプレキャスト工事への適用範囲拡大を推進している。
下水道関連事業ではトータルソリューション増強を目指し、ヒューム管市場でのさらなるシェア拡大、耐震化や管路メンテナンスを軸とする下水道工事の提供エリア拡大、ラインナップ拡充した合成鋼管の拡販、低炭素型高機能対応コンクリート「e-CON(R)」の下水道管への普及などを推進している。こうした重点戦略の成果として、ヒューム管市場における2025年3月期の同社シェアは前期比4.7ポイント上昇して23.5%となった。今後は雨水災害対策としての下水道管需要の増加なども予想されており、ヒューム管、合成鋼管、高耐圧推進管JIP-PIPE等の拡販を推進する。
プレキャスト事業では、新たな成長ドライバーと位置付けるコンクリートテクノロジーによる高付加価値製品の増強を目指し、都市部再開発案件への「PCウェル」製品等の拡販、低炭素型高機能コンクリート「e-CON(R)」のプレキャスト事業化、道路分野での「プレキャスト壁高欄」の拡販、生産性向上のBIM/CIM、技術開発強化による新製品開発などを推進している。また2025年1月に発生した道路陥没事故を契機に下水道長寿命化ニーズが高まっているため、同社は下水道インフラの新設需要に応えるだけでなく、長寿命化に向けた施策として布設から、点検調査(IoTセンサーによる無人化など)、修繕(コンクリートによる管路修繕など)、改築のワンストップサービスを重点強化する方針だ。
プレキャスト事業の進捗状況としては、2026年3月期も道路案件を中心に売上が拡大する見込みだ。PCウェル工法設計ソフトの改良も完了し、作業時間80%削減を実現した。浸水対策工事分野では、雨水貯留施設にプレキャスト湧水池が採用され、大幅な工期短縮を実現した。道路分野では「プレキャスト壁高欄」の売上高が2024年3月期に前期比1.6倍、2025年3月期に同2.3倍と急拡大した。3Dプリンティングについては自由造形プレキャスト製品に続き、2024年12月に型枠レスプレキャスト製品の製造・出荷を開始した。低炭素型高機能コンクリート「e-CON(R)」については、2024年9月に日本初のセメントレスプレキャスト製品用コンクリートとして建設技術審査証明を取得した。今後も建設技術審査証明範囲の拡大を進め、様々な現場(港湾、上・下水道、道路、河川等)での採用を目指す。重点戦略の進捗状況は順調と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 中期経営計画「23-27計画R」
同社は2023年5月に中期経営計画「23-27計画R」(2024年3月期~2028年3月期)を策定し、200年企業に向けた成長軌道を創るための改革の期間と位置付けた。経営目標値には最終年度となる2028年3月期に売上高40,000百万円、営業利益2,200百万円、経常利益3,050百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,270百万円を掲げた。最終年度目標値を2026年3月期に2期前倒して達成する見込みであり、業績の進捗は順調である。
事業別戦略としては主力事業の振興軌道強化と戦略事業の強化により成長基盤を構築する。主力事業は基礎事業及び下水道関連事業の既存ヒューム管分野、戦略事業は下水道関連事業の新しいプレキャスト事業(一般的な意味でのプレキャスト製品と異なる)及び新規事業等と位置付け、2028年3月期の事業別計画数値は、売上高が基礎事業22,750百万円、下水道関連事業7,750百万円、プレキャスト事業8,000百万円、その他事業1,500百万円、営業利益が基礎事業900百万円、下水道関連事業1,600百万円、プレキャスト事業1,000百万円、その他事業870百万円、全社費用等調整額-2,170百万円としている。
重点戦略の進捗は順調
2. 重点戦略と進捗状況
事業別戦略
事業別の重点戦略としては、基礎事業では売価改善や大型案件の受注等による採算改善と安定化を目指し、同社の強みである排出残土の少ない中掘工法の販売拡大や新工法の開発、ICT施工管理システム「Pile-ViMSys(R)」のさらなる改良による施工効率化などを推進している。こうした重点戦略の成果として、基礎事業の営業利益率は2022年3月期の1.4%をボトムとして2025年3月期には5.7%まで上昇した。新工法の開発については「CP-X工法」が認証(技術評定)を取得し、2025年1月より販売開始した。ICT施工管理システム「Pile-ViMSys(R)」については、地図機能(杭伏図)の追加など機能・操作性向上を進め、2024年11月には国土交通省の「建設機械施工の自動化・遠隔化技術に係る現場検証」の実施者として同社が選定された。さらにプレキャスト工事への適用範囲拡大を推進している。
下水道関連事業ではトータルソリューション増強を目指し、ヒューム管市場でのさらなるシェア拡大、耐震化や管路メンテナンスを軸とする下水道工事の提供エリア拡大、ラインナップ拡充した合成鋼管の拡販、低炭素型高機能対応コンクリート「e-CON(R)」の下水道管への普及などを推進している。こうした重点戦略の成果として、ヒューム管市場における2025年3月期の同社シェアは前期比4.7ポイント上昇して23.5%となった。今後は雨水災害対策としての下水道管需要の増加なども予想されており、ヒューム管、合成鋼管、高耐圧推進管JIP-PIPE等の拡販を推進する。
プレキャスト事業では、新たな成長ドライバーと位置付けるコンクリートテクノロジーによる高付加価値製品の増強を目指し、都市部再開発案件への「PCウェル」製品等の拡販、低炭素型高機能コンクリート「e-CON(R)」のプレキャスト事業化、道路分野での「プレキャスト壁高欄」の拡販、生産性向上のBIM/CIM、技術開発強化による新製品開発などを推進している。また2025年1月に発生した道路陥没事故を契機に下水道長寿命化ニーズが高まっているため、同社は下水道インフラの新設需要に応えるだけでなく、長寿命化に向けた施策として布設から、点検調査(IoTセンサーによる無人化など)、修繕(コンクリートによる管路修繕など)、改築のワンストップサービスを重点強化する方針だ。
プレキャスト事業の進捗状況としては、2026年3月期も道路案件を中心に売上が拡大する見込みだ。PCウェル工法設計ソフトの改良も完了し、作業時間80%削減を実現した。浸水対策工事分野では、雨水貯留施設にプレキャスト湧水池が採用され、大幅な工期短縮を実現した。道路分野では「プレキャスト壁高欄」の売上高が2024年3月期に前期比1.6倍、2025年3月期に同2.3倍と急拡大した。3Dプリンティングについては自由造形プレキャスト製品に続き、2024年12月に型枠レスプレキャスト製品の製造・出荷を開始した。低炭素型高機能コンクリート「e-CON(R)」については、2024年9月に日本初のセメントレスプレキャスト製品用コンクリートとして建設技術審査証明を取得した。今後も建設技術審査証明範囲の拡大を進め、様々な現場(港湾、上・下水道、道路、河川等)での採用を目指す。重点戦略の進捗状況は順調と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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