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東邦ガス Research Memo(7):新中計画では、戦略事業の成長等で連結経常利益300億円を目指す
配信日時:2025/06/16 12:07
配信元:FISCO
*12:07JST 東邦ガス Research Memo(7):新中計画では、戦略事業の成長等で連結経常利益300億円を目指す
■成長戦略・トピック
1. 新中期経営計画(~2028年3月期)で経常利益300億円を目指す
東邦ガス<9533>は、2025年3月に新しい中期経営計画を発表した。2026年3月期を初年度、2028年3月期を最終年度とする3ヶ年計画であり、2030年代半ばに目指すグループビジョン(2022年に公表)に向けた第二ステップ前半にあたる。グループビジョンでは、「地域におけるゆるぎないエネルギー事業者」として多様なエネルギーの提供者であることとともに、「エネルギーの枠を超えた、くらし・ビジネスのパートナー」とうたっており、課題解決型ビジネスの深耕と、他分野との連携による事業領域の拡大を目指す。基本戦略としては、経営資源配分の見直しを加速し、事業構造の変革を推進する。コア事業の収益力を強化しつつ、そこで得たキャッシュを戦略事業に積極投資し成長する計画である。
新中期経営計画の利益目標は、連結経常利益で300億円(2028年3月期)である。足元の経常利益の実力値が250億円と想定し、50億円伸ばす水準である。中期経営計画期間においては様々な費用の上昇(物価、賃金、利払い等)が想定されるなか、コア事業の効率化、収益力強化を継続しつつ、戦略事業(電気、海外、地域を基点とした課題解決型ビジネス)の利益を伸ばすことで収益向上を目指す。
2. コア事業でキャッシュ創出、戦略事業に投資し利益成長を目指す
同社のコア事業は、都市ガス事業及びLPG事業であり、安定的なキャッシュフローの創出を目指し、サプライチェーンの各段階での取り組みを推進する。これまでの実績と先進技術・DXの活用などにより業務の高度化・効率化を継続するとともに、LNG調達力の強化、LPG事業の持続的成長のための施策を強化する。コア事業では営業キャッシュフロー450億円(2028年3月期)を目指す。
同社は戦略事業として、電気事業、海外事業、地域を基点とした課題解決型ビジネス群を挙げている。特にガス事業で培った強み(基盤・技術・知見)を存分に生かすことができる電気事業、海外事業は次世代の利益成長の原動力として有力である。電気事業は既に売上げ規模で1,000億円に達しており、2025年3月期に黒字化も達成し好調に推移する。中期経営計画期間には、競争力のある電源の構築、再エネ開発の推進、営業ソリューション多様化などに取り組み、500億円程度の積極投資を行い、収益性(ROIC:投下資本利益率)で3%+αを目指す。海外事業では、これまでに天然ガスや再エネの普及拡大を通じて、各地域の低・脱炭素化に貢献する取り組みを行ってきた。特にアジア・豪州では、既存の拠点のある、豪州、シンガポールのほか、ベトナム、台湾、インドネシア、タイなどでプロジェクトに出資参画してきた。また、欧米においても、米国、カナダ、英国、ポルトガルで出資参画が行われている。中期経営計画期間には、ベトナム、インドネシア、米国での拠点を整備する計画であり、400億円程度の投資を行い、収益性(ROIC:投下資本利益率)で4%+αを目指す。
地域を基点とした課題解決型ビジネス群は、同社のセグメントでは、主に「その他」に分類される。くらし・行政サポート、エンジニアリング、まちづくり・不動産開発、情報サービス、アグリ・フードの5分野において、エネルギー事業での強みを生かして、地域のくらしやビジネス、自治体等とのWin-Winの関係・共生につながる課題解決型ビジネスの深耕を図る。実績の一例として、まちづくり・不動産開発における「COMTEC PORTBASE(みなとアクルスII期エリア)」、アグリ・フードにおけるサーモンの陸上養殖などがある。この分野の事業利益の目標は2028年3月期で50億円であり、足元水準の1.5倍程度を目指している。
中期経営計画の戦略を実行するうえでの財務戦略も見通しが明確となっている。キャッシュインに関しては、営業キャッシュフロー(3年間で1,800億円程度)、政策保有株式等の売却(3年間で300億円程度)、合計2,100億円程度のキャッシュを創出する。また、資本コストの低減を見据えて、財務健全性を担保できる範囲内で借入れ余力を活用し1,300億円程度の借入れを計画する。D/Eレシオの上限目安としては0.8倍程度とする。キャッシュアウトに関しては、コア事業に1,100億円程度(都市ガス事業には減価償却費の範囲内)、戦略事業に1,300億円程度(電気、海外に投資加速)、株主還元に1,000億円程度(総還元性向100%を上回る株主還元)を計画する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 新中期経営計画(~2028年3月期)で経常利益300億円を目指す
東邦ガス<9533>は、2025年3月に新しい中期経営計画を発表した。2026年3月期を初年度、2028年3月期を最終年度とする3ヶ年計画であり、2030年代半ばに目指すグループビジョン(2022年に公表)に向けた第二ステップ前半にあたる。グループビジョンでは、「地域におけるゆるぎないエネルギー事業者」として多様なエネルギーの提供者であることとともに、「エネルギーの枠を超えた、くらし・ビジネスのパートナー」とうたっており、課題解決型ビジネスの深耕と、他分野との連携による事業領域の拡大を目指す。基本戦略としては、経営資源配分の見直しを加速し、事業構造の変革を推進する。コア事業の収益力を強化しつつ、そこで得たキャッシュを戦略事業に積極投資し成長する計画である。
新中期経営計画の利益目標は、連結経常利益で300億円(2028年3月期)である。足元の経常利益の実力値が250億円と想定し、50億円伸ばす水準である。中期経営計画期間においては様々な費用の上昇(物価、賃金、利払い等)が想定されるなか、コア事業の効率化、収益力強化を継続しつつ、戦略事業(電気、海外、地域を基点とした課題解決型ビジネス)の利益を伸ばすことで収益向上を目指す。
2. コア事業でキャッシュ創出、戦略事業に投資し利益成長を目指す
同社のコア事業は、都市ガス事業及びLPG事業であり、安定的なキャッシュフローの創出を目指し、サプライチェーンの各段階での取り組みを推進する。これまでの実績と先進技術・DXの活用などにより業務の高度化・効率化を継続するとともに、LNG調達力の強化、LPG事業の持続的成長のための施策を強化する。コア事業では営業キャッシュフロー450億円(2028年3月期)を目指す。
同社は戦略事業として、電気事業、海外事業、地域を基点とした課題解決型ビジネス群を挙げている。特にガス事業で培った強み(基盤・技術・知見)を存分に生かすことができる電気事業、海外事業は次世代の利益成長の原動力として有力である。電気事業は既に売上げ規模で1,000億円に達しており、2025年3月期に黒字化も達成し好調に推移する。中期経営計画期間には、競争力のある電源の構築、再エネ開発の推進、営業ソリューション多様化などに取り組み、500億円程度の積極投資を行い、収益性(ROIC:投下資本利益率)で3%+αを目指す。海外事業では、これまでに天然ガスや再エネの普及拡大を通じて、各地域の低・脱炭素化に貢献する取り組みを行ってきた。特にアジア・豪州では、既存の拠点のある、豪州、シンガポールのほか、ベトナム、台湾、インドネシア、タイなどでプロジェクトに出資参画してきた。また、欧米においても、米国、カナダ、英国、ポルトガルで出資参画が行われている。中期経営計画期間には、ベトナム、インドネシア、米国での拠点を整備する計画であり、400億円程度の投資を行い、収益性(ROIC:投下資本利益率)で4%+αを目指す。
地域を基点とした課題解決型ビジネス群は、同社のセグメントでは、主に「その他」に分類される。くらし・行政サポート、エンジニアリング、まちづくり・不動産開発、情報サービス、アグリ・フードの5分野において、エネルギー事業での強みを生かして、地域のくらしやビジネス、自治体等とのWin-Winの関係・共生につながる課題解決型ビジネスの深耕を図る。実績の一例として、まちづくり・不動産開発における「COMTEC PORTBASE(みなとアクルスII期エリア)」、アグリ・フードにおけるサーモンの陸上養殖などがある。この分野の事業利益の目標は2028年3月期で50億円であり、足元水準の1.5倍程度を目指している。
中期経営計画の戦略を実行するうえでの財務戦略も見通しが明確となっている。キャッシュインに関しては、営業キャッシュフロー(3年間で1,800億円程度)、政策保有株式等の売却(3年間で300億円程度)、合計2,100億円程度のキャッシュを創出する。また、資本コストの低減を見据えて、財務健全性を担保できる範囲内で借入れ余力を活用し1,300億円程度の借入れを計画する。D/Eレシオの上限目安としては0.8倍程度とする。キャッシュアウトに関しては、コア事業に1,100億円程度(都市ガス事業には減価償却費の範囲内)、戦略事業に1,300億円程度(電気、海外に投資加速)、株主還元に1,000億円程度(総還元性向100%を上回る株主還元)を計画する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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