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いちご Research Memo(3):順調に積み上がるストック収益に加え、心築・ホテル事業を中心にフロー収益も好調
配信日時:2025/05/26 10:33
配信元:FISCO
*10:33JST いちご Research Memo(3):順調に積み上がるストック収益に加え、心築・ホテル事業を中心にフロー収益も好調
■いちご<2337>の業績動向
1. 2025年2月期通期の業績概要
2025年2月期通期は、売上高が前期比1.0%増の83,576百万円、営業利益が同25.8%増の16,309百万円、ALL-IN営業利益が同17.3%増の24,864百万円、経常利益が同32.5%増の13,764百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同25.4%増の15,187百万円、キャッシュ純利益が同8.5%増の19,391百万円となった。重要指標としているキャッシュ収益では、前期比14.6%増の38,646百万円となり、2020年2月期の実績を超えて過去最高を記録した。また、そのうちストック収益に関しては、同18.3%増の22,975百万円(過去最高)となり、ストック収益固定費カバー率209.7%(目標200%)、ストック収益比率59.5%(目標60%)ともに順調に進捗している。同社では徹底したキャッシュ・フロー経営を掲げており、2020年2月期より多くの販売用不動産(減価償却が行われない)を固定資産(減価償却を行う)に振り替えて、減価償却の税効果を図りキャッシュ創出を果たしてきた。固定資産の売却益は特別利益に計上されるため、業績の実態を表す指標としてALL-IN営業利益(固定資産売却益を営業利益に戻し入れた値)を、また、現金支出のない減価償却費も加味した純利益としてキャッシュ純利益を経営指標に加えている。
主力の心築事業では、売上総利益で12,033百万円(前期比29.7%増、ALL-INベース)となった。内訳としては、ストック収益である不動産賃貸利益(減価償却後)は6,525百万円(同1,490百万円増、ALL-INベース)となり、既存・新規物件の賃料増加により拡大した。フロー収益である不動産譲渡利益は5,455百万円(同1,195百万円増、ALL-INベース)となった。オフィス、商業施設を中心に前期比で売却額が増加した。
ホテル事業では、売上総利益で10,674百万円(前期比37.5%増、ALL-INベース)となった。内訳としては、ストック収益である不動産賃貸利益(減価償却後)は4,163百万円(同1,397百万円増、ALL-INベース)となり、同社独自ブランドホテルを主としたホテルの変動賃料が好調に推移した。また、ホテルオペレーター収益及びPROPERA利用料収益も拡大し1,637百万円(同768百万円増)。フロー収益である不動産譲渡利益は4,873百万円(同743百万円増、ALL-INベース)となった。期中2件のホテル物件の売却が行われた。心築・ホテル保有資産は67物件、簿価ベースで216,329百万円である。鑑定NOI(Net Operating Income:営業純利益)利回りでは6.1%となり、堅実に不動産価値の維持・向上を実現した。
いちごオーナーズ事業では、売上総利益で4,685百万円(前期比30.7%減、ALL-INベース)となった。いちご・レジデンス・トークン第4号及び第5号の組成に伴うレジデンスの売却や国内機関投資家への売却を行ったものの、売却額は前期比で減少した。
アセットマネジメント事業は、売上総利益で3,963百万円(同59.7%増)と大幅に拡大した。いちごホテルとレジデンス・トークンの運用資産が増加しフィー収益が好調だったのに加え、いちごホテル、いちごオフィスによる資産入替に伴い、売却時の利益に連動した譲渡成果報酬が増加した。クリーンエネルギー事業は、前期末に稼働開始した発電所の売電収入の通期貢献があったものの、電力会社による想定以上の出力制御及び天候不順の影響により、売上総利益で2,722百万円(同3.4%減)となった。
販管費は前期比16.5%増の9,215百万円、事業の拡大に合わせた増員などの影響で伸びたものの、販管費率は11.0%と抑制されている。ストック収益(22,975百万円)が過去最高を記録する一方で、固定費(10,955百万円)を十二分にカバーできており、将来起こりうる景気低迷などにも準備ができている。
ホテルやオフィスなど物件取得により、将来収益の源泉も着実に確保
2. 財務状況と経営指標
2025年2月期末の総資産残高は前期末比39,700百万円増の406,715百万円となった。流動資産は38,252百万円増であり、オフィス、レジデンス、ホテルの物件取得を進めたことにより販売用不動産が40,272百万円増加したことが主な要因である。固定資産は1,448百万円増であり、投資その他の資産の増加(12,319百万円増)や有形固定資産の減少(10,721百万円減)が影響した。
負債合計は前期末比33,274百万円増の284,009百万円となった。そのうち流動負債は27,019百万円減であり、固定負債は60,293百万円増となった。不動産の取得等に伴う借入金の増加29,483百万円が主な要因である。
経営指標では、流動比率(672.5%。200%以上が安全の目安)、固定長期適合率(55.8%。100%以下が安全の目安)など極めて安全性が高い。自己資本比率は27.3%だが、外部鑑定士が鑑定する鑑定評価額をベースとする不動産の含み益や同社に帰属しないリスクを控除した自己資本比率では40.6%と、より高い数値になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2025年2月期通期の業績概要
2025年2月期通期は、売上高が前期比1.0%増の83,576百万円、営業利益が同25.8%増の16,309百万円、ALL-IN営業利益が同17.3%増の24,864百万円、経常利益が同32.5%増の13,764百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同25.4%増の15,187百万円、キャッシュ純利益が同8.5%増の19,391百万円となった。重要指標としているキャッシュ収益では、前期比14.6%増の38,646百万円となり、2020年2月期の実績を超えて過去最高を記録した。また、そのうちストック収益に関しては、同18.3%増の22,975百万円(過去最高)となり、ストック収益固定費カバー率209.7%(目標200%)、ストック収益比率59.5%(目標60%)ともに順調に進捗している。同社では徹底したキャッシュ・フロー経営を掲げており、2020年2月期より多くの販売用不動産(減価償却が行われない)を固定資産(減価償却を行う)に振り替えて、減価償却の税効果を図りキャッシュ創出を果たしてきた。固定資産の売却益は特別利益に計上されるため、業績の実態を表す指標としてALL-IN営業利益(固定資産売却益を営業利益に戻し入れた値)を、また、現金支出のない減価償却費も加味した純利益としてキャッシュ純利益を経営指標に加えている。
主力の心築事業では、売上総利益で12,033百万円(前期比29.7%増、ALL-INベース)となった。内訳としては、ストック収益である不動産賃貸利益(減価償却後)は6,525百万円(同1,490百万円増、ALL-INベース)となり、既存・新規物件の賃料増加により拡大した。フロー収益である不動産譲渡利益は5,455百万円(同1,195百万円増、ALL-INベース)となった。オフィス、商業施設を中心に前期比で売却額が増加した。
ホテル事業では、売上総利益で10,674百万円(前期比37.5%増、ALL-INベース)となった。内訳としては、ストック収益である不動産賃貸利益(減価償却後)は4,163百万円(同1,397百万円増、ALL-INベース)となり、同社独自ブランドホテルを主としたホテルの変動賃料が好調に推移した。また、ホテルオペレーター収益及びPROPERA利用料収益も拡大し1,637百万円(同768百万円増)。フロー収益である不動産譲渡利益は4,873百万円(同743百万円増、ALL-INベース)となった。期中2件のホテル物件の売却が行われた。心築・ホテル保有資産は67物件、簿価ベースで216,329百万円である。鑑定NOI(Net Operating Income:営業純利益)利回りでは6.1%となり、堅実に不動産価値の維持・向上を実現した。
いちごオーナーズ事業では、売上総利益で4,685百万円(前期比30.7%減、ALL-INベース)となった。いちご・レジデンス・トークン第4号及び第5号の組成に伴うレジデンスの売却や国内機関投資家への売却を行ったものの、売却額は前期比で減少した。
アセットマネジメント事業は、売上総利益で3,963百万円(同59.7%増)と大幅に拡大した。いちごホテルとレジデンス・トークンの運用資産が増加しフィー収益が好調だったのに加え、いちごホテル、いちごオフィスによる資産入替に伴い、売却時の利益に連動した譲渡成果報酬が増加した。クリーンエネルギー事業は、前期末に稼働開始した発電所の売電収入の通期貢献があったものの、電力会社による想定以上の出力制御及び天候不順の影響により、売上総利益で2,722百万円(同3.4%減)となった。
販管費は前期比16.5%増の9,215百万円、事業の拡大に合わせた増員などの影響で伸びたものの、販管費率は11.0%と抑制されている。ストック収益(22,975百万円)が過去最高を記録する一方で、固定費(10,955百万円)を十二分にカバーできており、将来起こりうる景気低迷などにも準備ができている。
ホテルやオフィスなど物件取得により、将来収益の源泉も着実に確保
2. 財務状況と経営指標
2025年2月期末の総資産残高は前期末比39,700百万円増の406,715百万円となった。流動資産は38,252百万円増であり、オフィス、レジデンス、ホテルの物件取得を進めたことにより販売用不動産が40,272百万円増加したことが主な要因である。固定資産は1,448百万円増であり、投資その他の資産の増加(12,319百万円増)や有形固定資産の減少(10,721百万円減)が影響した。
負債合計は前期末比33,274百万円増の284,009百万円となった。そのうち流動負債は27,019百万円減であり、固定負債は60,293百万円増となった。不動産の取得等に伴う借入金の増加29,483百万円が主な要因である。
経営指標では、流動比率(672.5%。200%以上が安全の目安)、固定長期適合率(55.8%。100%以下が安全の目安)など極めて安全性が高い。自己資本比率は27.3%だが、外部鑑定士が鑑定する鑑定評価額をベースとする不動産の含み益や同社に帰属しないリスクを控除した自己資本比率では40.6%と、より高い数値になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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