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アトラG Research Memo(2):療養費請求サービス事業を中心とした、鍼灸接骨院経営を総合的に支援(1)
配信日時:2025/05/19 14:02
配信元:FISCO
*14:02JST アトラG Research Memo(2):療養費請求サービス事業を中心とした、鍼灸接骨院経営を総合的に支援(1)
■アトラグループ<6029>の会社概要
1. 会社概要
同社は「世界中の人を健康にしたい。」という企業理念の下、柔道整復師、はり師・きゅう師を主要顧客として鍼灸接骨院経営を支援するサービスを総合的に提供している。柔道整復師、はり師・きゅう師とは、大学や養成施設等に入学し、解剖学、生理学、一般臨床学などを学んだうえで国家試験に合格した者だけが得ることができる施術資格である。同社の事業セグメントは、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の2つに大別されている。鍼灸接骨院支援事業においては、同社のアトラ請求サービスにおける「A-COMS」での療養費請求代行事業を中心に、付随する鍼灸接骨院に向けた様々な支援サービスを提供している。鍼灸接骨院経営で必要となる自費施術用機材の販売や、物販売上の支援サービスなどが該当する。玩具販売事業は、子会社のペリカンが担っており、西日本を中心に玩具販売の実店舗を27店舗(2024年12月末時点)展開している。一見、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の間には関連はないように見えるが、鍼灸接骨院支援事業で培った実店舗の経営指導ノウハウを活用し、既存店舗の生産性の向上と販売の拡大に取り組んでいる。
2. 事業内容
鍼灸接骨院経営を総合的に支援している同社の事業は、大きく鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の2つに分けることができる。
(1) 鍼灸接骨院支援事業
鍼灸接骨院支援事業では、同社が独自開発した鍼灸接骨院内管理システムである「A-COMS」を中心に、顧客の経営を総合的に支援するサービスを提供している。
a) ほねつぎチェーン
同社は日本全国で151院(2024年12月末時点)の鍼灸接骨院を「ほねつぎ」のブランド名でチェーン展開している。同事業においては、鍼灸接骨院業界未経験の顧客が新規参入した場合でも成功できるように充実したサポート体制を構築し、新規参入フランチャイジーの拡大を図っている。同時に、既存のフランチャイジーに対しては、複数店舗の開設を推進している。同社独自の研修メニューでは、開設時に顧客が柔道整復師を雇用した後、柔道整復師に対して自費施術などの研修を同社が約1ヶ月間行う体制を取っている。開院した後も定期的にスーパーバイザーが経営の指導を行うほか、自費施術に関する研修も実施している。これにより、技術や知識に関するアップデートを定期的に行い、常に最新の施術を利用者に提供することが可能となる。開設前から開設後に至るまで継続した支援を行うことによって、業界未経験者でも成功できる仕組みを構築している。
「ほねつぎ」の加盟院に対しては、同社が独自開発した鍼灸接骨院経営支援システムである「A-COMS」を通じて、「アトラ請求サービス」「HONEY-STYLE」「アトラアカデミー」(柔道整復師、はり師・きゅう師を対象に有益な情報の提供やセミナーの開催を行うポータルサイト)「アトラストア」のすべてのサービスを提供している。そのほか、「ほねつぎ」の加盟院以外の顧客の要望に合わせてサービス単体や組み合わせでの提供も行い、顧客のニーズに柔軟に対応している。なお、収益構造としては加盟時のイニシャル加盟金、ロイヤリティ収入、システム利用料などから構成されている。
b) 機材、消耗品販売
同社は、ほねつぎチェーンの加盟院とそれ以外の鍼灸接骨院を顧客として、自費施術で必要となる機材の販売を実施している。具体的には、新規加盟院や既存加盟院が鍼灸接骨院を開設する際や「アトラアカデミー」でセミナーを受講した新規顧客に対して機材を販売している。販売した後も機材の使用方法や自費施術に関して研修を実施し、顧客満足度の向上を図っている。また、自費施術で使用する機材の発掘や開発にも積極的に取り組んでおり、フランチャイジーと患者にとって訴求力のある機材の販売・開発に注力している。悪玉活性酸素を除去する水素吸入器「Co.UP」、一瞬の検査により神経を可視化し、AIを用いてより効果的な施術を実現する「ARTRA GAUGE」、受付及び会計業務の自動化により生産性の向上を図る「A-COMSレジ」などは同社のオリジナル商品だ。
消耗品の販売では、鍼灸接骨院向けECサイトである「アトラストア」を通じてテーピング・包帯から掃除洗濯用品に至るまで豊富な商品を販売しており、各種キャンペーンやポイント制度を活用した販促活動を積極的に実施している。また、PB商品の開発や新商品の発掘にも注力し、鍼灸接骨院にとって訴求力のあるECサイトを構築している。
c) アトラ請求サービス
同社は、全国の鍼灸接骨院に対して、療養費請求代行サービスを提供している。国や各社健康保険組合などの保険者に対して療養費を請求するという煩雑な作業を同社が代行することによって、鍼灸接骨院が施術に専念できる環境を実現している。入会時費用(セキュリティキー代)が5万円、請求データ保管料が月当たり0.8万円、サービス利用に伴う支払手数料は接骨院が施術費の1.5%、鍼灸院その他が同2.0%という料金体系となっている。
アトラ請求サービスの会員となった顧客は、「A-COMS」を利用して療養費支給申請書の作成を行うことができる。また、開設届作成のフォロー、療養費支給申請書の点検・提出、療養費支給申請書返戻対応、療養費の入金・送金処理、データ保管、会員の問い合わせに応えるコールセンターなどのサービスを利用することも可能だ。さらに、同サービスのオプションとして「A-COMSファイナンスサービス(療養費早期現金化サービス)」も提供している。保険者に請求した療養費相当額を鍼灸接骨院に対して融資することによって、療養費が入金されるまでの3~4ヶ月の資金繰りをサポートするサービスだ。その他、請求サービスのシステムのみの提供もしている。システムのみを安価に提供することによって顧客の裾野を拡げ、同システムを入口に同社が提供する他サービスへと誘導する戦略だ。同サービスでは、療養費請求額に応じた手数料と定額のデータ保管料を顧客から徴収している。
アトラ請求サービスの会員数は2022年12月末が2,900会員、2023年12月末は2,950会員、2024年12月末は3,000会員(いずれも弊社推定)と堅調に拡大している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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1. 会社概要
同社は「世界中の人を健康にしたい。」という企業理念の下、柔道整復師、はり師・きゅう師を主要顧客として鍼灸接骨院経営を支援するサービスを総合的に提供している。柔道整復師、はり師・きゅう師とは、大学や養成施設等に入学し、解剖学、生理学、一般臨床学などを学んだうえで国家試験に合格した者だけが得ることができる施術資格である。同社の事業セグメントは、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の2つに大別されている。鍼灸接骨院支援事業においては、同社のアトラ請求サービスにおける「A-COMS」での療養費請求代行事業を中心に、付随する鍼灸接骨院に向けた様々な支援サービスを提供している。鍼灸接骨院経営で必要となる自費施術用機材の販売や、物販売上の支援サービスなどが該当する。玩具販売事業は、子会社のペリカンが担っており、西日本を中心に玩具販売の実店舗を27店舗(2024年12月末時点)展開している。一見、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の間には関連はないように見えるが、鍼灸接骨院支援事業で培った実店舗の経営指導ノウハウを活用し、既存店舗の生産性の向上と販売の拡大に取り組んでいる。
2. 事業内容
鍼灸接骨院経営を総合的に支援している同社の事業は、大きく鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の2つに分けることができる。
(1) 鍼灸接骨院支援事業
鍼灸接骨院支援事業では、同社が独自開発した鍼灸接骨院内管理システムである「A-COMS」を中心に、顧客の経営を総合的に支援するサービスを提供している。
a) ほねつぎチェーン
同社は日本全国で151院(2024年12月末時点)の鍼灸接骨院を「ほねつぎ」のブランド名でチェーン展開している。同事業においては、鍼灸接骨院業界未経験の顧客が新規参入した場合でも成功できるように充実したサポート体制を構築し、新規参入フランチャイジーの拡大を図っている。同時に、既存のフランチャイジーに対しては、複数店舗の開設を推進している。同社独自の研修メニューでは、開設時に顧客が柔道整復師を雇用した後、柔道整復師に対して自費施術などの研修を同社が約1ヶ月間行う体制を取っている。開院した後も定期的にスーパーバイザーが経営の指導を行うほか、自費施術に関する研修も実施している。これにより、技術や知識に関するアップデートを定期的に行い、常に最新の施術を利用者に提供することが可能となる。開設前から開設後に至るまで継続した支援を行うことによって、業界未経験者でも成功できる仕組みを構築している。
「ほねつぎ」の加盟院に対しては、同社が独自開発した鍼灸接骨院経営支援システムである「A-COMS」を通じて、「アトラ請求サービス」「HONEY-STYLE」「アトラアカデミー」(柔道整復師、はり師・きゅう師を対象に有益な情報の提供やセミナーの開催を行うポータルサイト)「アトラストア」のすべてのサービスを提供している。そのほか、「ほねつぎ」の加盟院以外の顧客の要望に合わせてサービス単体や組み合わせでの提供も行い、顧客のニーズに柔軟に対応している。なお、収益構造としては加盟時のイニシャル加盟金、ロイヤリティ収入、システム利用料などから構成されている。
b) 機材、消耗品販売
同社は、ほねつぎチェーンの加盟院とそれ以外の鍼灸接骨院を顧客として、自費施術で必要となる機材の販売を実施している。具体的には、新規加盟院や既存加盟院が鍼灸接骨院を開設する際や「アトラアカデミー」でセミナーを受講した新規顧客に対して機材を販売している。販売した後も機材の使用方法や自費施術に関して研修を実施し、顧客満足度の向上を図っている。また、自費施術で使用する機材の発掘や開発にも積極的に取り組んでおり、フランチャイジーと患者にとって訴求力のある機材の販売・開発に注力している。悪玉活性酸素を除去する水素吸入器「Co.UP」、一瞬の検査により神経を可視化し、AIを用いてより効果的な施術を実現する「ARTRA GAUGE」、受付及び会計業務の自動化により生産性の向上を図る「A-COMSレジ」などは同社のオリジナル商品だ。
消耗品の販売では、鍼灸接骨院向けECサイトである「アトラストア」を通じてテーピング・包帯から掃除洗濯用品に至るまで豊富な商品を販売しており、各種キャンペーンやポイント制度を活用した販促活動を積極的に実施している。また、PB商品の開発や新商品の発掘にも注力し、鍼灸接骨院にとって訴求力のあるECサイトを構築している。
c) アトラ請求サービス
同社は、全国の鍼灸接骨院に対して、療養費請求代行サービスを提供している。国や各社健康保険組合などの保険者に対して療養費を請求するという煩雑な作業を同社が代行することによって、鍼灸接骨院が施術に専念できる環境を実現している。入会時費用(セキュリティキー代)が5万円、請求データ保管料が月当たり0.8万円、サービス利用に伴う支払手数料は接骨院が施術費の1.5%、鍼灸院その他が同2.0%という料金体系となっている。
アトラ請求サービスの会員となった顧客は、「A-COMS」を利用して療養費支給申請書の作成を行うことができる。また、開設届作成のフォロー、療養費支給申請書の点検・提出、療養費支給申請書返戻対応、療養費の入金・送金処理、データ保管、会員の問い合わせに応えるコールセンターなどのサービスを利用することも可能だ。さらに、同サービスのオプションとして「A-COMSファイナンスサービス(療養費早期現金化サービス)」も提供している。保険者に請求した療養費相当額を鍼灸接骨院に対して融資することによって、療養費が入金されるまでの3~4ヶ月の資金繰りをサポートするサービスだ。その他、請求サービスのシステムのみの提供もしている。システムのみを安価に提供することによって顧客の裾野を拡げ、同システムを入口に同社が提供する他サービスへと誘導する戦略だ。同サービスでは、療養費請求額に応じた手数料と定額のデータ保管料を顧客から徴収している。
アトラ請求サービスの会員数は2022年12月末が2,900会員、2023年12月末は2,950会員、2024年12月末は3,000会員(いずれも弊社推定)と堅調に拡大している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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