注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:落ち着きを取り戻すが、円安是正への警戒感は残る
配信日時:2025/04/19 12:32
配信元:FISCO
*12:32JST 国内株式市場見通し:落ち着きを取り戻すが、円安是正への警戒感は残る
■乱高下した東京市場は落ち着きを取り戻す
今週の日経平均は週間で1144.70円高(+3.41%)の34730.28円と上昇。米中貿易戦争の激化を横目に、日米関税交渉の進展を見極めたいとするムードが強く積極的な売買は手控えられたものの、食品や建設、医薬品などを中心に買戻し優勢の展開となった。
二転三転する米国の関税方針に振らされる相場展開は変わっていないが、プライム市場の売買代金は週を通して3兆円台と大幅に減少。投資家心理を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は低下傾向にあるが、31ポイント台と相場の落ち着きを示す20ポイント台前半までには低下していない。ただ、トランプ米大統領が米国関税方針に対して柔軟な姿勢を示したことなどが市場の安心感を誘い、東京市場では食品や建設、医薬品などを中心に買い戻しが先行した。
為替市場では、ドル円相場が一時1ドル=141円台と昨年9月以来の水準までドル安円高が進んだが、訪米した赤澤亮正経済財政・再生大臣が、最初の日米協議において「為替の議論はなかった」と発言したことで円高加速は一服。週末は主だった欧米株式市場が休場だったことも影響して、プライム市場の売買代金は今年最低水準の3.3兆円となったが、日米景気減速などへの過度な警戒感は後退し、東京市場はしっかりとした推移が見られた。
なお、4月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1327億円買い越したほか、TOPIX先物を3127億円売り越し、225先物を568億円売り越したことから、合計2368億円の売り越しとなった。また、個人投資家も現物を823億円売り越すなど合計で831億円売り越し。一方、事業法人は現物を3583億円買い越した。
■23日以降の日米財務会合では円安是正が議論される可能性
18日の大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比180円安の34650円で取引を終えた。週末の為替市場では、欧米株式市場で参加者が少なかったことも影響して、ドル円相場は1ドル=142円台前半と小動きだった。
ドル安円高加速は一服しているが、23日以降に開催が予定されている日米財務相会合で「円安是正」が議論される公算は大きい。米国関税政策による世界経済の悪化懸念が高まったことなどから、日本銀行による年内利上げの可能性は50%ほどと3月末時点の100%から大幅に低下。米国相互関税導入以降、国内景気の悪化が意識され、日銀による利上げシナリオは大幅な修正が入ると見られている。総務省が18日に発表した3月の全国消費者物価指数(CPI)の伸びは市場予想通りの結果となり、利上げ観測を再度高める材料とはならなかった。為替市場では、リスク回避の円買いと米景気不安に伴うドル売りが入りやすい状況のため、一段のドル安円高進行への警戒は相場の重しとなりそうだ。
■半導体株は先週比で総じて下落
大型株の多くが値を戻すなか、ディスコ<6146>、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>など半導体株は、総じて週間ベースで下落した。半導体に対する米国追加関税が影響しているのはもちろんのこと、米半導体大手エヌビディアが米政府の輸出規制を回避するために性能を落としたAI半導体「H20」も輸出規制の対象とされたことも半導体株の重しとなっている。また、電気自動車市場の低迷に伴うパワー半導体の需要減少への懸念も根強く、半導体株は3重苦に為替の円高推移も加わる可能性があり、積極的な押し目買いが入りにくくなっている。
実際、16日に発表された蘭半導体製造装置大手ASMLホールディングの25年1-3月期決算は前年同期比増収増益だったが、同時期の新規受注が市場予想を大幅に下回ったことから、半導体市場の先行き警戒感はより強まった。17日の米エヌビディアの株価は101.49ドルと7日につけた24年4月以来の安値86.62ドルから値を戻しているが、25年1月の上場来高値153.13ドルと比較すると上昇トレンドが終了したとの見方が大半だ。昨年前半、日経平均をけん引した値がさ半導体株が買われにくい状況下、日経平均の上値は重くなり、相対的に日経平均よりもTOPIX優位の展開は続くと考える。
■各国PMI(速報値)が相次いで発表
来週、国内では、24日に2月景気動向指数(確報値)、3月企業向けサービス価格指数、25日に4月東京消費者物価指数などが予定されている。
海外では、21日に中・4月中国最優遇貸出金利、米・3月景気先行指数、22日にNZ・3月貿易収支、カナダ・3月鉱工業製品価格、欧・4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)、米・4月リッチモンド連銀製造業指数、23日に独・4月製造業PMI(速報値)、欧・4月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、英・4月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、米・4月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、コンポジットPMI(速報値)、3月新築住宅販売件数、週次原油在庫、24日に独・4月Ifo景況感指数、米・週次新規失業保険申請件数、3月耐久財受注(速報値)、中古住宅販売件数、25日に英・3月小売売上高、米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などが予定されている。
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今週の日経平均は週間で1144.70円高(+3.41%)の34730.28円と上昇。米中貿易戦争の激化を横目に、日米関税交渉の進展を見極めたいとするムードが強く積極的な売買は手控えられたものの、食品や建設、医薬品などを中心に買戻し優勢の展開となった。
二転三転する米国の関税方針に振らされる相場展開は変わっていないが、プライム市場の売買代金は週を通して3兆円台と大幅に減少。投資家心理を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は低下傾向にあるが、31ポイント台と相場の落ち着きを示す20ポイント台前半までには低下していない。ただ、トランプ米大統領が米国関税方針に対して柔軟な姿勢を示したことなどが市場の安心感を誘い、東京市場では食品や建設、医薬品などを中心に買い戻しが先行した。
為替市場では、ドル円相場が一時1ドル=141円台と昨年9月以来の水準までドル安円高が進んだが、訪米した赤澤亮正経済財政・再生大臣が、最初の日米協議において「為替の議論はなかった」と発言したことで円高加速は一服。週末は主だった欧米株式市場が休場だったことも影響して、プライム市場の売買代金は今年最低水準の3.3兆円となったが、日米景気減速などへの過度な警戒感は後退し、東京市場はしっかりとした推移が見られた。
なお、4月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1327億円買い越したほか、TOPIX先物を3127億円売り越し、225先物を568億円売り越したことから、合計2368億円の売り越しとなった。また、個人投資家も現物を823億円売り越すなど合計で831億円売り越し。一方、事業法人は現物を3583億円買い越した。
■23日以降の日米財務会合では円安是正が議論される可能性
18日の大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比180円安の34650円で取引を終えた。週末の為替市場では、欧米株式市場で参加者が少なかったことも影響して、ドル円相場は1ドル=142円台前半と小動きだった。
ドル安円高加速は一服しているが、23日以降に開催が予定されている日米財務相会合で「円安是正」が議論される公算は大きい。米国関税政策による世界経済の悪化懸念が高まったことなどから、日本銀行による年内利上げの可能性は50%ほどと3月末時点の100%から大幅に低下。米国相互関税導入以降、国内景気の悪化が意識され、日銀による利上げシナリオは大幅な修正が入ると見られている。総務省が18日に発表した3月の全国消費者物価指数(CPI)の伸びは市場予想通りの結果となり、利上げ観測を再度高める材料とはならなかった。為替市場では、リスク回避の円買いと米景気不安に伴うドル売りが入りやすい状況のため、一段のドル安円高進行への警戒は相場の重しとなりそうだ。
■半導体株は先週比で総じて下落
大型株の多くが値を戻すなか、ディスコ<6146>、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>など半導体株は、総じて週間ベースで下落した。半導体に対する米国追加関税が影響しているのはもちろんのこと、米半導体大手エヌビディアが米政府の輸出規制を回避するために性能を落としたAI半導体「H20」も輸出規制の対象とされたことも半導体株の重しとなっている。また、電気自動車市場の低迷に伴うパワー半導体の需要減少への懸念も根強く、半導体株は3重苦に為替の円高推移も加わる可能性があり、積極的な押し目買いが入りにくくなっている。
実際、16日に発表された蘭半導体製造装置大手ASMLホールディングの25年1-3月期決算は前年同期比増収増益だったが、同時期の新規受注が市場予想を大幅に下回ったことから、半導体市場の先行き警戒感はより強まった。17日の米エヌビディアの株価は101.49ドルと7日につけた24年4月以来の安値86.62ドルから値を戻しているが、25年1月の上場来高値153.13ドルと比較すると上昇トレンドが終了したとの見方が大半だ。昨年前半、日経平均をけん引した値がさ半導体株が買われにくい状況下、日経平均の上値は重くなり、相対的に日経平均よりもTOPIX優位の展開は続くと考える。
■各国PMI(速報値)が相次いで発表
来週、国内では、24日に2月景気動向指数(確報値)、3月企業向けサービス価格指数、25日に4月東京消費者物価指数などが予定されている。
海外では、21日に中・4月中国最優遇貸出金利、米・3月景気先行指数、22日にNZ・3月貿易収支、カナダ・3月鉱工業製品価格、欧・4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)、米・4月リッチモンド連銀製造業指数、23日に独・4月製造業PMI(速報値)、欧・4月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、英・4月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、米・4月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、コンポジットPMI(速報値)、3月新築住宅販売件数、週次原油在庫、24日に独・4月Ifo景況感指数、米・週次新規失業保険申請件数、3月耐久財受注(速報値)、中古住宅販売件数、25日に英・3月小売売上高、米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などが予定されている。
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