注目トピックス 日本株
ヨコレイ Research Memo(5):2021年9月期~2023年9月期の決算を訂正(2)
配信日時:2025/04/16 11:05
配信元:FISCO
*11:05JST ヨコレイ Research Memo(5):2021年9月期~2023年9月期の決算を訂正(2)
■横浜冷凍<2874>の業績動向
3. 事業セグメント別動向
(1) 冷蔵倉庫事業
冷蔵倉庫事業の売上高は前期比10.4%増の35,127百万円、セグメント利益は同7.6%増の7,198百万円と2期連続で過去最高を更新した。堅調な需要に支えられ、保管料、荷役料、運送取扱収入、通関収入等、すべてにおいて増収(タイヨコレイ含む)となった。前期に引き続き在庫水準が高位安定して推移するなかで、保管料収入(荷物の種別、量、保管期間に応じて顧客から徴収する料金)が同8.3%増の17,557百万円と伸長したことがセグメントの業績拡大に寄与した。荷役料(荷物の入出荷作業に伴い顧客から徴収する手数料)は同8.8%増の7,088百万円、タイヨコレイ(タイの連結子会社)も同12.8%増の2,285百万円といずれも好調に推移した。利益面に関しては、2024年9月期に竣工した3つの物流センターの減価償却費、立ち上げ経費等のコスト増要因があったものの、増収効果でカバーし、増益を確保した。
新・中期経営計画第II期「繋ぐ力」で掲げた「環境配慮型センターの加速化」「スマートコールドサービスの実現」「ASEANグローバル展開」の3つの重点施策についても着実に進捗が見られた。環境配慮型センターの加速化については、期中に恵庭スマート物流センター(北海道)、夢洲第二物流センター(大阪)、箱崎FACILITY物流センター(福岡)が竣工し、拠点・物流センターが国内外合わせて58事業所に達した。新設拠点は省人化・省力化に特化し、太陽光発電設備やリチウムイオン蓄電池を導入した最新鋭の設備を導入している。新設の3センターは、再生可能エネルギー利用率が同社目標の15%以上を上回る20%前後となっている。スマートコールドサービスの実現については、2024年問題の長距離輸送便不足の対策として、中継拠点冷蔵倉庫を活用するため、協力会社との連携を始めた。また、生産性の向上に向け、トラック予約受付システムの新システム導入、移動ラックやカーゴナビゲーションシステム、RFID(ICタグ)搭載パレットの導入、RPA活用などによるITやロボティックス化を推進した。ASEANグローバル展開については、2025年3月に同社グループ初進出のベトナムに同社初の自動倉庫としてベンルック物流センターが竣工した。
同事業は安定した業績を上げており、同社における利益創出の柱となっている。今後も冷蔵倉庫に対するニーズは堅調に推移すると予想されるため、引き続き安定した業績を上げていくものと弊社は見ている。
(2) 食品販売事業
食品販売事業の売上高は同7.1%減の87,095百万円、セグメント利益は同53.3%増の1,473百万円となった。売上高は畜産品が堅調となったが、水産品の減収が響いた格好である。一方、利益は水産品において利益重視の販売に取り組んだことが寄与し、大幅増益を確保した。水産品は、販路拡大に注力するノルウェーサーモン、大西洋サバの販売量は増加したが、東日本の不漁の影響で自社凍結加工品の取扱量が減少したことなどを受け、売上高は同9.9%減の67,939百万円となった。利益については、利益重視の販売に取り組んだ結果、食品販売事業全体の増益に大きく寄与した。畜産品は、インバウンド向けの外食需要が回復してくるなかで、ポーク、チキンの取り扱いが伸長し、売上高は同5.5%増の16,985百万円に拡大した。利益面でも増益に寄与し、好調に推移している。農産品・その他は、高温障害により農産品の取扱量が減少した影響を受け、売上高は同3.0%減の2,171百万円で、利益面でも減益となった。
新・中期経営計画第II期「繋ぐ力」では、食品販売事業において、「収益性向上のための構造改革」「事業品・全社取組商材の販路拡大」「独自商品と販売網の開発」「海外における販路拡大」の4つの重点施策を掲げた。収益性向上のための構造改革の進捗については、販売推進事業部の傘下に国内並びに海外販売推進室を設置し、国内に加え、海外はタイやベトナムを中心にASEAN商圏の開拓を進めた。事業品・全社取組商材の販路拡大については、主力のノルウェーサーモンがハラスを中心に販売数量が拡大したほか、畜産品についても国産品に注力し販売数量を大幅に拡大した。独自商品と販売網の開発は、医療食の販売拡大、一次加工品のラインナップ拡充、公式オンラインショップでのラインナップ拡充・販売を拡大した。海外における販路拡大については、海外取引先の販路を活用し、販売先や資源のリソース獲得を目指すほか、養殖ブリ加工品(世紀ブランド)の輸出を強化している。
同事業は同社全体の売上の中心となっている事業であり、今後は収益性が高まるものと弊社は見ている。顧客のニーズに沿った適正仕入れや正確な在庫管理など、量から質への変革が着実に進んでいることなどが理由だ。同事業の収益性が高まるにつれて、連結ベースの利益率も高まるものと弊社は見ている。
4. 財務状況と経営指標
2024年9月期末における資産合計は前期末比14,763百万円増の203,026百万円となった。流動資産は36,270百万円となり、同3,000百万円減少した。これは主に商品が1,479百万円増加した一方で、現金及び預金が456百万円、受取手形及び売掛金が3,153百万円減少したことなどによるものである。固定資産は166,756百万円となり、同17,763百万円増加した。これは有形固定資産が14,231百万円、投資その他の資産が3,623百万円増加したことによるものである。
負債合計は前期末比8,233百万円増の123,155百万円となった。流動負債は43,643百万円となり、同4,576百万円増加した。短期借入金が8,814百万円減少したものの、1年内償還予定の社債が10,000百万円増加したことなどによるものである。固定負債は79,511百万円となり、同3,656百万円増加した。社債が10,000百万円減少した一方、長期借入金が14,268百万円増加したことなどによるものである。純資産合計は同6,531百万円増の79,871百万円となった。
安全性の指標を見ると、自己資本比率は前期末比0.3ポイント増の38.5%となった。流動比率は83.1%である。自己資本比率は前期末比で若干のプラスで、流動比率も健全な値であり、短期の資金繰りに関する安全性は高いと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)
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3. 事業セグメント別動向
(1) 冷蔵倉庫事業
冷蔵倉庫事業の売上高は前期比10.4%増の35,127百万円、セグメント利益は同7.6%増の7,198百万円と2期連続で過去最高を更新した。堅調な需要に支えられ、保管料、荷役料、運送取扱収入、通関収入等、すべてにおいて増収(タイヨコレイ含む)となった。前期に引き続き在庫水準が高位安定して推移するなかで、保管料収入(荷物の種別、量、保管期間に応じて顧客から徴収する料金)が同8.3%増の17,557百万円と伸長したことがセグメントの業績拡大に寄与した。荷役料(荷物の入出荷作業に伴い顧客から徴収する手数料)は同8.8%増の7,088百万円、タイヨコレイ(タイの連結子会社)も同12.8%増の2,285百万円といずれも好調に推移した。利益面に関しては、2024年9月期に竣工した3つの物流センターの減価償却費、立ち上げ経費等のコスト増要因があったものの、増収効果でカバーし、増益を確保した。
新・中期経営計画第II期「繋ぐ力」で掲げた「環境配慮型センターの加速化」「スマートコールドサービスの実現」「ASEANグローバル展開」の3つの重点施策についても着実に進捗が見られた。環境配慮型センターの加速化については、期中に恵庭スマート物流センター(北海道)、夢洲第二物流センター(大阪)、箱崎FACILITY物流センター(福岡)が竣工し、拠点・物流センターが国内外合わせて58事業所に達した。新設拠点は省人化・省力化に特化し、太陽光発電設備やリチウムイオン蓄電池を導入した最新鋭の設備を導入している。新設の3センターは、再生可能エネルギー利用率が同社目標の15%以上を上回る20%前後となっている。スマートコールドサービスの実現については、2024年問題の長距離輸送便不足の対策として、中継拠点冷蔵倉庫を活用するため、協力会社との連携を始めた。また、生産性の向上に向け、トラック予約受付システムの新システム導入、移動ラックやカーゴナビゲーションシステム、RFID(ICタグ)搭載パレットの導入、RPA活用などによるITやロボティックス化を推進した。ASEANグローバル展開については、2025年3月に同社グループ初進出のベトナムに同社初の自動倉庫としてベンルック物流センターが竣工した。
同事業は安定した業績を上げており、同社における利益創出の柱となっている。今後も冷蔵倉庫に対するニーズは堅調に推移すると予想されるため、引き続き安定した業績を上げていくものと弊社は見ている。
(2) 食品販売事業
食品販売事業の売上高は同7.1%減の87,095百万円、セグメント利益は同53.3%増の1,473百万円となった。売上高は畜産品が堅調となったが、水産品の減収が響いた格好である。一方、利益は水産品において利益重視の販売に取り組んだことが寄与し、大幅増益を確保した。水産品は、販路拡大に注力するノルウェーサーモン、大西洋サバの販売量は増加したが、東日本の不漁の影響で自社凍結加工品の取扱量が減少したことなどを受け、売上高は同9.9%減の67,939百万円となった。利益については、利益重視の販売に取り組んだ結果、食品販売事業全体の増益に大きく寄与した。畜産品は、インバウンド向けの外食需要が回復してくるなかで、ポーク、チキンの取り扱いが伸長し、売上高は同5.5%増の16,985百万円に拡大した。利益面でも増益に寄与し、好調に推移している。農産品・その他は、高温障害により農産品の取扱量が減少した影響を受け、売上高は同3.0%減の2,171百万円で、利益面でも減益となった。
新・中期経営計画第II期「繋ぐ力」では、食品販売事業において、「収益性向上のための構造改革」「事業品・全社取組商材の販路拡大」「独自商品と販売網の開発」「海外における販路拡大」の4つの重点施策を掲げた。収益性向上のための構造改革の進捗については、販売推進事業部の傘下に国内並びに海外販売推進室を設置し、国内に加え、海外はタイやベトナムを中心にASEAN商圏の開拓を進めた。事業品・全社取組商材の販路拡大については、主力のノルウェーサーモンがハラスを中心に販売数量が拡大したほか、畜産品についても国産品に注力し販売数量を大幅に拡大した。独自商品と販売網の開発は、医療食の販売拡大、一次加工品のラインナップ拡充、公式オンラインショップでのラインナップ拡充・販売を拡大した。海外における販路拡大については、海外取引先の販路を活用し、販売先や資源のリソース獲得を目指すほか、養殖ブリ加工品(世紀ブランド)の輸出を強化している。
同事業は同社全体の売上の中心となっている事業であり、今後は収益性が高まるものと弊社は見ている。顧客のニーズに沿った適正仕入れや正確な在庫管理など、量から質への変革が着実に進んでいることなどが理由だ。同事業の収益性が高まるにつれて、連結ベースの利益率も高まるものと弊社は見ている。
4. 財務状況と経営指標
2024年9月期末における資産合計は前期末比14,763百万円増の203,026百万円となった。流動資産は36,270百万円となり、同3,000百万円減少した。これは主に商品が1,479百万円増加した一方で、現金及び預金が456百万円、受取手形及び売掛金が3,153百万円減少したことなどによるものである。固定資産は166,756百万円となり、同17,763百万円増加した。これは有形固定資産が14,231百万円、投資その他の資産が3,623百万円増加したことによるものである。
負債合計は前期末比8,233百万円増の123,155百万円となった。流動負債は43,643百万円となり、同4,576百万円増加した。短期借入金が8,814百万円減少したものの、1年内償還予定の社債が10,000百万円増加したことなどによるものである。固定負債は79,511百万円となり、同3,656百万円増加した。社債が10,000百万円減少した一方、長期借入金が14,268百万円増加したことなどによるものである。純資産合計は同6,531百万円増の79,871百万円となった。
安全性の指標を見ると、自己資本比率は前期末比0.3ポイント増の38.5%となった。流動比率は83.1%である。自己資本比率は前期末比で若干のプラスで、流動比率も健全な値であり、短期の資金繰りに関する安全性は高いと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)
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