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プロHD Research Memo(9):営業利益・EBITDA重視の目標へと移行し、利益成長軌道に乗せていく計画
配信日時:2025/03/31 11:09
配信元:FISCO
*11:09JST プロHD Research Memo(9):営業利益・EBITDA重視の目標へと移行し、利益成長軌道に乗せていく計画
■プロジェクトホールディングス<9246>の中長期の成長戦略
1. 事業計画
同社グループが属するDX市場は拡大基調にある。同社が2024年3月に公表した「事業計画及び成長可能性に関する事項」によれば、国内のDX関連投資額は2019年の7,912億円から2030年には約3兆円に達し、年平均成長率13%で成長するうえ、DX関連投資の増加はほぼすべての業種に当てはまるため、特定の事業・業界にかかわらず市場が拡大する見通しである。国内のDX推進の状況は、約7割の企業が「具体的に取り組んでいる」「具体的に取組を検討している」と回答した一方で、「成果が出ている」とした企業は1割未満に留まっている。DXによるバリューアップの必要性を理解していながらも我が国では人材が大幅に不足しており、DXの取り組みにより目指す姿やアクションを十分に具体化できていないと考えられる。ただ、大企業を中心とした取り組みの土壌は醸成されつつあると推察される。
同社グループ成長戦略の全体像として、「プロジェクト型社会の創出」というミッションの達成に向けて、「人材育成」「事業開発」の2軸、すなわち、次世代で活躍するプロフェッショナル人材を輩出する人材育成の観点と、顧客企業を変革するための多様なソリューションを提供する事業開発の観点の両面からアプローチすることを基本戦略としている。
こうした市場環境を踏まえ、毎期末に足元の事業環境変化や業績見通しを踏まえて見直す「ローリング方式」で3ヶ年業績見通しを公表している。今回発表した新3ヶ年業績見通し(2025年12月期〜2027年12月期)の定量目標については、従来の売上高重視の目標から、営業利益・EBITDA重視の目標へと移行し、利益成長軌道に乗せる計画である。2025年12月期は売上高5,400百万円、営業利益10百万円、EBITDA160百万円を、2026年12月期には売上高6,000〜7,000百万円、営業利益200〜400百万円、EBITDA350〜550百万円を、2027年12月期には売上高7,000〜9,000百万円、営業利益500〜1,000百万円、EBITDA650〜1,150百万円を想定し、2030年12月期の長期EBITDA目標1,500~3,000百万円を目指している。
前回の3ヶ年業績見通し(2024年12月期〜2026年12月期)からは下方修正しているが、足元の各事業別の決算や業績見通しを踏まえて、より実現性の高い見通しに修正したものである。2024年12月期までの連結子会社の売却や吸収によって事業の整理が進み、さらにガバナンス体制の強化や人事制度の見直しを行い、本業に注力する体制が整ったと言えよう。既に、採用数の増加、離職率の低下、収益性の改善などの成果が表れ始めている。
2. 成長戦略
(1) HR戦略
コンサルスキルと、当事者意識をもって顧客の事業成長を支援可能なソフトスキルの双方を高度に体現したプロジェクト型人材の輩出を目指す。コンサルスキルは、一般的なPMOコンサルに求められる基本スキルである。一方、ソフトスキルは、顧客ビジネスを創造・けん引可能なスキルやスタンスで、付加価値を生み出す行動規範である。この両スキルを高度に体現した「コンサル×事業開発」人材がプロジェクト型人材であり、プロジェクト型人材を輩出することで、競争力の源泉を強化する計画だ。
プロジェクト型人材は、ソフトスキルを有することで、従来の経営コンサルティングとは異なり、顧客を深く理解し当事者意識を持った支援が可能になる。また、顧客へ深く入り込むことで、顧客に共通する課題や潜在的な課題を検知し、スコープに捉われない事業成長への支援が可能である。そこで検知した課題について、新規事業開発やM&Aを通じて支援体制を構築し、幅広い顧客への付加価値提供を目指すことで事業戦略につなげる計画である。
2025年3月時点での人材育成状況を見ると、メンバー、チームマネージャーの上に位置する本部長人材以上(本部長人材、事業経営人材、グループ経営人材)をプロジェクト型人材と定義して、プロジェクト型人材は14名(本部長人材6名、事業経営人材6名、グループ経営人材2名)である。これを2030年12月期には本部長人材80名、事業経営人材15名、グループ経営人材5名の計100名の輩出を目指し、当面は人員数のギャップが大きい本部長人材の育成・採用に注力する。
(2) 事業戦略
プロジェクト型人材を中心に、顧客案件課題解消の伴走支援やけん引という提供価値で信頼関係を構築し、事業課題・組織課題まで捉える。顧客ニーズを捉えながら専門機能を確立し、専門領域での顧客共通ニーズや専門的知見に基づく顧客潜在ニーズを捉え、コスト最適なソリューション開発・提供を行う計画である。
DXコンサルティングでは、顧客にとって重要な専門テーマについてはエキスパート機能を開発・提供する。これを受けて、事業開発では、専門テーマに対する高付加価値なコンサルティング(AIコンサル、UXコンサル、デジタルマーケティングコンサル、システム企画コンサルなど)を行い、スケーラビリティ(拡張可能性)の高いソリューション(UIscope、エンジニア派遣(アルトワイズ)、産業医派遣(Dr.健康経営)、広告運用、SIなど)を提供する。
2025年3月時点での事業開発状況を見ると、AI分野での事業拡大を目的に2025年1月にAIコンサルティング本部を新設し、顧客企業のAI利活用推進を支援している。プロジェクトカンパニーの手掛けるUIscopeサービスの延長として、UXコンサルティング事業についても需要が高く、サービス拡充を検討中である。DX×テクノロジー事業(SES事業)において、エンジニアの派遣に留まらず、顧客ビジネスに合わせたシステム開発や改修のニーズが強い状況を受け、中小規模のシステム開発(SI)事業を引き続き検討中である。
以上のとおり、同社グループでは新たな3ヶ年業績見通しの達成に向けて、成長戦略にも着手している。弊社では、今後の進捗状況や成果を注視したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HN>
1. 事業計画
同社グループが属するDX市場は拡大基調にある。同社が2024年3月に公表した「事業計画及び成長可能性に関する事項」によれば、国内のDX関連投資額は2019年の7,912億円から2030年には約3兆円に達し、年平均成長率13%で成長するうえ、DX関連投資の増加はほぼすべての業種に当てはまるため、特定の事業・業界にかかわらず市場が拡大する見通しである。国内のDX推進の状況は、約7割の企業が「具体的に取り組んでいる」「具体的に取組を検討している」と回答した一方で、「成果が出ている」とした企業は1割未満に留まっている。DXによるバリューアップの必要性を理解していながらも我が国では人材が大幅に不足しており、DXの取り組みにより目指す姿やアクションを十分に具体化できていないと考えられる。ただ、大企業を中心とした取り組みの土壌は醸成されつつあると推察される。
同社グループ成長戦略の全体像として、「プロジェクト型社会の創出」というミッションの達成に向けて、「人材育成」「事業開発」の2軸、すなわち、次世代で活躍するプロフェッショナル人材を輩出する人材育成の観点と、顧客企業を変革するための多様なソリューションを提供する事業開発の観点の両面からアプローチすることを基本戦略としている。
こうした市場環境を踏まえ、毎期末に足元の事業環境変化や業績見通しを踏まえて見直す「ローリング方式」で3ヶ年業績見通しを公表している。今回発表した新3ヶ年業績見通し(2025年12月期〜2027年12月期)の定量目標については、従来の売上高重視の目標から、営業利益・EBITDA重視の目標へと移行し、利益成長軌道に乗せる計画である。2025年12月期は売上高5,400百万円、営業利益10百万円、EBITDA160百万円を、2026年12月期には売上高6,000〜7,000百万円、営業利益200〜400百万円、EBITDA350〜550百万円を、2027年12月期には売上高7,000〜9,000百万円、営業利益500〜1,000百万円、EBITDA650〜1,150百万円を想定し、2030年12月期の長期EBITDA目標1,500~3,000百万円を目指している。
前回の3ヶ年業績見通し(2024年12月期〜2026年12月期)からは下方修正しているが、足元の各事業別の決算や業績見通しを踏まえて、より実現性の高い見通しに修正したものである。2024年12月期までの連結子会社の売却や吸収によって事業の整理が進み、さらにガバナンス体制の強化や人事制度の見直しを行い、本業に注力する体制が整ったと言えよう。既に、採用数の増加、離職率の低下、収益性の改善などの成果が表れ始めている。
2. 成長戦略
(1) HR戦略
コンサルスキルと、当事者意識をもって顧客の事業成長を支援可能なソフトスキルの双方を高度に体現したプロジェクト型人材の輩出を目指す。コンサルスキルは、一般的なPMOコンサルに求められる基本スキルである。一方、ソフトスキルは、顧客ビジネスを創造・けん引可能なスキルやスタンスで、付加価値を生み出す行動規範である。この両スキルを高度に体現した「コンサル×事業開発」人材がプロジェクト型人材であり、プロジェクト型人材を輩出することで、競争力の源泉を強化する計画だ。
プロジェクト型人材は、ソフトスキルを有することで、従来の経営コンサルティングとは異なり、顧客を深く理解し当事者意識を持った支援が可能になる。また、顧客へ深く入り込むことで、顧客に共通する課題や潜在的な課題を検知し、スコープに捉われない事業成長への支援が可能である。そこで検知した課題について、新規事業開発やM&Aを通じて支援体制を構築し、幅広い顧客への付加価値提供を目指すことで事業戦略につなげる計画である。
2025年3月時点での人材育成状況を見ると、メンバー、チームマネージャーの上に位置する本部長人材以上(本部長人材、事業経営人材、グループ経営人材)をプロジェクト型人材と定義して、プロジェクト型人材は14名(本部長人材6名、事業経営人材6名、グループ経営人材2名)である。これを2030年12月期には本部長人材80名、事業経営人材15名、グループ経営人材5名の計100名の輩出を目指し、当面は人員数のギャップが大きい本部長人材の育成・採用に注力する。
(2) 事業戦略
プロジェクト型人材を中心に、顧客案件課題解消の伴走支援やけん引という提供価値で信頼関係を構築し、事業課題・組織課題まで捉える。顧客ニーズを捉えながら専門機能を確立し、専門領域での顧客共通ニーズや専門的知見に基づく顧客潜在ニーズを捉え、コスト最適なソリューション開発・提供を行う計画である。
DXコンサルティングでは、顧客にとって重要な専門テーマについてはエキスパート機能を開発・提供する。これを受けて、事業開発では、専門テーマに対する高付加価値なコンサルティング(AIコンサル、UXコンサル、デジタルマーケティングコンサル、システム企画コンサルなど)を行い、スケーラビリティ(拡張可能性)の高いソリューション(UIscope、エンジニア派遣(アルトワイズ)、産業医派遣(Dr.健康経営)、広告運用、SIなど)を提供する。
2025年3月時点での事業開発状況を見ると、AI分野での事業拡大を目的に2025年1月にAIコンサルティング本部を新設し、顧客企業のAI利活用推進を支援している。プロジェクトカンパニーの手掛けるUIscopeサービスの延長として、UXコンサルティング事業についても需要が高く、サービス拡充を検討中である。DX×テクノロジー事業(SES事業)において、エンジニアの派遣に留まらず、顧客ビジネスに合わせたシステム開発や改修のニーズが強い状況を受け、中小規模のシステム開発(SI)事業を引き続き検討中である。
以上のとおり、同社グループでは新たな3ヶ年業績見通しの達成に向けて、成長戦略にも着手している。弊社では、今後の進捗状況や成果を注視したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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