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アルファパーチェス Research Memo(4):最大の強みはシステム開発力
配信日時:2025/03/28 11:04
配信元:FISCO
*11:04JST アルファパーチェス Research Memo(4):最大の強みはシステム開発力
■アルファパーチェス<7115>の事業概要
2. 特色、強み
(1) シングルウィンドウ・ワンストップソリューション
同社のMRO事業の特色であり強みの1つは、「一つの窓口(シングルウィンドウ)」で購買が行えることだ。大企業においては、様々な部署や部門、工場、支社などがあり、それぞれが好き勝手に消耗品や備品を発注していると、購入品や価格にばらつきが出るだけでなく、それぞれのサプライヤーに支払い処理が必要となり効率が悪い。同社と契約することで、窓口(発注先)が同社に一本化(シングルウィンドウ化)されるので、経理処理が簡潔となるだけでなく、発注ミスや重複発注などを避けられる。さらにサプライヤー側についても、同社の標準サプライヤーだけでなく、顧客専用(指定の)サプライヤーや他のECサイトのサプライヤーとも連携しているため、顧客は同一商品を適切なサプライヤーから最適な価格で購入できるだけでなく、購入条件(発送日数や最低ロットなど)も比較したうえでの選択が可能となる。
(2) 同一商品を自動相見積り(「横串」の提案)
同社システムのもう一つの特色は、顧客がある商品を求めていた場合、一般的なECサイトのようにほぼ同類・同性能・同価格の商品(A製品、B製品、C製品)を表示するだけでなく、同一商品(例えばA製品)を提供するサプライヤー(X社、Y社、Z社)が「各々いくらで提供しているか」を表示して、「最安値」を推奨できる。類似製品ごとの「縦串」の提案だけでなく、「横串」の提案をすることが、価格の相見積りを必須としたい大企業の購買ニーズに合致しているのである。
(3) ストック型のビジネスモデル
同社の主力事業であるMRO事業は、積み上げ型(ストック型)であることが特色であり事業展開のうえでの強みと言えるだろう。下記のような条件により、毎年収益が積み上がる可能性が高く、大きく落ち込むことは少ないと思われる。
同社の収益が拡大する根源的な要因は契約社数であることは言うまでもなく、契約する社数が増えれば同社の売上高は増える。一方で「解約」が増えれば売上高は減少する。同社の説明によれば、過去5年間(2020年から2024年)で、月平均1,000万円以上を購入する企業での解約はゼロ、同100〜1,000万円の顧客で1件(対顧客数2.5%)あっただけとのことであり、解約率はほぼゼロと考えて良いだろう。
同一顧客でも、当初は利用するのが同社本社だけだったものが、支店、営業所、工場などへ拡大することで売上高(購買量)は増えるため、同一顧客の年間売上高は年を追うごとに増加する傾向にあり、この既存顧客の購入増が同社の毎年の売上増の原動力となっている。
また、商品のサプライヤーが増えることで、商品の品揃えが充実すれば、顧客の利便性が向上して売上高が増える可能性は高い。弊社では、今後も同社のサービスに参加するサプライヤーは主に2つの理由で増加すると考えている。1つ目は、同社のシステム開発力だ。新たなサプライヤー(メーカー、卸問屋、他のECサイト等)が同社システムへの参加を希望した場合でも、同社自身にAPIの開発力があるので、容易に同社サイトへ参加できる。2つ目は、同社自身の成長力だ。多くのサプライヤーは、少しでも売れている(アクセスの多い)サイトへ参加を希望するのが一般的なので、同社の顧客が増え売上高が増加すれば、参加を希望するサプライヤーも増えると思われる。
(4) システム開発力
弊社では、同社の最大の強みはシステム開発力だと考えている。主要な事業は「購買代行」であるが、高度なシステム開発力がなければこのような事業モデルは構築できない。まず顧客側であるが、主要な顧客である大企業はそれぞれ自社の大規模システム(ERP等)を持っており、これに連携できるシステムでなければ採用をためらう。単に最安値の商品を選択して購入するだけでなく、発注・受領・請求・支払い・在庫管理まで一気通貫で行うことができて、さらに本社・支社・営業所・工場などとも連携して同一で利用できるシステムでなければならない。
また、サプライヤー側も同様だ。同社のMRO事業のサプライヤーには、同社の標準サプライヤーだけでなく、顧客指定のサプライヤー、さらには他のECサイトのサプライヤーも参加しているため、これらのサプライヤーのシステムとの連携も必須である。そのような連携を可能とする様々なAPIの開発力を持っていることこそが、同社の最大の特色であり強みであると弊社では見ている。
まったく同類の競合相手は皆無、企業の自社内購買部門が最大の競合
3. 競合
(1) 一般的なECサイト
同社の競合としては、広義ではすべての物販事業者が競合と言えるが、狭義では特に企業向けに工具・備品・消耗品などを取り扱うECサイト事業者だ。具体的には、MonotaRO<3064>、トラスコ中山<9830>、(株)ミスミなどであるが、これらの企業は同社のシステムに連携したサプライヤーでもある。その意味でも、同社と同規模で同様の購買代行サービスを大手企業向けに行う企業は見当たらず、厳密に言えば正面から競合する企業は皆無と言える。
(2) 最大の競合は「自社内の購買部門」
競合について同社は、「A社、B社と競合するというよりも、本当の意味では依然として多くの大企業が購買を自社内部門で行うことが多く、これこそが最大のライバルだ」と述べている。まだ企業自身の内部で行っている部分を、いかにアウトソーシング化させるかが「最大の競合」なのだ。この壁を打ち破るのは容易ではないが、同社はトップランナーとして勝ち進む可能性は高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2. 特色、強み
(1) シングルウィンドウ・ワンストップソリューション
同社のMRO事業の特色であり強みの1つは、「一つの窓口(シングルウィンドウ)」で購買が行えることだ。大企業においては、様々な部署や部門、工場、支社などがあり、それぞれが好き勝手に消耗品や備品を発注していると、購入品や価格にばらつきが出るだけでなく、それぞれのサプライヤーに支払い処理が必要となり効率が悪い。同社と契約することで、窓口(発注先)が同社に一本化(シングルウィンドウ化)されるので、経理処理が簡潔となるだけでなく、発注ミスや重複発注などを避けられる。さらにサプライヤー側についても、同社の標準サプライヤーだけでなく、顧客専用(指定の)サプライヤーや他のECサイトのサプライヤーとも連携しているため、顧客は同一商品を適切なサプライヤーから最適な価格で購入できるだけでなく、購入条件(発送日数や最低ロットなど)も比較したうえでの選択が可能となる。
(2) 同一商品を自動相見積り(「横串」の提案)
同社システムのもう一つの特色は、顧客がある商品を求めていた場合、一般的なECサイトのようにほぼ同類・同性能・同価格の商品(A製品、B製品、C製品)を表示するだけでなく、同一商品(例えばA製品)を提供するサプライヤー(X社、Y社、Z社)が「各々いくらで提供しているか」を表示して、「最安値」を推奨できる。類似製品ごとの「縦串」の提案だけでなく、「横串」の提案をすることが、価格の相見積りを必須としたい大企業の購買ニーズに合致しているのである。
(3) ストック型のビジネスモデル
同社の主力事業であるMRO事業は、積み上げ型(ストック型)であることが特色であり事業展開のうえでの強みと言えるだろう。下記のような条件により、毎年収益が積み上がる可能性が高く、大きく落ち込むことは少ないと思われる。
同社の収益が拡大する根源的な要因は契約社数であることは言うまでもなく、契約する社数が増えれば同社の売上高は増える。一方で「解約」が増えれば売上高は減少する。同社の説明によれば、過去5年間(2020年から2024年)で、月平均1,000万円以上を購入する企業での解約はゼロ、同100〜1,000万円の顧客で1件(対顧客数2.5%)あっただけとのことであり、解約率はほぼゼロと考えて良いだろう。
同一顧客でも、当初は利用するのが同社本社だけだったものが、支店、営業所、工場などへ拡大することで売上高(購買量)は増えるため、同一顧客の年間売上高は年を追うごとに増加する傾向にあり、この既存顧客の購入増が同社の毎年の売上増の原動力となっている。
また、商品のサプライヤーが増えることで、商品の品揃えが充実すれば、顧客の利便性が向上して売上高が増える可能性は高い。弊社では、今後も同社のサービスに参加するサプライヤーは主に2つの理由で増加すると考えている。1つ目は、同社のシステム開発力だ。新たなサプライヤー(メーカー、卸問屋、他のECサイト等)が同社システムへの参加を希望した場合でも、同社自身にAPIの開発力があるので、容易に同社サイトへ参加できる。2つ目は、同社自身の成長力だ。多くのサプライヤーは、少しでも売れている(アクセスの多い)サイトへ参加を希望するのが一般的なので、同社の顧客が増え売上高が増加すれば、参加を希望するサプライヤーも増えると思われる。
(4) システム開発力
弊社では、同社の最大の強みはシステム開発力だと考えている。主要な事業は「購買代行」であるが、高度なシステム開発力がなければこのような事業モデルは構築できない。まず顧客側であるが、主要な顧客である大企業はそれぞれ自社の大規模システム(ERP等)を持っており、これに連携できるシステムでなければ採用をためらう。単に最安値の商品を選択して購入するだけでなく、発注・受領・請求・支払い・在庫管理まで一気通貫で行うことができて、さらに本社・支社・営業所・工場などとも連携して同一で利用できるシステムでなければならない。
また、サプライヤー側も同様だ。同社のMRO事業のサプライヤーには、同社の標準サプライヤーだけでなく、顧客指定のサプライヤー、さらには他のECサイトのサプライヤーも参加しているため、これらのサプライヤーのシステムとの連携も必須である。そのような連携を可能とする様々なAPIの開発力を持っていることこそが、同社の最大の特色であり強みであると弊社では見ている。
まったく同類の競合相手は皆無、企業の自社内購買部門が最大の競合
3. 競合
(1) 一般的なECサイト
同社の競合としては、広義ではすべての物販事業者が競合と言えるが、狭義では特に企業向けに工具・備品・消耗品などを取り扱うECサイト事業者だ。具体的には、MonotaRO<3064>、トラスコ中山<9830>、(株)ミスミなどであるが、これらの企業は同社のシステムに連携したサプライヤーでもある。その意味でも、同社と同規模で同様の購買代行サービスを大手企業向けに行う企業は見当たらず、厳密に言えば正面から競合する企業は皆無と言える。
(2) 最大の競合は「自社内の購買部門」
競合について同社は、「A社、B社と競合するというよりも、本当の意味では依然として多くの大企業が購買を自社内部門で行うことが多く、これこそが最大のライバルだ」と述べている。まだ企業自身の内部で行っている部分を、いかにアウトソーシング化させるかが「最大の競合」なのだ。この壁を打ち破るのは容易ではないが、同社はトップランナーとして勝ち進む可能性は高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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