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シュッピン Research Memo(4):「カメラ事業」が順調に拡大し、過去最高業績(上期ベース)を更新(1)
配信日時:2025/01/24 13:04
配信元:FISCO
*13:04JST シュッピン Research Memo(4):「カメラ事業」が順調に拡大し、過去最高業績(上期ベース)を更新(1)
■シュッピン<3179>の決算概要
1. 2025年3月期上期決算の概要
(1) 決算の概要
2025年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比13.4%増の26,521百万円、営業利益が同24.3%増の2,020百万円、経常利益が同22.8%増の2,003百万円、中間純利益が同22.9%増の1,365百万円と2ケタの増収増益となり、過去最高業績(上期ベース)を更新した。
主軸の「カメラ事業」がEC及び店舗売上ともに順調に拡大し、業績全体の伸びをけん引した。女性や若年層など市場の広がりが進むなかで、AI活用によるOne to Oneマーケティングや動画配信を中心とするコンテンツの充実が奏功したほか、人気機種の後継機の発売も追い風となった。一方、「時計事業」は7月まで好調であったものの、8月以降は円高基調に伴うインバウンド減少の影響などを受けて軟調に転じた。
利益面でも、利益率の高い「カメラ事業」の伸びに加え、利益重視の販売継続を通じた「時計事業」の粗利改善により売上総利益率は19.2%(前年同期は18.8%)に改善した。また、計画的な人員増に伴う人件費やシステム強化に係る運営費など先行費用が増加したものの、売上総利益の伸びで吸収し、計画を上回る大幅な営業増益となった。営業利益率も7.6%(前年同期は7.0%)に改善した。
財政状態については、現預金の増加や「商品」在庫の積み増し、システム投資に伴うソフトウェア仮勘定の増加などにより総資産は前期末比13.3%増の18,206百万円に拡大した。特に、成長の源泉となる「商品」在庫については前期末比17.8%増の10,918百万円に増加し十分な水準を確保することができた。自己資本も内部留保の積み増しなどにより同14.9%増の9,498百万円に拡大したことから、自己資本比率は52.2%(前期末は51.5%)に若干改善した。一方、有利子負債は同15.9%増の5,377百万円に増加した。
(2) 売上総利益率及び販管費の状況
2025年3月期上期の売上総利益率(全体)は19.2%(前年同期は18.8%)に改善した。利益率の高い「カメラ事業」が順調に拡大したことに加え、AIMDの効果が「カメラ事業」の収益性をさらに高めたこと、「時計事業」においても利益重視の販売を継続したことなどが奏功した。販管費については人員増に伴う人件費やシステム投資に係る業務委託費が増加したことに加え、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料などが増加したものの、売上高の伸びにより吸収し、販管費比率は11.6%(前年同期は11.9%)に低下した。
2. 事業別の業績
(1) カメラ事業(EC比率:82.8%)
売上高は前年同期比16.0%増の20,412百万円、セグメント利益は同20.4%増の2,493百万円と順調に拡大し、過去最高(上期ベース)を連続更新した。女性や若年層など市場の広がりが進むなかで、AIMDやAIコンテンツレコメンドといったAI活用によるOne to Oneマーケティングや動画配信を中心としたコンテンツの充実が奏功したほか、人気機種の後継機の発売も追い風となった。特にYouTubeについては、ショート動画や人気機種の後継機などの注目商品の紹介動画をきっかけに新規視聴者数は前年同期比で約2倍に増加し、新たな視聴者の獲得も進んでいるようだ。また、LINEでの配信数も2022年の強化実施から17倍に伸長している。利益面でも、増収やAIMDの効果などにより人件費増などをこなしながら増益を確保し、セグメント利益率は12.2%(前年同期は11.8%)と過去最高水準となった。
(2) 時計事業(EC比率:41.6%)
売上高は前年同期比5.7%増の5,450百万円、セグメント利益は同54.5%増の289百万円と増収増益となった。7月までは高級機械式腕時計の価格相場が比較的安定して推移したことから、「時計事業」の業績も順調に滑り出した。また、円安の追い風もあり免税売上高も伸長した。ただ、8月以降は円高基調に伴うインバウンド減少の影響により軟調に転じたため、計画を下回る結果となった。利益面ではAIMDの効果を含む、利益重視の販売継続により大幅な増益を確保し、セグメント利益率は5.3%(前年同期は3.6%)に改善した。
(3) 筆記具事業(EC比率:70.3%)
売上高は前年同期比13.9%増の236百万円、セグメント利益は同56.3%増の39百万円と増収増益となった。新品・中古品、及びEC・店舗それぞれが堅調に推移し、売上、利益ともに2ケタの成長を実現した。
(4) 自転車事業(EC比率:91.7%)
売上高は前年同期比1.4%減の421百万円、セグメント利益は同23.7%減の14百万円となった。免税売上の減少などの影響を受け減収減益となったものの、新品の購入増加などによりEC売上は2ケタ成長を達成し、市場が冷え込むなかでもセグメント黒字を維持することができた。
3. グローバル展開
越境ECについては、これまでカメラ事業において2017年8月に「Map Camera」にて世界最大級のオンライン・マーケットプレイス「eBay」へ出店したほか、時計事業においては「GMT」が2019年5月に世界最大級の高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」、2020年7月には「eBay」にそれぞれ出店すると、2022年には海外向け販売サポートサービス「Buyee Connect」※1を導入し、事業拡大に向けた体制を着実に整えてきた。サービスの質を重視した展開が奏功し、海外において同社のブランドが広く認知されつつある。特に「Map Camera」については、「eBay Japan Awards 2023」※2にて販売実績などの総合的評価トップのセラーに贈られる「Seller of the Year」を2年連続で獲得した。これらの取り組みを通じて、越境ECは着々と売上高を伸ばしており、2025年3月期に入ってからも第1四半期は過去最高水準(四半期ベース)を更新した。8月以降の円高基調の影響を受けブレーキがかかったものの、上期の越境EC売上高は前年同期比12.9%増の17,355百万円に拡大した。
※1 BEENOS<3328>の連結子会社であるBeeCruise(株)が運営する海外向け購入サポートサービス。
※2 イーベイ・ジャパン(株)が運営する「eBay(イーベイ)」において、上位の販売実績などを上げた日本のセラー(販売者)を表彰する賞。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 2025年3月期上期決算の概要
(1) 決算の概要
2025年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比13.4%増の26,521百万円、営業利益が同24.3%増の2,020百万円、経常利益が同22.8%増の2,003百万円、中間純利益が同22.9%増の1,365百万円と2ケタの増収増益となり、過去最高業績(上期ベース)を更新した。
主軸の「カメラ事業」がEC及び店舗売上ともに順調に拡大し、業績全体の伸びをけん引した。女性や若年層など市場の広がりが進むなかで、AI活用によるOne to Oneマーケティングや動画配信を中心とするコンテンツの充実が奏功したほか、人気機種の後継機の発売も追い風となった。一方、「時計事業」は7月まで好調であったものの、8月以降は円高基調に伴うインバウンド減少の影響などを受けて軟調に転じた。
利益面でも、利益率の高い「カメラ事業」の伸びに加え、利益重視の販売継続を通じた「時計事業」の粗利改善により売上総利益率は19.2%(前年同期は18.8%)に改善した。また、計画的な人員増に伴う人件費やシステム強化に係る運営費など先行費用が増加したものの、売上総利益の伸びで吸収し、計画を上回る大幅な営業増益となった。営業利益率も7.6%(前年同期は7.0%)に改善した。
財政状態については、現預金の増加や「商品」在庫の積み増し、システム投資に伴うソフトウェア仮勘定の増加などにより総資産は前期末比13.3%増の18,206百万円に拡大した。特に、成長の源泉となる「商品」在庫については前期末比17.8%増の10,918百万円に増加し十分な水準を確保することができた。自己資本も内部留保の積み増しなどにより同14.9%増の9,498百万円に拡大したことから、自己資本比率は52.2%(前期末は51.5%)に若干改善した。一方、有利子負債は同15.9%増の5,377百万円に増加した。
(2) 売上総利益率及び販管費の状況
2025年3月期上期の売上総利益率(全体)は19.2%(前年同期は18.8%)に改善した。利益率の高い「カメラ事業」が順調に拡大したことに加え、AIMDの効果が「カメラ事業」の収益性をさらに高めたこと、「時計事業」においても利益重視の販売を継続したことなどが奏功した。販管費については人員増に伴う人件費やシステム投資に係る業務委託費が増加したことに加え、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料などが増加したものの、売上高の伸びにより吸収し、販管費比率は11.6%(前年同期は11.9%)に低下した。
2. 事業別の業績
(1) カメラ事業(EC比率:82.8%)
売上高は前年同期比16.0%増の20,412百万円、セグメント利益は同20.4%増の2,493百万円と順調に拡大し、過去最高(上期ベース)を連続更新した。女性や若年層など市場の広がりが進むなかで、AIMDやAIコンテンツレコメンドといったAI活用によるOne to Oneマーケティングや動画配信を中心としたコンテンツの充実が奏功したほか、人気機種の後継機の発売も追い風となった。特にYouTubeについては、ショート動画や人気機種の後継機などの注目商品の紹介動画をきっかけに新規視聴者数は前年同期比で約2倍に増加し、新たな視聴者の獲得も進んでいるようだ。また、LINEでの配信数も2022年の強化実施から17倍に伸長している。利益面でも、増収やAIMDの効果などにより人件費増などをこなしながら増益を確保し、セグメント利益率は12.2%(前年同期は11.8%)と過去最高水準となった。
(2) 時計事業(EC比率:41.6%)
売上高は前年同期比5.7%増の5,450百万円、セグメント利益は同54.5%増の289百万円と増収増益となった。7月までは高級機械式腕時計の価格相場が比較的安定して推移したことから、「時計事業」の業績も順調に滑り出した。また、円安の追い風もあり免税売上高も伸長した。ただ、8月以降は円高基調に伴うインバウンド減少の影響により軟調に転じたため、計画を下回る結果となった。利益面ではAIMDの効果を含む、利益重視の販売継続により大幅な増益を確保し、セグメント利益率は5.3%(前年同期は3.6%)に改善した。
(3) 筆記具事業(EC比率:70.3%)
売上高は前年同期比13.9%増の236百万円、セグメント利益は同56.3%増の39百万円と増収増益となった。新品・中古品、及びEC・店舗それぞれが堅調に推移し、売上、利益ともに2ケタの成長を実現した。
(4) 自転車事業(EC比率:91.7%)
売上高は前年同期比1.4%減の421百万円、セグメント利益は同23.7%減の14百万円となった。免税売上の減少などの影響を受け減収減益となったものの、新品の購入増加などによりEC売上は2ケタ成長を達成し、市場が冷え込むなかでもセグメント黒字を維持することができた。
3. グローバル展開
越境ECについては、これまでカメラ事業において2017年8月に「Map Camera」にて世界最大級のオンライン・マーケットプレイス「eBay」へ出店したほか、時計事業においては「GMT」が2019年5月に世界最大級の高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」、2020年7月には「eBay」にそれぞれ出店すると、2022年には海外向け販売サポートサービス「Buyee Connect」※1を導入し、事業拡大に向けた体制を着実に整えてきた。サービスの質を重視した展開が奏功し、海外において同社のブランドが広く認知されつつある。特に「Map Camera」については、「eBay Japan Awards 2023」※2にて販売実績などの総合的評価トップのセラーに贈られる「Seller of the Year」を2年連続で獲得した。これらの取り組みを通じて、越境ECは着々と売上高を伸ばしており、2025年3月期に入ってからも第1四半期は過去最高水準(四半期ベース)を更新した。8月以降の円高基調の影響を受けブレーキがかかったものの、上期の越境EC売上高は前年同期比12.9%増の17,355百万円に拡大した。
※1 BEENOS<3328>の連結子会社であるBeeCruise(株)が運営する海外向け購入サポートサービス。
※2 イーベイ・ジャパン(株)が運営する「eBay(イーベイ)」において、上位の販売実績などを上げた日本のセラー(販売者)を表彰する賞。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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