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ヤマノHD Research Memo(4):積極的なM&Aで領域拡充を目指す(2)
配信日時:2025/01/22 16:14
配信元:FISCO
*16:14JST ヤマノHD Research Memo(4):積極的なM&Aで領域拡充を目指す(2)
■ヤマノホールディングス<7571>の事業概要
2. 事業概要
(1) 美容事業
同社グループの美容事業は、首都圏、関西圏を中心に全国68店舗を展開する美容室と、「手足手入れの専門店」という高い品質で都内好立地に4店舗を展開するネイルサロンで構成している。美容室は、顧客の年齢や価格に応じた「My jStyle」「PLAZA HAIR」「La Bonheur(ラボヌール)」の3ブランドを運営する。「MY jSTYLE」は中高年層を中心としたアンチエイジングサロンとして、低価格帯で関東を中心に地域をドミナントする形で店舗展開している。アンチエイジングとして天然食材使用の『山野式ヘッドスパ』を提供する。美容室ではスタイリストに顧客が付いて回るケースが多いが、「MY jSTYLE」は地域密着型であり店舗に顧客が付いているところが強みとなっている。「PLAZA HAIR」は小さい子どもが遊べるキッズルームと子どものカットも行うキッズコーナーを店舗内に設置したファミリーサロンとして、ファミリー層をターゲットに商業施設内において中価格帯で店舗展開をしている。2019年10月にL.B.Gを買収することでグループ入りした「La Bonheur」は、20代~30代の女性をターゲットにして顧客のライフスタイルに合わせた個性的なヘアスタイルを提案するサロンを東京、埼玉を中心に11店舗を展開するほか、ヘアトリートメントなど美容商品を販売するWEB SHOPも手掛けている。高価格帯であるほか、ホットペッパーから効率的に誘客している点が強みだ。同社グループとしては、「La Bonheur」が加わったことで全年齢層を顧客化し、各価格帯を網羅できた点が強みとなったが、今後は店舗数が少ない「La Bonheur」への業態転換を進めていく。
「NAIL CARE SALON miura」は約30年の営業実績があり、本業界の先駆けとしてのブランドを構築している。ネイルと手足ケアのサロンを東京都吉祥寺と荻窪、大阪・南港ポートタウンで展開する。荻窪店は「MY jSTYLE」店舗に併設、大阪・南港ポートタウン店は「PLAZA HAIR」店舗に併設する。井の頭通り店では有機ゲルマニウム手足温浴やアロママッサージをリラクゼーション・スパメニューに加えているほか、各店舗でフェイシャルエステも開始している。
美容事業は、従来は同社が「MY jSTYLE」「PLAZA HAIR」を、L.B.Gが「La Bonheur」を、みうらが「NAIL CARE SALON miura」を、3部門でそれぞれ個別に運営していた。しかし、事業環境の変化に伴い美容店舗内での着付サービスの拡充、2022年1月「MY jSTYLE」とみうらのコラボ店の出店(2023年7月には「PLAZA HAIR」とコラボ出店)、2022年7月「MY jSTYLE」「PLAZA HAIR」から「La Bonheur」への業態変更など、部門を横断した施策を進めてきた。その事業変革を加速するため、2022年10月に同社と子会社2社で運営していた美容事業の営業部門はヤマノプラスに集約・統合、店舗開発・経営企画・総務人事などの管理部門は同社に集約し、機動的かつ迅速な意思決定を行う組織体制を再編整備した。これにより、美容事業を取り巻く事業環境の変化への対応力を強化するとともに、各部門が持つ特色を互いに活かした人財交流を活性化することで新たなサービス創出を促す。また、人財採用の一元化と育成プランのナレッジ・ノウハウ共有を進め、人財配置の最適化を図る体制整備を行うことで、美容師の確保という美容事業の重要課題をクリアしつつ、マーケティング力や販促企画力の強化も図る。
(2) 和装宝飾事業
和装宝飾事業は和装部門、宝飾部門、毛皮部門で構成している。和装部門は、同社と子会社すずのきが呉服和装品専門店を中心に全国に98店舗を展開し、和装品などの販売だけでなく、前楽結びなどの着付教室、きものパーティーなどのイベント開催、着用後のアフターフォローなど、きものを通して和装文化の情報発信も行う。同社が、呉服和装の実店舗として全国で「東京きもの愛-Aiko-」「きもの京都」「kimono錦」「きものの錦」「京のきもの屋 四君子」「ら・たんす」「きもの日本橋 かのこ」の7系列を、子会社すずのきは、東北・関東・中部エリアにおいて実店舗として「すずのき」「絹絵屋」「たまゆう」の3系列を展開している。加えて、同社は、オンラインショップとして「yorimichi KIMONO」「和ne Dess(わんどれ)」も運営している。
宝飾部門は、同社が関東を中心に宝石・貴金属・時計の専門店チェーン「YAMANO JEWELRY」「サトウダイヤモンドチェーン」の2系列を展開している。毛皮部門は、ファー・レザーの専門店「ユキベルファム」を4店舗展開している。
(3) DSM事業
同社の訪問販売・催事販売関連部門が販売を行っている。洋装品を中心とした展示販売会や訪問販売によるダイレクトセールスを全国32拠点で展開している。取扱商品はアパレル、毛皮、レザー・コート、バッグなどの洋装品、ジュエリー、着物、ウィッグ、健康商材、ミシンなど幅広いラインナップを揃える。訪問販売のみでは難しい品揃えを、ジュエリーフェア、きものパーティーなど、テーマを絞った催事・展示会を随時開催して提供する。また、ブラザー販売特約店である各店舗では、親子ミシン教室、キルト教室などを随時開催し、ミシンを使った「ものづくり」を提案している。
(4) 教育事業
同社の成長戦略の方向性を「モノ」から「コト」へ移行を進めるなかで教育事業へのM&Aを開始し、2020年3月にマンツーマンアカデミー、2022年5月に東京ガイダンス、2023年12月に灯学舎を子会社化した。各社ともやる気スイッチグループ「スクールIE」のFC加盟店事業を主力とするメガフランチャイジーであり、重要なFC加盟店オーナーとして個別指導教室を展開している。同社グループの学習塾ビジネスは、この3社で66教室と首都圏を広くカバーしている。同一FC加盟店なので、3社間での事業運営ノウハウ・人財採用・育成プランの共有や、システムの共通化、相互の講師派遣などによるサービス向上を図り、販売管理コストの削減効果による収益力向上のシナジーも期待できる。
(5) その他事業
その他事業は、OLD FLIPの運営するリユース事業、ヤマノセイビングの運営する前払式特定取引業、日本技術技能教育協会の運営する着物着付教室で構成している。ヤマノセイビングは、組織する友の会を通じて顧客がDSM商品を購入した場合の取次手数料を収益としている。
リユース事業には、2022年6月にOLD FLIP(2018年設立)を子会社化することで参入した。店舗及び催事会場での古着の買取・販売を行うほか、BtoBでの古着卸売も行う。気軽に立ち寄れる安さ、商品の豊富さを提供する「ゴー!ゴー!古着」をマルイなど商業施設の中に6店舗、厳選された商品展開による古着のセレクトショップ「recollect(リ:コレクト)」を東京有明ガーデンに展開するほか、ポップアップストアなどで短期の催事販売も行う。また、仕入商品の一部をBtoB取引に活用することで、店舗販売・卸販売の両輪で安定した販路を確保しつつ、商品廃棄ゼロを目指す。2023年には、同社グループ店舗や協賛先に設置された衣料品回収ボックスを通じて回収されたリユース着物のリメイクブランド「zivun(ジブン)」を立ち上げ、帝国ホテルやラフォーレ原宿でポップアップストアを開催した。さらに、イトキン(株)と協力し、イトキンの倉庫に眠る商品を新たなデザインでリメイクしたD2Cブランド「re:mine(リマイン)」と「zivun」がタッグを組み、新しい商品を作っていくことを公表した。同社グループに加わることで、グループ会社や他社とのコラボレーションが進み、グループ全体での販売チャネル多様化も期待される。古着のアップサイクル、サーキュラーエコノミーを促進し、変化する消費者ニーズに対応するとともに、持続可能なサプライチェーンの実現に向けた取り組みを進め、グループの企業価値向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<HN>
2. 事業概要
(1) 美容事業
同社グループの美容事業は、首都圏、関西圏を中心に全国68店舗を展開する美容室と、「手足手入れの専門店」という高い品質で都内好立地に4店舗を展開するネイルサロンで構成している。美容室は、顧客の年齢や価格に応じた「My jStyle」「PLAZA HAIR」「La Bonheur(ラボヌール)」の3ブランドを運営する。「MY jSTYLE」は中高年層を中心としたアンチエイジングサロンとして、低価格帯で関東を中心に地域をドミナントする形で店舗展開している。アンチエイジングとして天然食材使用の『山野式ヘッドスパ』を提供する。美容室ではスタイリストに顧客が付いて回るケースが多いが、「MY jSTYLE」は地域密着型であり店舗に顧客が付いているところが強みとなっている。「PLAZA HAIR」は小さい子どもが遊べるキッズルームと子どものカットも行うキッズコーナーを店舗内に設置したファミリーサロンとして、ファミリー層をターゲットに商業施設内において中価格帯で店舗展開をしている。2019年10月にL.B.Gを買収することでグループ入りした「La Bonheur」は、20代~30代の女性をターゲットにして顧客のライフスタイルに合わせた個性的なヘアスタイルを提案するサロンを東京、埼玉を中心に11店舗を展開するほか、ヘアトリートメントなど美容商品を販売するWEB SHOPも手掛けている。高価格帯であるほか、ホットペッパーから効率的に誘客している点が強みだ。同社グループとしては、「La Bonheur」が加わったことで全年齢層を顧客化し、各価格帯を網羅できた点が強みとなったが、今後は店舗数が少ない「La Bonheur」への業態転換を進めていく。
「NAIL CARE SALON miura」は約30年の営業実績があり、本業界の先駆けとしてのブランドを構築している。ネイルと手足ケアのサロンを東京都吉祥寺と荻窪、大阪・南港ポートタウンで展開する。荻窪店は「MY jSTYLE」店舗に併設、大阪・南港ポートタウン店は「PLAZA HAIR」店舗に併設する。井の頭通り店では有機ゲルマニウム手足温浴やアロママッサージをリラクゼーション・スパメニューに加えているほか、各店舗でフェイシャルエステも開始している。
美容事業は、従来は同社が「MY jSTYLE」「PLAZA HAIR」を、L.B.Gが「La Bonheur」を、みうらが「NAIL CARE SALON miura」を、3部門でそれぞれ個別に運営していた。しかし、事業環境の変化に伴い美容店舗内での着付サービスの拡充、2022年1月「MY jSTYLE」とみうらのコラボ店の出店(2023年7月には「PLAZA HAIR」とコラボ出店)、2022年7月「MY jSTYLE」「PLAZA HAIR」から「La Bonheur」への業態変更など、部門を横断した施策を進めてきた。その事業変革を加速するため、2022年10月に同社と子会社2社で運営していた美容事業の営業部門はヤマノプラスに集約・統合、店舗開発・経営企画・総務人事などの管理部門は同社に集約し、機動的かつ迅速な意思決定を行う組織体制を再編整備した。これにより、美容事業を取り巻く事業環境の変化への対応力を強化するとともに、各部門が持つ特色を互いに活かした人財交流を活性化することで新たなサービス創出を促す。また、人財採用の一元化と育成プランのナレッジ・ノウハウ共有を進め、人財配置の最適化を図る体制整備を行うことで、美容師の確保という美容事業の重要課題をクリアしつつ、マーケティング力や販促企画力の強化も図る。
(2) 和装宝飾事業
和装宝飾事業は和装部門、宝飾部門、毛皮部門で構成している。和装部門は、同社と子会社すずのきが呉服和装品専門店を中心に全国に98店舗を展開し、和装品などの販売だけでなく、前楽結びなどの着付教室、きものパーティーなどのイベント開催、着用後のアフターフォローなど、きものを通して和装文化の情報発信も行う。同社が、呉服和装の実店舗として全国で「東京きもの愛-Aiko-」「きもの京都」「kimono錦」「きものの錦」「京のきもの屋 四君子」「ら・たんす」「きもの日本橋 かのこ」の7系列を、子会社すずのきは、東北・関東・中部エリアにおいて実店舗として「すずのき」「絹絵屋」「たまゆう」の3系列を展開している。加えて、同社は、オンラインショップとして「yorimichi KIMONO」「和ne Dess(わんどれ)」も運営している。
宝飾部門は、同社が関東を中心に宝石・貴金属・時計の専門店チェーン「YAMANO JEWELRY」「サトウダイヤモンドチェーン」の2系列を展開している。毛皮部門は、ファー・レザーの専門店「ユキベルファム」を4店舗展開している。
(3) DSM事業
同社の訪問販売・催事販売関連部門が販売を行っている。洋装品を中心とした展示販売会や訪問販売によるダイレクトセールスを全国32拠点で展開している。取扱商品はアパレル、毛皮、レザー・コート、バッグなどの洋装品、ジュエリー、着物、ウィッグ、健康商材、ミシンなど幅広いラインナップを揃える。訪問販売のみでは難しい品揃えを、ジュエリーフェア、きものパーティーなど、テーマを絞った催事・展示会を随時開催して提供する。また、ブラザー販売特約店である各店舗では、親子ミシン教室、キルト教室などを随時開催し、ミシンを使った「ものづくり」を提案している。
(4) 教育事業
同社の成長戦略の方向性を「モノ」から「コト」へ移行を進めるなかで教育事業へのM&Aを開始し、2020年3月にマンツーマンアカデミー、2022年5月に東京ガイダンス、2023年12月に灯学舎を子会社化した。各社ともやる気スイッチグループ「スクールIE」のFC加盟店事業を主力とするメガフランチャイジーであり、重要なFC加盟店オーナーとして個別指導教室を展開している。同社グループの学習塾ビジネスは、この3社で66教室と首都圏を広くカバーしている。同一FC加盟店なので、3社間での事業運営ノウハウ・人財採用・育成プランの共有や、システムの共通化、相互の講師派遣などによるサービス向上を図り、販売管理コストの削減効果による収益力向上のシナジーも期待できる。
(5) その他事業
その他事業は、OLD FLIPの運営するリユース事業、ヤマノセイビングの運営する前払式特定取引業、日本技術技能教育協会の運営する着物着付教室で構成している。ヤマノセイビングは、組織する友の会を通じて顧客がDSM商品を購入した場合の取次手数料を収益としている。
リユース事業には、2022年6月にOLD FLIP(2018年設立)を子会社化することで参入した。店舗及び催事会場での古着の買取・販売を行うほか、BtoBでの古着卸売も行う。気軽に立ち寄れる安さ、商品の豊富さを提供する「ゴー!ゴー!古着」をマルイなど商業施設の中に6店舗、厳選された商品展開による古着のセレクトショップ「recollect(リ:コレクト)」を東京有明ガーデンに展開するほか、ポップアップストアなどで短期の催事販売も行う。また、仕入商品の一部をBtoB取引に活用することで、店舗販売・卸販売の両輪で安定した販路を確保しつつ、商品廃棄ゼロを目指す。2023年には、同社グループ店舗や協賛先に設置された衣料品回収ボックスを通じて回収されたリユース着物のリメイクブランド「zivun(ジブン)」を立ち上げ、帝国ホテルやラフォーレ原宿でポップアップストアを開催した。さらに、イトキン(株)と協力し、イトキンの倉庫に眠る商品を新たなデザインでリメイクしたD2Cブランド「re:mine(リマイン)」と「zivun」がタッグを組み、新しい商品を作っていくことを公表した。同社グループに加わることで、グループ会社や他社とのコラボレーションが進み、グループ全体での販売チャネル多様化も期待される。古着のアップサイクル、サーキュラーエコノミーを促進し、変化する消費者ニーズに対応するとともに、持続可能なサプライチェーンの実現に向けた取り組みを進め、グループの企業価値向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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