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株価指数先物 【週間展望】 ―米国市場や為替市場を睨んでの展開

配信日時:2024/12/01 17:04 配信元:MINKABU
 今週の日経225先物は、引き続き米国市場や為替市場を睨みながらの展開が見込まれる。感謝祭明け29日の米国市場は短縮取引であったが、米経済に対する楽観的な見方を背景にNYダウ、S&P500指数が最高値を更新した。また、米長期金利の低下を追い風に半導体株の一角が買われ、ナスダックは反発した。  12月の米連邦公開市場(FOMC)で利下げが見込まれる一方、29日に発表された11月の東京都区部消費者物価(CPI)が市場予想を上回ったことで、為替市場では12月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ観測が高まった。円相場は心理的な節目の1ドル=150円を突破し、149円台で推移。日銀の植田和男総裁が米国経済の動向を見極めたいとの見解を示していることもあり、今週発表される米経済指標の結果次第で一段の円高に振れる可能性も警戒されそうだ。  なお、今週はFOMCのブラックアウト期間入りを前に、ウォラーFRB理事、パウエルFRB議長らの発言機会が予定されている。FRBが26日に公表した議事要旨に沿った発言内容であれば、円高が一服する可能性もあるため、内容次第で下値は堅くなるとみられている。  また、米国では29日は年末商戦が本格的に始まる「ブラックフライデー」であり、実店舗の販売は伸び悩んだが、EC販売は好調のようだ。なお、全米小売業協会は、11月から12月にかけての年末商戦の売り上げは前期比2.5%~3.5%増と見込んでおり、6年ぶりの低い伸び率となる。良好な消費が確認されれば、米経済にとってポジティブであり、株式市場の支援材料になる可能性はある。  もっとも、米経済の楽観的な見方は米国市場を押し上げる一方で、東京市場への効果は限られそうで、引き続きトランプ次期米大統領が目指す対中関税などの影響が警戒されやすい。特に先週はトランプ氏のSNSへの投稿が相場を大きく動かした。今後もトランプ氏のSNSへの投稿によって相場の変動率が高まる可能性があり、積極的にはポジションを傾けにくいだろう。  先週の日経225先物は、米国株高の流れを受けて週初25日に一時3万9080円と節目の3万9000円を回復した。ただし、その後はトランプ氏のSNS投稿をきっかけとした円高加速などが嫌気され、28日には3万7650円(ナイトセッションを含む)まで売られる場面もみられた。売り一巡後はリバランスにより節目の3万8000円を回復したが、週末は感謝祭による休日で海外勢のフローが限られ、3万8000円を挟んで膠着感の強い相場展開だった。  週明けの日経225先物は、29日の米国市場の上昇を受けた反発が見込まれる。3万8000円を下回る局面では押し目待ち狙いのロングが入りやすく、下値の堅さが意識されやすいだろう。一方で200日移動平均線(3万8410円)のほか、25日線(3万8710円)辺りが抵抗線になりそうだ。反応は限られるとはいえ、米国市場の先高期待が支援材料になるため、先週の調整に対するリバランスの動きが期待され、75日線(3万8160円)辺りでの攻防から、まずは200日線を狙ったロング対応へ向かわせよう。  オプション権利行使価格では3万8000円から3万8700円のレンジを想定する。レンジを割り込む局面ではボリンジャーバンドの-2σ(3万7710円)水準が支持線として機能するとの見方から、同水準に接近する局面ではその後のカバー狙いのスタンスとなろう。  また、ドル・円は200日線が位置していた152円を明確に割り込んだことで、75日線(148円40銭)辺りが目先的なターゲットになろう。円高が加速するなかではショートが入りやすいとみられるものの、3万8000円割れの水準では押し目待ちの買い意欲の強さもみられており、ショートを積み増す動きは控えたい。  29日の米VIX指数は13.51(前日は13.90)に低下した。14日につけた直近安値(13.59)を下回り、7月半ば以来の水準まで下げてきた。5月下旬につけた11.86が意識されてきており、米国では年末高を意識したリスク選好が強まろう。足もとで調整を継続しているエヌビディアは、75日線水準までの調整を経て自律反発の動きをみせた。対中関税が警戒されて調整が続いている半導体株を買い戻す動きが強まるようだと、日経平均型の支援材料となろう。  先週のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に低下した。東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが、日経平均型の重荷となった。円高進行を背景に輸出関連株も売られたが、リスク回避から内需系が底堅い値動きをみせるなかで相対的にTOPIX型優位だった。足もとでは200日線(14.28倍)、75日線(14.31倍)、25日線(14.34倍)が抵抗として意識されやすく、これらを突破するまではトレンド転換は期待しづらく、NTショートに振れやすい。ただし、一段と円高に振れるようだと、NTショートによるスプレッド狙いを難しくさせよう。  11月第3週(11月18日-22日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりの越しであり、売り越し額は4113億円(11月第2週は491億円の買い越し)だった。なお、現物は3300億円の売り越し(同1521億円の買い越し)と3週ぶりの売り越しであり、先物は812億円の売り越し(同1029億円の売り越し)と2週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で1758億円の買い越しで2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で200億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。  主要スケジュールでは、12月2日に7-9月期法人企業景気予測調査、中国11月財新製造業PMI、米国11月ISM製造業景気指数、3日に米国10月JOLTS求人件数、4日に米国11月ADP雇用統計、米国11月ISM非製造業景気指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、5日に米国10月貿易収支、6日に10月全世帯家計調査、10月景気動向指数、米国11月雇用統計などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 12月限 日経225 32639.57  TOPIX  2343.77 01月限 日経225 36025.97  TOPIX  2513.46 02月限 日経225 37018.07  TOPIX  2563.93 03月限 日経225 39863.92  TOPIX  2716.15 04月限 日経225 39820.59  TOPIX  2766.89 05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75 06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56 07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54 08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68 09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41 10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72 11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 24/12 11月29日  38370  38440  37990  38170  -210 24/12 11月28日  38110  38490  37650  38380  +280 24/12 11月27日  38400  38530  38000  38100  -390 24/12 11月26日  38740  38880  38030  38490  -250 24/12 11月25日  38350  39080  38050  38740  +400 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 24/12 11月29日  2687.0  2693.0  2668.0  2679.0  -9.0 24/12 11月28日  2665.0  2692.5  2638.5  2688.0  +23.5 24/12 11月27日  2690.0  2696.5  2653.5  2664.5  -29.0 24/12 11月26日  2711.0  2723.5  2670.0  2693.5  -17.5 24/12 11月25日  2699.0  2735.5  2680.5  2711.0  +12.5 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日大阪比 11月29日(12月限) 38300  +130 11月27日(12月限) 37810  -290 11月26日(12月限) 38330  -160 11月25日(12月限) 38795  +55 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 11月22日    3445億円  +184億円 1兆9214億円  +4881億円 11月15日    3261億円  +540億円 1兆4332億円  +400億円 11月08日    2720億円  +513億円 1兆3932億円  +1980億円 11月01日    2207億円  +518億円 1兆1951億円  -812億円 10月25日    1688億円  -85億円 1兆2764億円  -6063億円 10月18日    1774億円  +71億円 1兆8828億円  -1484億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 11月27日    9963万株    +23万株  8億0423万株   -3364万株 11月26日    9939万株    +10万株  8億3788万株   -272万株 11月25日    9928万株    +93万株  8億4060万株   +1350万株 11月22日    9835万株   +322万株  8億2710万株   +1億0362万株 11月21日    9513万株    +93万株  7億2347万株   +8176万株 11月20日    9419万株   -0.7万株  6億4170万株   -523万株 11月19日    9420万株    -6万株  6億4693万株   +5432万株 11月18日    9426万株   +226万株  5億9261万株   +577万株 11月15日    9199万株   +1253万株  5億8684万株   +1689万株 11月14日    7946万株    +12万株  5億6994万株   -1092万株 11月13日    7934万株    -52万株  5億8087万株   +783万株 11月12日    7987万株   +158万株  5億7348万株   +31万株 11月11日    7828万株   +237万株  5億7317万株   -83万株 11月08日    7591万株   +1693万株  5億7400万株   +430万株 11月07日    5898万株    -24万株  5億6970万株   +2667万株 11月06日    5922万株    -99万株  5億4302万株   -351万株 11月05日    6022万株   -438万株  5億4654万株   +2121万株 株探ニュース

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